THE BEAT GARDEN VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■レコーディングで気をつけた点や苦労した点はありますか?

REI 今回のレコーディングは、エンジニアのトシさんと初めてのタッグでやったんですけど、機材環境やマイクなども変わっていく中で、最近は全部デジタルレコーディングなんですけど、すごく素敵な提案をしてくれて、一度アナログテープを通して温かみを出すという手法を教えてくれたんです。

U それを初めてやったんですけど、すごく良かったです。あえて質感を落とすというか、クリア度を少し下げるというか、減らす感じになるんですけど、最近のテクノロジーでクリアに録れるようになったものを逆に劣化させるような感じで。でもそれがすごくいい感じになっていて、聴いてみたら全然違いました。AirPodsで聴いても、まるでCDプレーヤーで聴いているようなぬくもりがある音になっているんです。

MASATO 僕はこの曲はすごく歌うのが難しいなと思いました。

U お前が言うなよ!それに自分でも歌えない曲を作るなよ!(笑)

MASATO でも本当に難しいのに、この二人がすごく歌詞に準じていながらも、聴き手をガイドしないような歌い方を心がけてくれていたので、あえてではないんですけど、曲の作り手として、僕はもっと本質的に歌ったというか、いつもの自分らしく、例えクセが出たとしても、それがいいアクセントになっていいかなと思って、思いきり歌いました。(笑) それがカウンター的になって良かったんだと思います。

U 僕は意識して母音を長く歌いましたね。さっきもKANさんの曲の話の時に話しましたけど、英語と違って日本語って母音がキーになる言語なので、自分の歌い方も、もっと母音を意識すれば変わるのかもしれないと思って。母音を長く歌ってみたらすごくいい部分があったんです。温かみが出るし、より日本語らしくなるというか、昔は英語っぽく日本語を歌うのが好きだったんですけど、その逆をやってみたら、また違う自分の歌い方に出会えた気がします。

■この曲のミュージックビデオの見どころも教えてください。

U 今回のMVにはなんと桜田ひよりさんが出演してくださっているんです。もう全部がみどころです。(笑) しかも学校で撮影して、生徒役の子たちも20名くらい参加してくれたし、結構大規模な撮影になりました。すごく安易な言葉になっちゃいますけど、本当にそこにいるだけで画になっちゃう人っているんだな、ただそこに佇んでいるだけで語れる人っているんだなと思いました。あとは最後に台詞を言うシーンがあって、僕的にはそれがちょっと平成感があってすごく好きなところです。MVにちょっとだけ台詞が入るシーンがあるのって、平成ではよくあったじゃないですか、童子Tさんの曲とか。 

REI 桜田さんがすごく曲に入っている感じがしました。「あの子の子ども」の桜田さんじゃなくて、“わたし”の中だけの桜田さんがいる気がして、桜田さんの中でもそういったスイッチがあるのかな?と思って。学校でMV撮影をするのって、なんか自分の中では、駆け出しのミュージシャンが1作品目とかで撮るのはなんだか説得力にかける気がしていて、ようやくそういった意味でも曲負けしない作品ができたのが嬉しいですし、素敵なMVになったんじゃないかなと思います。

MASATO 「あの子の子ども」のスピンオフ作品みたいな感じで、あのドラマの中心の問題ではないところで起こっている、自分の中だけで起こっている問題を題材にした物語になっているので、また別の日常というか、すごくリアルなMVになっていると思いますし、なにより桜田ひよりさんご自身がMVに出たいとずっとおっしゃっていたみたいで、それが叶ったのが僕たちのMVだったのも光栄ですし、その気持ちもあってか、早朝から夜遅い時間までの長い撮影だったのにもかかわらず、すごく楽しそうに演じられていたのが印象的でした。

■one man live tour 2024『FORTE』の開催も発表されましたが、ツアーに向けての意気込みもお伺いできればと思います。

U リハーサルがもう始まるんですけど、前回のZepp公演を経て、さっき言った声の部分でみんなと繋がれるところもそうだし、みんなで一緒に歌うというのが僕らのライブスタイルですし、みんなとの繋がりを感じられる部分なので、それを存分に発揮しあえるライブになったらいいなと思います。

REI 今回は月に1回ずつ、3ヶ月かけて東名阪を回るツアーなので、1本1本のライブに集中できますし、見つめ直しながらできると思いますので、1本1本大切にみなさんと繋がれたら嬉しいなと思っています。

MASATO 6月にファンクラブのライブをやった時に、なんだか自分をさらけ出せた気がしていて、自分のことを肯定してくれる人たちが、こんなに身近にいてくれたんだというのを感じられたんです。ここ最近タイアップ作品が続いていたので、なんだかちょっと籠りがちになっていたというか、よそ行きの自分だったというか、内向きの自分になっていたような気がしていたので、それを発散できたのが嬉しかったですし、またファンの方たちともお互いに一緒に盛り上がれたり、成長できたりするライブをやって、来年に向けていいスタートが切れたらいいなと思います。今回の新曲はバラードでしたけど、ブリッジの部分では3ボーカルで掛け合うようなセクションも作れたし、今一度3ボーカルの強みというか、ビートガーデンの良さを活かしてけるように、また新しい自分たちを見つけながら、そんな僕らを見せていけたらいいなと思います。

■今回のツアータイトル『FORTE』に込められた意味は?

