MINAMI NiNE VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

MINAMI NiNE 『IMAGINE』

■ふふふ。3人集まったときからバンドの方向性は決めていたんですか?

ヒロキ いろんな世代の人に届けたいということと、絶対に日本語でいくってこと、聴きやすい音楽をやろうということは決めていました。前のバンドも日本語だったけど、伝わりづらかったのは、曲が速かったり、激しかったからかな?って、じゃあもうちょっとシンプルに、わかりやすく、ダイレクトに届けられるような音楽でいこうっていうところから曲作りを始めて。いっぱい曲を作り溜めて、それからライブを始めたんです。最初はたくさんプリプロで録ったもんね。

スケロク 10何曲ね。

ヒロキ まずは録って、曲と自分たちがちゃんと向き合って、それからライブしましょうって。そういう流れでスタートしました。

■曲作りはどのようにされるんですか?

ヒロキ まず家とか道端で、僕が口笛を吹くことから始めるんですよ。例えば家でお皿洗いながらなんとなく吹いた口笛がいいなと思ったら、それをiPhoneに録音して。その録音した口笛を、後日聴いてみてやっぱりいいメロディだと思ったらベースラインを付けて、そのデモをスタジオに持って行って2人に披露して、そこからギターを付けたり、ドラムを付けたり、歌詞を付けたりっていう、ものすごくアナログな作り方なんですよ。打ち込みとかで作ったことは1回もないし、3人とも楽譜が1ミリも読めないし。

■1ミリも。(笑)

ヒロキ 楽譜とかコードとかわかんないし、13歳で音楽を始めたときのままなんですよね音楽を勉強してとか一切なく。楽しい!好きだ!じゃあ作ろうってそれだけで。そのままでここまできちゃったんです。なので、いまも仕事として捉えているかといったら、そうではなくて。ゲームが好きとか、マンガが好きっていうのと同じで、僕たちはバンドが好き、楽器を弾くのが好き、歌うのが好きってそれだけなんです。

■始めたときの気持ちのままというのも、好きなことをやっているだけというのも、いちばん理想というか、素敵なことだと思います。

ヒロキ 誰も止めてくれなかったから、それが良かったんだと思います。(笑) 「もっと勉強したら?」とか、「こういうふうにしたら?」とかのアドバイスもないまま、ただ楽しそうだねってずっとやってこられたのが、もう奇跡ですよね。例えばメンバーの誰かが音楽にすごく詳しくなっちゃったり、音楽理論とか言い出したり、言葉はもっとこうしたほうがいいとかいう人がいたら、たぶんいまのような感じではやってこられなかっただろうなって。いまでも練習していて楽しいっていうのがいちばんだし、ライブってドキドキすんな、緊張すんな、でもみんなとやったら楽しそうやったから、きっとうまい酒が飲めるなとか、もうそこしかなくて。売れるためとかより、もっとシンプルな気持ちでやっているので、ずっとこのままがいいなと思っています。

■そういうのすごくいいなーって思います。

ヒロキ なので、誰でも楽器持てるんだよ、持てばいいのにって思いますね。どんなに田舎に住んでいる人でも、バンドをやってみたい気持ちがあったら、やれば楽しさがわかるじゃないですか。そしたらもうMINAMI NiNEにはなれるんじゃないかと思います。(笑)

スケロク 楽しさだけで言ったらね。(笑)

ヒロキ その楽しさだけで続けていたら、こうやってちゃんとできるし、同じメンバーとずっと一緒に続けられているっていうのももちろんありますけど、もう無理だな、やめようって思ったことはなかったもんね。

スケロク うん。

ワラビノ うん。

ヒロキ 頭を悩ませたことはもちろんありますけど、それよりも、やりたい、楽しいがどうしても勝っちゃうから。そこはこの3人で良かったなって思いますね。

■なるほど。今回“ダイナミック琉球”をカバーされていますが、これはどういうきっかけで?

ヒロキ 甲子園の応援でよく聴くなと思って、YouTubeでいろんな映像を観たんですけど、女の子も男の子も声を張って歌っている姿にすごいエネルギーを感じて。バンドの僕たちがこの曲をやったらどうなるんだろうな?と思ったのがきっかけですね。

■実際にやられてみてどうでしたか?

