高嶺のなでしこ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

試行錯誤はしましたか?

籾山 しました。声に息が含まれやすいのですが、それが良さになる時もあれば、曲を邪魔しちゃう時もあって。“ライフクエスト”ではそれが必要ないと思っていたので、どうやったら綺麗なトーンで出せるかとか、ロングトーンの出し方とか、強く聴こえさせないかとかをすごく考えました。ちょっとポップだし、勇気づけてくれる楽曲なので試行錯誤しました。

■みなさんのベストヴォーカル曲をしっかり聴きたいですね。そしてMVもたくさん公開されていますが、お気に入りのMVと、撮影が大変だったMVを教えてください。

星谷 お気に入りなのは“ライフクエスト”です。メンバーがそれぞれ何かの職業になりきって撮影したんですけど、それぞれバラバラの時間帯に撮影したので、完成した映像を見るまでどういう雰囲気なのかわからなかったので、完成したMVを見て「すごい!みんななりきってる!それに似合う!」と思いました。撮影が大変だったのは“メランコリックハニー”なんですが、その日はすっごく寒くて……。スタッフさんは冬服なのに、私たちはシースルーの入った“メランコリックハニー”の衣装を着ていたので、とにかく寒すぎて。(笑) 撮影中もカットがかかる度に上着を持ってきてもらったのですが、またすぐ撮影が再開するので、だったらもう着て脱いでを繰り返すよりも寒さに耐えよう!と思い、みんなで集まって寒さをしのぎながら撮影したことをよく覚えています。よく誰も風邪をひかなかったなと思います。(笑)

籾山 私は“アドレナリンゲーム”がお気に入りで、それが1番大変でした。なんで好きなのかというと、一番盛れているからです。(笑) ダンスシーンも多くて印象的でもあるので、すごくお気に入りなんですけど、このMVの撮影日は、先ほどのエピソードとは逆にめっちゃ暑くて……。廃墟みたいなところで撮影したのですが、酸素もちょっと薄くて、途中で酸欠になっちゃって本当に倒れそうになって、椅子に座ったままマネージャーさんに窓の近くまで避難させられました。首から水をかけられるほどの猛暑だったのですが、すごく素敵に撮っていただいて、あの時は頑張って良かったなと思います。

■猛暑だったり、極寒だったり、アイドルは大変ですね……。

籾山 MVは、秋に出したかったら夏に撮影しなきゃいけないから、ちょうどいい時期に撮れることはほとんどないんですよ。だから、もう寒い時も暑い時も頑張るしかないんです……。ただ、“アドレナリンゲーム”の日が一番盛れていました。(笑)

葉月 私の一番のお気に入りは“初恋のこたえ。”のMVです。青春感みたいなところが好きなので、みんなで浴衣を着て花火したり、プールでダンスシーンを撮ったりするのも良かったです。ちゃんと季節に沿って撮ったので、休憩時間にみんなでアイスを食べたり、プール掃除をしている時に桃呼ちゃんが転んだりするハプニングがあったり、いろんなことがあったので、そういうのも面白くて思い出ですし、みんなの制服姿も大好きなので、それがまた“初恋のひと。”からのリターンということで、ちょっと胸アツでした。大変だった撮影は、私も“アドレナリンゲーム”です。ロケ地が心霊スポットだという噂があって、暑くてキツいし、怖いけど、絶対にひとりにはなりたくない……みたいな感じで。(笑) だから、みんな2人1組でだったり、マネージャーさんと一緒に行動していたりして。それに鏡張りの部屋があったりもしたので、みんな怖くて不安がっていました。(笑)

■それは興味深いですね。誰も幽霊は見なかったんですか?(笑)

籾山 それは見なかったんですけど、(橋本)桃呼はすごく何かを感じとっていましたね。(笑)

■霊感が強くて何か感じちゃったんですね……。(笑) みなさんのお気に入りの衣装はどの衣装ですか?

籾山 私は最新の「見上げるたびに、恋をする。」の衣装です。今までは丈感が長い衣装が多かったんですけど、このミニ丈の長さでも清楚感出せるんだなというのと、どの楽曲にも似合うので、ライブの時にも悩まないというか、「これを着ればどの楽曲でも合うよね!」みたいな感じですごく好きです。覚悟を感じるというか、また新しいものに挑戦したいという、高嶺のなでしことしての正しい道というか、気合も感じられる衣装だったので、こういうものに挑戦してくださったスタッフさんにも感謝ですし、メンバーそれぞれにもすごく似合っているなと思います。それこそみんなキャラが確立してきて、髪飾りとか髪型も定着してきたので、この衣装がすごくみんなに似合っていてお気に入りです。

