大城美友 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

大城美友『TURNING POINT』

幸せな歌詞に隠された真実とは…。コロナ禍の時代の中で誕生したのが、ミニアニバム「TURNING POINT」。

大城美友が2月10日にリリースする2ndミニアルバム『TURNING POINT』。タイトルへ示した通り、彼女自身が表現者としてのみならず、一人の女性として生きてゆくうえでターンニングポイントになった出来事へ焦点を当て、6つの心模様として表現した作品。彼女の胸の内を、ここにお伝えしたい。

■美友さんって、普段からとてもテンションの高い人なんですか?

大城  よく、そう思われます。(笑) これでも結構感情には波があるんですよ。流石に一人の時はここまでアガッていないです。一人でこのテンションだったらただのヤバい人ですから。(笑) ただ、プラスのオーラはいつも出しています。しかも身近にいる人たちをこのテンションへ巻き込んでいく巻き込み癖があって、そこは良いのか悪いのか…判断はお任せします。(笑)

■ここからは最新ミニアルバム『TURNING POINT』のお話をお願いしたいのですが、タイトルに「転機」「転換期」「変わり目」という意味の言葉を掲げたように、美友さん自身、この作品がご自身のTURNING POINTになったということでしょうか?

大城 TURNING POINTになったというよりは、このアルバムをTURNING POINTにしたかったんです。ちょうどこの作品を制作し始めたのが、昨年のコロナ禍を迎えた時期だったんです。その前から新曲を作っていたので、コロナ禍より前に作った曲たちも収録していますけど。コロナ禍によって自分が表現していくべきベクトルが、一気に変わっちゃいましたから。本当なら昨年は「積極的に攻めよう」と思っていたので、アルバム制作の準備と並行して各地のライブハウスをアコギ片手に周ったり、路上ライブを積極的に進めようと準備をしていました。実は「攻めよう」と思ったのも、年齢的に20代後半になったことも大きかったんです。

■年齢的な焦りがあったということですか?

大城 そうです。もちろん長く活動していけますけど、女性って輝く上での旬ってあるじゃないですか。大城自身「今までのままの活動をしていては、年齢的にも旬として輝くことが厳しくなるんじゃないか」と思い始めていたし、「一分一秒、無駄な活動をしたくない」という意識が強くなっていたので、先の発言のように、積極的に攻めようと計画を進めていたわけです。そうしたらコロナ禍によってすべての予定が白紙になってしまいました。

■そうなると、ますます心に焦りを覚えてしまいますよね。

大城 そうなんです。水面下でいろんな準備を固めて、「よし、スタートラインに立つぞ!」と思ったところで、出鼻を挫かれたわけです…。その後、いろんなことを構築し直しながら、新作アルバムの制作も進めてきたわけですけど。自分の中には「以前のような環境を早く取り戻したい」「今の環境の中で、またみんなと出会える環境を一刻も早く再構築しなきゃ」という気持ちが強くありました。そんな不安や焦りを抱えながらもアルバムを作り上げたことや、「この作品を一つのTURNING POINTにしたい」と思ったことから、そう名付けました。同時に、今も不安の中で日々を生きている人たちに向けて「一緒にTURNING POINTを見つけよう」「ともにTURNING POINTと出会おう」と呼びかけようという想いも込めています。

■収録曲の“believe”には、とくにコロナ禍だからこそ伝えたい美友さんの想いが濃密に込められていますよね。

大城 今、音楽活動をしている人たちって、コロナ禍に向けた曲を書く傾向も多いじゃないですか。その気持ち、自分もすごくよくわかるんです。正直、コロナに関しては腹立つことも多いです。だからこそ、今の想いをしっかり歌にして残しておきたかったんです。

■今作『TURNING POINT』には、シリアスなメッセージソングから、女性が恋する心模様を綴った恋愛ソングまで、いろいろと収録しています。配信シングルとして先行リリースした“ヤンチャ風”には、好きになった人への「好きで好きでたまらない」愛おしい想いを赤裸々に書きました。この歌のように、恋した時って溢れ出る想いを抑えきれなくなってしまいますよね。

