孤独を叫ぶニューシングル『ぼっち』、そして初めての甘酸っぱい恋愛ソングも。
真っ白なキャンバスが歌う新曲“ぼっち”は、自分の殻を突き破って歩み出す主人公の姿を、高らかに叫ぶように歌うパンクチューンだ。2月28日リリースのニューシングル『ぼっち』は、タイプごとに収録曲が異なり、MVが公開されている“ぼっち”、“世界犯”に加え、ミステリアスなジャズ風ナンバー“ダウター”や、イマドキの女の子を可愛く歌う“メンションガール”、甘酸っぱい青春を歌うラブソング“キャンディタフト”がそれぞれ収められている。インタビューでは、小野寺梓、三浦菜々子、橋本美桜、西野千明、浜辺ゆりな、鈴木えま、麦田ひかるの7人に、新曲についてのメンバーの考察や、ラブソングを歌うことに抱いた抵抗など、レコーディングの裏話も語ってもらった。
■“ぼっち”を最初に聞いた時、変わった曲だなと思ったのですが、みなさんの第一印象はいかがでしたか?
小野寺 タイトルを聞いて「パンチ強いな」って思いました。歌詞もパンチが強いです。
西野 リズムも耳に残る感じだったので、初めて聴く方は覚えやすいかなと。
■覚えやすいですけど、歌うのは難しくなかったですか?
西野 難しいです!めちゃ難しい!
小野寺 “ぼっち”はTHE BLUE HEARTSの曲をイメージしたって聞きました。
■確かにそんな感じがしますね。THE BLUE HEARTSはあまり聴かれませんか?
小野寺 麦田はTHE BLUE HEARTS大好きです。(笑)
麦田 でもそんなに深くはないです……。
■みなさんの世代じゃないですもんね。白キャンの曲は難しい印象がありますが、みなさんは歌いこなしていますね。
西野 ボイトレの時も「白キャンの曲は難しい」って、先生がよく言っている気がします。今回のシングルの曲は全部難しかったです。
■“ぼっち”は歌い方もたまらないのですが、レコーディングの時はどんなことを言われましたか?
浜辺 「叫んで!」ってめっちゃ言われて、今までで一番叫びました。(笑)
橋本 「もう死にそう!」みたいな。「ここで死んでもいいってくらい、全力で歌って!」って言われました。
小野寺 私は最初、“ぼっち”の歌い方の解釈を間違っていて、力強いイメージではなく、普通に歌い出そうとしたら「違う!」と言われて。だんだん力強くなっていく感じだと思っていたら、最初から強く歌う感じでびっくりしました。
西野 音を録る前に振り入れをしたんですよ。振り付けも最初は悲しい雰囲気だったんですけど、レコーディングしたら結構パンチが利いていました。
■MVも公開されていますが、エキストラを募集していましたね。エキストラの出演はライブシーンですが、普段のライブを撮影している感じで撮ったのでしょうか?
小野寺 そうですね。私たちはいつも通りに普通にライブをしました。実際には“ぼっち”だけではなく、5曲くらいやっています。
西野 「来てくれてありがとう」という気持ちも込めてミニライブをやりました。“ぼっち”の振り付けは何回も何回もやりました。
■“ぼっち”はちょっと抽象的な歌詞の曲ですよね。メンバーのみなさん的にはどういうストーリーの曲としてとらえていますか?
小野寺 人と関わるのが怖いから敢えてひとりでいるけど、そこを突き破って関わっていきたいというか、「殻を破るぞ!」という曲だと思います。
橋本 私も学生時代は人とのコミュニケーションがそんなに得意じゃなかったのもあって、すごく共感もあるんですけど、私たちはMVの中だと「自分たちもそういう部分があるけど、みんなに何かを届けて背中を押せる存在」だったから、ライブを観て、「ぼっち」だと思っていた人たちも、「純粋に楽しめばいいんだよ」とメッセージを伝えている側なのかなと感じました。
■MVはすごく良いストーリーでした。主人公の2人はあの後どうなると思いますか?
鈴木 自分だったら……「ぼっちでいいや」ってなっちゃう。でもあのライブ会場でもし一緒にそこにいたことがわかったらまた会うかも。
橋本 私はあの時には最後出会わないで終わっているから、その先で本当の自分を出せた時に、本当の意味で仲良くなれるのかなって思っています。
浜辺 MVの2人にはまた仲良くなって欲しいというか、同じ趣味があるっていうのは結構大きいと思います。そこで繋がってまた仲良くなっていて欲しいです。
三浦 別々に同じライブに来ているってすごいことだと思うし、白キャンがきっかけでまた仲良くなってくれたらいいな。
西野 私もみんなと同じ意見です。実際にひとりで来ているファンの方も結構いて、そこから友達になったりとか、っていうのもたまに聞いたりもするので、MVの子も同じようにまた仲良くなれたらいいなって思います。
小野寺 白キャンがキューピットになって、また仲良くなれたらいいなって思います!
