世の中の大人たちや、いろんな不条理と戦い続けていく。
この世界に反逆を起こすために結成された秘密結社をコンセプトにした、「唯一無二2.5次元アイドル」こと、少年秘密倶楽部。6人の少年たち(少年装)が作りあげたのが、8月12日にリリースとなるミニアルバム『RE:BELLION』。8月5日(火)には、Studio Freedomで『少年秘密倶楽部 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE「蠱惑奇譚-コワクキタン-」』の開催も決定している。ここでは、活動4年目へ向けての新たな一撃となる作品の内容を中心に、少年秘密倶楽部の魅力を、愛一郎、あゆむ、タツキ、オウガ、ナツ、白(ツグモ)の6人のメンバーに語ってもらった。
■少年秘密倶楽部は「新感覚2.5次元 少年装アイドル」として活動中ですが、「新感覚2.5次元」という言葉に惹かれますが、中心としている活動は?
愛一郎 ライブ活動になります。見た目といいますか、ヴィジュアル面は2.5次元寄りです。我々のようなコンセプトだからこそ表現できる、3次元では味わえない現実味のないモラトリアムな少年姿が新感覚2.5次元といわれる所以です。自分たちの魅力はライブパフォーマンスにあると自負しているように、ライブを活動の中心に据えています。ただ、この奇抜でインパクトの強い見た目ですから、対バンライブでご一緒させていただくと、「なんなんだろう、この人たちは……」と驚かれることが多いですね。
■もしや夏でもその衣装なんですか?
ナツ この季節だけは、時々半袖シャツになる時もありますが、基本的には真夏の野外ライブだろうと、長袖シャツに長ズボン、学ラン(学生服)に黒の帽子と白い手袋姿ですね。学ランはたまに長ラン姿になることもあります。真夏でもこの格好だから、よく「大丈夫ですか?!」と、共演者の方々にも心配されることが多いです。
オウガ さすがに汗はめちゃめちゃかきます。ライブもはしゃぎまくるというか、同志(ファンネーム)のみんなと一緒に、頭を振って楽しんだりする曲ばかりだから、僕たちのライブに参加したら、絶対に気持ち良い汗をかけます。
ナツ 僕たちも、同志たちも、ライブでは走りまわっているんです。
愛一郎 このヴィジュアル姿だけを見たら、さらっと涼しくライブをやりそうな感じに見えるみたいですけど、ライブに関しては、見た目からは想像がつかないくらいめちゃめちゃ激しくパフォーマンスをしているから、そのギャップが俺たちの魅力の一つにもなっています。しかもこの衣装のインパクトが強烈だから、とにかく人の目を惹くのも事実です。そこも、俺たちの強みです。
ナツ 活動初期の頃は、俺でいうならパーカーを着ていたし、他のメンバーはマントをはおっていたりと、それぞれのキャラクターに合わせた衣装姿だったんです。そこから少しずつ変わっていき、最終的に今の形に落ち着いた感じです。
愛一郎 メンバーカラーを入れてはいるけど、全員が同じ学ラン姿という、今の形態に落ち着きました。
オウガ 今の姿の方がインパクトがあるし、覚えてもらいやすいので。
■少年秘密倶楽部は、楽曲の世界観も強烈な独自性を放っていませんか?
愛一郎 少年秘密倶楽部が掲げているテーマが、「この不条理な世界の中、ロックなサウンドで人々に勇気を与える」こと。その姿勢は、この3年間ずっと変わらず持ち続けていて、それをテーマに楽曲もリリースしています。
■世の中には不条理なことが多いですからね。
オウガ 多いですよね。その不条理に対して、俺たちはロックサウンドを使って勝負しています。強烈なロックサウンドを通して、俺たちの想いをメッセージ性の強い歌詞を通して強く訴えかけています。少年秘密倶楽部の持つその意志に共鳴する方々が多くいてくださるからこそ、同じ意志を持った同志と一緒に、「この不条理な世界で戦っていこうぜ」という姿勢でやっています。
■同時に、少年秘密倶楽部は摩訶不思議な昭和レトロ感も持っていませんか?
