MADKID VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■SOUL’d OUTは最近になって再評価されている側面がありますよね。さて、真面目なお話が続いたので、少し話題を脇道に逸らして……歌詞にちなんで、最近した「後悔」はありますか?

YOU-TA もう後悔だらけですよ。(笑) 最近引っ越しをしたんですけど、壁にネジで穴を開けちゃっていて、退去費用が10万円くらいかかりました。ネジ穴を埋めるパテがあるから大丈夫だと思っていたんですけど、ぜんぜんダメでした……。

SHIN 僕も以前引っ越した時、内見をしなかったんですけど、内見しておけばよかったなと後悔しています。

KAƵUKI えっ!内見しないで引っ越したの?!(笑) 僕は具体的には言えないけど、お酒の失敗に後悔しています。

LIN 左手のタトゥーはもうちょっと順序良く入れれば良かったな、と。間を縫って埋めるようにしているんですけど、次に何を入れるかで悩んでいます。

YUKI コロナ禍のステイホーム期間中に歯の矯正をしておけば良かったなぁ。(笑) 

■本当にちょっとした後悔から、お金が絡む後悔までたくさん出ましたね。(笑) 話を戻して、今作のMVはどのような仕上がりになりましたか?

YOU-TA 今まではダンスにフォーカスしたMVだったり、縛られているところから開放されたりするイメージのMVだったりしたんですけど、今作は僕たち以外に少女役の役者さんがいて、物語が展開していくという今までのMVとはまた違った見せ方になっています。監督さんに表現したいものがすごく強くあって、そこに沿って撮影をしてきた感じです。「盾の勇者」のストーリーにも寄り添っています。

■撮影の時に楽しかったことはありますか?

SHIN 干潟で撮影したんですけど、帰ろうとしたら潮が満ちてきて、帰り道が無くなっていたんです。(笑) スタッフさんがびしょびしょになりながらおんぶしてくれました。

LIN 「あと10分遅かったら帰れなかった」みたいな感じだったよね。(笑) 撮影はおもしろかったです。僕は「男の子が想像するカッコいい感じのシーン」をやらせてもらったんですよ。ちょっと高くて風が吹いてるところに立って、自分の周りをドローンが回って、それに向かってハンドサインして。すごく楽しかったです。(笑) 足ひとつ分くらいの幅の所に立って演技するのもめちゃくちゃ楽しかったです。FPVドローンも初めて使ったよね。

■FPVドローンって、ゴーグルをつけて一人称視点で動かすドローンですよね?

YOU-TA そのドローンが結構近い距離を飛んでいくんですけど、めちゃくちゃ速いんですよ。最後は僕とYUKIの間をすごい速さで飛んで行ったんですが、それがすごく怖くて……。(笑) でも画的にはすごくカッコいい映像になったと思います。

■ドローンって音もすごいですもんね。「ここの撮影怖かったんだろうな~」と思いながら見てみますね。(笑) そしてカップリング曲の“MAZE”ですが、この曲もすごくカッコいいですよね。

YUKI “MAZE”は、『MADKID LIVE TOUR 2025 -MAZE MUSEUM-』のテーマ曲として作った曲です。このツアーでは、僕たちの楽曲をアートにたとえて、それぞれが地域ごとにホストを担当して、セトリを組んでいったんです。どの楽曲もセトリのいろんな場所に来ることによって、見え方が変わることを楽しんでもらいたいというのがコンセプトにあって。この曲はツアーを象徴する楽曲になっていると思います。

■この曲は編曲も派手ですよね。

YUKI そうですね。この曲は僕やSHINが出ていた舞台のテーマ曲を作曲された井手コウジさんが作ってくださいました。以前からストリングスの使い方や、壮大さに親和性があるんじゃないかという話があり、「いつか井手さんに作ってもらいたいよね」と言っていたんですが、このタイミングでチャレンジしてみようという話になり、そこにリファレンスとしてLINちゃんが今のトレンドの音楽を何個か提案して制作しました。この曲は僕らにしては珍しく、歌詞の方もそんなにタッチしていないんです。ラップ部分はもちろんラッパー二人が書いたんですけど、それ以外は基本的に井手さんに書いてもらって、井手さんが作るグルーヴを出してもらったという形になっています。

■ちなみに『MAZE MUSEUM』ツアーでは、毎回セトリが変わりますが、「この人、この曲を選ぶんだ!」と驚いた公演はありましたか?

KAƵUKI LINが選んだ曲は意外でしたね。ファンの方には人気の曲なんですけど、「LINがそれを選ぶんだ?!」という驚きがありました。

LIN 僕は「僕が選ぶと思われていそうな曲は入れないぞ!」というタイプなんです。(笑)

■敢えてそういうことをするからこそ面白いんだと思います。(笑) ここで改めて、この曲のイチオシポイントを教えてください。

LIN この曲は全員がボーカルをやるんです。今までそういう曲って意外と無かったので、「自分はこういう声です」という、自己紹介の曲にもできるなと思っています。

YOU-TA MADKIDはライブ感を大切にしているので、煽ったりすることが多いのですが、この曲は逆に煽ったりせずに、ショウという感じで魅せることに重きを置いているので、そこが好きなところですね。あと、行進曲風のリズムというか、そういう雰囲気のある曲も今までなかったんですけど、メンバーが舞台に出てくれたことによってできた縁から生まれた曲だと思うので、そこがイチオシですね。

