HKT48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■改めて等身大になってみるのもいいことですね。それでは歌詞にちなんで、「何歳になっても失いたくないもの、続けたいこと」はありますか？

江口　感謝の気持ちはずっと忘れたくないです。今こうしてアイドルでいられるのもファンのみなさんや、周りの方がいるおかげなので、大人になっても感謝の気持ちを忘れずに、当たり前のことを当たり前だと思わずに頑張ろうと思います。

市村　遊び心を持っていたいです。HKT48のメンバーとスタッフさんは、みんな持っていると思うんですよ。でもやはり、ファンの方は私たちのしたいことや、楽しいことをいつも全力で受け止めてくださっているから、一番遊び心を持ってくださっているのかなとも思っていて。ですので、遊び心を持っていたら何事も楽しめるのではないかなと考えています。

豊永　小さい頃、誰しも大人に対して「なんでみんな昔は子どもだったのに、子どもの気持ちがわからないんだろう？」と考える時期があったと思うのですが、私は小さい頃から「絶対にこの気持ちを覚えたまま大人になるぞ！」と心に誓っていたんです。(笑)　でも25歳になった今、中高生と一緒のグループになって話を聞いていると、子どもの頃の気持ちを忘れていないつもりなのに、年下の子たちがほんの些細なことに心を痛めていたり、悩んでいたり、すごく喜んでいたりする様子を目の当たりにして、「あ、こういう気持ち、忘れているな」と思ってしまいます。物分かりが良くなっているわけではないのですが、周りを見ることができるようになることで、逆に見えなくなることもあるのかなと思い、最近は年齢の低い子とコミュニケーションを取って、子どもの頃の気持ちを忘れないようにしようと心がけています。

地頭江　私は「諦めないこと」です。これは一度失っているものでもあるのですが、「諦めている」というよりは、「もういいか」と、期待することをやめる時期があるじゃないですか。期待したら、できなかった時に辛いから。ですが、“半袖天使”の歌詞を読んだ時、「欲しいものは欲しいと言おう」、「思ったことは素直に言おう」、「好きなことは口に出していこう」と改めて思ったんです。今回のシングルでは、山内祐奈ちゃんが12年目で初めて選抜に入ったことが、嬉しいというか、すごすぎてわけがわからなくて。私たちは祐奈ちゃんのことを一番近くで見て来ていますし、祐奈ちゃんが思っていることを表情から汲み取ってきていたつもりでしたので、本当に感動しました。一方で2期生の秋吉優花さんは今回選抜に入れなかったのですが、そのことに涙を流しながら「悔しいから、また頑張ろう」と言っていて、それに強い刺激を受けました。長い期間やっているからこそ、手を抜いてはいけないし、ひとつひとつをあきらめたらいけないということを、未だに先輩方から学ばせていただいています。私は四半世紀生きていますが、もう一度自分を見つめ直そうと思いました。

梁瀬　私は「明日を楽しみに思う気持ち」です。コロナ禍があって、大げさかもしれないのですが、世界から楽しみなことが消えて、不安な気持ちしか無い状況になって。そんな時に出会ったのがHKT48でした。私はHKT48に生きる喜びと楽しみを貰って頑張れたので、自分もそういう立場になりたいというか、憧れられる人間になりたいと思ってグループに入りましたし、その気持ちを忘れてはいけないなと思っています。生きていると、嫌だなと思うことや、もうダメだと思うこともありますが、「HKT48のライブに行くまで頑張ってみよう」と思ってくださる方がいたら、私たちもそのために頑張れますし、お互い「楽しみなことがあるから頑張ろう」と思えるような人になりたいです。

■みなさん本当に素敵だと思います。歌詞にちなんで、いつもすれ違うだけだけど、ときめいている、気になっているけど手を出せないものはありますか？

地頭江　福岡には西鉄バスが走っているのですが、それに乗っている時に、一度何気なく運転席の方を見たら、運転手さんが私のファンだったようで、私の生写真を飾ってくれていたんです。それって「これから頑張ろう！」という時に、私の写真を見てくれているということですよね。その後ろに本物の私がいたんですけど。(笑)　それから一度もその運転手さんには出会っていなくて、バスに乗る時はいつも運転席をチェックしてしまいます。(笑)　

江口　ちょっと気持ち悪いかもしれないのですが、私は「歯並び」が好きなんです。(笑)　歯が綺麗な人が好きで、鈴雅ちゃんの歯が好きです。笑った時に綺麗に見える歯がいいなと思って、憧れています。

市村　私は福岡に住んで7年くらいになるのですが、福岡で花火大会に行ったことがないんです。毎年「今年こそは行こう」と思うし、花火にもときめくし、ちゃんと浴衣も家にあるのですが、毎年暑さと人混みを見て諦めてしまうので、今年の今年こそは、絶対に行こうと決めました！

