■希帆さんが歌う“K.A.R.E.S.H.I.H.O.S.H.I.I”に記された、3年間彼氏がいないのも事実ですか？
重盛 「彼氏欲しい！」っていうのは、希帆ちゃんの口癖で。だから歌詞にしてあげました。(笑)
希帆 今も言い続けているので、3年間ずっとさっちゃんに言い続けていたんだと思う。(笑)
■重盛さんは希帆さんのネタには困らなそうですね。
重盛 (題材は)死ぬほどあります。“uchiseiuchi feat.友達”も、希帆ちゃんの数ある貧乏エピソードの中のほんの一部ですし、彼氏欲しいネタを書こうとしても、たくさんネタがあるから困らないです。
■重盛さんが今回リリースする“PENGUIN”には、普段表に出さないネガティブな気持ちというか、素直な心の本音を綴っていますよね。そこがギャップとして見えてきました。
重盛 “PENGUIN”の歌詞を大人たちに見せたら、「大丈夫…？」と心配されました。(笑) 私の中には表には出さない暗い感情があるんですけど、それを“PENGUIN”の中に出してみました。それも狙ってではなく、なんとなくそういう心境になり、「書きたいな」と思って書いたら、あのようなリリックが生まれたので、これからも自然に出てきた言葉たちを書こうと思います。
■重盛さんって、他の人は愛情を持ってディスるけど、自分に向けた歌には隠している自分の素顔をさらけ出すように書きますよね。
重盛 すごい、バレてる！なんか恥ずかしい。(笑) でもそうです。なんか格好つけられないんですよね。格好つけようとも思わない。(笑) だからこの先も私の中から自然に出てきた言葉たちを歌にしていくんだと思います。
■お二人は以前にもチームを作って活動をしていませんでしたか？
重盛 アイドルユニットのような活動をしていました。あの時は事務所の意見も踏まえつつやっていましたけど。今回は完全に自由にやらせていただいたので、他の人の意見は入っていないから、本当に楽しくやれているなという感じです。
■それは以前の経験を踏まえてそうなったのでしょうか？
重盛 そうですね。グループとしてやっている時は自分の好きなことを100%は出来なかったけど、今回はやりたいことを100%やっています。きっとまともな人が最初から加わっていたら、こんな風にはならなかったと思います。(笑)
■それは誰も止める人がいなかった、ということ…？
重盛 100%自由にやった“重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE”がバズッたから、「この子たちは自由にやらせた方が良いのかも」と、思ってくれんだと思います。
■もしや“重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE”は…
重盛 私たちで勝手に作って、勝手にYouTubeへアップしました。事務所の人たちはこの曲がバズッたニュースを見て、それで知りました。(笑) ただ、再生回数が100万回くらいの頃は、事務所の人たちも「何やってんだ…」とあきれた感じでしたけど、再生回数が1000万回を越えた辺りから、あきらかに見る目が変わってきたよね。(笑)
希帆 最初は怒られていたのにね。(笑)
■本人たちはバズッていく過程をどのように捉えていましたか？
重盛 「不思議だなぁ…」という感じです。「誰が見ているんだろう…？」みたいな感じだし、数字が今まで見たことないくらいすごすぎて、よくわからなかったです。(笑)
希帆 ほんとよくわかんない！だって誰に言われて始めたのでもなく、自粛期間中で暇だったから、お互いの家でムービーを回しながら遊んでいただけだったから、ただただ楽しかったもんね。(笑)
重盛 そう。その仕事感ゼロだったのがいいんだと思います。
■“重盛さと美feat.友達 TOKYO DRIFT FREESTYLE”のMVの映像は、お互いの自宅から撮りあって作ったんですか？
