JUNNA VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

JUNNA『曖昧な2人』

リラックスして挑んだ“曖昧な2人”と迫力ある“革命のメロディ”歌へのこだわりを語る。

JUNNAが『曖昧な2人』をリリース。今作は東海テレビ・フジテレビ系全国ネット土ドラ『個人差あります』の主題歌であり、JUNNAにとって初のドラマ主題歌となる。これまでパワフルな歌声を最大限活かした力強い楽曲を歌ってきたJUNNAだが、表題曲“曖昧な2人”は、それまでとは印象を変えた悠々とした歌声が、シンプルなトラックとともにグルーヴを作り上げ、新境地に臨んでいる。一方カップリング曲“革命のメロディ”は、これまで以上の力強さを備えた楽曲だ。それぞれ歌い方を変えながら、更なる挑戦と進化に挑んだ。今年ソロデビュー5周年を迎え、ライブ活動も活発に行う彼女。5周年を迎えた気持ちや、楽曲への思い、歌唱に対するこだわりを訊いた。

■6月に5周年ライブが行われたばかりですが、いかがでしたか?

JUNNA その日1日限りの有観客ライブっていうのが初めてで、すごく特別感のあるライブになったなって思っています。お客さんも楽しんでくれているのが伝わって、5周年ここまでやってこられてよかったなって思いましたし、それをお客さんと共有できたこともすごく幸せでした。

■ソロデビューしてからの5年はどんな5年間でしたか?

JUNNA 本当にあっという間だったなっていうのが率直な感想です。5年もやっているんだって今でも思っています。いろいろとやらせてもらって、いろんな曲を歌わせてもらって、いろんなライブをやってきたんですけど、本当に濃い5年間で、いろいろやってきたからこそ、あっという間に感じたのかなって思います。音楽活動だけじゃなく、高校から大学までを一緒に歩んできた5年間でもあったので、学校生活も本当に早くて。大変な5年ではあったんですけど、すごく楽しみながら過ごせたかなと思います。

■ソロで一番成長したところというと、どんな部分が思い浮かびますか?

JUNNA 最初は大人と一緒に仕事をするっていう環境に慣れてなくて、どこまで自分の意見を言っていいのか分からないし、間違っていることを言ったら怒られるんじゃないか、とか思いながらソロ活動をやっていて。言われたことに「はい」って言わないといけないみたいな。学校とかでもそうだと思うんですよ、「先生が言ったことが絶対」みたいな。それに反抗するタイプでもなかったので、この業界に入ってからも割とそんな感じでやっていたんです。でも時間が経つにつれて、「それじゃあ面白くないかな」って思うようになって。自分で歌っている意味がなくなっちゃうというか、自分の意思がどんどんなくなっちゃうなって思い始めたんです。ちゃんと言わなきゃ伝わらないこともたくさんあるし、間違ったことを言っても、「間違ってるよ」って言って、正してくれる大人しかいないんだって思えるようになって。ちゃんとそれをぶつけることで、もっといいものができるっていうことに気が付きました。

■そして今回の“曖昧な2人”は、初めてのドラマ主題歌ですね。『個人差あります』は、男性がある日突然女性になるという内容から始まりますね。

JUNNA 原作を読ませていただいて、共感する部分が沢山あるというか、現代にとても刺さる物語なんじゃないかなって思いました。現実では起こらないけど、「こういうことに向き合わなきゃいけない時もあるよな」っていうか。自分にはすごく刺さるなって思いました。このドラマを見た人がいろんなことを考えるような、「私はこうしたい」とか、いろんな思いにさせてくれるお話だなって思います。

■JUNNAさんは今までアニメの主題歌を歌うことも多かったですが、今回はドラマの主題歌ということで、異なる部分はありましたか?

JUNNA 「今回はドラマなんだ」っていう気持ちは持ちつつも、アニメとやることは変わらなかったですね。作品にどれだけ寄り添えるかっていうことは変わらないし、アニメでも原作があるものは先に読ませていただいてから、レコーディングに挑む形もあったので。作品を読んで、自分がどう歌いたいかをしっかり合わせていけたらいいなと思いました。

■原作を読んだ時点で、どう歌いたいというイメージがあったんですか?

JUNNA 今回の曲調もあって、あんまり張り詰めた感じでは歌いたくないなと思っていました。今まで私の曲って、結構強くてしっかりした自分を見せていくというか、決意を強く持って訴えかけていく曲が多かったんですけど、今回はそうじゃなくて、タイトルにもある「曖昧」っていう言葉が、歌う時もキーワードになっているなって思っていて。「決意したいけどできない」みたいな思いがある2人の関係性を、この曲では表せたらいいなと思いました。なので、頑張って歌わないというか、気を張らずにありのままの自分で、葛藤している部分だったりっていうのを見せられたらいいかなと思いました。

■今おっしゃったように、これまでの強い曲調とは印象の異なる楽曲ですが、最初に曲を聴いた時の印象はどんなものでしたか?