梁瀬　私はとても楽器が好きで、楽器集めが趣味なのですが、やっぱり新品の楽器は何十万円もして手が出せず、今まで中古しか買ったことがないんです。でも、街にある楽器屋さんのショーケースに並ぶ新品の楽器は異様にキラキラしていて、いつも20～30分くらい眺めてしまいます。それくらいときめいていますね。

豊永　最近、HKT48の中から文学作品の朗読をオーディオブックで販売するという新しいコンテンツに参加させていただいたのですが、私は本を読むのが好きではありつつも、多くを読むタイプではなくて、好きな作家さんの作品だけにのめり込んで読むタイプなんです。今までいわゆる「純文学作品」に触れてこなかったのですが、オーディオブックの収録で読ませていただいたのが、川端康成の『舞姫』でして、難しい作品でありつつも、読んでみると面白くて、発表当時の時代のこともわかるし、読み解いていくうちに、久しぶりに「勉強したな」という感覚になり、テンションが上がりました。それから図書館に行って、文学作品を読もうと思ってから、早数ヶ月経っています。(笑)

■純文学はなかなか腰が上がらないのもわかります。(笑)　さて、新曲“半袖天使”ですが、この曲は今後のHKT48の中で、どんな位置づけになっていくと思いますか？

豊永　令和版の“12秒”になってほしいなと思います。今、“12秒”は切り札的な位置にあると思っていて、曲の輝きもそうですし、思い出も含めて、ここぞという時に使えるカードでもありつつ、フラットな場面でも使える楽曲というのが特性なのですが、“半袖天使”にもそうなっていくポテンシャルや要素があると思います。そういう役割になっていったら嬉しいなというか、していきたいなと考えています。

■最後に、ファンのみなさまにはこのシングルをどんなふうに楽しんでいただきたいですか？

梁瀬　今回は発売が7月23日と、夏が始まるタイミングでのリリースになり、イベントもきっとたくさんありますし、そこでこの曲を歌うこともたくさんあると思いますので、本当に夏を楽しんでほしいです。私も歌詞にあるように、愛と純粋さを失わず、心から純粋に夏を楽しむので、みなさんもHKT48と一緒に楽しんで欲しいなと思います。そして私たちはこのシングルでより気を引き締めて、全メンバーで盛り上げて頑張っていきたいです。

江口　“半袖天使”は、HKT48らしさがよく出ている楽曲だと思いますので、この曲を本当にたくさんの方に知っていただけるように、メンバー全員でSNSだったり、自分でもできることを頑張りたいし、イベントでもたくさん披露できる、愛される楽曲になれるようにみんなで力を合わせたいです。ぜひたくさん聴いてください！

市村　コールなどで盛り上がれる曲だと思うので、メンバーとファンのみなさん全員と全力で楽しむ楽曲にしたいです。この1曲でメンバーの様々な表情が見られますので、可愛さも含め、いろんな表情を楽しみながら見ていただきたいなと思っています。

豊永　ライブになると曲の印象もまた全然変わると思いますし、そちらの方がメインになっていくと思うので、ファンのみなさんと作っていくこの楽曲が新鮮で楽しみです。振付けも本当にキャッチーで可愛くて、それでもちょっと大人っぽさのあるものになっているので、パフォーマンスとしてみなさんにお届けできる日を待ち遠しく感じています。思いがけない形でどこかに羽ばたいたら嬉しいなとも思います。

地頭江　多分、数年ぶりの夏曲なので、今年の夏はこの曲とともに過ごす夏になると思います。夏が終わった後、ファンのみなさんがこの曲を聴いた時に浮かぶ思い出がひとつでも多かったらいいなと考えていまして、HKT48と夏は相性がいいですし、夏楽曲とも相性がいいので、みなさんの思い出に残る曲になったらいいなと思います。

Interview ＆ Text：安藤さやか

PROFILE
SKE48、NMB48に続いて誕生した、福岡県福岡市を拠点に活動するAKB48の姉妹グループ。2011年10月に埼玉・西武ドームで行われたAKB48の全国握手会にて1期生がお披露目された。翌11月に福岡・ホークスタウンモールのHKT48劇場にて「手をつなぎながら」公演がスタート。2013年3月1日にシングル『スキ！スキ！スキップ！』でCDデビュー。同年12月31日には「NHK紅白歌合戦」に単独で初出演した。19枚目シングル『半袖天使』では、2016年7月に加入以来、約9年を経て、HKT48の中心メンバーに成長した4期生・地頭江音々が初のセンターポジションを務める。また、2013年3期生としてHKT48に加入した山内祐奈が悲願の初選抜、そして大分県出身14歳の猪原絆愛も初選抜メンバーに抜擢された。
http://www.hkt48.jp/

RELEASE
『半袖天使』