LUNA SEA『30th Anniversary Tour -CROSS THE UNIVERSE- GRAND FINAL』ライブレポート@さいたまスーパーアリーナ 1月9日(日)

シンデレラ宣言『シンデレラ宣言!/朝顔シャングリラ/はにかみサンセット』

「必ず帰ってきます!」と充電期間から早期復帰をオーディエンスに約束。

先日降った雪がまだ残り、寒さも一層厳しくなってきた1月9日(日)、さいたまスーパーアリーナにて、LUNA SEA『30th Anniversary Tour-CROSS THE UNIVERSE-GRAND FINAL』が開催された。昨年12月23日にLUNA SEA公式サイトにて、RYUICHI(Vo)が現在開催中の全国ツアーのグランドファイナル、さいたまスーパーアリーナ公演及び1月31日、2月1日の大阪国際会議場メインホール公演(延期振替公演)の終了をもって、声帯に出来た静脈瘤(りゅう)を除去する手術を行うため、充電期間を設けることが発表されている。

当日は、充電期間に入る前のLUNA SEAのパフォーマンスを一目見ようと、沢山のオーディエンスがしっかりと感染対策のマスクをして集まっていた。本公演は新型コロナウィルス感染対策の為、途中換気のインターバルを設けた2部構成となっている。オーディエンスが手拍子をしながら開演を待つ中、照明が落ち、幻想的なSEが流れ始めると、ライトが激しくステージを照らす。メンバーが登場するとオーディエンスからは盛大な拍手があがる。RYUICHIが拳を突き挙げた瞬間、“LUCA”でライブがスタート。SUGIZO(Gt)はステージを端から端へと歩きながらオーディエンスに指を差してコンタクトをとると、INORAN(Gt)はジャンプしながらギターを演奏し、手を挙げ手拍子を煽るとオーディエンスはそれに手拍子で応える。そんなステージに釘付けになりつつ“Dejavu”へ。INORAN、J(Ba)がステージ前方へ出て来て楽器をかき鳴らすと、RYUICHIはSUGIZOと中央で向かい合いながら歌っていた。「さいたまスーパーアリーナ!お前たちの心の声を聞かせてくれ!」とRYUICHIの言葉に、両手を挙げ手拍子で応えるオーディエンス。

「いよいよグランドファイナルの時間がやって来ました。こういう状況の中、たくさんの人が会場に来てくれました。その中でも勇気を持って今日は来ない選択をした方たちにも拍手を送りたい。WOWOWでテレビの前で観ている方も楽しんで下さい!」と話すRYUICHI。“Pulse”、“PHILIA”と畳み掛けると、“PHILIA”ではJのピアノ演奏も加わり、RYUICHIの歌声に酔いしれ、熱い歌声に惜しみない拍手を送るオーディエンス。「コロナという未知なる敵が現れて2年。音楽を止めないという信念でここまで来ました。今まで以上にライブをやるということがどれだけ奇跡か。この長いトンネルを我々は先頭で走り抜けるからね!」と、RYUICHIの言葉に続いて披露された“宇宙の詩〜Higher and Higher〜”では、SUGIZOの煌びやかなギターとRYUICHIの歌声で始まり、ブルーのレーザービームやミラーボールの演出でステージが光り輝く。

SUGIZOの激しいギターソロにオーディエンスは精一杯手を伸ばしながら盛り上がり、RYUICHIは着ていたジャケットを脱ぐと“anagram”、“BLACK AND BLUE”へと続く。カラフルなライトで彩られたステージと、「say!come on!」とRYUICHIが叫ぶと手拍子と手を挙げ飛び跳ねるオーディエンス。INORANは真矢のところへ行き、向き合って笑顔で演奏し、会場全体は手を左右に振りながら一体感が生まれる。「ワクワクした気持ちになれるよう、熱い夜を過ごしましょう!まだ昼か(笑)、帰る頃には夜だし!(笑)」と時には笑いも交えつつ、「LUNA SEA5人から愛をこめて」と“悲壮美”へ。ステージバックには無数の光る星空のようなライトが輝き、RYUICHIが歌い上げる壮大な歌声にオーディエンスから盛大な拍手が送られ、1部のステージが終了した。メンバーがステージ袖へと帰っていく中、RYUICHIが途中で脱いだジャケットを拾い、丁寧に扱いながらそれを持って退場するSUGIZOに笑いが起きる。

