■ロカビリーは50年代、80年代と30年ごとで流行ってきましたし、世代ごとに流行りが巡っていることからも、親子で楽しみやすい音楽なのかもしれませんよね。
Suke そうなんです。親子で一緒にライブに来ている人たちもいます。
Misaki 3世代で来てくれている方たちもいて。小さい子たちが真似して踊ってくれたりするのを見るとほっこりします。(笑) ロカビリーを共通の話題にして仲良くなれましたというメッセージもいただいたりしていて、そのきっかけになれたのがすごく嬉しいですね。
■子供たちも楽しいでしょうし、ビジュアルや歌詞の可愛らしさは中高生からの支持も大きそうですね。YouTubeチャンネル「Biscatube」でのJ POPロカビリーアレンジカバーも、最近の人気曲がこうやってアレンジされるんだっていう面白さがあります。
Misaki YouTubeのおかげで、「今までロカビリー知らなかったけど、なんかいいね!」という方も増えましたね。
■J POPをカバーしているからこそ、The Biscatsの楽曲に入れ込むJ POPや歌謡曲の要素の引き出しが増えているのではないでしょうか?
Misaki そうですね。Biscatubeを始めて視野が広がったと思います。
Suke 意外となんでもロカビリー風にできるんだなっていう。
Misaki でもたまに「これは無理だな……」っていうのがあるよね。ちょっとキツイなっていう。
Kenji 日本語だとあんまり自由がきかないだとか、これをロカビリーにすると元のメロディが活きてこないかもしれないとかね。
Misaki 原曲の良さを活かせないとね……。最近だとAdoさんの“踊”が厳しかったです。一発録りでやっているので、歌い方にも悩んでいて。でも絶対やりたいんです。とか言って中々できないんだよね……。(笑)
■Biscatubeでは現在サポートとしてMisakiさんのお父様、久米浩司さん(ex:BLACKCATS,MAGIC etc.)が参加されています。親子共演の形になりますがいかがですか?
Misaki 今までは親子では絶対に演奏はやってこなかったんですよ。もっとちゃんと追いついて、抜いた時にやりたいなって思っていたんですけどね。(笑) でもいざやってみると安心感がありますね。小さい頃からずっと聴いていたリズムなのですごく落ち着く。でも2人は緊張しているんじゃないかな?(笑)
■YouTubeのコメント欄にも「SukeさんとKenjiさんが緊張してるんじゃないか?」っていうコメントがたくさんありましたね。
Misaki でもそうでもない?楽しくやっているもんね?
Kenji 違う意味で緊張しているかな。いつも一発録りなので、自分のせいで間違えたらもう一回初めからやらなあかんっていう……。
Misaki でもパパも間違えてるし。(笑) 和気あいあいとやっているよね。
■Misakiさんは小さい頃からロカビリーに触れる家庭だったと思うんですが、SukeさんとKenjiさんがロカビリーを始めたきっかけはなんだったんですか?
Suke 僕らも父親が丁度世代で。僕のところはいつもビートルズが家でずっとかかっていたんですよ。自然と僕も好きになって、自分でいろいろ掘っていって、ロカビリーにたどり着いたっていう感じです。最初はロカビリーっていうよりはロックンロールでしたね。
Kenji 僕は幼少期とかは親の影響でフォークソングとかをやっていたんですけど、自分がギターを弾いてバンドをやりたいって思った時には、もうすでにロカビリーがやりたかったですね。
■今の形になる前は一緒にロカビリーをやる仲間はどうやって集めていたんですか?
Suke 周りにはなかなかいなかったので、仕方なく一人でロカビリーを調べて勉強していましたね。その時にKenjiがやっていたバンドに出会って、しばらくはお客さんとして観に行っていたんです。その後、丁度ベースに空きがありますってなったので、すぐに立候補してという流れですね。
Misaki それまでは一人でロカビリーしてたんだ?(笑)
Suke 一人で公園でロカビリーしてました!(笑)
■みなさんにとってロカビリーとはどういう位置づけにあるものなんでしょう?
Misaki 私にとっては当たり前にあるもの。身体の一部みたいな感じです。幼少期からロカビリーしか流れていなくて。父がレコーディングもしたりしていたので、いつもリーゼントに革ジャンみたいな人しか家に出入りしてなかったんですけど、それが当たり前でしたね。(笑)
Suke 僕はビートルズとかチャックベリーとか、ロックンロールから入ってきているんですけど、ロカビリーはロックンロールの原型なので、それをやれている誇りがあります!
Kenji 自分にとっては生きがいです。今の音楽にとっては、ロカビリーはきっとおじいちゃんというかご先祖みたいな感じで、でも今も色褪せない現役のジャンルだと思っています。
■これから目指すところを教えてください。
Misaki 最終的には大きく世界にいきたいと思っています。毎年4日間眠らないでやる『VIVA LASVEGAS ROCKABILLY WEEKEND』っていう有名なロカビリーフェスがあって、2年前に出演させてもらったんですが、またこのようなイベントに出演して、そこからもっと広げて世界に行きたいですね。
Suke ヨーロッパにもロカビリーバンドがいっぱいいるんですよ。僕らも売り込みにいきたいです!
Kenji あとは国内だとやっぱりブームを起こさないといけない。そこにも挑戦していきたいと思います。
Interview & Text:村上麗奈
PROFILE
The Biscatsは2019 年に結成された、モデル、ファッション・プロデューサーとしての顔を持つMisaki(青野美沙稀)、Kenji(Gt)、Suke(W.Ba)の3人組バンド。日本のロカビリーシーンを牽引するレジェンド・久米浩司(ex:BLACKCATS,MAGIC etc.)のDNA を受け継ぐMisaki は、ソロ名義で『1959 ~Magical Rockabilly Night~』(2016年)、『Sweet Devil』(2017年)の2 作品をリリース、“J ロカビリー”シーン待望の女性シンガーとしてキャリアを重ねる。The Biscats ではバンドスタイルとなり、よりアグレッシヴなパフォーマンスを展開。クリームソーダ―を中心とした往年のロカビリーファンのみならず、10 代、20 代まで幅広いファン層を持ち、原宿をルーツにもつロカビリーカルチャーのインフルエンサーとして音楽とファッションの両面から存在感を放つ。2019年4 月にラスベガスで行われた『VIVA LASVEGAS ROCKABILLY WEEKEND #22』で日本を代表してパフォーマンスを披露。国内外の幅広い世代に認知をされるきっかけとなった。2020年3月25日、新レーベル“ROCK’A BEAT TOKYO”よりミニアルバム『Cat’s Style』をリリース。同年10月14日、若手No.1 プロデューサーのTeddyLoidとタッグを組み、1stE.P『Teddy Boy feat. TeddyLoid』をリリース。2021年10月1日には『Sweet Jukebox』『Do You Wanna Dance?』2曲を同時配信リリース。翌日10月2日から大阪を皮切りに全国ツアーがスタート。2022年ブレイクが期待される。
https://thebiscats.com/
RELEASE
『Sweet Jukebox』
『Do You Wanna Dance?』
配信デジタルシングル
『Sweet Jukebox』
https://linkco.re/b4c5ruX3?lang=ja
『Do You Wanna Dance?』
https://linkco.re/SDnyXE4H?lang=ja
ROCK’A BEAT TOKYO
10月1日 ON SALE