MADKID VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

ハートフルな表題曲とメンバーの挑戦が詰まったカップリングの新シングル『ふたつのことば』を語る。

MADKIDが10枚目のシングル『ふたつのことば』をリリース。今作は、TVアニメ「ただいま、おかえり」のオープニングテーマ。ハートフルな作品に向けて制作された“ふたつのことば”は、これまでのMADKIDとは一線を画す、穏やかな楽曲となっている。更にカップリング曲の“Dream Journey”では、初めてSHINがメインで作詞に参加。そんなMADKIDの新たな扉を開くような2曲が収録される今作について、YOU-TA、YUKI、KAZUKI、LIN、SHINの5人に話を訊いた。

■今作はTVアニメ「ただいま、おかえり」のオープニングテーマとなっていますが、原作を読んだ印象を教えてください。

LIN 自分が初めて触れるジャンルだったので、楽しく読めました。

YUKI 僕も初のジャンルというか、もしかしたら自分では触れなかったかもしれない作品だったので、すごく新鮮でした。

■楽曲の制作はどのようなイメージで進めていったのでしょうか?

LIN 「ただいま、おかえり」は家族がテーマになっているので、そこにフォーカスしていければいいなと思いました。そのプロセスの中で、この作品の特色を入れ込めればいいなと。理想の家族をイメージしながら書きました。

YUKI 今回はいつものタイアップとは違って、テレビサイズにはラップが入っていないんです。僕は自分のヴァースだけ書けばよかったので、アニメの内容をどこまで反映させるかは少し考えました。でもアニメの内容に寄り添いつつ、すんなりと書けましたね。

■ボーカル陣のみなさんは、今作のデモを聴いた際どんな印象を抱きましたか?

KAZUKI 最初は歌詞に驚きました。毎作品にタイアップ先の作品に沿ったワードを入れるのはすごいなと思っていたんですけど、今回もまたサビがすごいなと思いましたね。今までにはなかった楽曲ですけど、僕はこういう曲が好きなので、この曲を歌えることがすごく嬉しかったです。

SHIN LINのデモを聴いて、すごく言葉がすんなり入ってくる印象がありました。なのでレコーディングの時も、今まで以上にLINが書いてくれた言葉一つひとつを大切に歌おうと思いました。

YOUーTA 今回の曲は、今までMADKIDがやってこなかったことをやれるいい機会だと思っていて。なのでデモを聴いた時は、今までの僕らを全部とっぱらってやれたらいいなと思いました。

■今おっしゃっていただいたように、“ふたつのことば”はこれまでのMADKIDの楽曲とは雰囲気が異なります。レコーディングを進めていくにあたって、普段との違いを感じることはありましたか?

YOUーTA 難しかった点しかなくて。(笑) ハートフルな曲なので、重すぎる歌は良くないと思ったんですけど、僕はどうしても歌が重くなりがちなので、バランスを取ることを意識しました。エモーショナルになりすぎないけど、でもエモーショナルな感じも出せるように、というバランスが難しかったです。プリプロにも結構時間をかけました。

SHIN 今まではレコーディングの時にディレクション役としてYOUーTAやLINがいたんですけど、今回はその2人がいなくて、エンジニアさんやスタッフさんとレコーディングを行ったんです。もちろんプリプロでも自分で正解を導き出すという作業はやっているんですけど、本番のレコーディングの時に、自分が納得のいくテイクを録れているかに不安もありました。でも自分なりのレコーディングができたので、すごく成長に繋がったのかなと思います。

YUKI 僕はいつもレコーディングには時間をかけちゃうんですけど、デモの段階である程度どういう風にしたいかは考えているので、レコーディング現場で思い切り変えようというのはなくて。ラップもいつも通り自分で書いていますし、曲調は違えどその塩梅は同じなのでやりやすかったです。

■KAZUKIさんは、今作の“ふたつのことば”は声質的にも合う印象でした。歌ってみていかがでしたか?

KAZUKI 今回、MADKIDとして活動してきて初めてメインボーカルを任せていただいたんですけど、めっちゃ気合も入りましたし、自分の声質を存分に活かせたと思います。

■“ふたつのことば”は、MADKIDの楽曲の幅を更に広げてくれる楽曲として、ライブでも活躍しそうですよね。

YOUーTA そうですね。“ふたつのことば”ができたことで、幅が出せるようになったと思います。あとは、今まではラッパーがすごく前に出る曲が多かったんですけど、彼らが一歩後ろに引くというバランス感もあまりなかったので、今回はその辺りも面白いのかなと思っています。

SHIN “ふたつのことば”は、リリースイベントでもう披露しているんですけど、自分のイメージとしてはファンの人たちみなさんを包み込むようにパフォーマンスをしているんです。ファンの人たちと一緒になって楽しめる楽曲だと思いますし、コミュニケーションを取りながらパフォーマンスできる楽曲になったなと感じます。

■先日、“ふたつのことば”のMVも公開されましたが、和気あいあいとしたみなさんの様子が楽しめる映像になっていると思います。撮影はいかがでしたか?

