三浦風雅 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

三浦風雅『未来話』

神奈川出身のシンガーソングライター・三浦風雅がメジャー4thデジタルシングル『未来話』を発表。彼は高校の卒業式に歌った“100万回のI love you”がSNSで拡散され、その動画を契機に音楽活動を始めた。路上ライブというストリートから出発し、2020年のオーディションブランド「One in a Billion」ではグランプリを獲得。さらに2021年には、メジャーデビュー曲“Start”が月9ドラマ『ナイト・ドクター』に起用されるなど、メキメキと頭角を現している注目のシンガーだ。今回はこれまでの歩みを含め、初のバラードに挑戦した新曲の魅力について話を聞いた。

■いきなりですが、三浦さんは高校時代にハンドボールをやっていたそうですね。僕も高校、大学とやっていたもので、勝手に親近感が沸きました。

三浦 あっ、ほんとですか?中学ではサッカーをやっていたんですけど、高校に入ったタイミングで友達から「ハンドボールに興味ない?」と言われて、腕相撲で負けちゃって、ハンドボール部に入ったんですよ。(笑)

■そんなハンドボール少年だった三浦さんが音楽に目覚めたきっかけは?

三浦 音楽に関しては、放課後にカラオケに行ったりするくらいで、ちゃんと歌をやろうとは思っていなかったんです。それで、高校の卒業式で思い出作りとして“100万回のI love you”(by Rake)を歌って、それがたまたまSNSで拡散されちゃって……。それが音楽を始めるきっかけになりました。

■YouTubeでその映像を拝見しました。「バイバイ!」という周囲の声も入っていたり、卒業式の空気感があの短い映像に詰まっていましたよね。それから路上ライブに出たんですか?

三浦 そうですね。音楽をちゃんとやるために、自分の実力を確かめたかったんです。コブクロさんがもともと好きで、コブクロさんも路上ライブをやっていましたからね。

■最初の路上ライブの感触はどうでしたか?

三浦 最初は誰一人として立ち止まってくれなくて、メンタルが1曲もたなかったです。(笑) 歌い切れずに一番で辞めちゃいました。その繰り返しで「こんなものなのかな……」と。

■メジャーデビューまでの道のりも紆余曲折があったようですが、その原動力は何だったんでしょうか?

三浦 いい感じで軌道に乗ると、その度にいろいろと問題が起きたりして、「なにくそ!」という思いが増すんです。それが頑張ろうというモチベーションにも繋がっています。

■メジャーデビューに辿り着くまでにターニングポイントになった出来事は?

三浦 そうですね、実は音楽活動を休止した時期があり……まだ始まってもいないのに、音楽を辞めようと思ったんです。ファンも少しずつ増えてきた時期だったので、せっかくここまで集まったのに、またゼロになるのかなと思ったんですが、その休止の間に、路上ライブの映像をファンの人たちがSNSにアップしてくれて、拡散してもらえたんですよ。活動をしていないのにファンが増えていって、そこで支えられているなと感じて、それが音楽をまた始めようと思ったきっかけです。ゼロになっても、マイナスになっても、周りに支えてくれる人がいるから、イチから頑張ろうという気持ちになりました。

■ちなみに音楽的にはどの辺の影響が大きいんですか?

三浦 最初はコブクロさんから入って、お二人のハーモニーがすごく好きで。それから音楽を本格的に始めようと思った時に、誰かと競い合う場が欲しくて、EXPGというスクールに通い出して、LDH系の音楽は結構聴くようになりました。僕は昔の音楽を掘り下げるのが基本的に苦手で。

■えっ!?(笑)

三浦 清水翔太さんも好きなんですけど、そのルーツにある洋楽のブラックミュージック的な要素がある音楽が僕にはハマらなくて。コブクロさんみたいに歌もの系で、ちょっとブラックの要素が入っているものとかは好きですけどね。

■邦楽系のアーティストの方が肌に合うと?

三浦 そうですね。今でも気持ちが落ちた時はコブクロさんの“DOOR”という曲を聴きます。「行くしかないだろう!」というサビ前のフレーズがあるんですけど、「ああ、やるしかない!」という気持ちになるんです。初心にも戻れますからね。

■そして、メジャーデビュー曲“Start”がいきなり月9ドラマ『ナイト・ドクター』に抜擢されるという。

三浦 そこで音楽に対する向き合い方は変わりましたね。今までは自分が頑張る姿を届けていたけど、メジャーシーンに立たせてもらった時に、自分に足りないものが浮き彫りになったんです。常に勉強しながら、常に楽しまなきゃいけないなと。レコーディングでも、以前はただ気持ちよく歌っていただけでしたけど、この歌詞はエモく歌うだったり、細かいところまで考えるようになりました。歌詞も今までは割りと適当に書いていたんだなと気づいたり。(笑) 今はより伝わるような言葉選びだったり、歌詞の響きとかも考えて書くようになりました。

■今回4thシングル“未来話”がリリースされるわけですが、楽曲をもらった時の印象はいかがでしたか?

三浦 歌詞を読んだ時に、ハッピーな感じかなと思ったけど、曲と一緒に聴くと切なさを感じたんですよ。仮歌を入れていただいたものを聴いて、これはただの恋愛ものじゃないなと感じて。幸せがありながらも、どこか儚さがあり、でもピュアな心も歌声から伝わってきたんです。それを紐解いて、ちゃんと自分ものにして歌おうと思いました。

■確かにいろんな解釈ができる歌詞ですよね。今回は初のバラード曲になりますが、歌い方で気をつけたポイントは?

三浦 3枚目まではポップで爽やかな感じの曲でしたけど、今回は歌もの感が増したというか、明るさだけじゃない三浦風雅を出せたらいいなと。表現の仕方は難しかったんですけど、いろいろとアドバイスもいただいて、歌い込むうちに発見もありましたね。自分でもいい曲になったと思います。歌入れの時にプロデューサーの方がいて、まずは好きなように歌わせてもらうんですけど、「もっとここはこうした方がいい」と指摘されて、確かにそうだなと思って。曲の最後に向けて、よりエモーショナルになるように心がけました。