ORESAMA ONEMAN LIVE “SUMMER NIGHT PARTY”ライブレポート@Zepp DiverCity 7月24日(土)

「私たちの作った音楽はずっとみんなのそばにいます」ORESAMA9ヶ月ぶりのワンマンライブ開催!

開演前、既にステージ周りはレーザー照明で彩られており、花道の先端に続くセンターステージ近くではサポートDJとして本編でも参加するDJ MONICOがプレイ。来たるべき開演時間まで会場をあたためていた。

定刻を少し過ぎたころ、SEが流れると共にステージを覆う黒い幕にORESAMAのロゴが投影される。ゆっくりと幕が開き、サポートメンバーとともにORESAMAのメンバーぽん(Vo)と小島英也(Gt)が現れる。逆光でシルエットになっているメンバーがクラップをしながら姿を現すさまは、ショーの始まりを予感させた。純白の衣装に身を包んだぽんが「一緒に楽しんでいきましょう!」とライブの始まりを告げると、“OPEN THE WORLDS”を披露。9ヶ月ぶりに有観客ワンマンライブが開催できた喜びからか、心なしかぽんの声も弾んでいるように聴こえる。楽曲の地盤を支えるベースやその上を軽やかに駆け抜ける小島のギター、持ち前の圧と華やかさで引っ張るホーン隊、イントロや間奏を彩るキーボード、それぞれの音も踊るようにイキイキと奏でられる。オーディエンスも1曲目からペンライトやクラップ、身体を動かすなど自由に身を委ねており、心地いい空間が作られた。間髪入れずに“Pearly×Party -Funkapop ver.-”へ。うねるベースとギターが奏でるイントロが気持ちいい。序盤とは思えないようなスピードで会場をダンスフロアに変えていく。

この日のライブ中、何度も「一緒に遊びましょう」と口にしていたぽん。その言葉の通り、ぽんはこの日、誰よりも楽しそうに音に身を委ねていた。赤い照明が妖しげな新曲“Chewy Candy”では、花道を歩きながら客席を見渡し、身体を自由に動かす。花道の上であるにも関わらず、楽しそうにオーディエンスと目を合わせるその様子はオーディエンスとの距離感の近さを感じた。「強制じゃないので、やりたいと思ったらやってみてください」と手振りを共有した後、流れ星のLEDが彩るステージで披露された“Gimmme!”では、オーディエンスと演者が同じ振付で身体を動かし、一緒になって音、楽曲を楽しんでいるのが印象的だった。聴いているだけとはまた異なる、同じ動きをすることで生まれる一体感や幸福感に会場にいる多くの者が酔いしれただろう。

DJの鳴らすビートとベースが格好いい“ホトハシル”で、ぽんは「叫べ!」と強く歌い上げる。第一にぽんのキュートな歌声が魅力として挙げられるORESAMAの楽曲だが、Dメロで切なく一変する声や曲調による歌声の変化はライブでより鮮明に聴くことができ、魅力の深さを感じることができる。DJのビートが牽引するダンサブルなORESAMAの楽曲たちはステージメンバーの演奏によって迫力を増し、ライブならではの力強さを持ったダンスミュージックで会場を楽しませる。「次は踊れるセクションです、好きなように音に身を任せてください」と披露されたのは“迷子のババロア-Dressup cover-”。踊れるセクションの1曲目として演奏されるのがいわゆる盛り上がり曲ではなく、スラップがきいたベースがリバービーなボーカルを牽引する80年代ポップを彷彿とさせる楽曲であるところが、ORESAMAの音楽性を示唆している。

スクラッチで導入し管楽器が目立つ構成の“cute cute”では、ぽんが花道へと歩きオーディエンスとアイコンタクトを取っていく。サビで高音を張り上げる歌声と、それをかき消さんばかりのホーン隊が織り成す演奏がオーディエンスを煽っていく。“CATCH YOUR SWEET MIND”では「カラダ ゆらして ゆらして」の歌詞通り、ぽんが身体を揺らし、それに呼応するようにオーディエンスも自由に身体を動かしていく。小島が鳴らすカッティングが小気味良い。「大変な世の中で今日来ることを諦めた人もいると思います。でも私たちの作った音楽はずっとみんなのそばにいます、いたいと思います」と語ったぽん。そして“耳もとでつかまえて””夜行ノ雨”を続けて披露。キーボードとぽんの歌声のみで紡がれた“「ねぇ、神様?」-Live ver.-”では、終盤ぽんの歌声だけが響き、「届きませんか このうたは」と静かに、しかし切実に歌った。

ここで次に発売されるニューアルバムのタイトルが告げられ、同名のリード曲“CONTINEW WORLD”の先行配信についても発表された。「続けることの難しさ、尊さ。あの頃はよかったって言うのは簡単だけど、私たちは今を生きているから、変わっていく自分たちを恐れないで、背筋を伸ばしてゆっくりでも前を向いて進んでいきたい」と語った後に披露された新曲“CONTINEW WORLD”は、明るいダンサブルな楽曲でステージはレーザーに彩られる。その熱気を引き継ぐように“ワンダードライブ”で会場を沸かせた。拍手が鳴りやまないうちに畳みかける様に“流星ダンスフロア -Live ver.-”へ続くと、ぽんは思わずと言った様子でステージを動き回る。それぞれのソロパートから大団円へと向かうと、ミラーボールから反射した光がフロア全体に降り注いだ。演奏やオーディエンスとのコミュニケーション、ぽんの弾むような歌声など随所に魅力が溢れた今回のライブは、楽曲の魅力を存分に発揮しただけではなく、レーザー照明によってショーのような豪華さと視覚的な迫力を持っていた。

アンコールの拍手がフロア全体で一体になった頃再びステージに登場したORESAMAは、「久しぶりのライブなので久しぶりの曲で遊びたいと思います」と“Trip Trip Trip”を披露。御伽噺のようなきらびやかさを持つ楽曲も、DJの刻むビートと楽器隊の牽引によって思わず身体全体で聴いてしまう。ステージを原色に彩った“乙女シック -Live ver.-”を奏でると、「またみんなで遊びましょう!」とぽんが無邪気な笑顔を残し、幕が閉じていく。閉じた幕にORESAMAの文字が投影されると、余韻が残る会場からは大きな拍手が送られた。

Text:村上麗奈
Photo:江藤はんな (SHERPA+)

https://www.orsm.jp/

ORESAMA ONEMAN LIVE “SUMMER NIGHT PARTY”セットリスト
01. OPEN THE WORLDS
02. PEARLY×PARTY -Funkapop ver.-
03. Chewy Candy
04. Gimmme!
05. ホトハシル
06. 迷子のババロア -Dressup cover-
07. cute cute
08. CATCH YOUR SWEET MIND
09. 耳もとでつかまえて
10. 夜行ノ雨
11. 「ねえ、神様?」 -Live ver.-
12. CONTINEW WORLD
13. ワンダードライブ
14. 流星ダンスフロア -Live ver.-

Encore
01.Trip Trip Trip
02.乙女シック -Live ver.-