竹内唯人 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

仲間とともに自身の気持ちを吐露した新曲を語る。

竹内唯人が新曲“Good Bye”をリリース。2021年にリリースし、TikTokを始め話題になった“MIRAI feat. $HOR1 WINBOY”と同じく、$HOR1 WINBOYを迎えて制作された今作。彼ら二人に共通する境遇を落とし込んだ、恋愛ソングとなっている。
最近ではバラエティ番組への出演など、活躍の幅を広げている竹内。そんな彼に、今作の制作についてや、VILLSHANAとAile The Shotaを迎えた楽曲“ゼロセンチ”についても話を訊いた。

■竹内さんと$HOR1さんの初コラボ曲である“MIRAI feat. $HOR1 WINBOY”のリリースが2021年4月でしたが、それ以降もお二人の親交は変わらずあったのですか?

竹内 “MIRAI〜”を出した後に、VILLSHANA含めて“YOZORA feat. VILLSHANA & $HOR1 WINBOY”を出して、それから$HOR1とプライベートでは会うことがなくなったんです。最近やっと2年越しに会えて、そこからすぐに「また一緒に曲をやろう」という話になりました。

■そもそものお話になるのですが、$HOR1さんとの出会いや“MIRAI〜”でコラボするまでの経緯というと、どのような流れだったのでしょうか?

竹内 当時$HOR1の“Honey Bunny”という曲がバズっていて、僕が$HOR1のことを一方的に知っていたんです。それである時、友達だったNovel Coreのインスタに$HOR1と一緒に撮ったプリクラが載っていたんですよ。それで仲いいんだと思って、$HOR1のインスタにDMして。それからすぐに連絡が返ってきたので、LINEを交換して、電話して、「遊ぼうよ」みたいになって。その時は僕がまだLINEレーベルだったので、「$HOR1と曲を作りたい」と伝えました。そこから“MIRAI〜”をリリースするまでは1ヵ月くらいだったと思います。

■今回お二人の再会が叶ってから曲を作るまでも、その時のようにスピーディーだったんですか?

竹内 そうですね。再会してから5日ぐらいで曲を作りました。(笑) 速攻でしたね。

■“Good Bye”の作り方や、作っている際の感覚は、“MIRAI〜”の時に近かったのか、またそれとは全く異なるものだったのか、どちらでしょうか?

竹内 完全に“MIRAI〜”の時と一緒でした。作っている時の感覚がすごく似ていて。あの時と同じようなブームがまた起こればいいなと思います。

■楽曲はどのように作っていったんですか?

竹内 $HOR1が僕の家に来て、まずフックを作ってくれて、それから僕がヴァースを書いて、最後に$HOR1がヴァースを書いてという流れでした。

■“Good Bye”は別れがテーマになっているかと思いますが、リリックのテーマはどのように決めたんですか?

竹内 夏に僕が彼女と別れたんですよ。それを$HOR1に報告しようと思って$HOR1に話したら、ちょうど同じ時期に$HOR1も別れていて。じゃあそれを曲にしようと思って、失恋の曲を作りました。でも今回は曲が3分くらいで短くて、歌っている部分が2分ちょっとしかなかったので、お互いの言いたいことを凝縮するのが大変でしたね。言いたいことが多い中で、短いトラックに「ぎゅっ」と詰めるというのは、“MIRAI〜”の時とは違う部分でした。デモの段階では、「バズる場所を作るために新しい部分を作ろう」という話にもなったんですけど、これはこれですっと入ってくるし、しつこくないのかなと思ったので、そこはあえて“MIRAI〜”と同じようには作らなかったんです。

■“MIRAI〜”はすごく話題になった曲でもありますが、今回も同じ布陣で曲を作るにあたって、当時の自分へのライバル意識なども芽生えたりしたんですか?