途中換気の為にインターバルを設けた後、手拍子で待つオーディエンスの前に、ピアノのSEが流れ、赤いライトで彩られるステージにメンバーが再登場し、手を挙げスポットライトを浴びるRYUICHIの掛け声と真矢の激しいドラムから“JESUS”で2部がスタート。オーディエンスはリズムに乗って飛び跳ねながら盛り上がり、“Closer”へ。Jは手を挙げながら、ステージ前方に出て来てオーディエンスを煽ると、INORAN、SUGIZOはそれぞれステージ左右に別れオーディエンスと目を合わせ笑顔でギターを演奏する。時折真矢の元に行き、メンバーみんなが集まり囲みながら演奏するという、仲の良さが垣間見える瞬間もあった。

「さいたま盛り上がっていこうか!心の声を聞かせてくれ!」とRYUICHI。“DESIRE”、“SHINE”と人気ナンバーを立て続けに披露し、ミラーボールでステージが輝く中、会場のボルテージも上がっていく。「やっぱりライブはいいですね!ライブをやっていると意識が変わって強くなったり、燃えたりする。これからもこのすごい景色を一緒に作っていきましょう!」とRYUICHI。ここでファン投票で選ばれた曲“FEEL”が演奏されると、会場からは喚起の拍手が巻き起こる。そしてRYUICHIの力強い歌声が魅力のバラード“I for You”へ。歌声に聴き入り、ステージを見つめていたオーディエンスからの盛大な拍手を浴びながら、両手を広げ大きく投げキッスするRYUICHI。「さぁ!アリーナ盛り上がっていこうか!みんな普段きっと溜め込んでいることもあると思う。声は出せないけど、それをすべてぶつけて行こうぜ!」とのRYUICHIの言葉に続き“ROSIER”を披露。ヒートアップする会場に“BELIEVE”とラストに向けて畳み掛ける。途中RYUICHIの「心の声で!」という言葉に、オーディエンスは跳ねたり拳を振り上げたり、それぞれのスタイルで応え、2部のステージが終了した。再びRYUICHIが途中で脱いだジャケットを拾い、肩にかけながら退場するSUGIZOに笑いが起きる。

アンコールを求めるオーディエンスは、スマートフォンのライトを点灯し、手拍子と共に会場を輝かせる。今か今かと待ち侘びていると、SUGIZOも自身のスマートフォンのライトを照らしながら登場した。会場の輝くライトを見渡したRYUICHIは「めちゃくちゃ綺麗。星空に僕たち5人が浮かんでいるみたい」と話すと、「世界中で頑張っているエッセンシャルワーカーの方たちなどがいるから、こうしてライブが出来ているんだと思います。」と続け、感謝の気持ちを述べる。コロナ禍においてまだ出口が見えない現状に不安が募るだろうみんなに寄り添いたいというメンバーの想いから作られた“Make a vow”をアンコールで披露した。RYUICHIもアコースティックギターを弾きながら歌い、SUGIZOもRYUICHIの元へ行き、背中合わせになりながらギターを弾くと、オーディエンスは手元のライトを左右に振りながら盛り上がる。続いてメンバー紹介に入ると、紹介された真矢は華麗なドラム捌きを魅せ「こんな中みんな集まってくれてありがとう。本番中に何度も泣きそうになった。2年間平穏じゃなかったけど、みんなの笑顔を見たり、RYUICHIが全身全霊で表現してくれたから……」と涙を流す場面もあり、「この5人と全国のみんな、来てくれたみんな、来れなかったみんな、愛してます!ありがとう!」と大きな感謝を伝えた後、どうしても真矢から謝罪がしたい事があると続き「昨日のアンコール中、ずっとズボンのチャックが開いていました!」と最後は笑いに変えた。

