12年振りに復活した黒服限定GIGに染まる漆黒の夜！
2022年もあと半月を切り、寒さも厳しくなってきた12月17日(土)、さいたまスーパーアリーナにてLUNA SEA『黒服限定GIG 2022 LUNACY』が開催された。黒服限定とあって、オーディエンスは上下黒の服を身にまとい、会場は漆黒の世界となっていた。本公演は新型コロナウイルス感染対策に伴い、途中インターバルを設けた2部構成になっている。
客電が落ち、ライトに照らされたステージには、バイオリンを持ち演奏するSUGIZO(Gt&Violin)が登場。多彩な演奏技術にオーディエンスは聴き入っていた。時計の音が鳴り響く中、メンバーも次々登場し、SUGIZOがギターに持ち替えると“THE SLAIN”からスタート。RYUICHI(Vo)の力強い歌声と、心地よく響くビブラートは毎度の事ながら圧巻だ。続く“FATE”では、掛け声に合わせてオーディエンスも手を挙げながらジャンプをし、序盤から飛ばしていく。そのまま“SLAVE”へと続くと、赤いライトで照らされたステージで激しく演奏するメンバーと同様、オーディエンスも呼応するかのように身体でリズムを刻みながら盛り上がり、RYUICHIの歌声にステージに釘付けになる。J(Ba)、INORAN(Gt)、SUGIZOもステージ端まで歩きながら演奏し、オーディエンスとアイコンタクトを取っていく。「今夜は集まってくれてありがとう！最狂の熱い夜にしようぜ！」とRYUICHIが挨拶して、“MECHANICAL DANCE”へ。懐かしい曲が次々と披露され、オーディエンスからは歓喜の声が上がる。それを煽るようにRYUICHIの荒々しい歌声が響き渡ると、Jもステージ前まで出てきて激しくベースを掻き鳴らす。続けて“BRANCH ROAD”を披露し、ピンクや赤のライトで彩られたステージでSUGIZOの激しくも流麗なギタープレイが披露されると、会場のボルテージも急上昇していく。その勢いのまま“SANDY TIME”へ移るとRYUICHIの叫びにも似た歌声に、オーディエンスはLUNACYワールドにどんどん引き込まれていった。
「今夜も最高だな！今年もラスト2日間なんで、思いっきり狂って行きましょうみなさん！飛ばして行くぞ！」とオーディエンスを煽るRYUICHI。オーディエンスもその言葉に応えるように拍手で返し、続いて“SYMPTOM”を披露。激しいライティングと真矢(Dr)の激しいドラム演奏の中で力強く歌い上げるRYUICHIに、オーディエンスも拳を突き上げ盛り上がる。Jは真矢の方を向きながらベースを弾き、アイコンタクトを取る姿も伺えた。「ラストソング！」とRYUICHI。1部のラスト曲“SHADE”では、SUGIZOとJがステージ左右端まで移動しながら演奏し、オーディエンスとコミュニケーションをとりながら盛り上げていく。ローテンポなリズムの中、途端に激しくなる演奏にRYUICHIは頭を激しく振り、真矢もピンクのロングヘアーを激しく振りながらドラムを叩き、1部の公演が終了した。
感染対策の途中換気の時間を設けた後、再び客電が落ち2部がスタート。軽快な弦楽器の音が鳴り響く中、手拍子でメンバーを迎えるオーディエンス。「もう死んだフリさせない」とRYUICHIが囁き“JUNK”へ。RYUICHIの囁きにオーディエンスからは悲鳴にも似た歓喜の声が漏れ、久々に披露される楽曲に会場の熱が上がる。INORANがRYUICHIの隣でギターを弾き、J、SUGIZOもステージの前に出て来て演奏する。時折真矢の周りに集まり、真矢の方を向きながら演奏するINORAN、J、SUGIZO。LUNA SEAの一体感が垣間見える瞬間だ。そして花火の特攻が放たれると「心の声を聞かせてくれ！」とのRYUICHIの声に続き“Dejavu”へ。花火に勢い付けられ、オーディエンスもジャンプしながら盛り上がると、更に会場のボルテージは上がっていく。声援こそ無いものの、LUNA SEAのLUNACY時代からの歴史を辿っていくセットリストに胸が熱くなる。
「12年振りに復活したLUNACYの黒服限定GIG、楽しんでるかい？！俺たちもめちゃくちゃ久々なんだけど、過去には色んな未来があると思って。今夜はめちゃくちゃはみ出しましょう！」とRYUICHIが話すと、“SEXUAL PERVERSION”を披露。曲名をRYUICHIが言葉にした途端、会場からは歓喜の拍手が盛大に湧き上がった。久々に披露された曲を思い思いに楽しむオーディエンスを見て、一緒に拳を突き上げたくなってくる。JとSUGIZOがRYUICHIの隣へと行きベースとギターを掻き鳴らす姿にオーディエンスはさらに盛り上がる。そのまま“BLUE TRANSPARENCY”へ続くと、真矢の激しいドラム捌きから始まり、オーディエンスは身体でリズムを刻んでいく。ピンクの髪を振り乱しながら高速ドラムを叩く真矢は圧巻だ。SUGIZO、Jが左右へとステージ狭しと移動してオーディエンスを沸かせ、INORANは手拍子でオーディエンスを煽りながら盛り上げる。