JUNNA 最初に「この1曲です」って届いたわけではなくて、いろんな曲の中から「どれにしよう」みたいな感じで聴かせてもらって。「歌いたい曲を言って」と言われていたので、そのひとつにこの“曖昧な2人”を挙げていたんです。ドラマが放送される土曜日のあの時間に流れているのがすごくイメージできた曲だったんですよね。ドラマのタイトルも聞いていたので、それにもすごくハマっているなって思って。あと、最初主題歌の話をいただいた時に、「JUNNAが今まで歌ったことのない感じの曲になると思う」ってスタッフさんに言われたんです。最初にいただいた曲の中で、「こういう曲歌ったことない」って思ったのが、唯一“曖昧な2人”だったんですよね。また新しい挑戦なので、今までの自分の歌い方じゃない、別の歌い方で表現していかないといけないなって思いました。

■歌うのは難しかったですか?

JUNNA そうですね。今までの曲はライブで歌っているところが想像できる曲が多かったんですけど、この曲は「ライブでどうやって歌うんだろう?」みたいな気持ちになったんですよね。どうやってアプローチしていくかっていうのは、すごく悩みながら歌いました。でも原作も読ませていただいた上で、本当にラフな感じで、Aメロとかは特に喋っているくらいの気持ちで歌ったらすごく伝わるものがあるんじゃないかなって思って歌いました。

■肩の力を抜いてというか?

JUNNA はい。今まではレコーディングが始まる前も、「頑張るぞ!」みたいな感じで、ライブ前のような気持ちで挑む曲の方が多かったんですけど、今回は本当にプライベートな自分に近い感じで、いい意味でしっかりリラックスできている状態で歌えたらいいんじゃないかなと思って。素の自分で歌うように、歩きながら歌っているくらいのイメージの方がこの曲には合うなと。

■リラックスできたからこその発見もありましたか?

JUNNA いつも癖で、リズムより遅れて歌うことが多いんですけど、この曲はよりそれが出ちゃったというか、いい意味で出てくれたというか。リラックスして歌ったからこそ、あんまり音にはめすぎず、それがまたこの曲のよさを出せたのかなと思っています。

■聴いていてもすごくノリ方が良いなと感じました。クリックを聞かずに録っていったんですか?

JUNNA そうですね。クリックを聞いちゃうと多分リズムにはまっちゃって、面白さがなくなっちゃうと思ったので。あとレコーディングする時に、ガイドとしてピアノで弾かれている歌のメロディを流すことができるんですけど、それもリズムに忠実に入っているので、今回はまったくそういうのを聞かなかったんです。音も「ちょっと間違えても、それがまた面白さを出すかな」みたいな感じで歌っていました。なので、どちらかというと楽器に合わせるみたいな感じで。そっちの方が自分的にもすごく好きで、「自分は今こう歌いたい」っていう、その時のノリで歌う方が大切かなと思っています。だから、このレコーディングではその良さがすごく出たし、いろんなテイクがあった中で、忠実に歌っている方じゃなくて、私なりのノリ方のものを使ってくださったので、良かったなと思います。「こう歌って欲しい」っていうディレクションも部分的にはあったんですけど、「好きなように歌ってもらっていい」みたいに言ってくださったので。いい意味で緊張感なく、本当にその場の雰囲気を楽しんで歌えたと思います。

■一方、“革命のメロディ”ではこれまで以上にパワーのある歌声を披露していますね。

JUNNA またすごい曲が来たなと思いましたね。(笑) 最初にいただいた時は仮歌が入っていなくて、打ち込みにピアノでメロディが入っているだけだったんです。だから「いけるいける」くらいに思っていたんですけど、歌ってみると予想以上に大変で……。休むところが本当になくて、「大丈夫かな?」って思うくらい大変な曲で。でも歌っているとすごくテンションが上がるし、「頑張るぞ」っていう気持ちが湧き上がってくる曲で楽しかったです。

■ラップパートもありますが、その直前にも直後にも歌が入っていて、急に切り替わるので難しそうだなと感じました。

JUNNA そうなんですよね。しかも曲のキーが途中で変わるので、すごく入りづらいし、戻りづらいんですよ。最初キーは変わっていなかったんですけど、「ちょっと低くした方が雰囲気出るんじゃない?」ってことになってすごく難しかったんですけど、「覚えたらいけると思うので」みたいな感じで、気合で歌ったりしていました。(笑) そのおかげで命を削っている感というか、挑んでいる感が出たので、すごく面白いなと思いつつレコーディングしました。