続いてJが紹介されると「RYUICHIが完全になるまで充電期間に入りますけど、全力で行こうと思う。この2年間で加速していく為にいろいろと気づけた。俺たち強くなったんじゃないかな!」と、コロナ禍で続けてきたツアーで再確認した気持ちを話し、INORANは「みんないいこと言うから、殆ど言われちゃった。(笑)」と笑いも交えつつ「この2年間、地球上全ての人たちが同じ歩幅で学ぶことが出来たと思う。このツアーが終わったらちょっと(充電に)行ってくるから!ここまでついて来てくれてありがとう!」と感謝を述べた。SUGIZOは「この一瞬一瞬が奇跡って事だよね。2年間模索しながらライブを続けてきて、今まで僕たちのライブでは感染者やクラスターは1人も出ていません。命ある限りLUNA SEAを続けていきます。今この一瞬一瞬を生きていきましょう!心から愛してるぞ!」とファンへの愛を語り、RYUICHIは「この景色を見るために、見続ける為にLUNA SEAを続けていく。本気になれること、人生を掛けられることがLUNA SEAだということ。いろいろ心配かけたと思います。この後、声帯のオペをしますが、必ず帰ってきます!最後まで盛り上がっていきましょう!」と早期復帰の約束をオーディエンスに誓い“WISH”へ。SUGIZO、INORAN、Jはステージを走りながら左右に行き来してオーディエンスに笑顔を見せ、RYUICHIが手を大きく左右に振ると、オーディエンスもそれに応える。「グランドファイナル、ラストのナンバーをお届けします。俺たち5人から思いを込めて」とRYUICHI。SUGIZOはギターからバイオリンに持ち替えラストナンバー“so tender…”を披露。オレンジとイエローのライトとスモークが相まって幻想的なステージへと変化する。RYUICHIが最後まで振り絞るように歌う力強い歌声に惜しみない拍手が送られる。ラストはステージ中央にメンバー全員が並び、「最後みんなひとつに」と会場全体で両手を上げRYUICHIの合図で一斉にジャンプした。メンバーそれぞれステージの端から端まで歩きながらオーディエンスに手を振り感謝を伝え、メンバー同士もすれ違い際にハイタッチやハグで称え合い、感謝を伝え合い、本公演は終了した。

コロナ禍に始まった全国ツアー。感染拡大で延期や中止を余儀なくされる中、逆境を乗り越え約2年かけてツアー完走を果たしたLUNA SEA。「音楽を止めない」という信念の元、着々とその道を切り開いてきたLUNA SEAがとても輝いて見えた。喉の不調を抱えながらも全身全霊で表現してきたRYUICHI。LUNA SEAの更なるステップアップの前に、万全な状態で進むための充電期間を設けることとなるが、また完全復活したLUNA SEAと早く出会える日を願いたい。

Text:隅内かな
Photo:田辺佳子、岡田裕介、横山マサト

https://www.lunasea.jp/

LUNA SEA『30th Anniversary Tour -CROSS THE UNIVERSE- GRAND FINAL』1月9日(日)セットリスト
[第1部]
01. LUCA
02. Déjàvu
03. Pulse
04. PHILIA
05. 宇宙(そら)(うた)~Higher and Higher~
06. anagram
07. BLACK AND BLUE
08. 悲壮美

[第2部]
01. JESUS
02. Closer
03. DESIRE
04. SHINE
05. FEEL
06. I for You
07. ROSIER
08. BELIEVE

[ENCORE]
01. Make a vow
02. WISH
03. so tender…