HKT48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

18thシングル“僕はやっと君を心配できる”は強い意志で新たな未来を謳う決意表明ソング。

HKT48が18thシングル『僕はやっと君を心配できる』を9月11日にリリース。表題曲は「誰しもが抱える孤独・葛藤・不安は自分で打ち破っていくしかない」という普遍的なテーマをグループの今と重ね、新たな未来を謳う決意表明ソングとなっている。今回のインタビューではカップリング曲“こんな時代に…”、“Lonely Subway”、“最強アイドルよろしく!”にまつわることもあわせて、石橋颯、竹本くるみ、梁瀬鈴雅の3人に話を訊いた。

■ニューシングルは夏の終わりのリリースとなりますが、みなさんの出身地の夏といえばなんですか?

梁瀬 私は神奈川県出身なんですけど、川崎大師の夏祭りに行くのが家族の毎年のルーティンになってます。そこで地元の友達に会うことも多いので、それも楽しみになっています。

竹本 私は東京なんですけど、学校の池で蛍を飼っていて、夏休み中には夜にも学校が開放されて、近所の人が蛍を見に来ます。夏休みでもいろんな人と会えてちょっと嬉しくなります。

石橋 近所の夏祭りが近くなると、公民館を借りて、みんなでポスターに絵描いたりとかするんです。その時に近所のおじいちゃんやおばあちゃんが、いっぱいお昼ご飯を食べさせてくれるんですよ。流しそうめんとか、おにぎりとか。それが福岡の地元の夏ならではだったなと思います。

■かなり各地の特色が出ましたね。(笑) HKT48はメジャーデビューから12年ほどになりますが、これまでの活動で一番「壁」を感じたことはなんですか?

竹本 加入初期の頃に九州ツアーがあったんですけど、全会場に出演する選抜メンバーと、数か所しか出演できないメンバーがいて、選抜メンバーに選ばれなかった時に、「これからどうなっちゃうんだろう?」というのを感じました。

梁瀬 私は身長が170センチあるんですけど、グループに入った当初は知名度もあんまりないじゃないですか。みんなで並ぶ時にも一番身長が高いから、撮影の時も後ろに並ぶことが多くて……壁を感じました。

石橋 私はお披露目の時からセンターでやらせていただいていたんですけど、他のメンバーが先に選抜に入ったりすると、「きっと期待に応えられなかったんだな……」という壁をすごく感じていました。

■人数も多いし、本当にいろんな壁がありますよね。そして新曲“僕はやっと君を心配できる”ですが、ものすごくメッセージ性の高い曲になりましたね。この曲は何か特定の出来事があって生まれた曲なんでしょうか?

竹本 そのあたりは私たちにもわからないんですけど、HKT48に向けたメッセージがすごく入っているなと思う所があって。「諦めてしまったら今のままだ」とか、「外に出ろ!」とか、「もう一度声を出そう」とか……今のHKT48に「もっと頑張れ!」という気持ちが込められているんだろうなと思いながら歌っています。

梁瀬 自分たちはアイドルとして、曲を聴いてくださるみなさんに何かメッセージを届けることが活動の芯にある部分だと考えているので、こうやってメッセージ性の強い歌を歌うことができると、歌詞に思いを乗せて、曲を聴いてくださるみなさんに想いを伝えることができるなと感じます。この“僕はやっと君を心配できる”は、いろんな解釈ができる曲なので、こうして私たちもいろいろ考えながら、メンバーそれぞれで解釈して、それぞれに伝えたいことを聴いてくださるみなさんに伝えられたらなと思っています。

石橋 この曲は聴く人によっていろんな捉え方ができると思っていて。自分の精神状況によっても全然違う意味の唄になってくるんだろうなと思います。私は大サビの「僕らには何もないけど~」からの4行がすごく好きなんです。「本当の愛を見つけるまでみんなで頑張ろう!」と感じられるので。HKT48にも時間はないようでいて、きっとあるので、ファンの方たちと一緒にみんなでどこを目指して行きたいのかを伝えられたらいいなと思います。

