iScream VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

iScream『i』

ひとつのライブのように、頭からラストまで聴いてもらいたい。

昨年6月に『Maybe…YES EP』でメジャーデビューを果たした次世代ガールズユニット、iScream。彼女たちが早くも1stアルバム『i』(アイ)を完成させた。アルバム名にはiScreamの「i」、グループのテーマである「愛を叫ぶ」、私=「i」、また、iは数字の「1」にも見えるという様々な意味が込められている。その中身はこれまで発表してきた楽曲に加え、新曲が6曲も用意されており、デビューからすさまじい成長を遂げてきた彼女たちの過去と現在、さらに未来まで見据えた素晴らしい内容に仕上がった。RUI、YUNA、HINATA、メンバー3人に初のアルバムについて、話を聞いた。

■前回のシングル『つつみ込むように…』がBliiboard JAPAN週間ラジオチャートで1位を奪ったりと、大きな広がりを見せましたね。その反響はどういう風に感じましたか?

RUI こんなにたくさんの方たちに届くとは思っていなくて、YouTubeの再生回数も想像以上で。少しづつ自分たちの夢に一歩近づいたなと思いました。みなさんのお力があって、ラジオでも流してもらったり……名曲だからこそ、それをきっかけに私たちのことも知ってもらえました。リリース前は不安で、「大丈夫かな?」という気持ちがあったんですけど、たくさんの方に届いてると思うと嬉しいです。

■そして、今作は既発曲と新曲をまとめた初のフルアルバムになります。一枚のパッケージとして形になった今、自分たちではどんな作品になったと思いますか?

YUNA アルバムができたことが嬉しいですし、アルバム名や曲順もスタッフさんを交えて、自分たちで考えたんです。1曲1曲について練りに練って、歌の表現の仕方も違うので、そこは聴きどころかなと思います。あと、新曲が6曲も入っていて、今まで出した曲とは歌い方も曲ごとに違います。

■自分たちで聴いても成長過程を感じられると?

YUNA そうですね。楽曲の中にも今までとこれからを書いたものや、ファンの方に対する気持ちを書いた曲もあるんです。自分たちの思いを込めたので、ありのままをぶつけました。

■RUIさんは?

RUI 最初から最後まで聴いて、ひとつのライブのように感じてもらえるアルバムになればいいなと思います。楽曲単位で聴くことが多い時代だからこそ、頭からラストまで流れで聴いてもらいたいです。

■「ライブ」というキーワードが出てくるのは少し意外でした。アーティストはツアーを回って、そこでお客さんの反応を体感して、アルバム2、3枚目辺りに「今回はライブを意識しました」と言うことも多いので。

RUI 同じ曲調が続くというより、ゆったりした曲が来た後にはリズム調が来たり、どんどん新しい発見があるような曲の順番を意識しました。

■聴き手を飽きさせない、ダイナミクスのある作品を作りたかったんですね。HINATAさんは?

HINATA 自分たちだったら他のアーティストさんを「こういう聴き方するよね」という話をして、どうしたら全曲聴いてもらえるかなと思い、ライブっぽくしようと考えたんです。デビューから1年経たずに、1stアルバムを出させてもらうことも有り難いです。今回はさらに新曲もあるので、世の中にiScreamの曲が増えるのも嬉しいです。

■初のアルバムということもあり、レコーディングに臨む姿勢もこれまでとは違いましたか?

YUNA 最後の方は1週間に1回、2回のペースでレコーディングがあって……私は楽曲に入り込むための時間が短くなったので焦りました。今まで時間をかけてレコーディングに挑んでいたので、今回は集中力が必要でした。しかも今までにない曲調が多くて、難しい楽曲も多かったんです。聴いた時はイケるかもと思っても、いざ練習し始めたら、「やばい、やばい!」って。

■“Eyes to Eyes”は、今作の中でも難しい部類の楽曲なのかなと思いますが、いかがですか?

RUI そうですね、スピーディーですし。より今風の楽曲でもあるので、自分たちもノレれました。毎週レコーディングしていましたけど、楽しく乗り切れました。

■メンバーそれぞれ難しかった楽曲は違うんですか?

HINATA “Eyes to Eyes”は自分たちの好きな曲調で、歌って踊るんです。普段からよく聴いているタイプの曲なので、難しさはありつつも、楽しめます。煽りみたいな声もたくさん入れて、こだわりました。私が難しかったのはリード曲の“茉莉花 -Jasmine-”ですね。“つつみ込むように…”の流れにある懐かしいリズム感で、リズムの取り方がすごく難しくて。最初、レコーディングした時は、「これは練習しないと、やばいね」とスタッフさんに言われてしまって。(笑) もう一度後日録り直すことになり、それまでにヴォーカルレッスンしたり、“つつみ込むように…”で培ったリズム感を取り戻して、やっといいものが録れました。

RUI ただ、“つつみ込むように…”や“茉莉花 -Jasmine-”で6/8ビートを体に染み込ませた結果、他の“So Bright”、“Meant to be together”とかインテンポの曲になった時に、またリズムの取り方がわからなくなちゃって。

HINATA ははははは。

RUI 3人とも「あれ?」って。苦労しましたね。

■RUIさんが苦戦した曲は?

RUI 私は“Diamond“に苦戦しました、もう半泣きで。

YUNA あっ、そうだったね!
 
HINATA めっちゃ泣いてたもん。(笑)

RUI 今回はディレクションしてくださる方がたくさんいて、自分の歌い方を時折見失い……この曲は難しくて、なかなか思い通りにできなくて。録り終わった後に「ハーッ!」と達成感が沸き上がって、みんながいるブースの中で泣いてしまいました。いいものが録れて、すべて出し切れたので、自信のある曲ですね。その裏では葛藤して、ブースから泣いて帰って来ましたけど。

■“Diamond”は、言葉を置くような独特な歌い回しですよね。

RUI オシャレだからこそ……。

YUNA 普通のマインドではいけないというか。

RUI そう。(笑) 囁き系の声だったり、普通に歌うだけではあの雰囲気感は出せなくて。今までレコーディングでやってきた曲とは全然違いましたからね。

■YUNAさんはいかがでした?

YUNA 私は“茉莉花 -Jasmine-”、“Eyes to Eyes”が難しかったです。“Eyes to Eyes”は、2コーラスに入る時に私のパートがあり、そこは得意なんですけど、サビが自分的にはすごく難しくて。ビート感が自分の得意なビートに当てはまらなくて、口が回らなかったり、感情が付いていかなくて、苦戦しました。“茉莉花 -Jasmine-”は、レコーディング1回目で焦ってしまい、誰も気づいていないと思うけど、私もブースの中で泣いてしまって。

HINATA みんな泣いてる!(笑)

YUNA こんなに上手くいかなかったのは初めてで、このままではダメだと思い、悔し涙が出てしまって。スケジュールがきつくなっても、自分の思いを曲に乗せることが大事だなと学びました。もう一度レコーディングに挑んだ時には楽曲に入り込めました。