U 『FORTE』というのはみんなの声の部分で、前回のZepp公演やファンクラブライブでもそうだったんですけど、今まで自分たちがアンセムや合唱にしようと思っていなくて作った曲のAメロやサビをみんながすごく歌ってくれていて、それをもうちょっと僕らが受け入れてもいいんじゃないかと思って。マイクを離して歌わなくても、みんなが歌ってくれてライブが成り立つ曲が結構あるので、今回のツアーではそういう箇所を増やそうと思っています。なので、もっとみなさんの声をより強く歌って欲しいという思いを込めて、それが僕らと繋がるということなので、このツアータイトルに決めました。

■前回の取材が今年始まってすぐくらいのタイミングだったので、今年中にやっておきたい目標をそれぞれお聞きしましたが、Uさんは「ファンイベントを開催したい」、REIさんは「洋服やカメラの歴史や新たな感性を磨きたい」、MASATOさんは「海外に行く、もしくは海外に向けてのアプローチをしていきたい」、とおっしゃっていましたが、割と目標を達成できていそうですよね。今年もあと半分ですが、せっかくなので下旬の目標も聞かせてもらえますか?

U 僕はシミを取りに行きたいです。シミを取るのも2週間位は顔を表に出せないので、結構大変なんですよ。年末までにはなんとか実現したいです。(笑)

MASATO 僕はブラジルフェスで世界にアプローチできたので、今度は海外に足を運びたいですね。

REI 僕はプライベートでアーティストの友達を一人作りたいです。

U えー!そんなのすぐにできるじゃん!今日できるじゃん。(笑)

REI いやいや、僕にとっては難しいんですよ。今まで出来ていないんですから……。

U じゃ、DMで繋がったとかじゃダメだよ。一緒に肩組んでSNSに写真をあげるまでしないと!(笑)

■最近はWEBラジオ『夜顔』も始まりましたが、番組の聴きどころは?

U この前やったギターでフリースタイルとかもそうなんですけど、この番組は台本もあまりなくて、結構ガチでアドリブでやっているので、気楽に聞き流してください。(笑) 真剣に聞かなくていいので、ライトな気持ちで楽しんでいただけたらと。

REI 最終回を迎えるまでに、僕のトーク力が向上するのをお楽しみに。(笑)

MASATO アー写(アーティスト写真)のイメージとは全然違うギャップを感じてもらえたら嬉しいなと思います。中学生みたいにワチャワチャとお話しているので。(笑)

■最後に読者に向けてそれぞれメッセージをお願いします。

U 最近はドラマなどで曲から知ってもらうことも多いですけど、ライブに来てくれる人も増えてきていて、男性のファンの方も多くなってきて嬉しいです。曲を知らなくても楽しめるライブですので、気軽に遊びに来てもらえたらと思います。ライブ会場で会えるのを楽しみにしています!

REI 「あのこの子ども」もそうですけど、タイアップなどを通じてビートガーデンを知ってもらっている実感はあるんですけど、とはいえライブにはまだ来たことがない人が多いと思うので、ライブハウスに足を運ぶ一歩ってなかなか難しいとは思うんですけど、きっとこの記事を読んでくださっている人たちは音楽が好きな人が多いと思いますので、ぜひ一度ライブを観に来てくれたらすごく嬉しいです。お待ちしています。

MASATO ビートガーデンとして、ちゃんとひとつ提示できるポリシーというか、メッセージをこの“わたし”で紡げたと思いますし、なにより「あのこの子ども」のドラマに寄り添えるような楽曲に仕上げられたと思っているので、ドラマと一緒にぜひ“わたし”もたくさん聴いてください!

Interview & Text:土谷拓史

PROFILE
2012年8⽉1⽇、⼤阪で出会ったU、REI、MASATOの友⼈同⼠でグループを結成。2016年に『Never End』でユニバーサルシグマよりメジャーデビュー。エレクトロサウンドにエッジのきいたギターリフを織り交ぜ、ロック要素を加えた〈エレクトリック・ダンス・ロック〉というジャンルを確立。2020年6月には初のデジタル配信シングル『光』、9月に『夏の終わり 友達の終わり』、12月に『マリッジソング』、2021年4月に『遠距離恋愛』を配信リリースし、2021年8⽉に3rd ALBUM『余光』をリリース。同年11月にはデジタルシングル『ROMANCE』をリリース。2022年4月にデジタルシングル『それなのにねぇなんで?』をリリース。8⽉にはテレビ朝⽇系⽊曜ドラマ「六本⽊クラス」の挿⼊歌『Start Over』をリリースし、各配信チャートにて22冠を獲得し、既に9,000万回以上のストリーミング数を記録。2023年6月には4thアルバム『Bell』をリリース。本作のリリースを記念した全国ツアー『Bells.』は全公演 Sold Outという功績を果たした。2024年4月には初のZepp DiverCity TOKYOでのワンマンライブを成功させた。今後の大きな活躍が期待される。
https://thebeatgarden.com/

RELEASE
『わたし』

ちゃんとひとつ提示できるポリシーというか、メッセージをこの“わたし”で紡げたと思います。

デジタル配信リリ−ス
https://thebeatgarden.lnk.to/Watashi

UNIVERSAL SIGMA
7月9日 ON SALE