続く“LASTLY”では、今まで赤いライトで彩られていたステージがブルーのライトへと変わり、これまでの激しい楽曲からは打って変わりスローソングへ。「最幸の夜、最狂の夜。楽しんでる？みんな、飛ばして行こうか！」とRYUICHI。“CHESS”へと移ると、それまでとは一転して激しく点滅したライトに彩られる中、炎の特攻が幾つも噴射され、会場の熱気は最高潮に。RYUICHIの叫びに合わせて噴射される炎で会場はまた赤く染まっていき、2部のラストソングは“NIGHTMARE”を披露。Jのベースから始まり、SUGIZO、INORAN、真矢、それぞれの個性が際立つ演奏に、オーディエンスはどんどん引き込まれていく。最後はJにスポットライトがあたり、Jのベースで2部の公演が終了した。
興奮冷めやまぬ中、手拍子でアンコールを待つオーディエンス。スマートフォンのライトを点灯させてメンバーを待つと、SUGIZOも自身のスマートフォンのライトを点灯させて登場。真矢はピンクから赤のロングヘアーに変わっていた。そして“MOON”でアンコールがスタートし、途中上からのミラーボールに加え、より大きなミラーボールがステージ下から登場し、会場中が煌びやかな光に包まれた。「どうもありがとう！ここでメンバー紹介をしたいと思います！」とRYUICHI。真矢は激しくドラムロールを披露した後「今日は何年ぶりかにみんなでドレスコードして、どんなに歳をとってもこうやって真剣に遊べるんだなぁと感動しています！世界で一番漆黒の世界だと思う！今いい事言ったけど、明日も言うから内緒にね！(笑)」と笑いを混じえた挨拶をした真矢に続き、Jは「今日はどうもありがとう！黒服またやれて最高です！」と話す。INORANはRYUICHIに近づき耳打ちをすると、RYUICHIが「INORANからみんなに、愛してるって！」と代わりに愛を伝えた。続いてSUGIZOは「今日は本当にどうもありがとう。さっきRYUICHIがいい事言ったよね。過去には未来があるって。漆黒の景色、素晴らしい。だけどマスクが白って浮くね！明日は黒いマスクにしよう。(笑) スマホのライトもすごく綺麗でした！」と、感謝を述べた。最後にRYUICHIは「どうもありがとう。自分たちが始めたことで、過去なんだけど、未来なんだなって思いました。埼玉飛ばしていこうか！全員でかかってこい！」と話し“WISH”へ。12年振りに開催となった黒服限定GIGを無事に行うことが出来た喜びと、これから先に待つ未来への期待が合わさった会場に、銀テープが噴射され、INORAN、SUGIZO、Jはステージを動き回りながらオーディエンスと笑顔でアイコンタクトをとる。「ラストナンバー行くぞ！！」とRYUICHIが叫んでラスト曲“PRECIOUS…”を披露。激しい演奏でオーディエンスは拳を突き上げながら身体でリズムを刻んでいく。RYUICHIの周りにSUGIZO、INORAN、Jが集まって演奏し、真矢の方に向かって演奏する仲の良い姿に、オーディエンスも熱狂する。「すごい景色を見せてもらったよ！本当にありがとう！そして来年はもっと楽しい事しようよ！」とオーディエンスと約束し、ラストは会場全体で一斉にジャンプをして本公演は終了した。
バンド初期の楽曲で組まれたセットリストでとても貴重なライブだった。それに加えて、黒服限定とあり、会場全体が漆黒に染まり、昔ながらのLUNA SEAの世界が作られていた。普段はなかなかライブで聴けない楽曲と相まって、特別な空間が作り上げられており、2022年最後のライブは最幸で最狂だったと感じられたライブだった。
Text：隅内かな
Photo：田辺佳子、横山マサト、岡田裕介、清水義史
『黒服限定GIG 2022 LUNACY』＠さいたまスーパーアリーナ セットリスト
[第１部]
01. THE SLAIN
02. FATE
03. SLAVE
04. MECHANICAL DANCE
05. BRANCH ROAD
06. SANDY TIME
07. SYMPTOM
08. SHADE
[第2部]
01. JUNK
02. Déjàvu
03. SEXUAL PERVERSION
04. BLUE TRANSPARENCY
05. LASTLY
06. CHESS
07. NIGHTMARE
ENCORE
01. MOON
02. WISH
03. PRECIOUS…
