NGT48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

幻のような一瞬を描く10thシングル『一瞬の花火』は、「海の柏崎」とのコラボ曲。

NGT48が10thシングル『一瞬の花火』を8月28日にリリース。2015年の活動開始以来、新潟を拠点に地元貢献・地域密着をテーマに活動しているNGT48。今作の表題曲“一瞬の花火”は、越後三大花火のひとつ・ ぎおん柏崎まつりとのコラボ曲として発表され、11人選抜で、センターは、藤崎未夢、大塚七海、小越春花の3人によるNGT48初のトリプルセンターとなっている。
今回はそんな選抜メンバーから、西潟茉莉奈、小越春花、佐藤海里、北村優羽の4人に新曲やコラボについて、そして花火にまつわる思い出などを訊いた。

■ニューシングルの表題曲“一瞬の花火”は、夏にぴったりなカッコよく儚い曲でした。「新潟といえば花火」というイメージがあるのですが、活動15年目の2024年、なぜこのタイミングで花火をモチーフにした曲をリリースすることになったのでしょうか?

佐藤 NGT48は越後三大花火大会のひとつである柏崎ぎおん祭りの応援サポーターを務めさせていただいています。“一瞬の花火”はその花火大会の中で打ち上がるミュージック花火の楽曲となっています。

■それは素敵ですね。新曲を初めて聴いた時の印象はいかがでしたか?

小越 しっとりした切ない曲なんですけど、すごくNGT48の得意分野な曲だなって思いました。NGT48にはノリノリの激しい夏曲が少なくて、「もしかしたらそういう曲が変化球で来るかもしれないな?」と、ソワソワしていたんですが、やっぱりNGT48として安定感がある方の曲になったなという第一印象でした。「今まであったものが無い」のって、何にも代えがたい気持ちになると思うんですけど、だからこそ昔の思い出を大切にできるし、歌詞に出てくる「僕」自身が成長したからこその気付きがあって、この歌詞ができたんだと考えると、この曲はただ切ないだけじゃないから、そういう部分も出せていたらいいなと思います。

佐藤 この曲は花火大会とのコラボ曲なので、最初に楽曲をいただいた時は、花火大会のワンシーンを想像して、「夜空に打ち上がる花火はとても美しいけれど、それは一瞬で、まるで幻のようだった」という情景を思い浮かべながらレコーディングさせていただきました。前作のシングルから約1年ぶりのリリースになるんですけど、その中で本間日陽さんと中井りかさんや、同期も卒業されたので、そんな卒業していったアイドルたちを想って、「幻なのか?」という歌詞が当てはまるような、自分たちアイドルの儚さを表現できたらいいなと思っています。

北村 最初に聴いた時はすごく儚くて切ない曲だと思ったんですけど、その中にはキラキラしたものがあって、儚さだけじゃないという印象でした。歌詞はすごく切ないんですけど、歌詞と曲のメロディが合わさるとまた違ったイメージになり、すごいエネルギーを発揮するんだなと感じます。

西潟 今まで、NGT48を応援してくださる方に「NGT48って曲に恵まれているよね」と言っていただけることが多かったんですけど、今回この曲を聴いた時に「また恵んでいただいたな」と思いました。今作には花火の音が入っているのですが、花火の音が入っている曲って少ないので、今回こういう「ザ・花火曲」をいただけたことがすごく嬉しかったです。レコーディングし終わって、サブスクで自分たちの声が聴けるというのは、改めて良いなと思いましたし、「曲をリリースさせていただける喜び」を感じました。

■ニューシングルの中で「この曲のここを聴いてほしい!」「ここが好き!」という所を教えてください。カップリング曲についてでも大丈夫です。

佐藤 私は“一瞬の花火”のサビの一番最後の「幻なのか?」というフレーズが大好きです。花火にも当てはまるし、アイドルや尊い存在、儚い存在の好きな人だったり、両親のことだったり、いろいろなものに想いを重ねられるので。

西潟 私も“一瞬の花火”の「夏の終わり ふいの花火 その大きさも その熱さも 二人以外 きっと わかり得ないだろう」という所がすごく好きです。花火って毎年上がると思うんですけど、あの時は誰かと一緒にいたのに、今年はひとり……というイメージでこの歌詞を読み取って、その「若さ」というか、「切なさ」というか、ふたりにしかわからない、ふたりだけの秘密事を詞に綴るなんて、秋元先生ってすごいなと改めて感じました。

