小倉 唯 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

「繊細で傷つきやすい」そんな女の子をイメージした“Empty//Princess.”。

2022年にソロアーティストとして10周年を迎え、楽曲やパフォーマンスで新しい挑戦を続ける小倉 唯。最新シングル『Empty//Princess.』では歌詞制作にも携わった。傷つきやすく繊細な女の子のお姫様のような可愛らしい外見と、満たされない心の内のギャップを描いた一曲。初回限定盤Aには“Empty//Princess.“のMVやメイキング映像が見られるDVDが、初回限定盤Bには、ミニ写真集がそれぞれ付属される。また、10周年ライブの模様を収録したブルーレイディスクもリリースが決定した。
今回は『Empty//Princess.』の聴きどころに合わせて、小倉 唯のファッションやコスメのこだわりなど、プライベートな質問にも答えてもらった。

■今作の表題曲“Empty//Princess.”は、どんなテーマで制作されましたか?

小倉 10周年という節目でもあるので、新しいことにチャレンジした楽曲になっています。10周年ライブでは、ファン投票でトップ5入りしたカップリングメドレーを披露しました。その時の上位2曲がどちらも小悪魔的な楽曲だったので、「ファンの方たちにも喜んでいただけるかな」と思い、こういうテーマに挑戦することにしました。

■楽曲制作で小倉さんが特に気にしていらしたのは、どんなところですか?

小倉 SNS映えする楽曲になればいいなと思っていました。なので、今回の楽曲は特にボカロっぽいサウンドになっているかなと思います。あとは振り付けが映える曲になるようにと思って、ダンスナンバーとしても聴き応えのある楽曲にしたいという希望は伝えていました。

■この曲のメロディーを初めて聴いた時は、どんな感想を抱きましたか?

小倉 今回はコンペで選んだんですが、まさにイメージしていた世界観が表現された楽曲を見つけられてよかったです。一度聴いたら忘れられないメロディーだったので、迷うことなくこのサウンドに決めました。

■特にお気に入りのメロディーラインはありますか?

小倉 私はイントロがすごく好きです。

■作詞の制作はどんなふうに進められましたか?

小倉 今回の作詞は共作なので、タイトルや物語、テーマ性を最初に私が考えました。もともと仮歌に入っていた素敵なフレーズがあったので、そこからアイデアをいただいたところもあります。自分だけでは思い付かないワードを相手の方のアイデアからいただくこともあって、お互いのいいとこ取りをしながら、上手く制作を進められたんじゃないかなって思います。仕上がってみて、「こういう歌詞はなかなか思い付かないです。すごく素敵だと思います」と、おっしゃっていただいたので、すごく嬉しかったのを覚えています。

■作詞ではどんなところを意識して制作されましたか?

小倉 曲先行での制作だったので、テーマ性を作ろうと思い、不器用な女の子をイメージして制作しました。「疑心暗鬼になってしまって、繊細で傷つきやすい」そんな女の子をイメージしています。

■小倉さんが特にお気に入りの歌詞のフレーズはありますか?

小倉 今までの自分の曲の主人公って、全体的に諦めずに頑張っている子が多かったと思うんですけど、“Empty//Princess.”の場合は、もう諦めちゃっているところもあるなと思っていて、そういう違いはファンの方たちにも新鮮に映るんじゃないかなと思います。

■最近は作詞をされることも多いと思うのですが、元々物語を作るのがお好きだったりされるのでしょうか?

小倉 そうですね。昔から作るのは好きな方だと思います。あとは振り付けも自分で考えたり、アイデアを出すことも多いです。

■“Empty//Princess.”のタイトルには、どんな意味が込められているんでしょうか?

小倉 お姫様とかプリンセスみたいな要素をまずは入れたいなと思っていました。その上で普通のプリンセスじゃなくて、見た目はプリンセスだけど、中身はそうじゃないっていうギャップを描きたいなと思ってつけたタイトルなんです。

■“Empty//Princes.”は、リズムの変化がバラエティに富んでいて、ころころと表情が変わるような印象を受けました。レコーディングはどんなところにこだわって制作されましたか?

小倉 メロディーや曲の雰囲気がころころと変わるので、私もテンション感とか情緒を変えて歌うように工夫しました。

■レコーディングで「難しいな」と感じるところはありましたか?感情の込め方などもお聞きしたいです。

小倉 この曲はテンポが早くて言葉数も多いので、歌う上でも難しいなと感じました。ラップパートも頑張りましたね。これまでもちょこちょこラップをやっていたことはあったんですけど、そんなに多くもないので、ファンの方たちも新鮮に感じてくれるんじゃないかなと期待しています。感情の込め方については、あんまりやりすぎるとキャラクターになっちゃうので、バランスを考えながら歌いました。自分を半分、主人公の気持ちを半分って考えながら、その間を行ったり来たりするイメージで歌いました。

■“Empty//Princess.”の仕上がりを聴いてみた時、どんな感想をお持ちになりましたか?

