NGT48 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

NGT48『ポンコツな君が好きだ』

完璧じゃなくてもいい。ポンコツも全肯定する最新シングルをメンバーが解説

NGT48の今年2枚目となるシングル『ポンコツな君が好きだ』は、インパクトあふれるタイトルが印象的だが、最近ちょっとしたことでイライラしてしまうという人や、小さなミスでも過剰に責められがちな現代社会に疲れてしまったという人に、ぜひ聴いて欲しい全肯定ソングだ。NGT48メンバーも出演する特撮テレビドラマ『炎の天狐 トチオンガーセブン』新シリーズ挿入歌の“僕らのトチオンガー”、音楽を得意とするメンバー3人が歌唱した“情熱の電源”も含め、今作の注目ポイントを1期生の小熊倫実、2期生の川越紗彩、三村妃乃の3人に語ってもらった。

■“ポンコツな君が好きだ”には小熊さんと川越さんが参加していて、タイトルのインパクトも強い楽曲ですけど、最初に聴いた時の印象はいかがでしたか?

小熊 メロディーを聴いた時はすごく王道なアイドルソングで、嬉しいなってワクワクしていたんですけど、歌詞を見たら「ポンコツ!?」と思って。(笑) でも、ただポンコツな女の子のお話なわけではなくて、失敗しちゃった時とかに聴くと、すごく勇気づけられる全肯定ソングになっているんです。「そんなところも好きだよ」、「完璧じゃなくていいよ」って、私自身も救われる気持ちになります。

川越 私も初めて聴いた時に、めちゃめちゃアイドルソングだなと思って。センターの小越春花ちゃんがちょっとポンコツっぽい性格なんですけど、主人公の女の子が春花っぽくて、かわいらしい曲だなと思いました。

■この曲ではポンコツな女の子に対して「なぜか安心できる」とか、「僕の器はちっちゃすぎる」とか、僕は完璧な人を見ると不安になるので、すごく気持ちがわかるなぁと。

小熊 わかります!私もミスしちゃうことがよくあるんですけど、そういう時にこの曲を聴きたいですね。どの方にも勇気を与えられる曲なんじゃないかなって思います。

■三村さんも、もう曲は聴いたんですか?

三村 はい。MVも見させてもらったんですけど、物語性がしっかりしていて、見応えのある1曲になっているので、ファンのみなさんの反応がとっても楽しみです!

■そのMVは前半がドラマパートになっていましたけど、みんな演技もしたんですか?

小熊 演技パートは主に小越春花ちゃん、中井りかちゃん、本間日陽ちゃんの3人がやっていて、失くしてしまった花火玉をみんなで見つけ出そうという物語になっているんですけど、私は「絶対ないでしょ」っていうところを双眼鏡で探しています。(笑)

川越 私もなぜか校長室を探していて。(笑) セリフはなかったんですけど、動きで伝えられる演技をしました。

小熊 そういうツッコミどころも探してみたら、より楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

川越 あと、ダンスは新潟でもさかんな“花火”がテーマになっていて、遠くから見た時に花火の模様みたいな形になる振りを作っていただいたんです。MV撮影の時は何回も立ち位置を確認して、最後の最後まで体の向きも細かく合わせたので、ぜひ見て欲しいです。

小熊 大変だったね。けどその分、素敵なダンスシーンになっています。

■作曲は杉山勝彦さんで、乃木坂46など坂道系のイメージが強い方ですけど、曲の印象はいかがでしたか?

小熊 今までのNGT48の楽曲は、王道アイドルソングというよりかは、爽やかな曲調が多かったんですけど、今回は本当にザ・アイドルソングだなと思って。(杉山が作曲した)“君の名は希望”とかもそうですけど、名曲は頭に残るというか、この曲も音源をいただいた時から何回も聴きたくなるメロディーだなと思いました。あと、いろんなところに「キラキラキラ〜」って音が入っているところも好きですね。また新しいタイプの楽曲が歌えて嬉しいです。

■NGT48には今までなかったタイプの曲に?

小熊 そうですね。5枚目のシングルだった“シャーベットピンク”も王道アイドルソングだったんですけど、それとは少し雰囲気の違った王道アイドルソングで、また新しい面が見せられたらいいなと思っています。

■たとえばAKB48だったら王道とか、SKE48だったらがむしゃらとか、NMB48だったらユニークとか、なんとなくイメージがあると思うんですけど、みなさん的にNGT48はどんなイメージですか?

三村 自分たちで説明するのも難しいですが、綺麗めというか。曲調だけじゃなくて、振り付けにもクラシックバレエ的な要素が入っていたり。

川越 確かに。しなやかな振りが多いかもしれないです。この“ポンコツな君が好きだ”も、スカートを「ひらひら〜」ってしながら踊るところがあったり、スカートの裾を持ちながら踊るところがあったり、しなやかなダンスになっていると思います。

小熊 私はNGT48はピアノを使っている楽曲が多いなと思っていて。他のグループさんはギターの感じが強い印象があります。

三村 最近はアイドルっぽい曲も増えましたけど、NGT48はエモい曲、壮大な曲が多い気がします。

小熊 “世界はどこまで青空なのか”とか、“世界の人へ”とか。

川越 カップリング曲も含め、メッセージ性の強い歌詞が多いなと思いますね。

■そんな今回のカップリング曲ですけど、TYPE-B収録の“僕らのトチオンガー”には小熊さんと三村さんが参加されていて。改めてトチオンガーについて教えていただけますか?