小越 私は「愛するとは ずっと手を繋ぐこと」という歌詞が好きです。愛ってすごく難しい印象があるけど、「手を繋ぐ」というのはシンプルじゃないですか。最初に“一瞬の花火”のその詞を聴いた時、「あ、そうなんだ」と思ったんです。「ずっと手を繋ぐこと」って、言うだけならシンプルなんだけど、実際にやるのはすごく難しくて。そこで「当時の僕は大事なものに気づいていなかった」という後悔がピークに来て、そういった後悔が曲の深みになっているなと思っています。

北村 じゃあ私は、自分と水津菜月、杉本萌が歌っているカップリング曲の“もう一度 手を繋ぎたい”から。Bメロに「大人になる階段のどこかで 自分を見失ったみたい」「今だったらわがままとわかるわ」みたいな、自分について一度考えるような歌詞があって、今歌っていてもすごくしみじみ考えることがあるし、これから歌い続けていく中で、いろんなことを感じるんだろうなと思いました。

■今作について、制作中に何か印象深いできごとはありましたか?

西潟 レコーディングするのが少し難しかったなというのはありました。音程が結構変わるし、転調するので、音を探したり、言葉もギュっと詰まっているので、どう歌うかに苦戦しました。

佐藤 今回、4期生の磯崎菜々ちゃんが加入して約半年ぐらいで選抜入りしたんですけど、初めての後輩に対する3期生の先輩ぶりを近くで見ることができました。取材の合間時間にもすごく積極的に声をかけてくれたりしているのを見て、前作までは3期生が一番後輩だったんですけど、この1年でちゃんと気配りができるように成長したんだなと嬉しくなりました。

■ニューシングルは初のトリプルセンター曲ですが、いつもとは違う所はありましたか?

小越 私はもう6年くらいやっているんですけど、今までレコーディングで納得できたことがなくて……。今回は初めてレコーディング中に爆泣きしました。歌っている時は大丈夫なんですけど、限られた時間の中でやる必要があるし、グループにとっても1年ぶりのシングルだったし、しっかりやりたくて……。なんかすごく若手の子の話みたいな感じになっちゃってすごく恥ずかしいんですけど……。(笑)

西潟 若いんだから大丈夫だよ!(笑)

■うん。実際に若いですから。(笑)

佐藤 今回のシングルのトリプルセンターの3人は、本当に安心して任せられる3人です。いつもセンターの横にいるメンバーって「センターを支えられるように」と話すんですけど、今回は逆にセンターの3人に引き上げられているような気持ちになっています。すごく意識の高い3人なので、安心して任せられるというか、ついていけるので、ファンの方たちにも楽しみにしていてほしいし、期待していただきたいなと思います

北村 私にとっては先輩3人なんですけど、加入した時からずっと背中を見続けていて、ずっとすごいなと思っていた3人です。トリプルセンターがどんな形になるのか、まだ私にもわからないんですが、どんな形になっても3人それぞれの輝きが絶対にあるだろうし、目が3個欲しくなると思います。(笑)

■目は2個しかないですからね。(笑)

西潟 おでこに3つめの目?!(笑)

北村 それくらい同時に見たくなる魅力がたくさん詰まっている先輩が揃っているので、今から楽しみで楽しみで仕方がないです。

西潟 センターを経験したことのあるふたりもいますし、生誕祭で「センターになりたい!」と言っていて、今回夢を叶えた大塚七海ちゃんもいるので、夢を叶えた瞬間が見られるというのもすごく嬉しいなと思います。前回のシングルは全員選抜だったんですが、今回は11人選抜ということで、4期生の磯崎菜々ちゃんが入ったり、3期生から昇格した3人が入ったりと、また新たなNGT48をお見せできるんじゃないかなと思います。

■今作の「今までとは違うところ」はどこですか?

