JUN SKY WALKER(S)『30th Anniversary Tour~全部このままで~』ライブレポート@日比谷野外大音楽堂 5月25日(土)

JUN SKY WALKER(S)『30th Anniversary Tour~全部このままで~』

この先35周年40周年50周年と一緒に歩いていけますように

JUN SKY WALKER(S)が、5月25日、30周年ツアー『30th Anniversary Tour~全部このままで~』のファイナル公演を、バンドの聖地である日比谷野外大音楽堂で開催した。

この日の東京は5月では異例の30度越え。ステージ中央のスクリーンには懐かしい曲のMVが流れ、そろそろいい風が吹いてくるころかな、というところでメンバー4人が登場、いきなり客席に降り、真ん中のセンターステージへ。360度をファンに囲まれる場所でアコースティックというカタチで披露されたのは、1998年5月21日発売のデビュー曲“全部このままで”。客席からは手拍子と歓声が止まらない。

メンバーがメインステージへ戻ると、スクリーンに「2019」から「1988」までのカウントダウンが表示され、“だけど一人じゃいられない”“BAD MORNING”と初期の代表曲が披露される。「これは未来への歌です」と歌われた“NO FUTURE”では、宮田和弥(Vo)がステージを降り、柵から身を乗り出して歌ったりと、メンバーも聖地である野音を自由に楽しむ姿がうかがえた。

「31年目に突入したけど、この先35周年40周年50周年と一緒に歩いていけますように、みんなにこの歌を贈ります」と始まった“PARADE”の後、いったんメンバーはステージを離れ、スクリーンには昨年の自由が丘駅前でのホコ天ライブの映像が流れる。そして宮田と森純太(Gt)の2人がステージに現れ、「解散したあとは仲悪かったんだぜ、人生いろいろあるけどいまはすげぇ仲良しだ」と“いつも二人で”を1本のマイクで歌い、ハイタッチで終えるという美しいシーンが。

風呂なし、共同トイレ、家賃2万円のアパートに住んでいたという宮田の昔のエピソードで始まった“アパート”から、いよいよ終盤戦へ突入。“歩いていこう”“Let’s Go Hibari-hills”“START”と名曲が続き、野音は大歓声が上がりっぱなし。熱気はすごいものの、程良い解放感があるのが野外の、野音のいいところ。気持ちいい。

「平成は戦争もなく素晴らしい時代だったと思います。これからも平和な日本であるように、僕たちは歌で発信していきたいと思います。今日はこの素敵な空の下、この時代に生まれた喜びを分かち合いながら、この歌を一緒に歌いたいと思います」と宮田が伝えると再び大きな歓声が上がり、「30周年のジュンスカファンすべてに贈ります!一緒に歌おうぜ!」と全員で大合唱した“すてきな夜空”“ロックンロール☆ミュージック”と続き、「僕たちみんなの時代です」と歌われた“MY GENERATION”でピークを迎え、本編は終了。

アンコール1曲目は“遠くへ行かないで”、そして30周年を記念したベストアルバムに収録された“One-Way”で、スクリーンには再び「1988」から数字が表れ「2019」が表示される。さらにダブルアンコールでは「これからも奢らず誇り高く、歌っていきたいと思います」と“青春”をアコースティック・ヴァージョンで披露し、ジュンスカの30周年ツアーは幕を閉じた。

30年というときを駆け抜けたジュンスカ。何が素晴らしかったって、曲がまったく色褪せていないということだ。むしろ瑞々しささえ感じた。それは彼らもわたしたちもそれぞれの道をしっかり歩いてきた証拠でもあり、それがあったからこそ、またここで会えたのも事実。だからここで約束をして、またそれぞれの道を歩いていく。そんな希望とも言える想いが、終演後の野音には溢れていた。

Text:藤坂綾
Photo:平野タカシ

JUN SKY WALKER(S)30周年スペシャルサイト
http://www.jswxxxproject.com/