自由奔放、本音飛び出しまくり。可愛い無法地帯の重盛さと美と希帆をキャッチ!!
コロナ自粛期間中、重盛さと美が親友の希帆と一緒にYouTube上にアップした“重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE”が、いきなりバズり話題を獲得。その影響を受け、重盛さと美プロデュースのもと、昨年9月に希帆が配信シングル『uchiseiuchi』をリリースした。超オンボロの実家がYouTubeやテレビでも話題になっている希帆。彼女の実家に足を運んだ時に目撃した様を重盛さと美が歌にした“uchiseiuchi feat.友達”は話題殺到。今回リリースされた重盛さと美の配信EP『PENGUIN』と、それぞれの作品の魅力について、2人に話を聞いた。
■希帆さんのオンボロな実家が大きな話題を集めていますが、次の台風シーズンは乗り越えられそうでしょうか?
希帆 まだ実家と電話は繋がっているので大丈夫だと思います。ただ、屋根がサンルーフ(屋根のあちこちに穴が空いていて空が見える)だから、雨の日は床がビショビショになります。
重盛 すんごいオンボロで、今がピークだよね。
希帆 MV撮影のためドローンを飛ばして上から見たら、だいぶ屋根が足りなくなっていたので、まさに“uchiseiuchi feat.友達”の歌詞通りのお家になっています。
■YouTube上にアップしている動画(https://www.youtube.com/watch?v=Jc7cYnMBKI8)を通して、希帆さんの実家を見た時も、かなりの衝撃を受けました。
希帆 あの時よりも家はどんどん進化しています。(笑) 実はあれもう2年くらい前の映像で、あの後何回も台風を凌いできたので、さらにすごくなっています。
■重盛さんも最近の希帆さんの実家をご覧になったんですか?
重盛 “uchiseiuchi feat.友達”のMV撮影のために何度も通ったので。この曲はあの実家を見て書いた内容だから、「MVを撮るなら絶対にここ!」と前から決めていたので、MVには最新バージョンの実家が映っています。まさに衝撃映像です!
希帆 ほんと衝撃の映像だよね。
重盛 衝撃映像だし、笑いあり、涙あり、感動のMVができました。
■普通なら、隠しておきたい現実じゃないですか。それを笑い飛ばすようにネタにしてしまえる。そこがすごい強みですよね。
希帆 そうなんですよ。(笑) もともとはコンプレックスだったんですけど、それを武器に変えてくれたのも、今回のシングル『uchiseiuchi』を全部プロデュースしてくれたさっちゃん(重盛さと美)が、「これはすごく個性や武器になるよ!」と教えてくれたおかげです。
重盛 武器、強烈過ぎっ!
■“uchiseiuchi feat.友達”の作詞・作曲を重盛さんが手掛けていますが、現実をだいぶ赤裸々に書き記しましたね。
重盛 そう思いました?自分ではこれでも抑えているつもりなんです。(笑) 抑えるというよりも、自然と出てきた言葉を繋げたらこうなりました。(笑)
■“uchiseiuchi feat.友達”の歌詞からは、重盛さんの希帆さんに対する愛情を感じます。だけど、その中へチクチク心を刺す毒も入れ込んでいませんか?
重盛 私自身は愛情だけで書いたんですけど、聴いた第三者の方々が「すごいディスってるよね」と、私に言ってくるんですね。私、「くそ貧乏人」という言葉も愛情で言っているように、愛情たっぷりの歌詞のはずなのに…。
■希帆さんはどう感じていますか?
希帆 私はさっちゃんとはもう10年の仲だから、「これも愛情」というのはわかります。もしかしたら、私がポジティブな人間だからか、さっちゃんの言葉をマイナスに捉えたことがあまりないかもしれないです。私、ずっと貧乏を隠してきたんですけど、もう5年くらい前かな?一度、自分のありのままをさっちゃんに話したら、「この武器、絶対強いよ!」と言ってくれて。そこからなんです、自分のマイナスさえ自信に変えていけたのは。そこから「ありのままの自分を出そう」となりだした中、私のことをさっちゃんが歌にしてくれることになりました。
■いくら気持ちをポジティブに変えたと言っても、あの貧乏環境を世に晒すには、かなりの勇気がいりませんでしたか?