大城 そうなんです!大城の歌詞はどれも99.8%は体験談で、本当に感じている気持ちなんです。“ヤンチャ風”に登場する女性のように、大城自身恋をするとわがままやかまってちゃんになるし、やきもち焼きで面倒なことばかり言ってしまう性格にもなってしまいます。時として、自分で「面倒くさいこと言ってるわ…」と自覚する瞬間もあります。だけど、男女問わず恋をした時にこういう気持ちになる経験をしたことのある人ってたくさんいると思うし、そうなるのって決して悪いことじゃないと思うんです。確かに面倒くさい存在にはなっているのかも知れないけど、その面倒くさい性格をプラスに変えていければなと思って、この歌を書きました。

■人なら誰もが、好きになったら気持ちをぶつけたくなって、愛情過多になることってありますからね。

大城 そう、好きすぎるあまりにね。この曲が出来た時、あまりにも赤裸々に想いを書いてしまったから、歌う時に恥ずかしさもあったんです。というのも、ここに書いたのは、今まで外に出さずに隠してきた気持ちだったから…。大城って、一般的には「やる気」「元気」「太陽」「ポジティブ」「エネルギッシュ」という、強いイメージで受け止められていると思うんです。だから、以前は「女としての内面をさらけ出す」ことをあえて避けてきていたんですけど、今回はそこを良いギャップとして持っていけるように書きました。曲を聴いた男性の方々から「可愛いさが見えてくる」という声も届いているので、この歌を通して男性の心もつかみたいです。

■“ヤンチャ風”を聴きながら思っていたんですけど、男性よりも女性の方が好きになった時の愛情表現のパワーは強いですよね。

大城 うざいくらいにね。(笑) 『TURNING POINT』に収録した3曲の恋愛ソング、“ヤンチャ風”“あのね”“べっこう飴と君の真ん中で”に登場する女性は、結構可愛い姿として描かれていますけど、意外と面倒だったりもしますから。(笑)

■“あのね”を聴いていると、まるで恋に恋しているような可愛い女性に見えてくるし、とてもラブラブでハッピーな恋愛を育んでいる姿として見えてきましたけど…。

大城 “あのね”は、16歳の時に作った歌で。確かに可愛い歌ですよね。この曲を形として残したい想いを以前から持っていたので、今回、大人になった大城美友の視点で歌って収録しました。今の自分の視点で捉えたら、余りにも可愛い女の子している曲だから、歌っていて恥ずかしいんですけどね。(笑) でも好きな歌だからこそ形にして、残しておきたかったんですよね。

■“あのね”からは、いろんなデートの妄想をしていく様など青春模様が見えてきて、そこがすごくいいなと感じました

大城 “あのね”は、当時束縛する男と付き合っていた時に作った現実逃避の歌なんです。あの頃は束縛が強いあまりに、何度も生活を引っ搔き回されて、気持ちを引き裂くような痛い経験も多かったので、あの当時、自分の感情はボロボロでした…。その悲しみを隠して、逆にポジティブに持っていこうと、願望として書いたのが“あのね”なんです。

■そうなんですか!てっきり素敵な恋愛経験をしている様を映し出した歌だと思っていました…。

大城 大城の歌は、悲しみから生まれる歌が多いんです。その時に持っている心の悲しみを隠して、逆の感情へ持っていきながら、それを歌にしていく方が曲を作りやすいんです。それにハッピーな時には、なぜか曲を作ろうとは思わない。(笑) 大城の恋愛ソングって、実は書いている想いと間逆の感情や、環境のことが多いですし、どれも負の感情がベースになっているんです。

■それ、衝撃的すぎます。ということは“べっこう飴と君の真ん中で”に綴った、愛しい人を求めていく切ない感情も間逆ってことですか?

大城 切ない経験なのは一緒ですけど、実は好きになった人にはすでにパートナーがいた、という状況の中でこの歌は生まれています。大城の恋愛曲は、その裏にいろんな事情が隠されていますから。 (笑)