YOUーTA 朝が早かったですね。あと寒かったです。あれ、朝何時だったっけ?

SHIN 6時くらいかな。

KAZUKI 太陽の向きとかを考慮して、その時間になったんですよ。

YOUーTA 今回、MVでダンスを踊る量が今までで一番少なくて、朝一だけ踊って終わりみたいな感じだったんです。あとは全部ハウススタジオの近くやスタジオの中での撮影だったので、今までとは全然感覚が違いました。今までは何十回も踊ったり、パートごとに分けての撮影をやっていたんですけど、今回はそれがなかったので、ダンスをやっていない人たちでも見やすいMVになっているのかなと思います。

YUKI 5人でワイワイするシーンは最後の撮影だったので、本当に素の状態でしたね。何を喋ったかは全然覚えていないんですけど、最後の方のカットでよく見たらめっちゃあくびしているシーンもあって。(笑) 結構素の状態で撮られていると思います。

SHIN 今回の撮影はすごく楽しかったです。あと目玉焼きとウインナーが美味しかった。(笑) こういう形のMVは自分たちにとっても珍しいですし、10周年にぴったりなMVができたのかなと思います。MADKIDの仲の良さが分かるMVができて良かったです。(笑)

■MADKIDは現在4クール連続でアニメタイアップを担当しています。これまで様々なジャンルのアニメに楽曲を書き下ろしている印象ですが、タイアップ曲を制作する楽しさはどのようなところにあると感じますか?

LIN タイアップをやらなかったら、きっと自分の作りたいものしか作らないと思うので、いい経験をさせてもらっているなと思います。あと、自分はアニメとか漫画が好きなんですけど、自分からは観ない作品もあって。それは嫌いだからとかじゃなくて、単純にキャッチできていないとか、そういう理由で観ていない作品がいっぱいあると思うんです。タイアップを通してそういった作品に触れられるのも良さだと思いますし、そういった出会いがあることで、自分の視点や気持ちが動いたりするのもすごくいいところなのかなと思いますね。

■カップリング曲“Dream Journey”では、SHINさんが作詞に参加されていますが、どのような経緯でSHINさんが作詞に加わることになったのでしょうか?

SHIN LINとYUKIから、「やってみたら?」と言ってもらって。

LIN 俺らが「やってみたら?」って突拍子もなく言ったんじゃなくて、SHINが「やりたい」ってずっと言っていたんですよ。(笑)

SHIN MADKIDの曲の作詞をしてみたいっていう気持ちはずっとあったんです。自分の言葉を残したいというのもありますし、挑戦できるならやりたいと思っていて。なので今回“Dream Journey”の作詞を担当することができて、すごく楽しかったです。自分の考えが文字になるという恥ずかしさもあったんですけど、今は完成できてほっとしています。

■どんなテーマから歌詞を書き進めたのでしょうか?

SHIN ルーティンの日常から抜け出したい、現実逃避したいというテーマがうっすらとあって。それで曲を聴いてみて、ここにたどり着きました。ファンの人や聴いている人たちに、「毎日の疲れが溜まっていたり、嫌なことがあった時には、1回立ち止まってリフレッシュしてもいいんじゃない?」というメッセージを伝えたくて、それを夢に例えて書いた歌詞です。タイトルも自分で考えたんですけど、最初は“夢機関車”だったんです。でも“ふたつのことば”と合わせた時に“Dream Journey”の方がいいんじゃないかなと思って、このタイトルになりました。

■作詞の大部分をSHINさんが行ったんですね。ラップを書くのはSHINさんの歌詞があがってきてからだったと思いますが、LINさんが歌詞を書く際との違いはなにか感じましたか?

LIN 普段自分が作っている曲もそうなんですけど、歌の部分を考えてからラップを書くんです。歌の部分を書く自分と、ラップを書く自分にはいつも切り替えがあるので、あんまり変わらなかったですね。

YUKI LINちゃんが「歌詞を見た時、人の脳みそを覗くような感覚だった」と言っていたのがしっくり来て。(笑) まさにSHINちゃんの脳の中を覗いている感じがすごくありました。傍から見たSHINちゃんって、柔らかいしふわふわしているから、「本当に歌詞が書けるのかな?」みたいな気持ちも若干あったんですけど、いざ開いてみたらちゃんと書けていて。すごいなって思ったのがファーストインプレッションでした。所々の言葉の言い回しにSHINちゃんを感じますよね。すごくピースフルだなと思いました。