星谷 私もこの衣装が一番好きです。ステージ映えする衣装だなと思いますし、スカートの長さが全てじゃないなと思いました。回った時にも綺麗にフワッとしますし、このキラキラしているのがスポットライトに当たって光るのもすごく好きなんです。あと、男性にも女性にも好まれると思うんですよね。青色って一番好まれる色らしくて、この衣装は青を基調にしているので、どんな方から見ても可愛いと思ってもらえるのかなと。これを着てライブができるのがすごく嬉しいです。シルエットも気に入ってもらえるかなと思います。

葉月 私もこの衣装が好きなんですけど、他の衣装も好きで、『美しく生きろ/恋を知った世界』の両A面をリリースさせていただいた時の、上が黒いジャケットで、下がタックスカートという衣装が、個人的にすごく「高嶺のなでしこ」という印象が強いと思っています。あとはたかねこは赤が似合うグループだと思っていて、パキッとした色が似合うのが強みだなと思っているので、そういう強い色がカッコよく似合うグループはなかなかいないのかなということで、お気に入りです。

■いいですね。すごく素敵だと思います。高嶺のなでしこの曲には、歌詞に「愛」や「恋」というワードがよく出てきますが、高嶺のなでしこの「愛」というのはどういう「愛」なのでしょうか?

籾山 恋愛的な恋とか愛とかもあると思うんですけど、私の個人的な解釈として、愛って「この人のために何かしてあげたい!」と考えることだと思うんです。「好き」の気持ちにも、恋愛的な「好き」もあると思うのですが、それこそ、その子の新しい一面を見て、優しくしてくれた好き……とか、そういうのも「愛」に繋がるんじゃないかなと思うんです。自分は高嶺のなでしこのキャプテンをさせていただいていて、みんなの「こういうところがいいところだなぁ、好きだなぁ」と思うこともたくさん増えましたし、みんなのために何かできたらいいなって、この子たちのために何かしたいみたいな、そういうちょっと「母性」みたいな愛情も含まれるのかなと思っています。恋とか愛とかって、恋愛でしか聞いたことがないけど、他に何かないのかな?と思った時に、「この人のために何かしたい」とか、「見返りを求めない」とか、その愛情も「愛」だなと思ったんです。

星谷 私はファンの方やメンバーのことを思っていつも歌っているんですけど、確かに高嶺のなでしこの曲には、「恋」や「愛」という歌詞がすごく多くて、「君を好きになってよかった」とか、「君が好き」みたいなことをよく伝えるんですが、歌っている時はいつもファンの方を目の前にしているので、ファンの方たちに好きな気持ちを伝えるつもりでいつも歌っています。でも、もちろんこの3年一緒にやってきたメンバーとも、ライブ中に目が合う機会が増えたり、フリーの時に「ちょっとこれ一緒にやらない?」とか、ライブ中にできることも増えてきて、一緒に大変なことも、楽しかったことも乗り越えてきたので、メンバーのことを思いながらの「好き!」という気持ちもあります。

葉月 私が思う愛は、全体で見ると太陽みたいな感じで、遠くから見ていたらキラキラしていて綺麗だし、あったかいみたいな感じだと思うんです。でも近づけば近づくほど、表面が燃えていたり、爆発していたり、すごく熱いんです。でもこの熱い感じが、高嶺のなでしこの熱い感じだと思います。それがすごく好きなので、燃え上がる想いみたいなものが歌詞に出ている曲もたくさんありますし、遠くから見ていて綺麗であったかいなという印象があると思うんですけど、近づけば近づくほど熱くてより魅力的になると思うので、ファンの人にはもっともっと近づいてほしいですね。(笑)

■さて、この1stアルバムですが、この作品はあなたにとって今後どのようなものになっていくと思いますか?

籾山 やっぱりこうやって形に残していただけるということで、まずは自分たちのここまで頑張ってきた歴史や、楽曲を通して伝えてきた想いは、本当に宝でしかないと思っています。これから先、また新しい楽曲をリリースさせていただいた時に、楽曲には優先順位が出てきてしまうと思うのですが、その時はまたここに戻って、この時のこういう楽曲でこういう考えがあったなとか、インタビューの時にはこういう会話をしたなとか、そういうのを思い出させてくれるものとしての思い出にもなると思います。今はデジタル配信とか、いろいろあると思うんですが、やっぱりこうやってCDという形に残せるものにしていただいたので、このアルバムも、あの時の気持ちを思い出せる、そういう私たちにとってかけがえのないものになればいいなと思っています。

星谷 やっぱりファーストアルバムということで、高嶺のなでしこを最初に知ってくださる時に出てきやすいものになると思います。それこそ商品の見た目もめちゃくちゃ可愛いですし、楽曲も本当に大好きな楽曲ばかりで、高嶺のなでしこの雰囲気が全部ギュッと詰まったアルバムになったと思うので、初めての方にもぜひ聴いていただきたいですし、これがファースト、つまりスタートになると思うので、私も将来また新たな楽曲をいただいて、いろんな楽曲を歌うようになった時にも、このアルバムを懐かしめるような活動ができるように頑張りたいなと思いました。

葉月 私は何年かして、このアルバムを手に取った時、初心を思い返せるようなアルバムになると思っています。この3年間ずっと駆け抜けてきて、収録曲以外にも曲はあるのですが、すごくたくさんの曲をいただいて歌っているんだなというのも改めて実感しましたし、いろんな曲が増えてきて、ファンの人たちがいて……ということは「本当に当たり前じゃないよ」ということを思い返せる作品だろうなと思っています。

■素敵ですね。それでは最後の質問となりますが、みなさんは高嶺のなでしこが今後どういうアイドルグループでありたいと思いますか?

