生で見たいと思ってもらえるライブに
THE BEAT GARDENが第2弾となるオンラインライブを2ヶ月連続で開催する。2020年11月・12月に開催される2公演のうち、11月28日『The Beat Garden on line live―Roots―』の模様をレポートする。開場後には、事前にTwitterにて「#ビートルーツ」で募ったBeemerによるツイートが流れたり、直前のアナウンスにはメンバーたちと親交のあるラジオパーソナリティー・重田優平も登場するなど、開演前から多くのファンを楽しませる演出が行われていた。
時刻は19時。いよいよライブがスタートする。オープニング映像にはインディーズ時代から現在までのライブ映像や、様々な思い出の写真がBGMと共に流れる。11月28日の文字で止まったところで“Sky Drive”のイントロが流れ、『Roots』の幕が上がった。ボーカルのU、REI、MASATOが向かい合って歌うさまは、まさに“Sky Drive”のMVさながら。なんと今回の会場は同楽曲のMVを撮影したという、THE BEAT GARDENにとっての所縁の地だった。曲終わりのMCで場所を懐かしむように会場を見渡すメンバーが印象的だった。
続いてインディーズ1st Full Album『WILL』より“SLY”、メジャー5th Single『僕がいる未来』より“One hundred”が披露された。インディーズ時代ではお馴染みだったREIのラップパートや、縦横無尽に駆け巡るレーザーがライブの勢いを加速させる。デビュー当時から歌い続けているEDR(Electoric Dance Rock)をテーマに、新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストで画面越しのBeemerの心とカラダを激しく踊らせるライブを魅せていった。
タイトル同様、彼らの根源を辿っていく本公演。数ヶ月かけて準備してきたセットリストの中には、この日のためにREIが作ったというアレンジやメドレーも見られた。初めて披露された“Heart beat”の後には、キーボードの演奏からスタートした“Just like strange rain”。ドラマチックな照明が楽曲を彩り、流星雨のようなライトがボーカル3人に降り注ぐ演出がとても神秘的だった。様々な角度でありつつ、ベストポジションで楽曲を堪能できるのはオンラインライブ最大のメリット。そんなオンラインの良さを改めて感じたパートであった。
中盤では、現在放送中の板垣瑞生×松井愛莉ダブル主演ドラマ『社内マリッジハニー』のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲、“マリッジソング”が初披露された。伸びやかな歌声に乗せられて届けられる新曲は、今までにない新鮮さを感じるメロディが印象的だった。SATORUによるDJプレイパートの魅せ場となった“FLOWER”もアレンジバーションで披露され、この日のハイライトのひとつとなっていた。
MCでは「2020年がとても楽しみだったんです」と話し出したU。本来なら今年は全国ツアーを回る予定があったことを打ち明けた。自分と向き合う時間が増え、様々なことを考える中でBeemerの言葉に支えられた年でもあったという。いろんなBeemerからのメッセージがこの期間メンバーにたくさん届いていたのだろう。直接会えないもどかしさはBeemer以上に彼らも感じているはず。会えなくても音楽で寄り沿っていたいというメッセージも込められた“ぬくもり”が演奏されると、改めて曲を通じてBeemerへの想、本編の幕を閉じた。
“Re;story”で始まったアンコールでは、自由奔放に動き回り楽しそうに歌うメンバーの姿が。 SATORUがワンフレーズを歌うレアシーンも垣間見れ、画面の向こう側にいるBeemerと一体感を感じたいとする4人姿も見受けられた。終盤のコメントでは、それぞれがこの公演に対しての想いを語ってくれた。
REI あっという間ですね。数ヶ月間はこの公演の準備に集中していたので、いい意味で向き合えたなと思います。終わるのも寂しいですが、Rootsみたいな特化したライブを今後は生でみんなと共有したいと思っています。
MASATO Rootsはリハーサルの時からみんなの顔を思い浮かべて練習していたんですけど、本番は想像以上に俺らは楽しめていたと思います。みんなにとっても想像以上に楽しかったライブになっていたら嬉しいです。今日という日を俺たちのRootsにして、未来を育んでいきましょう。
SATORU 今日をすごい楽しみにしていました。このライブの準備にかなりの時間をかけたので。このライブをみんなの前で生でもう一度やりたいと思いますし、そう思っていてくれたら嬉しいです。
U 俺らのライブはみんなの声や汗とかが半分以上を占めています。THE BEAT GARDENらしいライブをするのもいいんだけど、生でできるようになったときに、みんなに見たいと思ってもらえるライブを作ってきました。これからも4人で歌い続けているので、僕らが大好きだった毎日がまた来ると信じて一緒に歩み続けてくれたら嬉しいです。
最後は彼らのルーツとなった曲、“BAD THE NIGHT”で締め括った。度々ライブでも披露されている同楽曲は、彼らのルーツ、音楽活動の核心に近い公演にはこの曲はきっと欠かせないのだろう。THE BEAT GARDENの根源を再確認した公演だったRootsを終えて、12月20日にはバラード楽曲を中心に構成した『The Beat Garden on line live―Emotional―』が開催される。本日の公演とは全く違うパフォーマンスが観られるということで、今から楽しみだ。
Text:日野綾
Photo:TSUBO
『The Beat Garden on line live―Roots―』11月28日(土)セットリスト
1. Sky Drive
2. SLY
3. One hundred
4. Sky’s The Limit
5. Carried away
6. Heart beat
7. Just like strange rain
8. SHAKE IT OUT
9. WELCOME TO THE NEW WORLD
10. マリッジソング
11. The Freedom
12. FLOWER
13. ぬくもり
14. Never End
ENCORE
1. Re;story
2. BAD THE NIGHT