竹内 そういうのは特になかったですね。“MIRAI〜”を作っていた時とめちゃくちゃ感覚が似ていたので、「懐かしいな」という感じでした。「“MIRAI〜”がバズった時ってこういう感じだったよね」っていうのを二人で噛み締めながら制作していましたし、二人とも自信がある感じでしたね。「これ、バズりますよ!(笑)」 僕たちの世代もそうだし、恋愛でくじけている人たちが聴いたら元気が出てくるような曲だと思います。

■$HOR1さんと一緒に曲を作っていて、同世代のラッパーとしてどのような部分に刺激を受けますか?

竹内 “MIRAI〜”を一緒にやるまでは、僕はあまりヒップホップやラップの作り方を熟知していたわけではなかったんですけど、“MIRAI〜”でしっかりそれを構築できたというか、こういう作り方があるんだと思えたので、それは$HOR1のおかげだったなと思います。この2年間、$HOR1と会わなかった間に$HOR1がすごい曲数を作って、ラップをせずに歌い込んでいる曲も結構作っているのを聴かせてもらって、それもすごくいいなと思いましたね。日々$HOR1も進化しているんだと感じたし、“Good Bye”を一緒に制作する時もMVを撮る時も、「二人とも大人になったな」と感じて嬉しかったです。あとは真似できない部分だなと思うのは、ライブのパフォーマンスですね。僕が知っている友人の中でも圧倒的だなと思います。ヒットしてみんなが知っている楽曲をライブで披露するのって、カッコよく見えると思うんですよ。アーティストも自信を持って「この曲なら誰でも知っているだろう」という振る舞いができるというか。でも$HOR1は、どの曲でも「俺ってこんな曲やってるんだぜ」というパフォーマンスができるんですよね。ダンスもそうだし、ステージングやライブの見せ方は本当に一流だなと思います。

■今回の“Good Bye”の制作を通して、“MIRAI〜”からの変化や成長を一番実感した部分はどんなところですか?

竹内 $HOR1でいうと、ラップがめっちゃ上手くなっていたし、メロディーの作り方というか、ラップのフロウの仕方が海外寄りになっていたのがすごく新鮮でした。MVで言うと、お互いの表情もそうだし、“MIRAI〜”の時の初々しさがなくなったと思います。自分のことを客観視するのはなかなか難しいんですけど、自分のヴァースも聴いていて、“MIRAI〜”の時からは成長したと思いますね。あとは“MIRAI〜”の時は、自分の家に宅録の環境が揃っていなかったので、スタジオに入る前とかは携帯のボイスメモでメロディーを作って録っていたんですけど、今回はちゃんとした宅録環境が揃っていたので、「ハモりはここに乗せたい」とか、「ここはこう被せたい」みたいなことをしっかり固めてからレコーディングに臨めて。そこが前回とは違う部分でした。

■$HOR1さんのラップが上手くなっているという話もありましたが、それは2年間の離れている期間があったからこそ、より強く感じるのかもしれないですね。

竹内 そうだと思います。でも今回は二人でやったからこそ引き出せた$HOR1の良さもあると思っていて。「恋愛をしていたけど別れてしまった」という曲を$HOR1が1人で書いていたら、ああいうヴァースにはならなかったと思うんです。なので、二人だからこそ書けた曲なのかなと思います。

■竹内さんご自身も1人だったら今回のような楽曲は書けなかったと思いますか?

竹内 うーん、きっとできなかったと思います。もしかしたら、1人だったら本当に言いたいことが言えなかったかもしれないですね。

■お二人が似た境遇だったからこそ書けたものが、お互いにあるのかもしれないですね。

竹内 そうですね。「別れたけど前に進む」という曲を書くのであれば、$HOR1と一緒に作りたいと思っていたんです。

■そうなんですね。それはどういった理由で?

竹内 付き合いたての時、$HOR1にすぐ彼女を紹介したんです。なので、絶対に$HOR1と一緒に作りたいなと思っていました。