■今回の新曲“C.O.S.M.I.C Love”についても訊かせてください。最初に曲を聴いた印象はいかがでしたか?
川口 この曲は、実はガンバレルーヤさんとコラボした“Cheeky Cheeky”の時にあった候補曲のひとつなんです。“Cheeky Cheeky”は3人で表現することがテーマだったので、あの曲を選んだんですけど、“C.O.S.M.I.C Love”のデモを聴いた時に、どうしてもこの曲をソロで歌いたいと思って、マネージャーさんを通して「この曲をキープしてください」って頼んだんです。(笑) それくらい歌いたかった曲なので、こうして形になってすごく嬉しいです。デモも韓国語だったんですけど、本当に耳から離れなかったですし、音の跳ね方もすごく好きだなと感じました。今回タイアップのGalaxyさんとも曲名もリンクしている気がしますし、すごく嬉しいです。
■前回のシングル“花束”とのギャップがすごくあって驚きました。
川口 私もそう思います。(笑)
■“花束”は曲調や譜割りも含めて、すごくJ-POPらしい曲でしたが、今回のサウンドはレトロポップだし、歌詞も韓国語と英語で、川口さんの振れ幅の大きさを感じました。
川口 曲をリリースする度に新しい自分を届けたいと思っているんですけど、それをスタッフさんたちが毎回叶えてくださっています。韓国語で収録するのは、1年くらい前に“Look At Me”の韓国語バージョンを収録して以来なんです。自分でも明らかに韓国語のスキルや歌の表現力が成長していると思うので、それを伝えられればいいなと思いながらレコーディングに取り組みました。
■韓国語はどのように習得されたのですか?
川口 韓国語は日常の中に取り入れています。元々韓ドラやK-POPが好きなので、字幕で見たり、歌詞を見ながら曲を聴いて、言い回しを調べて勉強したり。あとは韓国語を話す友達と連絡を取って日常会話をしているのも大きいのかなと思います。発音に関しては、とにかくいろんなアーティストさんの歌い方を参考にして練習しています。
■日本語と英語、韓国語では、それぞれ言語の特徴も異なりますが、歌っていて言語による違いを感じることはありますか?
川口 JAY KIM先生というボーカルトレーナーの先生に数回お世話になっているんですけど、発声というか、舌の付け根の使う部分や、呼吸法が日本語を話す時と全然違うんです。日本語の曲を歌う時もそういう風に歌えるようになったら、もっと自分の表現が広がると思って、最近はその練習をしているんですけど、それが難しくて……。韓国語を歌う時は、日本語で歌う時とは違う部位を使っているという自覚はあるんですけど、それを日本語でやろうとすると戻ってしまうんですよね。そういう違いがあるのかなと思います。自然と声色が変わるというか。
■今回のレコーディングで特に挑戦したことや、意識した部分はありますか?
川口 韓国語って日本語と違って、息を吐きだす発音が多いんです。普段日本語の歌を歌っている私からすると、それを強く意識しないと忘れてしまうくらいなので、今回は息を吐き出すことを意識しながら歌いました。その上で、韓国語が分かる方も分からない方も、この曲を聴いた時に、聴き心地が良いと思ってもらえるような表現をすることを心がけました。あとはラスサビに入る前にラップが少しだけあるんですけど、ラップは初挑戦だったんです。しかも韓国語でのラップだったので、かなりハードルは高かったんですけど、自分でも納得のいくものが出来上がったと思います。
■MVも完成したとのことですが、気に入っている部分などはありますか?
川口 今回のMVにはメイキング映像も多く使っていただいているのと、リリックビデオ風にしていただいたので、韓国語が読める方は歌詞の意味を考えながら見られますし、分からない方もハングルのフォントが記号っぽく見えてポップに見られると思います。グッズ化もしている私が描いたキャラクターも出てきたり、映像の枠組もゆるくてラフな印象があるMVになっているので、音楽ともぴったりだと思います。
■音楽、モデル、お芝居と、様々なことに挑戦されていますが、今後、川口さんが挑戦してみたいことはありますか?
川口 音楽面で言うと、今回ラップに挑戦してみて、もっと開拓してみたいと思ったので、ラップがもっと多めの曲にも挑戦していけたらいいなと思っています。お芝居の面では、今年24歳になったんですが、制服を着られるうちに制服を着る役を演じたいと思っていて。高校生の時からの目標でもあるので、学園系の作品に出てみたいです。
■今後、どんなアーティストになっていきたいと考えていますか?
川口 私の音楽や歌声が、日常の中でほっとするような存在であれたらいいなと思っているんです。もちろん感動などの感情も曲によっては届けていきたいんですけど、1日の中で、私の曲が流れているとちょっと一息つけるような、家みたいに落ち着く存在になれたらいいなと思っていて。解放された自分だけの空間みたいな、そういう気持ちになれるような表現を届けていけたらいいなと思っています。
■素敵ですね。
川口 でも、以前とは変わりました。活動を始めた当初は「感動や笑顔を届けられる存在になりたい!」と言っていましたし、その気持ちは嘘ではないんです。今でもそれはもちろん大事なことだと思いながらも、最近はほっと一息つけるような存在でありたいと考えるようになりました。
■考えが変化した理由がなにかあったんですか?
川口 なんでだろう……。自分がいろんな活動をしてきて、少し余裕が生まれたのかもしれないです。いろんな人と接してきて、「誰かにとって必要な音楽ってなんだろう?」と考えた時、拠り所になれるようなものじゃないかなと思って。感動を与えて涙してくれたり、幸せになってくれたり、感情の起伏を生み出すのもいいけど、結局日常ってフラットでいることが多いじゃないですか。ちょっと嫌なことがあったとか、ちょっと嬉しいことがあったとか、そういうリアルな感情がある日常の中で、リラックスできる曲を届けたいなと今の私は思っています。でも、また気持ちは変わるかもしれないですけどね。(笑)
Interview & Text:村上麗奈
PROFILE
オスカープロモーション所属。1999年6月19日生まれ 宮崎出身 B型 165cm。2014年、第14回全日本国民的美少女コンテスト演技部門賞受賞。2016年8月、アイドルグループ「X21」新メンバーとして加入。2021年8月、「Girls Planet 999:少女祭典」に出演。日本・韓国・中国で行われたオーディションを通過した各地域33人、第1回個人投票 全体第1位 444万6387点 164ヶ国投票参加視聴者うち83ヶ国で1位。最終投票 全体第14位 52万5051点/27万8775票。2022年3月21日、ユニバーサルミュージックからソロデビュー。
https://kawaguchiyurina.com/
RELEASE
『C.O.S.M.I.C Love』

配信デジタルシングル
https://umj.lnk.to/cosmiclove
UNIVERSAL MUSIC / USM JAPAN
7月26日 ON SALE