西潟 やっぱり「コラボ」というのは大きいと思います。地元(新潟)で活動しているので、「海の柏崎」と呼ばれるほどの有名な花火大会の応援サポーターをさせていただけるのは、大きな出来事だと思います。しかも“一瞬の花火”とともに、花火が打ち上がっていくんですよ。それに花火のデザインも考えさせていただいたりもしました。

佐藤 私の名前は、海の里と書いて「カイリ」と読むんですけど、名前に「海」が入っていることから、私の両親が「この子が初めて見る花火は海を題材にした柏崎の花火がいいよね」ということで、生後11ヶ月で「ぎおん柏崎祭り」に連れて行ってもらったんです。もちろん記憶は全然ないんですけど、両親からその話を聞いて、NGT48に加入してからも見に行ったことがあるぐらい大好きな花火大会だったので、今回コラボさせていただくのが本当に嬉しくて。新潟県民にとって、いっぱい思い入れのある花火大会なので、彩れたらいいなと思います。

■今作にまつわる個人的なアピールポイントをそれぞれ教えてください。

西潟 私はNGT48に加入して今年で10年目になって、10作連続で選抜に選んでいただいているんです。そして10年目という大切な節目にリリースさせていただけるのが今作なので、今作にはやっぱり思いがすごく詰まっています。

佐藤 前作には3期生のメンバーが入ってくれて、私にとってはそれが初めて「先輩」になったシングルだったんですけど、その時は自分のことでいっぱいいっぱいになってしまって、正直「もっとこうしてあげたらよかった、支えてあげたらよかったな」という反省のシングルにもなりました。なので、今回のシングルでは、この1年間、シングル活動以外で成長したところを発揮できるような、ちゃんと後輩をサポートできるような、後輩のお手本になれるような活動をしたいと思っています。

北村 私は今回カップリングを含めて3曲も参加させていただいていて、メンバーの中でも多い方なんですけど、すごくありがたいことだと思っているので、どの曲もちゃんと心を込めて聴いてくれている方たちに伝えていけるように歌います。あと、選抜に入った3期生は昇格させていただいた3人なので、「やっぱりこの3人で納得だな」と思わせられるように頑張りたいです。

小越 今回はトリプルセンターだと聞いた時に、個人的にはそろそろ後輩がセンターをやると思っていたので、「自分がいていいのかな?」という気持ちにもなりました。「グループにとって良いことは何か?」と考えた時、後輩のみんなの活躍も見てみたいなと思ったんです。今回は4期生から初めて選抜にひとり入ったのですが、いろんなプレッシャーがあると思うので、後輩の魅力をちゃんと引き出せるような先輩になりたいです。

■みなさん本当に素敵な答えをありがとうございます。ここまでは真面目な質問が続いたので、ここからは少し肩の力を抜いて行きましょう。(笑) 新潟には有名な花火大会が幾つもありますが、特に思い出深いものや、オススメのイベントはありますか?

西潟 私は新潟が地元ではないんですけど、加入させていただいてからすぐに荻野由佳ちゃんと一緒に、長岡花火の中継サポーターをさせていただいたりして。あと、『NGT48のにいがったフレンド!』というNGT48とロッチさんの番組があったんですけど、その時は片貝の花火大会で髙橋真生ちゃんの卒業企画として、「ロッチの中岡さんが考えたフレーズで花火が打ち上がる」というのをやらせていただいたんです。そして今回のシングルで新潟の三大花火(長岡、片貝、柏崎)を制覇というか、お仕事として3つとも関わらせていただいたので、すごく嬉しいです。

■それはすごいですね!佐藤さんの思い入れがある花火大会は、先ほどの質問で既に伺ってしまったような気もしますが、いかがですか?(笑)

佐藤 先ほどお話した柏崎に加えて、長岡花火も大好きです。長岡花火はフェニックス(音楽にのせた連続打ち上げ花火)が名物なんですけど、今回の柏崎花火でも、“一瞬の花火”を流しながら花火が打ちあがるので、「柏崎と言ったらNGT48の楽曲で打ち上がる花火だよね」と言っていただけたらいいなと思っています。

北村 地元の小千谷市の片貝まつりでは四尺玉が打ちあがるので、私は毎年結構近くで見ていたんですけど、本当に迫力がすごくいんです。胸に響くというか、骨まで震えるレベルなんですよ。そんなすごい花火を見られて、この町に生まれて良かったなと思えます。

小越 私は長岡花火ですね。私のおじいちゃんおばあちゃんの家が長岡にあって、長岡にはよく行くんです。長岡花火には戦争への思い(長岡空襲の慰霊)も込められているので、行く前は「毎年見ているものだからなぁ」と思っているんですけど、いつも見たら涙がスーッて流れてくるくらい感動しちゃいます。世界的に有名な花火がここ新潟にあるんだということも、とっても誇りに思えます。