『I’Rink 1st One Man Live〜First Link〜』ライブレポート@BLAZE GOTANDA

卒業と始まりと、生バンド。

2026年4月3日、6人組アイドルグループI’Rinkが『I’Rink 1st One Man Live〜First Link〜』を開催した。生バンド演奏で彩るステージ、サポートメンバー2人の卒業、そして新たなる始まり。すべての瞬間がリンクした、一夜限りの感動をお届けする。オープニングアクトを飾ったのは、I’Rinkの姉妹グループである「Anluce♡Sugar」。「お世話になったI’Rinkに恩返しをしたい」と語りつつ、ポップなメロディを2曲お届け。フロアに甘い余韻を残しながら、本編への期待を一気に高めた。照明が落ち、空気の澄んだ音色が特徴のSEが鳴る。颯爽と姿を現したのは、ファーストワンマンの舞台に立つ6人……ではなく、ブラックの衣装に身を包んだバンドメンバーたち。今日、I’Rinkはデビュー3カ月にして、生バンド編成でのステージに挑戦する。いよいよメンバーが1人ずつ舞台へ。記念すべき日は、輝かしい未来への第一歩にふさわしい“シンデレラストーリー”で幕を開けた。桜みりんの「最高の1日にしましょう!」の声とともに、ギター・ドラム・ベース・キーボードの王道構成による生音が鳴り響く。メンバーも負けじと、持ち前の歌唱力でパフォーマンスの熱を押し上げていった。

MCでは「もうちょっとだけ前に詰めてください!」とメンバーから声がかかる。なんといっても、本日はソールドアウト公演。華金である19時の五反田には、今まさに続々とファンたちが詰めかけている途中なのだ。徐々にフロアの行き場が失われていくお祭り感も、会場のボルテージを上げるのに一役買っていた。生バンド演奏については三葉みゆが「歌っている時にも、後ろから迫力を感じます。みんなの声が聞こえないから、もっと叫んで!」と、今日ならではの煽りでオーディエンスに火をつけた。ここからI’Rinkは、撮影可能曲を2連続で披露。“見つけて見つめて!!”では、小指をそっと差し出す仕草など、写真映えたっぷりの振り付けが次々と繰り出された。1列に綺麗に並ぶ場面もあり、グループショットを狙うカメラが一斉に向く。勢いのまま“トイラブスイッチ”が鳴り響くと、ファンに一つの試練が訪れる。この曲はサビで一緒に手を振って踊れるだけでなく、豊富なジャンプタイムもちりばめられているのだ。撮影タイムに徹するか、それとも一緒に身体を動かすか。それぞれの選択を迫られながらも、自由に楽しむファンたちの様子が印象的だった。

MCになると、そんなファンたちに向けてご褒美のような報告が。なかなか決まらなかったという「ファンネーム」の発表がおこなわれた。気になる名称は「きゅーぴっと」。決めたのは桜みりんで「愛をつなぐのがコンセプトのI’Rink、その架け橋である存在のあなたたちは“きゅーぴっと”です」と理由も明かしてくれた。I’Rinkに新たな歴史が刻まれたこのタイミングで、前身グループ「iSPY」のデビュー曲である”STAGE!!”の演奏が開始。真似しやすい振り付けが特徴で、2番からは一緒に手を挙げる観客が増えていた。「サインボールを投げちゃいますよ!」の一言とともに始まったのは“夏色ラムネ”。サビのたびに2人が前に出てボールをフロアへ投げ込む、ワンマンらしい演出で会場を盛り上げた。こはねも投球へチャレンジするも、真下にしかボールが飛んでいなかった。ステージの空気が温まる中、三葉みゆ・夏川みずきの思い出を辿るショートムービーが流れ出す。サポートメンバーである2人は、本ステージを最後に卒業が決定している。映像が終わると、新たな道を歩むメンバーを祝福するがごとく、I’Rink屈指の卒業ソング“君について”が流れ出した。キャッチーなリフレインが特徴のサビで、一斉に明るくなるステージライト。全員の晴れやかな表情が、フロア後方からでも鮮明に浮かび上がった。

一瞬の静寂を挟み始まったのは、キーボードによる独演。穏やかなメロディが響くなか、途中で“パノラマ”のイントロへのつなぎだと気付いたファンからは「おお……」と息が漏れていた。全員が空に手を伸ばし、ゆっくりと何かを掴みとるパフォーマンスに見惚れているうちにMCへ。「もう泣いている人がいる!」ときゅーぴっとたちをイジる6人。続いては、事前にSNSでおこなっていた「バンド生演奏をするなら、どの楽曲を聴きたい?」のアンケートで、投票1位になった曲をお届けする時間。「準備運動した方がいい!」「飛ぶ準備はできてる?」などメンバーからの前フリを経て、飛び跳ね大歓迎の楽曲”Starlight Signal”が披露された。ステージの雰囲気がさらに加速したのは、バックバンドを従えた夏川みずきによる「声出せんのかよー!」という煽り。続けて「お前ら全員、I’Rinkにかかってこーい!」と腹の底から出た声に観客が応えると、ダークポップソング“決意の虹”が流れ出す。