■この曲の中で特にメッセージを込めたい所を教えてください。

梁瀬 私は最後の「生きてさえいればいい」のところが1番好きです。私は過去の経験で、病気でずっと寝たきりの生活を送っていたこともあるので、やっぱりこういう「外に出ろ」とか、「生きる意味」とか、そういう歌詞を歌うことで、自分の経験を通しても何か伝えられることがあるのかなと思います。

竹本 私は「編集されたニュースのように そこにあるのが真実じゃない」というところが好きなんですけど、外から見たら明るいニュースでも、実は内側はそうじゃなかったりすることもありますし、日常の中にも理不尽なことってたくさんあるじゃないですか。そう思うので、こういう歌詞があるからこそ、救われる方がたくさんいるんじゃないかなと思いました。

石橋 私は「違う角度から見上げる空 晴れてないだろう?」の歌詞がすごく響いて。見る人によっては違う景色が見えるので、無理にみんなに合わせようとしなくてもいいんじゃないかなと思いました。

■この曲はどんな人に届いてほしい曲ですか?

竹本 進路で悩んでる方とか、人間関係が上手くいかない方とか、仕事でも上手くいかなかったり、苦しんでいる方とか、悲しんでいる方にすごく刺さるんじゃないかな。問いかけが多い歌詞なので、「世の中って捨てたもんじゃないだろう?」という所にすごく勇気がもらえると思います。

梁瀬 やっぱり人間って常に何か苦しみだったり、悲しみだったり、不安だったりを抱えていると考えているのですが、その中で、何か行動に出たいとか、1歩踏み出したいけど勇気が出ないとか、そういう「あと一歩」のところで勇気が出ず踏みとどまってしまってる方の背中をそっと押してあげられるきっかけになるような曲になればいいなと思います。

石橋 無理に自分の気持ちを押し殺して頑張ってしまう方もたくさんいると思うので、そういう方が聴いて、少しでも心をスっとしてくれれば。いろんな考えの方もいるんだよ、って感じで聴いてもらって、少しでも肩の力を抜いてもらえればなって思います。

■楽曲の中では「悲しみを癒すのは愛」とありますが、あなたが誰かの愛に悲しみを癒されたエピソードなどはありますか?

石橋 うちは家族の仲がすごく良くて、お姉ちゃんが二人いるんですけど、私は結構お姉ちゃん子なんです。苦しいことがあったりしたら必ず家族に言うのですが、昨日も2時間ぐらいお姉ちゃんとビデオ通話をして、その時にふとお姉ちゃんが「悩んどう時、お母さんとお父さんに言えんと思ったら、ねねにだけ言っていいよ」と言ってくれて……。

■それはまさしく「愛」ですね。

梁瀬 「知らない方から急に受ける愛」もあるじゃないですか。私、1回トラブルに巻き込まれてしまったことがあるんですよ。その時に知らないお姉さんが前に出てくれて、「行っていいよ、ここは私が収めておくから」と言われて。やっぱり初対面の人にも施せる愛が1番グッとくるものがあります。

竹本 今、父がひとりで暮らしているんですが、やっぱり寂しいなと思うことがありまして。それで私、お酒のグラスを作る体験があったので、お酒が好きな父にグラスを作って贈ったんです。そうしたら、そのグラスを使う度に「今日もお酒が美味しいよ」と連絡が来るようになりました。

■癒し系のお父様ですね。(笑) さて、楽曲の中では「この部屋で語っていても意味がないから外に出ていけ!」ということを歌っていますが、これまでの活動で想像と現実が違ったことはありますか?

石橋 私自身、アイドルって「明るく笑顔で」というイメージなので、ファンの方たちにはそういった姿しか見せないように心がけているんですけど、逆に受け取られてしまうこともあるし、そういう時はすごく悲しくなります。でもファンの方たちが私たちの笑顔で「元気になる」と言ってくれるので、想像と違ってもそれでいいと思います。

梁瀬 アイドルの理想と現実が違うことはたくさんあるんですけど、それとはまた違うことで言うとすると、自分はグループに入ったことで、アイドルは想像以上にたくさんの方に支えられてることを知りました。いろんな方の支えがあって成り立っている活動なんだろうとは理解していたんですけど、本当に想像以上の方たちの協力があります。あと、私のことを応援してくださる方がたくさんいらっしゃって、すごくありがたいですし、本当にアイドルってすごい職業だなと思います。