希帆 勇気はいりました。だから、実家の映像をYouTubeにアップしたのもだいぶ後になってからで。それまではアップするのにも勇気が必要でした。
■そこを後押ししてくれたのが重盛さん?
重盛 はい。だってああいう環境に生まれても、こんなに明るい子が育つんだよって知ってもらえたら、観ている人たちみんなの勇気になるじゃないですか。むしろ、この可愛い子があの家で生まれ育ったっていうギャップがいいんですよ。
希帆 “uchiseiuchi feat.友達”の歌詞って、さっちゃんだからこそ書けた内容だと思います。私にはここまで幼少期のことを話せる友達はさっちゃんしかいません。だから、さっちゃんに歌を作ってもらえたことも、「これは希帆ちゃんにしか歌えないよ」と言われた時も、すっごく嬉しかったんです。
重盛 私たちにしか作れない、私たちにしか歌えない作品が作れた時ほど「すごく楽しい!」って私は感じるので、“uchiseiuchi feat.友達”や“K.A.R.E.S.H.I.H.O.S.H.I.I”を作った時は、超楽しかった!
■お互いの出会いも気になります。
希帆 10年くらい前、私がまだ別の事務所に入っていた時期に、とある番組で出逢ったのがきっかけです。
重盛 その番組内ではとくにしゃべらなかったんですけど、番組の収録が終わったら、希帆ちゃんが私の側へトコトコと寄ってきて「重盛さん、連絡先教えてください!」と言ってきて。そこからです、すごく仲良くなったのは。
希帆 私は人見知りだから、あまり人の連絡先を聞いたこととかなかったんですけど、「ここで聞かなかったら、私はこの先、もう重盛さんに会うことはないかも…」と思い、勇気を出して聞きました。その後すぐに遊びに行ったよね。
重盛 そこで一緒に遊んでから、付き合いが深くなりました。あの時に希帆ちゃんと出逢っていなかったら今はなかったし、うちらの人生もっとつまらんかったと思う。
■今はお二人とも同じ事務所ですよね?
重盛 希帆ちゃんは一度芸能界を辞めたんですよ。でも「またやりたい」というから、「じゃあ、うちの事務所に入んなよ!」って誘いました。(笑)
希帆 コネ入社しました。(笑)
重盛 (コロナ禍の自粛期間中に制作し)YouTubeでバズった“重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE”も、今こうやってお互いに作品を出せる環境にまで繋がったからね。
■“重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE”のリリックでは、自粛期間の中、コロナ禍を恨みつつ、お互いのこともさりげなくディスっていますよね?
希帆 私がラップしている歌詞も、全部さっちゃんが書いていますけどね。(笑)
重盛 全部計算した演出です。(笑) 希帆ちゃんの性格を知り尽くしているからこそ、私が希帆ちゃんのパートのリリックを書いても、まさに希帆ちゃんが言っているように聞こえるんだと思う。そこはいつも一緒にいる二人ならではだからです。
■プライベートでもよく一緒に過ごしているんですか?
希帆 ご近所さんなので、呼ばれたらすぐにご飯を作りに行きます。(笑) 私の歌を作ってもらう代わりに、私がさっちゃんのご飯を作っています。今回、シングルも作ってもらえたから、今度はお礼にお掃除もしに行きます。(笑)
重盛 そこはお互い上手くやっているよね。私が楽曲担当で、希帆ちゃんが…。
希帆 家事担当です!
■ラッパーの方の場合、強気にライムする人たちが多い中、重盛さんのラップはとても緩く心地好いですよね。しかもどの楽曲にも愛情があふれています。
重盛 自分のことや、自分の身近な人に向けて書いちゃうタイプだからね。
希帆 さっちゃんの性格的にフィクションは書けないよね。全部が実体験。さっちゃんの『PENGUIN』に収録した曲たちも、私の『uchiseiuchi』に入っている曲たちも、私が話した実体験を歌詞にしてくれているので、全部がリアルだもんね。
重盛 全部リアルだね。(笑) うちら格好つけても格好よくならないし。だったら自分たちらしく、まんまでいこうよって。