小倉 実は最後の「Chu Chu」ってメロディーラインは、レコーディングの当日まで、歌詞が決まっていなかったんです。最終的に「Chu Chu」って歌詞になったことで、「甘辛ミックス」みたいな雰囲気で、バランスのよい楽曲になったんじゃないかなと思います。攻めた楽曲ではあるけど、甘さもあって、自分が思っている以上に素敵な曲になったんじゃないかなと思います。

■MVもダンスが可愛くて素敵な映像になっていました。MVをご覧になられてどんな感想をお持ちになりましたか?

小倉 振り付けが注目ポイントです!「お姫様の私」と、「部屋にいる私」が行ったり来たりする構成になっていて、楽曲のテーマにもぴったりな映像になっています。

■実際に振り付けを踊ってみて、いかがでしたか?

小倉 見た目ではあまり伝わらないかもしれないんですけど、実は結構難しいダンスなんです、テンポも早いので。でも踊れるとすごく可愛くて素敵な振り付けなので、ぜひいろんな方たちにもチャレンジして欲しいなと思います。実はMV撮影時に、TikTokに投稿するためのダンス撮影もしたので、みなさんにはぜひTikTokも見ていただきたいです。

■今作のビジュアルは、どんなテーマで制作されたんですか?

小倉 今回のファッションのテーマは、「病みかわいい」みたいな雰囲気になっています。

■他の収録曲は“トキメキWeekend!”と、“アステリア”になっています。この2曲はどんな曲になっていますか?

小倉 “トキメキWeekend!”は、ライブで盛り上がれるようなポップな楽曲です。“アステリア”は、レーベルを移籍して初のバラード楽曲に挑戦しています。

■“トキメキWeekend!”のテーマも教えていただきたいです。

小倉 “トキメキWeekend!”は、「推しに会える週末」というのがテーマになっています。推し活をしているみなさんが共感できる楽曲を目指して作りました。私のファンの方たちにも、この曲を聴いて、ライブへのモチベを高めてもらえたら嬉しいなという気持ちがあります。それだけじゃなくて、推し活っていうのが今の流行りになっていると思うので、TikTokとかでもこの曲を出して、いろんな人に聴いてもらえたらいいなと思っています。

■“トキメキWeekend!”の聴きどころはどこでしょうか?

小倉 「ビジュ良すぎてため息出ちゃいます」とか、「もしかして私が1コメ」とかからわかるように、歌詞が現代的なワードになっています。今を表すワードばかりなので、「10年後に聴いたらどんな印象になるんだろう?」って気になりますね。(笑)

■小倉さんも推し活はされたりするんですか?

小倉 私はしていなくて。(笑) ファンの方たちの気持ちを考えながら、想像力を働かせて作った楽曲になります。みなさんからインスピレーションを受けた歌詞も多いんです。例えば「キミと同じ時代に生まれて感謝です☆」とかは、実際にイベントでファンの方から言われた言葉なんです。ファンの方のメッセージとかも反映されている楽曲になっていると思います。

■“トキメキWeekend!”は、どんなところにこだわってレコーディングされましたか?

小倉 めいっぱいテンションを上げて、お芝居をしているような気持ちで歌いました。ライブに来てくれるファンのみんなのテンションとかを参考にしました。「ファンの心が分かってる!」って思ってもらえたら嬉しいです。

■“アステリア”は、どんなテーマで制作された楽曲でしょうか?

小倉 ただ寂しいだけの曲じゃなくて、前向きな気持ちにもなれる曲がいいなと思って、今回のシングルの収録曲に選びました。編曲の鶴﨑輝一さんと歌詞を共作した楽曲になります。タイトルやキーワードは鶴﨑さんに考えてもらいながら、いろんなアイデアを発案しあって制作しました。“アステリア”は、失恋曲にもとらえられるんですが、「自分の大事な人、大切なものが何かのきっかけで離れてしまった」というような、広い意味で捉えられる楽曲になっています。過去の思い出を抱えている人、誰かとの思い出が忘れられない人が“アステリア”を聴いて、少しでも前向きになれるきっかけになったらいいなと思います。生の言葉感とか、モノローグ感を出したくて、語るような雰囲気にできるよう工夫して歌っているところも多いです。

■今回のシングル『Empty//Princess.』には、ミニ写真集が特典につくものもあるそうですね。その撮影の思い出などは何かありますか?

小倉 初回限定版Bの表紙になっている写真がとくにお気に入りの写真なんです。撮影の一番最後に撮った写真なんですが、スタッフさんと「どの位置にシールを貼ったらかわいいかなぁ?」って、一緒に相談しながらぺたぺたと貼りました。顔いっぱいに限界までシールを詰め込めるように頑張りました。(笑) 実はあのシールは指とかにも貼っていて、写真集ではそれも見れるようになっているので、ぜひ購入した方は探して見つけてみてください。