Scapegoat VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

9つの世界観を詰め込んだ全曲新譜の1stアルバム『大罪』。

Scapegoatが全曲新譜の1stアルバム『大罪』を5月22日にリリース。2021年8月にお披露目されたScapegoatは、リーダー兼プロデューサー・いぶきを筆頭に活動する「悪魔」がコンセプトのメンズアイドルグループで、ハイレベルなダンスとテクニカルな楽曲を特徴としている。今回リリースされる1stアルバムは、憤怒・嫉妬・虚飾・暴食・色欲・怠惰・憂鬱・傲慢・強欲といったメンバーの担当大罪をイメージし、各メンバーが楽曲をプロデュース。9人9色の世界観が楽しめる意欲作となっている。インタビューではそれぞれの担当楽曲について、りんたろ、りゅーが、ひかる、はやて、とい、しの、いぶき、あせたん、るいなの9人に話を訊いた。

■取材前にみなさんの動画をたくさん見させていただきまして、闇鍋企画でめっちゃ笑いました。 抹茶シロップ、イチゴ、塩辛が出てきたら、もう何を入れても変な味になりますよね……。(笑) ああいう企画やカバー動画はみなさんがアイデアを出しているんですか?

いぶき 番組の企画は基本的にみんなで案を持ち寄ってやるんですけど、楽曲や衣装といったグループのコンセプトに関わるものは自分が考えています。今回リリースする1stアルバム『大罪』の収録曲に関しては、メンバーそれぞれが意見を出し、メンバーそれぞれのプロデュース楽曲になっている感じです。

■今までで1番キツかったYouTubeの企画を教えてください。

あせたん 僕は体育祭ですね。せーぶぽいんとと合同で録ったんですけど、僕は一番年上なので体力的にも朝が早くてしんどかったです……。朝5時からでした。

しの 僕はメンバーの利き唇っていう企画ですね。目隠しして、メンバーの唇を誰が誰なのか当てるやつだったんですけど、メンタル的にちょっとキツいところがありました。(笑)

りんたろ YouTubeの企画の中だと王様ゲーム企画ですかね。ヨーグルトを塗りたくったりゅうがの手を舐めたんですけど、画的にもプライド的にも精神的にくるものがありました……。(笑)

はやて 自分はダンスシャトルランですね。「同じ曲を何回踊れるか」みたいなやつなんですけど、体力的にも画的にもいろいろ考えてやらなきゃいけなかったので、そういう面でちょっと大変でした。

いぶき 自分的にはそんなキツいものはなかったんですけど、1ヵ月間毎日投稿をやった時が結構しんどかったですね。

りゅうが 自分はマクドナルドで3万円分食べる企画が思った以上にキツかったです。9人だったらいけるかな?とは思ったんですけど、全然ダメでした。(笑)
とい 自分は最近投稿した大阪遠征の時の動画なんですけど、YouTubeには載せられないようなこともあったりして……。(笑) ちょっと言えないような話で、まぁキツくはないんですけど、楽しかったなっていう思い出です。いろいろなことがありました。(笑)

ひかる 僕はゲテモノを食べさせられがちで……。なんか虫とかサソリとか、タガメとかピータンも……。それがしんどかったですね。

るいな 僕は1月に新メンバーとして入ったばかりで、まだ企画自体は2、3本しかやっていないと思うんですけど、やっぱり闇鍋が……。匂いがキツくて、何も見えないし、「本当に食べ物が入っているん?」って思いました……。

■実際フィギュアが入っていましたもんね。(笑) さて、今回のアルバムはメンバーのみなさんがそれぞれ楽曲をプロデュースされているということで、おひとりずつ担当曲のお話を聞かせてください。“Peony”はひかるさんで「憤怒」とのことですが、タイトルはお花の名前ですよね?

ひかる 花の名前です。「怒り」と言っても、バーっとした激しい怒り以外にも静かな怒りもあると思っていて、曲の中でも転調や静かめな所も作ってもらいました。アニメのオープニングに例えるなら、カードゲーム系のアニメに合うかなと思います。

■“イブの罪”はいぶきさんのプロデュース曲ですね。

いぶき 歌詞の内容は一言で言っちゃうと「嫉妬」なんですけど、別の言葉で言ったら「復讐」になります。この曲は、一応ストーリーを考えた上で作ってもらいました。アダムとイブの物語をモチーフに、現代の恋愛の移り変わりやすさや、メンズ地下アイドルなどでいう「嫉妬」など、そういった若い女の子たちがわかりやすい内容をちょっと強くて、耳に残りやすい言葉で描いています。

■パイプオルガンとハープシコードで壮大に始まってゲーム風になったり、セリフがあったり、スピードの変化があったりしてすごく面白かったです。スピードの変化はダンスを意識されていますか?

