Lead VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

Lead『Summer Vacation』

Leadデビュー17回目の夏のシングルは、多くの人たちと気楽に育めていけるサマーソング集

今年デビュー17回目の夏を迎えたLead。彼らの31枚目のシングル『Summer Vacation』は、「夏EP」と称しても遜色ないほど、3曲3種の夏ナンバーが収まっている。これまで数多くの夏シングルを輩出してきた彼らだったが、今作は以前とはやや趣きが違ったもの。ここまで徹底して3曲3種の夏三昧、且つ勢いを有した夏盛り上がりソングでの統一感はかつて類を見ない。バラードやミディアムに頼らずに幅やバリエーションを楽しませてくれる今作。各曲最新鋭のダンスミュージックに仕上がっているのも特徴的だ。
また、これまで比較的一対一感だった歌内容も、どことなく、「さぁ、みんなで一緒に!」的な一体感や全体感、一丸性や並走性を感じさせてくれ、フェスを始め、この夏、今作を通じ彼らを知った者さえも虜にしてしまうであろう全3曲だ。

■今作は夏が根底にある楽曲ばかりですが、それに特化させた発想はどこから来たんですか?

谷内 そこに夏があったからです。(笑) 夏は我々にとって大好き且つ大事なシーズンでもあって。そもそもデビューも夏だったし、デビュー曲も“真夏のMagic”で、毎年夏ツアーもあったりと、夏にはいろいろと縁も深いんです。シングルも含め、これまでも沢山の夏曲を出してきましたし。そんななか今回は、原点回帰とまではいきませんが、「また<Leadの夏>を盛り上げるべく夏に特化したシングルを出そうか!」となったんです。

鍵本 特に今年は「夏を盛り上げよう!」的な気概が自分たちにも周りのスタッフからも強くあって。もう「今年の夏はガチ上げで行こう!!」と。しかもどれもダンスミュージックを主軸に置きつつ。

■今回はタイトル曲のみならず、収録全曲夏曲ですもんね。しかも全曲、盛り上がりチューンばかりで。

谷内 今思うと前回シングルの『Be the NAKED』なんて今作とは全く逆タイプでしたよね。でも、あれもダンスミュージックを軸に置いたからこそ表せたふり幅でもあって。その辺りは根本にあるから、ブレない曲たちに出来る自信もありました。

鍵本 あと、その「盛り上がり」に関しては、我がLeadチームの勢いの表れでもあって。「もう守らない!」みたいな。それこそゴールがガラ空きになるのも覚悟の上で、こうなったらゴールキーパーまでも攻撃に参加して勝利する。まさに全員攻撃みたいなシングルなんです、今作は。

■しかも通例ならバランスをとり、バラードやミディアムな曲も交えがちな部分も、あえてそこに逃げない面も興味深いです。

古屋 実はバラードを入れる案も一瞬出たりはしたんです。でもそれ以上に「夏をもっと盛り上げる曲で行こうよ!!」との想いの方が今回は上回って。

鍵本 あと、今年は夏にいろいろなフェスに出ることも決まってからの制作だったこともあり、そこで盛り上がり、ファンのみならず、そこに集まった自分たちを知らない方たちにもアピール出来る曲も欲しかったんです。

■まさに一撃必殺。一聴して初見の方でも惹き込む威力を持っている曲たちですね。

古屋 そこで初めてLeadに接する方も多いでしょうから、その人たちも巻き込み、こちらに興味を持ってもらえる、そんなシングルを目指しました。

■確かに今回の3曲はどれも夏の屋外が似合いそうな曲たちです。

鍵本 今回は夏曲で、しかも夏を盛り上げる曲との一点突破ではありましたが、その中でもあえてバリエーションは持たせました。一点突破とは言え、いろいろな一点突破の方法が存在するわけで。それを今作で言うと、いわゆるトロピカルハウスみたいな曲があると思えば、ちょっと牧歌さを感じるホッとする曲。かと思えばEDMもある、みたいな。夏の盛り上がり方って人それぞれじゃないですか。その辺りでの聴き手へのフィットは考えました。なので、タイプや幅はかなり広いし、バランス的にもいいと自分たちでは自負していて。

■とは言え、逆に各曲共通で流れているものも感じました。それが爽やかさなのかなって。

鍵本 ガ~ッとした曲もあるけど、その辺りに暑苦しさは感じさせない楽曲たちだと自分たちでも感じていて。夏の暑さの中、ちょっとした涼風っていいじゃないですか。暑いんだけど熱すぎない、その心地よさってすごく大事だし、より気持ち良くなってもらえますからね。

古屋 意識はしていなかったけど、結果そうなったのが正直なところで。実際、最初はバランス的に「バラードでも入れてクールダウンさせようか?」的な話も出たんです。しかし、「今のLeadはこうだろ!!」と。(笑)

■その「今のLead」というのは?

古屋 攻めるけど攻めすぎない、みたいな。どこか聴き手やお客さんの入れる余白や余裕を持った攻め方を意識しているもので。

■あとはこれまでは比較的一対一に伝えていたものが、今回は全体的に「みんなで一緒に」をすごく感じたんです。

鍵本 おっしゃる通り「みんなで一緒に謳歌しよう!」というのは、今作には共通してあるかもしれません。“Summer Vacation”も、内容的には一対一のシチュエーションですが、どこか「みんなで一緒に行こう、過ごそう」みたいな雰囲気や気概はあって。その辺りは先ほどの話と重複しますが、フェスや夏のみんなが大勢いるところで一緒にこの曲をやるというイメージも大きかったです。今回はLeadの輪をもっと大きく広げていきたいとの気持ちも強くありましたから。「みんな、いったん俺たちの方を見てくれよ~!!」って。(笑)

古屋 どうせならみんなを巻き込んでいって、大きな輪にしていきたいんです。

谷内 そんなLead17周年の夏です。(笑)

■“Summer Vacation”は、トロピカルハウスを基調とした曲ですね。

谷内 リリックに関しては自分たちに重なる部分が多かったです。歌の主人公の年代も自分たちに近いんじゃないかな。苦い想い等、いろいろなことを経たが故の哀愁があるなと。すごくセクシーですよね。今回もけっこう韻を踏んでいるんですが、その辺りもLeadらしいなって。あとは何と言っても覚えやすくキャッチーですから。

鍵本 歌っていても非常に気持ち良かったです。なんかトラックという波の上に乗っかってサーフィンをしているような気持ちで歌えました。