自分たちが持っている輝く可能性を信じて……。
MeseMoa.が最新シングル『FACSTORY』を6月24日にリリース。表題曲は、テレビアニメ「勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~」のオープニングテーマとしても流れているので、耳にしたことのある人たちも多いだろう。同楽曲の魅力、そして現在行っている全国ツアーについて、気まぐれプリンス、あおい、ノックソ、野崎弁当、とみたけの5人に想いを訊いた。
■“FACSTORY”のMVを観ていると、めちゃめちゃわくわくしてきますね。
とみたけ ありがとうございます。僕等も楽しんで撮影をしていましたけど、撮影をした時期が、花粉が飛び散る真っ只中の季節で……。しかも、その場所が花粉の住処みたいなところだったから、撮影中は目が開かない、目が開かない……。
あおい 集合時間も今までの中で一番早かったんです。4時45分にホテルを出発して真っ暗な中、富士山の麓に向いました。しかも、集合場所の街灯はゼロ。みんな車のライトを明かりにして撮影の準備をしていたくらいです。
気まぐれプリンス ただ、早朝集合だったおかげで、富士山から昇る日の出を見ることが出来ました。それが嬉しい想い出になりましたね。(笑)
とみたけ 今回のMVは、宝物を探しに冒険の旅をする物語仕立てなんです。テレビアニメ「勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~」(以下、「勘違いの工房主」)に寄り添った設定になっていて、主人公のクルト君と同じように、僕らもそれぞれにスキルを持っているという設定で。そのパワーを旅の道中で使いながら、お宝を発見する内容なんです。アニメを観ている人たちなら、作品とリンクしている部分を楽しんでもらえるんじゃないかな。
■クルト君はどういう主人公なのか教えてください。
とみたけ クルトくんは、自分は何もできないと思っているけど、実はすごい能力の持ち主なんです。本人はそれをすごいとは思っていないんですけどね。その力を周りの人たちがどんどん評価してくれて、彼の人柄にも惚れて、次々と仲間が集まってくる。そんな、とても謙虚で心優しい少年です。アニメのオープニングで流れている“FACSTORY”には、クルトくんはもちろん、僕ら自身にも重なる想いが書いてあるので、MVの監督さんもアニメやMeseMoa.のことを理解して、それを反映したファンタジー寄りの作品に仕上げてくださいました。
■花粉真っ盛りの時期となると、富士山の麓とはいえ、けっこう寒かったんじゃないですか?
気まぐれプリンス 撮影の日は温かかったし、日射しが出ている場所はそこまで寒くはなかったけど、洞窟内での撮影の時は、外との気温差にびっくりするくらい寒かったです。急に真冬に戻ったみたいで、その寒さは大変でしたね。山の天気は変わりやすいように、途中で大雨が降ってきた時は、「これでは撮影中止になってしまうかな?」と思ったくらいですた。でもそのまま撮影続行して……。(笑) でも実際に仕上がった映像を見たら、雨が降っていたのがわからないくらいの晴れ模様の映像だったから、「映像技術ってすごい!!」と驚いちゃいました。(笑)
とみたけ 途中、ブタちゃんと追いかけっこをするシーンの撮影の時、実際は雨ザーザー降りになったんですけど、映像を見たら、雨が降っていたなんてまったくわからないでしょ!(笑) 映像ってすごいですよね。
気まぐれプリンス あるもんを消せるんやったら、ないものを足せるのもわかった気がしました。(笑)
■あおいさんはMVの中で、瞬間移動のように飛んだり跳ねたりしていましたよね?
あおい あの映像は加工していないんですよ。今日も取材のために家から跳んできたので。(笑)
気まぐれプリンス (その話を受け流しながら)あおいくんが、メンバーたちが洞窟に置き忘れたつるはしをスキルを使って取りに行くんですけど、あれ、実際はめっちゃ重たかったんでしょ?
あおい 1本2キロはあるつるはしをガチで4本持って跳んでいるので、めちゃめちゃ大変でした。ずっと持っていると重さから手が痛くなってきて、終いには指が震えていました。でも瞬間移動出来るあのスキルは欲しいですよね。
■えっ?あれはリアルじゃないんですか?!(笑)
あおい あっ、そうだった!リアルです。(笑)
■他の4人はどんなスキルを持っていたのでしょうか?