いぶき そうですね、Scapegoatはダンスにも力を入れています。あと、個人的に思っていることなのですが、メンズアイドルの楽曲って、テンポが一定のものだったり、音が少なく聴き取りやすいものが多くて、自分はそういったものがあまり好きじゃないんです。豪華な感じだったり重厚だったりする楽曲がめちゃめちゃ好きなので、そういう楽曲になるようにいろいろと試行錯誤してやってもらっています。

■“Hidden”は「虚飾」で、りんたろさんプロデュース楽曲ですね。この曲はボカロ系みたいなイメージがありました。

りんたろ 参考として作曲家さんに提出した曲がボカロ系でした。いつ出せるかはわからないんですけど、自分はダンスが好きなので、曲の中にダンスソロを入れたくて、それ用の間奏がある楽曲も作ってくださいとお願いしています。“Hidden”の歌詞は「虚飾」というより、「虚勢」で、虚勢張ってるんだよって感じになってます。

■“gluttony”はタイトルそのまま「暴食」で、りゅうがさんプロデュースの曲ですが、始まり方がすごく派手ですね。(笑)

りゅうが そうですね。めっちゃ頭の音が長くて、「終わったのかな?」と思ったら、そこからイントロが始まります。(笑) 1曲の中で何度も曲調が変わるんですけど、自分もテンポが変わったりするのが好きで、サビ前の細かい音とかも含め、自分がやりたかったものを全部詰め込んだって感じになりました。ただ、歌詞は難しすぎて自分もそんなに理解できていないです。(笑) 漢字が多すぎて……。でも、暴食っぽい言葉も入っています。「暴食」が真ん中にあって、そこから派生させて作ってくれたのかな。

■“Alkaloid Lilith”はアルバムリリース発表時のコメントに「シタールの音」と書いてあったので、あせたんさんプロデュースの曲だとすぐにわかりました。(笑) でも、何故「色欲」はアラビアンなんですか?

あせたん 他の人たちとアイデアが被らなさそうだったのと、アラビアンってなんか「紫」な雰囲気でエロいというか、耽美なイメージがあったので、楽曲を聴いて一瞬で「色欲の曲だな」ってわかるようにしています。シタールやアラビア音階を使うことにもこだわっていて、アラビア音階を基調にして曲を作ってくださいとお願いしました。

■“怠惰プリンセス”はそのまんま「怠惰」ですよね。

とい そうですね。TikTokで使われやすい曲みたいな感じになったらいいなと思って作りました。僕は自己紹介の時に「お腹すいた、眠たいな、疲れた、怠惰」って言っているんです。そのフレーズを曲にも入れていただいたりしました。「サビの繰り返しは耳に残るような、キャッチーなフレーズにしてください」とお願いしました。振付も、サビは手振りできるような感じにしたいですね。

■“ヘラリヘラル”は、るいなさんプロデュースの「憂鬱」でしょうか?この曲はサウンドがシンプルで歌詞が耳に入りやすかったです。

るいな 「憂鬱」っていうのが分かりやすいように、歌詞にもちょっと「空っぽ」っていうか、「上手くいかない」みたいな感じで、コンセプトに沿うようになっています。歌詞の中では「どうでもいいことはしたくない」とかに共感しますね。(笑)

■“共犯者ルシファー”は、しのさんプロデュースの曲ですね。

しの アニメのオープニング曲をイメージして、「2回くらい転調して欲しい」っていうことと、勢いがあるというか、盛り上がる感じの曲でとお願いしました。具体的にどんなアニメのイメージとかはないんですけど、ちょっと一昔前の平成のアニソンをイメージして、アニメソングを作る作曲家さんに依頼しました。

■“絶対命令にゃん×3”は、チェンバロっぽい音が可愛かったです。はやてさんが思う「カワイイ曲」ってどんな感じですか?

はやて 機械っぽい音が入っていたり、ピコピコしていたり……どっちかっていうと女の子が好きそうな曲ですね。効果音とかが入っていたりする曲が僕は好きかな。“絶対命令にゃん×3”は可愛いだけじゃなくて、ちょっと闇の要素も入れて、途中ではストリングスというか、ゴシック寄りの音も混ぜてもらい、Scapegoatが踊ったり歌ったりしても違和感がないようにしました。猫モチーフなのは、僕は猫好きで、実際に猫を飼っているんですけど、あだ名とかでも「はーにゃん」みたいに、「にゃん」ってつけられたりしていて、自分=猫みたいになっているからです。