竹本 私自身もアイドルを応援していたので、ステージで見る推しメンはどこにいてもすごく輝いて見えて、どこに行っても推しメンしか見えていなかったんです。でも、実際に自分がアイドルになってみて、自分の立ち位置が後ろになったり、序列が下がったりしたら、こんなにも落ち込むものなんだなと思ってしまって……。それで落ち込んでパフォーマンスが悪くなったらダメだと思うんです。自分がアイドルを推していた時は、そんなことなど気にしないで普通に推しメンのことを見ていたので、初心を忘れずに頑張りたいなと思いました。あと、握手会とかも、自分がアイドルを推していた時は「私ひとりの力なんて……」と思っていたけど、実際は1回だけでも来てくれた方は覚えていますし、ひとりのファンの方の姿が見えなくなるだけでも悲しくなるので、そこに想像とのギャップを感じましたね。

■やはり想像と違うことはたくさんありますよね。MVはどんな仕上がりになりましたか?

石橋 今回は割とソロシーンが多くなっています。でもやっぱり楽曲のメッセージ性が高いので、今までHKT48というと明るい感じのMVが多かったんですけど、泣き叫ぶシーンがあったり、新しいHKT48のMVになったなと思います。

梁瀬 メンバーそれぞれが悩みや不安を抱えている中で、それぞれが思い立って行動して外に出ていく……という構成になっているんですが、私のシーンでは、ピアノを「バン!」と叩いて外に出るというシーンがあります。本当はそんなの良くないことなんですけど、自分自身でも昔、実際にそれをやってしまったことがあって。そのことを監督には話していないのに、このピアノのシーンがあったので、自分の経験を映像に残して伝えられるのが嬉しかったです。

竹本 HKT48でこういうちょっとシックでカッコいい系の曲は、“「3−2」”以来かなと思います。今まで明るい曲が続いていたので、普段は見られない表情も見られるんじゃないかな?あと、7期生が本当に可愛くて、シリアスな表情をしなきゃいけないんですけど、撮影時にはみんな笑っていて、本当に癒されて頑張れました。(笑)

■それは可愛いですね。(笑) MVのメイキング映像も楽しみですね。ところで今作の楽曲にちなんで、メンバーやグループのことで「ちょっと心配なこと」はありますか?「あの人エナジードリンク飲みすぎじゃない?」みたいなのでもOKです。(笑)

石橋 エナジードリンクはまさに……。(竹本を指さして)

竹本 いや、私、最近までは毎日のように飲んでいたんですけど、今はビタミンCにしています。(笑)

■ビタミンCドリンクを飲んではいるんですね。(笑)

石橋 心配なこと……なんだろうね?後輩たちもすごく成長が早いんです。

竹本 結構期ごとに特色が出ていて、5期生は子ども組と大人組で幅広くワチャワチャという感じなんですけど、6期生は全員が大人っぽくて、7期生はもう可愛くて。(笑) 今までは6期生に落ち着いた子が多かったので、7期生の可愛さが新鮮で、これからの楽屋が心配でもあり、楽しみでもあります。

梁瀬 すごく個人的なことになるんですけど、私のキャッチフレーズが「令和のレイア姫」なんですね。でも最近キレ芸というか、ブチギレる役をよく当てられるんですよ。そうしたらキレる系のキャラが板についてきちゃっていて、「姫」じゃなくなってきちゃっているのがちょっと心配です。(笑)

■でも姫もキレますよ、怒れる姫って最近人気ですからね。(笑) ところで今日はカップリング曲についても伺っていきたいのですが、まずは“こんな時代に…”について、好きなところを教えてください。

梁瀬 好きなところは本当にたくさんあるんですけど、こちらもメッセージ性が強い楽曲になっています。この曲の歌詞が来た時、私が今悩んでいたことが歌詞にそのまま出てきてびっくりして、もう全部がお気に入りというか、この曲に私自身が背中を押された感じでした。