気まぐれプリンス 自分は「時間を止めるスキル」です。ブタちゃんを追いかけている時に、そのスキルでブタちゃんやメンバーたちの動きを止めていました。
ノックソ 僕は「石を宝石に変えるスキル」です。でも、時間が経ったら元に戻るんですけどね。(笑)
とみたけ 自分は「動物と話せるスキル」です。旅の途中で、小鳥に宝物の在り処を聞いていました。
野崎弁当 僕は「スプーンを曲げるスキル」です。映像では、最後の最後にスプーンを曲げる描写が出てくるけど、実は「念力というスキル」を持っているのかも知れない。そこは、観ている方々の解釈次第にしておきます。(笑)
■先にMVの話から始めましたが、ぜひ「勘違いの工房主」のオープニングテーマとして流れている、“FACSTORY”の曲の魅力についても聞かせてください。
野崎弁当 今、ツアーやリリイベを通して披露しているんですが、“FACSTORY”を歌っていると、自然に気持ちが楽しくなるんですよ。しかも、歌詞の持つ力によって自分も鼓舞されるというか、心がウキウキしてきます。そこに魅力を感じています。
■歌詞の力によって自分の気持ちも鼓舞されるっていいですね。
野崎弁当 「自分では気づいていないだけで、あなたにはこういう能力があるんだよ」と、教えてくれる内容なんです。その歌詞を自分たちに当てはめると、MeseMoa.としての魅力も再認識できるので、そういう気づきもいろいろとありました。
あおい すごく楽しい歌ですよね。楽曲をもらった時から、「あっ、アニメのテーマ曲にベストマッチだ!」と思ったのが第一印象でした。歌詞の内容も、自分たちにめちゃめちゃ合っているなと思っていて。サビに書いてある「積み上げた可能性 手に取ってみて 磨くオリジナル 信じれば輝き出す」の言葉のように、ここまで自分たちにしか出来ないことをやってきたからこそ、今のMeseMoa.があると思います。「自分たちにしか出来ないことは、もっともっとあるよ」と、自分たちに言い聞かせていける。まるでMeseMoa.に向けた応援歌みたいだから、そこが好きなんですよ。
■歌詞の一節じゃないけど、伝説を生み出していますか?
あおい むしろ伝説しか生み出してないですね。(笑)
気まぐれプリンス アニメの内容もそうですけど、“FACSTORY”は、「自分ではすごいと思っていないけど、本当はそれってすごく素敵なことなんだよ」と伝えてくれる曲です。「気づいていないだけで、誰にだって素敵な魅力や力があるんだよ」と、この曲を通してみんなにも感じてもらいたいし、少しでも聴いた人の自信や、背中を押せる楽曲になってくれたら嬉しいです。そういう想いを持って、いつも“FACSTORY”を歌っています。
■みなさんだって、歌詞の一節のように「主人公(ヒーロー)」ですからね。
気まぐれプリンス 自分で「ヒーローになれているな」と思ったことはないというと、ちょっと語弊がありますけど、自分たちはすごく秀でた能力を持った人たちが集まったグループでもなければ、オーディションを勝ち抜いて結成したグループでもないので。本当に友達同士から始まったグループだから。もし僕らのことをヒーローと言うのなら、何もなかった自分たちが日々奮闘している姿や、目標に向かって我武者羅に走っている様を通して、「わたしも、僕も頑張りたい」という気持ちになれる。そういう勇気を与えていくことを言うのかな?「明日はちょっと早起きしよう」など、日常のちっちゃいことでもいいんです。僕らの日々の姿が、誰かの気持ちを動かす力に繋がっていたら嬉しいことですよね。
■MeseMoa.のファンからしたら、みなさんは最高のヒーローじゃないですか。
気まぐれプリンス 本当に憧れてくれているのなら、そんな嬉しいことはないですね。気持ちの上では、「隣の家のお兄ちゃん、いつもピアノの練習をしてはるけど、この間コンクールで賞をもらったらしいやんか、あんたも頑張りや」じゃないけど、近所にいる、憧れを抱ける身近なヒーローでいられるくらいが、僕らには似合うのかも知れんけど。(笑)
とみたけ 確かにね。でも、なんで今、おかん目線の発言やったんや?(笑)
気まぐれプリンス あっ、そうだった?(笑)
ノックソ “FACSTORY”は、楽曲やMVもそうだし、冒険を繰り広げるのに相応しいファンタジー寄りな衣装にもなっているから、そこにも注目してほしいです。キャッチーでかわいい振り付けも含め、ライブを通してみなさんに楽しんでいただけているなと実感しています。中でも、振りのポイントが「My facstory」と歌う時に、指を「F」の字にしているところです。振り自体は結構めまぐるしく変わっていくけど、途中、気まぐれプリンスがソロで歌っている時に、4人が彼の周りをぐるぐると走りまわったり、お客さんも巻き込んで大移動するなど、みんなで一緒に楽しめる振りも多いから、細かい演出も含めて楽しんでほしいです。推しメンだけを見るのもいいけど、“FACSTORY”は、グループ全体の動きを観てもらえると、より面白く楽しめる曲になっています。
とみたけ 今回、何が一番嬉しかったって、ついにアニソンシンガーの仲間入りを果たしたことです。楽曲でいつもお世話になっている阿久津健太郎さんに曲を書いていただいて、阿久津さんと一緒に作りあげるいつものMeseMoa.らしさもありつつ、でもアニメのタイアップ曲だから、よりアニソン感があるというか、聴いていてハッピーになれる。しかも、みんなの背中を押せるような楽曲にもなりました。聴くだけでキラキラした世界観が広がるし、聴いていると、アニメのオープニング映像が見えてくるような曲なんです。僕らもアニメの放送が始まる前から、「きっとここでキャラクターたちがみんなで集まって歩いているんやろなだろうな」などと想像をしていたら、本当にその通りの映像になっていたし、実際のアニメのオープニング映像を観た時は、もう感動でした!