ヒロキ やっぱり曲のエネルギーがすごいなって。あらためてすごい曲なんだなって思いました。原曲とはだいぶ違うアレンジでやらせてもらったんですけど、この曲から僕らを知ってもらって、今年の甲子園ではMINAMI NiNEヴァージョンを歌う学校が出てくることを期待しています。(笑)

■それは聴きたいですね。

ヒロキ ですよね。自然のことも歌っていたりするので、田舎で育った僕たちにもすごく近いものを感じたというところもあるし、この曲からMINAMI NiNEを知ってくれる人たちもいるんだろうなって。

スケロク でもまだ僕ら沖縄に行ったことないんですよ…。だからこれを機に行けたらいいですね。(笑)

ヒロキ 毎年行きたいって言ってきたんですけど、これはいよいよかなと。沖縄に行ったときはこの曲を3回くらいやらんといかんね。(笑)

■あはは、楽しみですね。最後におひとりずつ、お気に入りの曲を教えてもらえますか。

ヒロキ 僕は“群青”ですね。地元の友だちとひさしぶりに飲みに行ったんですけど、住んでいる場所、置かれている環境、仕事の内容もいまは違うから、悩みも喜びも違うんだけど、同じ故郷で青春時代を過ごしたこと、だからこそ思い出が一緒っていうことがすごくうれしかったんですよね。そんな思い出が一緒の仲間が全国に散らばって、同じ1日を頑張っているっていうのはすごいことだなって。一緒に飲んで思い出話をして、これからもがんばろうぜ、また飲もうぜって約束する仲間や友だちの素晴らしさ、これはもう曲にしないといかんと思って作った曲です。地元の友だちにも届いてほしいし、みんなも自分の曲のように聴いてほしいし、大切な友だちにプレゼントすることができるくらいの曲になったなと思います。

スケロク 僕は“family”ですね。僕らの楽しさや悪ふざけみたいなものが、パンク、レゲエ、スカといったいろんな要素を混ぜ込むことで表現されていて、これを聴いていただければ僕らのもうひとつの顔である、ゆるい感じの部分がバッチリとわかると思うので、この楽しさを感じながら聴いてもらいたいです。

ワラビノ 僕は“Imagine”です。この曲はアルバムタイトルにもなっているんですけど、最後にできた曲で、自由にやりたい曲をつめ込んでいく中、この曲が6曲をひとつに固めてくれたような気がするんです。「想像してみてほしい」って歌詞にもあるように、6曲全部をそういう気持ちで聴いてもらえたら、より楽しく聴いてもらえるんじゃないかなって。ピアノを入れたり、ギターもアコースティックにしたり、サウンドもこだわってドラマチックなイメージで作ったので、この曲にどんなメッセージやドラマが隠れているのかを想像しながら聴いてもらえたらなと思います。

■この曲があることで想像するという意識が強くなるし、どの曲を聴いても地元の友人家族、いろんな思い出がよみがえってきちゃいました。

ヒロキ どの曲もこの人に向けて書いたっていう明確なものがあるんですけど、それをこっちから言っちゃうと聴く人が入り込みづらくなる気がして。だから、僕の書いた意味みたいなものと聴いてくれた人の解釈が違ったとしても、その人が感じたことが正解だし、これはあなたの歌なんですよっていう6曲になったと思います。だからこそ、この『IMAGINE』というタイトルがずばりハマッたし、そう考えると聴いてくれる人みんな、もうMINAMI NiNEですよね。もうみんながメンバーです。

Interview&Text:藤坂綾

PROFILE
メンバー全員南九州・宮崎出身3ピース・メロディック・パンク・バンド。2011年11月1日結成。2014年盟友であるWANIMAとの2マンライブを下北沢シェルターで開催。(SOLD OUT)2016年10⽉5⽇、1stフルアルバム『SWEET』を全国発売。2018年10⽉10⽇、ユニバーサルミュージックよりメジャーデビュー作品となるSUPER EP『LINKS』をリリース。今まで発表したデモ⾳源は全て完売。全国各地にて常にライブ活動を展開中。2018年末には⽇本最⼤級のカウントダウンフェス「COUNTDOWN JAPAN 18/19」にも出演を果たすなど、活躍の幅を広げている。
https://minami-nine.com/

RELEASE
『IMAGINE』

MINAMI NiNE 『IMAGINE』

初回限定版(CD+DVD)
UPCH-7496
¥2,200(tax in)

MINAMI NiNE 『IMAGINE』

通常盤(CD)
UPCH-2185
¥1,680(tax in)

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