オウガ 8月5日にStudio Freedomで行う、『少年秘密倶楽部 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE「蠱惑奇譚-コワクキタン-」』では、ミニアルバム『RE:BELLION』に収録した“純愛憂鬱”の持つ曲世界のような昭和レトロ感を詰め込んで、怪しげな見せ物小屋風に見せていこうと思っているので、そこも味わって欲しいんで。
愛一郎 俺たちは秘密結社がコンセプトだから、怪しげな雰囲気はどんどん出していきたいなと思っています。
■良ければみなさんが世の中に感じている不条理ついて教えてください。
ナツ 少年秘密倶楽部の楽曲に、不条理をテーマにした“ハダカノオウサマ”という曲があります。その話になってしまうんですけど、上の立場にいる不条理な大人ほど、たとえ間違っていようとも「間違いは認めない」姿勢から、何事も始まっていますよね。そんな不条理な大人たちへの反骨精神を歌詞にしているのが“ハダカノオウサマ”です。自分らが歌詞に共鳴しているのもあるからだけど、この曲をライブで歌っている時は、大人たちに対しての不条理さを強く感じます。
愛一郎 僕たちは、たとえ誕生日を迎えようと年齢を重ねることがなく、ずっと10代の年齢のままで生き続けているんです。しかも、それぞれ年齢に違いはあれど、全員が17歳以下なんです。だから歌詞にも、大人や子供という言葉がよく出てくるんです。僕らは歳を取ることが……年齢を重ねることができないからこそ、ずっと大人たちは弱い立場である子供の僕らを、自分たちの屁理屈を持って無理やり言うことを聞かせようとしてくるし、自分が強い立場だからって、無理やり子供を制圧しようとするので。そこに対して反逆していくことを、僕らはいつだってテーマにして表現しているんです。そういう不条理や不平等な関係性って、大人と子供という立場だけに限らず、この社会の中にはたくさんあるじゃないですか。それこそ権力にものをいわせておさえつけるとか、そういうところに僕は不条理さを感じています。
あゆむ これはみなさんも不条理に思っていることだと思うけど、今の消費税はちょっと高すぎるんじゃないか?もっと下げていただきたいなという、そこへ大人(政治家)たちへの不条理さを僕は感じています。僕らがこの世界にやってくる前までは、消費税が今の半分だった頃もあったそうじゃないですか。今は何でも物価が高すぎるので、もうちょっと下げていただきたいなと……。僕は不条理な政府の大人の方々に物申したいです。僕らはみんな17歳以下で選挙権がないから、投票もできないので。だからこそ、今の世の中の不条理に対して、こうやって声をあげていきたいなと思っています。
オウガ 会社員としてお仕事をされている方もそうだし、俺たちのような活動をしている人たちもそう。「真面目に頑張っている人が損をする」時や、「抗えない立場の人との関係性がある」など、どうしようもなく抗えない不条理さを感じながら暮している人たちって、世の中にいっぱいいると思うんです。少年秘密倶楽部は、それに対する反抗や反逆を歌にしているからこそ、俺たちのライブに来てもらえたら、同じ想いを共有していけると思っているし、その気持ちをライブを通して一緒に発散もしていけます。今、人生に迷っている人や、「なんだ、コンチクショー!」と思っている人は、絶対に少年秘密倶楽部の歌が刺さるはずです。俺はそう思っています。だからこそ、少年秘密倶楽部の楽曲を聴いてほしいし、少年秘密倶楽部のライブに来て一緒に発散してもらいたい。実際にスカッとしている同志も多いからこそ、ぜひライブを見てもらい、それぞれの中にある不条理さを吹き飛ばしてほしいなと思っています。