小熊 トチオンガーは『炎の天狐 トチオンガーセブン』に出てくる新潟が誇る特撮ヒーローで、長岡市の栃尾という地域が舞台になっているんです。栃尾は油揚げが名物なんですけど、その油揚げ職人をしている星さんという方が特撮が大好きで、台本や衣装まで全部ひとりで作られて、トチオンガーも自分で演じられているんです。12月20日からトチオンガーの新シリーズがNST新潟総合テレビで放送されるんですけど、それにNGT48から私と小越春花ちゃん、大塚七海ちゃん、諸橋姫向ちゃんの4人が参加させていただきました。

■小熊さんは油揚げ屋のアルバイト役を演じたそうですね。

小熊 毘沙門堂本舗という、星さんが実際に店主をされているお店のアルバイト役でした。トチオンガーは全体的にレトロな感じで、衣装も70年代が意識されているんですけど、これがまた新鮮な感じというか、自分じゃないみたいな感覚だったんです。だからファンの方にも新しい人として見てもらえたらいいなと思っています。

■“僕らのトチオンガー”は、作品の中で流れるんですか?

小熊 挿入歌として使われるんですけど、歌詞にも「トチオンガー」というワードがいっぱい入っていて、物語の内容とリンクする部分がたくさんあるんです。私はこれを歌っていると、撮影の期間を思い出しちゃうんですけど、ぜひトチオンガーの作品を見て、さらにこの曲も聴いていただいて、世界観に浸っていただきたいなと思います。

三村 ヒーロー感あふれる勢いのある曲になっているので、少年アニメの主題歌が好きな方とかにも聴いて欲しいです。まだ振り付けはわからないんですけど、めちゃくちゃ踊りそうな予感がしていて。歌唱メンバーの人数も多い(15名)ので、迫力あるんじゃないかなって、楽しみにしています。

■ちなみに栃尾の油揚げは、みなさん普段から食べるんですか?

一同 大好きです!

小熊 新潟の家庭では、普段よく食べられていると思います。

三村 私、実家は埼玉なんですけど、地元のスーパーでも売っているらしくて、うちの家族もハマっているんです。油揚げの中に納豆を入れたりして、おいしくいただいています。

小熊 スーパーで売っている油揚げもすごくおいしいんですけど、ぜひ栃尾に行って食べて欲しいです。私も撮影の時にいただいたんですけど、すごく豆腐感が強くて、また違うおいしさを感じてもらえると思うので。

■ファンは栃尾まで聖地巡礼しなきゃですね。

小熊 すでに行かれている方がいっぱいいるんですよ。

三村 早い!

小熊 本当に早いですよね。いろんな方が行ってくださって嬉しいです。

■そして(NGT48 Official CD Shopのみで買える)劇場盤には、三村さん、川越さん、古舘葵さんの3人で歌っている“情熱の電源”が収録されています。なんでこの3人に曲がもらえることになったんですか?

三村 前々から音楽に特化しているメンバーではあったので、それでスタッフさんが考えてくださったのかなと思います。

川越 10月にあった朱鷺メッセでのコンサートでも、私がギター、あお(古舘)がピアノ、妃乃が歌で、“蒸発した水分”という曲を生演奏で披露させていただいたんです。

■三村さんは歌を習っていたんですか?

三村 小学校4年生から習い始めました。私、生まれは東京なんですけど、親が転勤族で当時は新潟に住んでいて、ご当地アイドルみたいな習い事をしていたんです。そこから埼玉に引っ越したタイミングでもっと歌をやりたいと思って、ミュージカルのスクールに通い始めて。それ以降、中学では合唱部に入ったりミュージカルにも出たりして、ずっと歌と一緒に生きています。

■川越さんはギターをいつ頃から始めたんですか?

川越 私は高校1年の時に軽音楽部に入ったんですけど、もともとSILENT SIRENさんが大好きで、仲いい友達も大好きだったので、「一緒にバンドやろう」ってガールズバンドを組んでエレキギターを始めたんです。それでNGT48に加入してから、弾き語りにも挑戦してみたいと思って、誕生日に両親にアコギを買ってもらって、2年くらい前からアコギも弾くようになりました。

■曲をもらって3人で話し合ったりもしたんですか?

川越 歌詞について話し合ったり、英語部分の意味を調べたりしました。

三村 サビで繰り返される「Refrigerator」は「冷蔵庫」という意味なんですけど、冷蔵庫に入れたものは長持ちするから、昔の気持ちをしまっておく場所という比喩として使われているんです。

川越 この曲もメッセージ性の強い歌詞になっているなと思います。

三村 あと、私は2人に「素直に歌っていいよ」って言いました。2人とも声がとっても魅力的なので、変に力を入れず、そのまま素直に歌った方が良さが出るだろうなと思ったので。

川越 私は声が細くて震えがちなんですけど、妃乃に言われてありのまま歌うように意識しました。この曲ではソロパートも多いので、一人ひとりの声の魅力に気づいていただけたら嬉しいです。