これまで華やかなイメージであたりを照らしていたライトが、深紅のような色合いに変わりメンバーを包む。歪みきったギターの音色に乗り、表情もどこかニヒルに見えるメンバーたちの姿が愛おしい。激しく舞い踊る彼女たちだったが、ラスサビではシンプルに拳を掲げる動作を誘い、ファンと一つになっていった。最後は4楽器のユニゾンにメンバーがノリながらフィニッシュ。生バンド×I’Rinkが織りなす、唯一無二の空間を作り上げた。今日の6人は、とことんファンと一緒に歌って踊るつもりらしい。次に流れ出したのは、サビで大ジャンプを楽しめる楽曲”青春Shower”。隣と肩組みや横揺れもできる贅沢ソングを感じながら、ここにある青春をフロアにいる全員が謳歌した。「これが最後の曲です!」とメンバーが叫ぶと、“LinkRing”のイントロが会場を満たす。「愛を繋いで 約束するよI’Rink」という歌詞が特徴の、まさにグループそのものを歌った一曲が、本編を締めくくった。目の横でOKポーズをする「I’Rinkポーズ」で写真撮影をした後、惜しまれつつもメンバーはステージを一度去る。

当然のように激しいアンコールを開始するきゅーぴっと。ほどなくしてメンバー全員が入ってくると思いきや、優しいピアノの旋律とともにこはねが1人でステージへ。透明なピンスポットを背に”シンデレラストーリー”冒頭をソロ歌唱する演出に会場が沸いた。MCでは、なんとI’Rinkから4つのサプライズ発表がおこなわれた。初めは“シンデレラストーリー”、“トイラブスイッチ”、“見つけて見つめて!!”の5月5日サブスク解禁。これで、グループオリジナルソングがすべて世に放たれることになる。次は“君について”のMV公開。4月4日0時と公演後すぐの公開であり「ファンのみなさまから見た私たちを表現したMVになっています」と解説が入った。そして新メンバー・西浜なぎの加入。4月15日のお披露目に先立ち、ステージに登場し元気よく挨拶をしてくれた。ヘアメイクが得意であり、すでにメンバーから希望者が続出しているという話題に花が咲いていた。最後には『I’Rink 2ndワンマンライブ』今秋開催決定のお知らせが上がると、メンバーとファンは歓声で喜びを表現し合った。公演の詳細は後日公開される。怒涛の発表を終えた6人は「ラストスパート!」と叫び“青春Shower”をリバイバル披露。このメンバーで過ごす青春もあとわずか。本編で歌った頃と比べると、少し切なさも残る雰囲気が会場を包み込んだ。ラストMCでは、1人ひとりからワンマン開催にあたっての感謝の言葉が届けられた。ここでは、卒業する2人からのメッセージを公開する。

Evoto

三葉みゆ
私はiSPYの活動が終了するタイミングで、もう役目は果たした、本当に悔いはないと思っていました。でもサポートメンバーとして声をかけてもらい、ちょっとでも役に立てるならという気持ちをもとに、この3カ月走ってきました。西浜なぎちゃんも加えた5人には、本当に未来しかありません。これからもどうかどうかI’Rinkの応援をよろしくお願いします。 今日はとっても素敵な景色を見れて、私はもうとってもとっても幸せでした。

夏川みずき
サポートメンバーにもかかわらず、メンバーやみなさんがグループの一員として迎え入れてくれたおかげで、とても幸せな時間を過ごすことができました。本当に今日が最後のステージで、ここで私のアイドル人生は終わります。ラストライブが生バンドで、夢だったイヤモニもつけられて、きゅーぴっとのみなさんの熱いコールを聞けて、本当に心から幸せでした。今後もグループは大きくなっていきますので、どうかI’Rinkの応援よろしくお願いします。

Evoto

本公演のラストにグループが選んだ楽曲は”君について”。2人の卒業だけでなく、I’Rinkの新たなストーリーの幕開けを祝うような選曲だ。透き通った目をした三葉みゆが、腕をしなやかに振りながらファンに笑顔を向ける。踊ることが大好きなのだと伝わる。落ちサビを前に、胸に手をあてながら自分の番を待っていたのは夏川みずき。目を閉じてハジけるように声を震わせる様子に、歌うことが大好きなのだと伝わる。最後はそんな2人が中心に立ち、メンバーたちを手招き。呼びかけに応えるようにギュッと一つになった6人を、バンドの力強いメロディが支えながら曲が終了した。メンバーたちが最後の挨拶をしたとおもいきや、スタッフから三葉みゆ・夏川みずきにメンバーカラーをあしらった花束が手渡される。きゅーぴっとたちからのプレゼントに、心を震わせる2人。最後にもう一度並び、マイクなしで挨拶をした6人は『I’Rink 1st One Man Live〜First Link〜』を大成功で終えた。始まりと終わりが優しく交差した、I’Rinkが紡ぐストーリーに欠かせない夜だった。

Text:川上良樹

『I’Rink 1st One Man Live〜First Link〜』@BLAZE GOTANDA セットリスト
01. シンデレラストーリー
02. 見つけて見つめて!!
03. トイラブスイッチ
04. STAGE!!
05. 夏色ラムネ サインボール投げる
06. 君について
07. パノラマ
08. Starlight Signal
09. 決意の虹
10. 青春Shower
11. LinkRing

ENCORE
01. シンデレラストーリー
02. 青春Shower
03. 君について