タツキ 基本、俺は大人は嫌いです。大人に嘗められるのが一番嫌です。大人たちは、子供だから何も言えないと思っているし、子供を嘗めてくる大人たちに対して、何も言えずにいる子供たちって、世の中にはきっと多くいると思うんです。確かに僕らは歳を取らないけど、でも気持ちはずっと成長し続けているから、賢くはなっているので。だからこそ、大人たちには言えないその気持ちを、僕らは歌にして反抗していきたいし、その気持ちで活動をしています。実際に少年秘密倶楽部という存在が自分の意識を高めているし、ライブの中でも、マイクを通していろいろと発散もしています。だからライブがすごく楽しいんでしょうね。
■今作のミニアルバムのタイトルも『RE:BELLION(反逆)』と名付けていますしね。
愛一郎 僕たちの活動の一番のテーマになっているのが、「この不条理な世界に反逆していく」ことだからこそ、このタイトルになっています。
ナツ これまで多く配信リリースはしてきましたけど、ミニアルバムの『RE:BELLION』は、俺たちにとって初めてのCD盤であり、しかもメジャーリリースになる作品です。もちろん新曲も入れているけど、この作品には、少年秘密倶楽部の持ち歌の中でも、とくにメッセージ性の強い曲であり、俺たちの代名詞となるような曲を詰め込みました。まさに、俺たちの「反骨精神」が根底に流れている作品だからこそ、『RE:BELLION』というタイトルが相応しいなと思っています。
■よければ、収録曲の魅力も教えてください。まずは“証”からお願いします。
ナツ “証”は、「俺たちはどうしてここにいるのか」、「俺たちが生きている証をここに刻んでいこう」など、今の自分たちの生きざまを記した楽曲です。今年の2月に初披露して以来、ほぼ毎回ライブで歌っています。ライブで旗を振ったり、頭も振るなど、ライブではみんなで熱くなれる楽曲です。この曲の振り付けはタツキが手掛けました。
タツキ “証”で初めて振り付けを担当しました。僕たちのライブは、旗を振ってライブをやることが多いんです。同志のみなさんと僕らが一緒に旗を振って盛り上がりたいからこそ、“証”の中にも旗を使った振りを付けました。歌詞にも「声上げろ 不条理なんかぶち壊せ」と書いてあるように、ともに旗を掲げて声もあげてと、思いきりライブで気持ちを発散できるし、ライブでとくに熱くなれる楽曲です。
ナツ 続く“自由の旗手”も、ライブで旗を使って盛り上がれる楽曲です。
オウガ 今まで『少年秘密倶楽部』と題し、シリーズ化した舞台を毎年開催しているんです。その作品の中でも“自由の旗手”の歌詞がセリフとして使われていたり、俺たちを表現す
るうえですごく鍵となっている楽曲です。
■これまでに『少年秘密倶楽部-零-』(再演もあり)と、『少年秘密倶楽部[壱]〜箱庭の自由〜』、2本の舞台を行ってきていますよね。
ナツ 少年秘密倶楽部という秘密結社が誕生し、実際に暗躍する世界が舞台になっています。
オウガ “自由の旗手”の中で、「旗を掲げ」と何度も歌いながら、同志のみなさんと一緒にライブ中に旗を掲げる振りが出てきます。そこは少年秘密倶楽部が、民衆に「旗を掲げろ」と呼びかけているイメージなんです。つまり、俺たちが同志を集め、同志と一緒にこういう気持ちで頑張っていこうと、同志やその場に集まった民衆に向けて演説している風景が思い浮かぶ楽曲になっています。歌詞に込めた想いやメッセージ、それを示したパフォーマンス含め、少年秘密倶楽部と同志が一緒になって世界観を作っています。こちらもライブですごく楽しめる楽曲です。
タツキ 対バンライブで“自由の旗手”をやると、初見の人でも、旗の変わりに拳を掲げて一緒に盛り上がってくれるし、その姿を見る度に、俺たちも「あっ、同志として一緒に楽しんでくれているんだな」と感じられる楽曲になっています。
オウガ 俺たちの訴えに、みんなが賛同してくれている。そんな風に俺たちは感じています。続く“純愛憂鬱(じゅんあいメランコリー)”は、昭和レトロしている曲調が印象的です。これまでの少年秘密倶楽部にはない曲調であり、俺たち秘密結社の怪しい部分を全面に押し出した楽曲です。この曲も同志と一緒に踊れる振り付けになっています。