JONAS BLUE VANITYMIX 2019-2020 WINTER COVER INTERVIEW

JONAS BLUE『ブルー -デラックス・エディション-』

■勿論これまでに発表してきたヒット・シングルも収録されていますよね?

J そうなんだ。初めてのアルバムだから、みんながよく知っている曲ももちろん入れておきたいと思って。それに、このアルバムは言わば僕自身のこれまでのストーリーでもあるわけだから、全てを収録しておきたかったんだよ。みんなが知っている曲、知らない曲、その両方をたっぷり収録した全15曲、それにボーナス・トラックもね。

■ゲスト・シンガーを選ぶ基準というのはなんですか?

J 僕が求めるのは、個性的なキャラクターだね。ラジオから曲が流れてきたり、スポティファイで聴いた時に、すぐに分かるような声の持ち主だね。デュア・リパにしても、サム・スミスにしても、声さえ聴けばすぐに誰だか分かるよね。同様に、新人だとしても“ママ”を歌ってくれたウィリアム・シンジや、“パーフェクト・ストレンジャーズ”を歌ってくれたJPクーパーは、すごく印象に残る声の持ち主だし。そういったキャラクターを持った声、何か特別なものを持っている声を見つけたいんだ。すごく大変なことだけどね。

■“ライズ”に起用されたジャック&ジャックに関しては、彼らのラジオ・インタビューの話に触発されてコラボが誕生したそうですね。

J あの曲は、彼らの話にインスパイアを受けて作られたわけだから、その曲を彼ら自身に歌ってもらうのは、あの2人にとっても意義深いことだったと思ったんだ。 正直言って、彼らのことはそのインタビューを耳にするまでは知らなかったんだよ。本国アメリカではビッグなスターだったらしいけどね。その後YouTubeで彼らのビデオをチェックしたり、歌声を聴いて、「絶対彼ら自身が歌うべきだ」と思ったよ。あの曲を書き上げてから、彼らの元に送ったら、すごく気に入ってくれたんだ。彼らにインスパイアされた曲だから、彼ら自身に歌って欲しかったんだよ。

■デビュー曲“ファスト・カー”で成功するまでは、様々なタイプの音楽を作っていたそうですね?

J ハウス・ミュージックをたくさん作っていたんだよ。11歳の頃から音楽を作り始めて、今は29歳だから、想像がつくよね。長期間活動しているから、いろんな音楽を作ってきた。初期にはハウス・ミュージックをたくさん、それに飽きてからはポップ・ミュージックに傾倒していったね。元々ポップ・ミュージックは大好きなんだ。ああいうソングライティングも好きだし、プロダクションも好きだし、色んな方向に翼を広げられる点がポップ・ミュージックは素晴らしいよね。アーバン的な要素も導入できれば、カントリー寄りにだってできるし。しばらくの間はポップ・ミュージックに取り憑かれていたよ。その後、またそれにも飽きちゃって、幼い頃に聴いていたUKガラージに傾倒していったんだ。その後だね、アヴィーチーやカイゴのような音楽に出会ったのは。すごくインスパイアを受けたよ。彼らの音楽にはポップ・ソングとハウス・ミュージックの両方の要素が、見事な形でブレンドされているんだ。ジョナス・ブルーの誕生はそこからスタートしているんだよ。

■常にポジティヴな音楽を作っていたのですか?

J いや、そういうわけでもないよ。ひどい失恋をした時もあったから、18歳くらいの時かな。当時作った曲は、あまりポジティヴではなかったよ。(笑) けっこうな大失恋だったから、常にポジティヴな曲を書いていたわけではないね。でも今は、人生もキャリアもすごくハッピーで充実しているから、僕の音楽もそういう現状を反映しているんだ。変わったんだよ、音楽もいっそう良くなったよ。(笑)

■改めてジョナス・ブルーの音楽を言葉で説明すると?

J 僕が音楽を作る時に、まず第一に考えているのは、メロディアスだということ。曲を書き始める前から、特に重視しているよ。そしてタイムレスであること。僕はいつもこう説明するんだ、100年後でもギターさえあれば“ママ”や“パーフェクト・ストレンジャーズ”は演奏できるし、いい曲だと思える。僕の言うタイムレスな曲とは、そういうこと。メロディアスとタイムレスという、その二つが大切なポイントなんだよ。

■エセックスの出身ですよね?港町とはいえトロピカルではないわけですが、どうしてトロピカルなサウンドを作ることに?

J むしろそのせいじゃないのかな…?トロピカルな場所に行くと自然とハッピーな気分になるよね。だけど、僕はそういうトロピカルな場所の出身ではないわけで、そういう情景を思い浮かべながらトロピカルなサウンドやメロディを作っているんだ。でも不思議なのが、そういったトロピカルな地域に行った時には、逆に僕はそういう音楽を作らないんだよね。むしろ暗い音楽を作ってしまう。(笑) つまり僕にはロンドンの曇った空や雨のほうが効果的ってことかな?トロピカルな音楽を作る上ではね。

■実際にはどういう環境で音楽を作っているんですか?

J もちろん家で作ることが多いけど、ブレイクしてからは、あまり家にいることがないから、実際には、どこにいてもパソコンに向かえばクリエイディヴになれるね。飛行機の中でも、列車の中でも、すごくクリエイティヴになったことがあるよ。ツアーで旅することが多いから、パソコンさえあればどこでも大丈夫だよ。

■最終的な目標はありますか?

J すごく短期間に状況がガラッと一変したから…今のような状態を維持しつつ、これからも前進していくことかな。今の僕は、本当に最高に恵まれた状況にあると思うんだ。こんなふうに日本に来られたり、何千人っていうファンが僕の作った曲を一緒に歌ってくれたりね。夢のような毎日だから、これをこのまま続けられれば…それが一番の目標かな。もちろんもっとビッグになることもね。(笑)

■これからもDJ /プロデューサーとして音楽制作を続けていきますか?

J そうだね。それを辞めることはないよ。ただし、もう少し手を広げて才能のある人たちと契約したいなとは思っているんだ。こんなに多く才能を持った人たちが僕の作品でも歌ってくれているし。「レコード契約はしたけど、その後はどうすれば?」って途方に暮れているシンガーもけっこういるんだよね。僕は自分のレーベルや出版社も持っているから、新しい才能を発見したら、僕が契約して上手く育ててあげたいなって思うんだ。

Interview&Text:村上ひさし

PROFILE
イギリス出身のDJ・ソングライター・ミュージシャン・プロデューサー。ピアノを軸としたジョナスが作り出す美しいメロディーとトロピカルなサウンドは〈リゾート・ミュージック〉とも称され、ダンス・ミュージックの垣根を超えて世界中のファンを虜にしている。
www.universal-music.co.jp/jonas-blue/

RELEASE
『ブルー -デラックス・エディション-』

JONAS BLUE『ブルー -デラックス・エディション-』

UICW-10019
¥2,750(tax in)

UNIVERSAL INTERNATIONAL
11月8日ON SALE