麦田 自分も仲良くなって欲しいけど……もし出会わなかったとしても、白キャンの曲を聴いて、仲良かったことを思い出して欲しいです。
■白キャンの曲が何かのきっかけになるっていいですよね。先ほど「ライブにひとりで来ているファンの方も結構いる」というお話がありましたが、みなさんはひとりでライブに行けるタイプですか?
浜辺 私は友達と一緒にライブに行ったら、その子に途中で帰られちゃったことがあるんです……。
■えっ?!最初からそういう予定だったんですか?
浜辺 もともと気分屋の子だったんですけど、最初から途中で帰るとは言われていなくて、だから「今日はもう帰るね!」って言われて、「えっ?!」みたいな。でも私は友達を作るのが得意だったので、現場で別の女の子と仲良くなりました。(笑)
西野 私は前まで何事も2人以上じゃないとダメだったんですよ。牛丼屋とかカラオケとか、映画館、ラーメン屋、ライブもそうですけど……。だけど歳を重ねていくにつれて、まずカフェにひとりで行くようになって、そこから映画館にも行けるようになり、ラーメン屋も牛丼屋もひとりで行けるようになったし、買い物なんかむしろひとりの方が良くなったし。それでその勢いでライブにもひとりで行くようになりました。
■じゃあ次はひとりテーマパークですね。(笑)
西野 あー、それはヤベっ!(笑)
■「白キャンのライブに行きたいけど、一緒に行く人がいなくて……」と足踏みしている方たちに一言お願いします。
橋本 私は人と一緒にいると、その人が楽しんでいるかを見ちゃうので、自分ひとりの感情で楽しめるから、割りとひとりの方がオススメかもしれません。チケットの買い方や入場のしかたがわからなかったら、スタッフさんに聞けば優しく教えてくれると思うし、普通に楽しめるからぜひ来て欲しいです。
浜辺 最初はひとりだったとしても、白キャンに限らずきっと仲良くなれる子がいると思うので、新しい出会いがあるから一歩踏み出して欲しいと思います。
小野寺 私は普段目が悪いんですけど、ライブ中にはなぜか目が良くなるんですよ。ステージからファンの人を見つけるのが得意で、自分が見えていないはずの範囲でもファンの方を見つけられます。だからひとりじゃないです!私がステージから見ています。(笑)
■みなさん頷いていますが、そういうのあるって言いますよね。アイドルの霊感とか第六感みたいなものなんだと思います。さて、今回のカップリング曲のひとつ“ダウター”ですが、めちゃくちゃいい曲でした。このタイトルってどういう意味なんですか?
浜辺 美桜ちゃんが「娘」って言っていたんですけど、それは「ダウター」じゃなくて「ドーター(daughter)」でしたね……。(笑)
橋本 それは菜々子ちゃんが「ダウト、ダウテスト」みたいな、私の知らない単語を言ってきたからです!(笑) Googleで「ダウター」って調べたら、「ドーター(daughter)」って出てきたし……。
■確かに出てきます。(笑) 私も調べました。
西野 トランプゲームの「ダウト」ってあるじゃないですか。たぶんそれだと思います。歌詞で仮面や偽りについて歌っているので、そういうことかなと。
■なるほど。そんな感じがしますね。今回のシングルに収録される5曲の中では最もファンタジックな曲ですが、連想する作品はありますか?
西野 歌詞とメロディを思い返したら、ボカロの曲とかでありそうだなって思いました。
小野寺 私もボカロ曲をイメージしていて、自分の中ではエッチな感じだと思い、VTuberさんのエッチな歌をイメージして歌ったら「やりすぎ!」って言われました。(笑)
浜辺 私は「ゲゲゲの鬼太郎」です。そういう曲があるとかじゃなくて、なんだかハロウィンみたいなイメージで、不気味な感じだなと思いました。
■ライブでの披露も楽しみですね。そしてMVが公開されている“世界犯”も収録となりますが、まずこれもタイトルはどういう意味なんでしょうか?
浜辺 間違っていたらアレなんですけど、プロデューサーの青木(勇斗)さんが言っていたのは「世界に罪を犯す」「無慈悲な世界に盾突く」みたいな感じだった記憶があります。