重盛 そうです。お互いのスマホに入れたSNOWスノーというアプリで全部撮りました。よく「編集すごい！」とか言われるけど、アプリで撮った映像をとくに加工もせず、ただくっつけただけで、あれくらい誰でも作れます。むしろそのアプリがすごいんです！(笑)
希帆 ほんとSNOWスノー様様です。(笑)
■ここからは、改めてお互いの作品に収録した曲たちの魅力を伺いたいと思います。希帆さんは“uchiseiuchi feat.友達”を聴いた時、どんな気持ちでしたか？
希帆 「そのまんま」だと思いました。(笑) 私のお兄ちゃんは昔から食べるのが好きで、3枚100円のチキンカツを取り合って殴り合いの喧嘩をしたのも事実だし、さっちゃんに幼少期の頃のエピソードをいっぱい話したことがそのまま書いてあるので、この曲を聴いていると小さかった頃の気持ちをいろいろ思い出して感動しちゃいました。
■バスタオル2枚で浴衣を作ったのも事実なんですかね？
希帆 浴衣を買うお金がなかったので、自分で作りました。
重盛 その様子はMVの中でも再現してもらったのでぜひ観てください。すごく可愛いんです！
■MVもセットで観るとより楽しめる曲なんですね。
重盛 むしろMVもセットで作っています。きっと歌だけだと、「あさりの砂抜き？ No No 洗濯機！」の意味とかよくわかんないけど。MVを観ると歌詞の意味が理解できますから。
希帆 「冷蔵庫の横のタオルが臭え」とかもね。(笑)
重盛 ホントに臭くって。そのタオルでつい手を拭いたら、ずっと臭いが消えない嫌な想い出が残っていて。それをちゃんと言っておかないと、さらに被害者が出ると思って歌詞にしました。(笑)
■さっきも言っていましたが、“K.A.R.E.S.H.I.H.O.S.H.I.I”に綴った「彼氏欲しい」の言葉も、ずっと口癖のように聞いていたわけですね。
重盛 この曲は、最近の希帆ちゃんの口癖を全部歌詞にしました。
希帆 確かに私いつも「彼氏欲しい」って言っているよね。「今年中には彼氏作るから」、「彼氏ができないのはコロナのせいだ」とか言っていたら、それが全部歌詞になりました。(笑)
重盛 「付き合いたい職業ランキングのベスト5を教えて」って聞いたことも反映させています。
■サッカー選手や野球選手というのはわかりますが、パン屋さんが4位にランクインしているところもポイントですよね。
重盛 可愛いですよね！
希帆 パン屋さんって魅力的で好き！格好いい！
■幼少の頃ならまだしも、今もその気持ちを持っているところに希帆さんの乙女らしさも感じました。
重盛 そこなんですよ！
希帆 私は商店街の側に住んでいたんですけど、その商店街にあるパン屋さんには、食べ物に困った時によくパンの耳をもらいに行っていました。パン屋さんって人間的にも魅力を感じるから、私の中では彼氏ランキングの上位なんです。
■“If”は、今でも忘れられない人への想いを、希帆さんが自ら作詞を手掛けて記していますね。
希帆 これも実体験です。
重盛 3年前に好きになって、どハマりした人のことだよね。
希帆 一目惚れした人がいて、超どハマりしたことから猛烈にアタックしていました。そうしたら、その人が突然結婚するって話を聞いて…。私は想いを注ぐ熱量がすごかったからもう大ショックで！大失恋しました…。
■その想いを今でも引きずっているんですか？
希帆 いえ、そうでもないです。(笑) でも、これまでの人生の中でこの人を超える人はいまだいないです。
重盛 これ、タイトルを“If…2017”にすれば良かったね。次またフラれたら“If…××”ってタイトルでまた書けるし。(笑)
希帆 私、何回失恋するんですか！(笑)
■タイトルへ記した「uchiseiuchi」の意味も気になるんですよね。
重盛 希帆ちゃんは腰が太いグラマラス体系だから、ファンの人たちからセイウチと呼ばれているんです。でも、もともとはメロディーに乗った時の「uchiseiuchi」の言葉のハマりが良かったから、それをタイトルにしました。ブタやカバ、トドよりはセイウチの方が可愛いしね。(笑)
■「家(うち)SAY 家(うち)」という意味ではなかったんですね？
重盛 全然、全然。ノリです。(笑)