KAƵUKI サビで一気にマーチっぽい感じになる曲調は今まで無かったので、僕も初めて聴いた時に、「面白い!カッコいい!」と思ったことが印象に残っています。ぜひサビ全般を聴いてほしいです。

SHIN 僕はラッパー二人のラップを聴いてほしいです。二人のラップがヤバいんです!YUKIのメロディがある部分も大好きだし、LINは作るのがすごく大変だったと思うんですけど、そつなくラップしていてカッコいいです。ぜひ二人のラップを聴いてください。

YUKI 普段のMADKIDとはまた違う、コード感に対してのノリ方にその人の癖がめっちゃ出ていると思っています。ラップっぽさもありながら、ちゃんとメロディになっていて、頭に残りやすいという感じ。僕が普通に自分で作るとなると、洋楽の方に寄せちゃうのですが、今回はそこをJ-POP寄りにしました。そういうところも魅力なのかなと思います。

■みなさんのお話を聞いていて、この曲がより好きになりました。さて、ニューシングルの発売に合わせて、あらためてMADKIDの中で「盾の勇者の成り上がり」は、どんな作品になっていますか?

YOU-TA いろんな表現ができるんですけど、「原点」なんですよね。初めてやらせていただいたアニメタイアップでもありますし、僕らも長いものに巻かれてやってきたわけではなく、成り上がってここまで来たタイプですし。そういう意味で、一緒に成り上がってきた感覚もあります。あと、Season 1からSeason 4まで、同じアーティストが主題歌を担当する作品も珍しいと思うので、感謝の気持ちがすごくあります。これからも少しでも作品を彩るお手伝いができたらなという気持ちです。

YUKI 「原点」というのは音楽的にもあります。僕たちがロックのサウンドを取り入れるようになったのも、「盾の勇者」の楽曲がきっかけでした。「MADKIDといったらこういう音楽だよね」といった時に、代表曲になる曲は「盾の勇者」に絡むことが多いので、それも大きいところですね。アーティストの音楽の軸になるものを見つけてくれたというのが、この作品の力だと思います。

■MADKIDも尚文と一緒に冒険してきたんですね。さて、2025年も下半期となりました。ファンのみなさんに期待してほしいことを教えてください。

YUKI 年末12月30日、僕らはZepp Shinjukuでライブをするんですけど、そこではバンドセットで演るんです(夜公演のみ)。約2年半ぐらい前からいろんな活動を経て、やっぱMADKIDの魅力はライブだなということを再確認して、そこをより伸ばしていくという意味での挑戦として、もう一度バンドサウンドというものを取り入れて、Zepp Shinjukuでやらせていただくことで、ひとつのスタートになると思っていて。そこからのMADKIDはまた新しい姿になるとも思っているので、いろんな形で僕らのことを知ってくださった方々に、ぜひ体験しにきてほしいです。2025年で一番のイベントになるので、ぜひお待ちしています。

KAƵUKI 僕も年末のZeppワンマンライブです。今までのワンマンとは規模感がまたひとつ上がるのと、初めてのZeppワンマン公演なので、僕たちも今から楽しみだし、ファンのみなさんにも楽しんでもらいたいです。「盾の勇者」がきっかけで知ってくれた方や、アニメのイベントで知ってくれた方が、イベントの時に盛り上がってくれるのもすごく嬉しいんですけど、やっぱり僕たちのワンマンライブにぜひ遊びに来て、2025年最後の集大成というか、1年の締めくくりを一緒に盛り上がれたらいいなと思っています。

SHIN 楽しみにしてくれているファンのみなさんに、ワクワクするお知らせや出来事を提供できるように、下半期も頑張っていきたいと思います。

LIN 僕もZepp公演ですね。僕自身も楽しみにしていますし、「チャレンジ」という部分で、すごく有意義なチャレンジになると思っていて。でも、それができるのは今、MADKIDの音楽を聴いてくださっているみなさんのおかげなので、Zepp公演の前はね、地元が東京じゃないよって方は、ちょっと今年の帰省を少し待ってもらって。(笑) 今まで以上に「MADKIDのこと知ってはいるけどライブはどうしようかな?」という人たちにも観てもらいたいです。ホントにたくさんの人に観てもらいたいなと思っています。

YOU-TA まずはZeppなんですけど、そこがゴールではなく、僕らは「やっぱりこの5人で武道館に立ちたいよね」という話もしています。これは2025年の下半期だけでは達成できない目標なんですけど、Zepp公演をしっかりと成功させて、最終的には、僕らで日本武道館に立って、「成り上がったぞ!」というところを見せたいです。

Interview & Text:安藤さやか

PROFILE
2ラッパー3ボーカルで構成される5人組グループ。2014年結成、2018年メジャーデビュー。2019年2月にリリースしたシングル『RISE』が TV アニメ「盾の勇者の成り上がり」オープニングテーマに起用され、YouTubeでの総再生回数は約3200万回を突破。その後、アニメタイアップ作品のリリースを重ね、アニソン界唯一のダンスボーカルグループとして多くの支持を集める。今年1~2月にはアメリカ、カナダ、メキシコの11都市をめぐる北米ツアーを開催。2025年12月30日にZepp Shinjukuでワンマンライブを開催する。
https://columbia.jp/madkid/

RELEASE
『Resolution』

Type-A(CD+16Pブックレット)
COCA-18296
¥1,980(tax in)

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¥1,980(tax in)

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