星谷 高嶺のなでしこという名前を聞くと、「気高く」とか、「日本人女性から憧れられるような大和撫子」とか、すごく近寄り難い感じに思われてしまうかもしれないのですが、私たちはやっぱり身近にいてくれるファンの方たちがいて活動できているので、これからも憧れられるというよりも、私たちの愛がみなさんに届けばいいなと思いますし、「ファンの方たちと私たちメンバーは、相思相愛で成り立っているよ」というのが伝わればいいなと思います。

葉月 私は“美しく生きろ”の初めの歌詞がその通りだと思っていて。「天に向かって真っすぐに/誰の手も届きやしない/気高く美しい華は/高嶺のなでしこ」。この歌詞だけ聴くと、それこそちょっと遠くて、怖そうなイメージみたいなものがあるかもしれないんですけど、そうではなくて、ファンの人たちを置いていってしまうというより、共に高みを目指す存在であるというのがすごく美しいなと思うので、ファンの方たちとの絆をもっともっと深めていきたいですし、高嶺のなでしこを良くしてくださっている方、関係者の方々、みなさんで高みを目指す、美しく気高いグループになれるように頑張りたいなと思います。

籾山 高嶺のなでしこは、こうやって3年間頑張らせていただけてすごく嬉しいんですけど、やっぱり3年って難しいというか、これから先に新しいことをし続けるのも難しくなってくる時期じゃないですか。だけど、ファンのみなさまを飽きさせないように頑張るということも大事だと思います。一方で、頑張り続けるというのはすごく難しいことなので、時には考えたり、立ち止まったりすることも大事だと思うんです。でもやっぱりガムシャラに頑張り続けないと何事も上手くいかないというか、たるみというか、「自分はこんな感じでいいかな」と一瞬でも思ってしまったら、先に進めなくなってしまうと自分自身は思っているので、もっともっと頑張らなきゃいけないなと思います。

■ストイックですね。

籾山 グループだけじゃなくて、自分がもっと頑張らなきゃいけないなと思っていて。そういう気持ちを持って2026年に進んでいったら、より上に行けると考えています。スタッフさんの力をお借りしながら、夢をもっともっと実現できるよう努力し続けたいです。自分はキャプテンなので、みんなが背中を追ってくれていると思うので、言動と行動が合うようにこれからも頑張ります。

Interview & Text:安藤さやか

PROFILE
2022年8月に結成。サウンドプロデュースは、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画投稿サイトを中心に活動する、関連動画総再生回数25億回を超えるクリエイターユニット・HoneyWorksが担当。高嶺の花のように多くの人から憧れられ手に入れることのできない、そして大和撫子のように日本女性の清楚な美しさとかわいらしさをもった、誇り高きアイドルグループを目指す。2022年11月には、HoneyWorks「可愛くてごめん」の公式カバーMVをYouTubeに公開し、2,538万回再生を突破。数多くのオリジナル曲もリリースし、TikTokの総再生回数は2億回を超える。2024年2⽉21⽇ビクターエンタテインメントより『美しく⽣きろ/恋を知った世界』にてメジャーデビュー。12月11日に2ndシングル『I’M YOUR IDOL / アドレナリンゲーム』をリリース。2025年6月に広州と上海、8月にソウルで行った初のワンマンライブは全公演のチケットが完売、のべ約3,200人を動員し成功をおさめる。9月に幕張メッセ 幕張イベントホールでのグループ史上最大規模のワンマンライブを開催。2025年12月17日(水)には、現在の高嶺のなでしこの”ベスト盤”ともいえる待望の1st ALBUM「見上げるたびに、恋をする。」をリリース。2026年2月より「高嶺のなでしこ Live Tour – Bouquet of 9 Flowers –」を開催。全国6か所を巡り、4月にはアジアでの海外公演も予定。5月6日(水)に東京国際フォーラム ホールAにてツアーファイナルを迎える。ツインプラネット所属。
https://takanenonadeshiko.jp/

RELEASE
『見上げるたびに、恋をする。』

スペシャル盤(CD+BOOK)
VIZL-2481
¥11,000(tax in)

初回生産限定盤(CD+DVD)
VIZL-2482
¥5,500(tax in)

たかねこ盤(CD)
VICL-66101
¥3,300(tax in)

Victor Entertainment
12月17日 ON SALE