うじたまい VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

うじたまい『独りうた ~September調子はどうだい~』

■TikTokでも投稿され話題を集めた『September調子はどうだい』は、とても印象的な曲ですね。

うじた この曲は、自分の「恥」をテーマにした曲なんです。本当は自分の大切な人にしか見せたくない、そんなエピソードを思い出しながら、その「恥」というものをテーマとして作りました。「恥」って悔しいんですけど、なぜか時には「綺麗」なものより何倍もの魅力を持ったりするんですよね。だからそんな過去の自分に、もし今、私が直接話しかけるとしたら?ということを考えたんです。自分自身がそういう経験をしたことがある、ということが一番のポイントなんですが、そこで「(生きていくことって)本当は楽しいよ」というメッセージを伝えたかったんです。

■曲作りから投稿に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?

うじた 時期として9月の初旬頃に、何を投稿するか悩んでいたことがあったんですが、その頃にニュースで「自殺する子が多い」という話を聞いたんです。そしてちょうどそのときに、私はこれから自分はどういう風に歌ってくべきなのかを迷っていたんです。そこでアカペラで歌うことを思いつきました。

■なかなか刺激的なワードが入ったり、ラップを取り入れてみたりと、それまでのまいさんの投稿のとしては斬新な感じもしますが、ご自身としてもチャレンジングな曲なのでしょうか?

うじた 新しいことへの挑戦というよりは、派手さとか誇張といったものがないストレートな内容になることを意識しました。歌を伝える宛先が自分ということもあって、自分の中でさらさらっと出てきた言葉が多いんです。最初は自分としてこれでいいのかどうか悩みましたが、仮歌を歌っているときに自然に涙が出てきて、「あ、これでいいんだ」と自分でしっかり確信しました。(笑) その後、YouTubeでこの歌を歌った解説動画をアップしたら「悩みを描いてくれて、ちょっと頑張ってみよ うと思う」というコメントをしていただいた方がいて、改めて間違ってなかったんだと思いました。ラップというか語り部分は、最初から入れようと考えていました。

■まいさんはマルチクリエイターという肩書きを持たれていますが、そういったクリエイティブな気持ちは昔から持たれていたのでしょうか?

うじた そうですね。物心ついた頃から同じ本を何度も読み返したり、連想ゲームを習慣にしたりしていました。ただどちらかというと人見知りな性格だったので、それを表に出すことなく内に秘めていたんですけど…。

■ではそんな内に秘めていたものを、実際に最初に形にしたのは?

うじた ファッションに興味があったので、『ブランドオーナーごっこ』というか…。(笑)

■『ブランドオーナーごっこ』?(笑)

うじた そうなんです。服のデッサンをしたりしていました。引きこもりになって外の世界を遮断し、向き合う者が自分だけの本当の独りになったとき、行き場のなくなった発想を1人遊びとして形にしたのが始まりだったんです。

■ちょっと寂しい始まりでしたね…。

うじた でも私にとって「孤独」って、ものを作るきっかけであり、永遠に最高の発想力源なんです。たとえば自分の作りたいものって、そのとき叫びたいことっていうものが起点で、「起きたくない!」「めんどくさい!」「嫌だ!」「お腹が空いた!」みたいな(笑)、日常にあふれた小さなストレスみたいなところから生まれることが多いです。ストレスというと聞こえが悪いかもしれませんが、逆にすべての人間、その人生にとっては必要な刺激なんですよね。そして人って、意外に細やかで計算し尽くされたものよりは、どちらかというと、衝動的な本能に惹かれるところがあると思うんです。だからそのときに自分が感じた気持ちを忘れないように記録して、それをネタとして自分のイメージするものを創作しています。

■確かに、パッと出てくる気持ちに惹かれることって、ありますよね。一方でまいさんの創作の中では、音楽というものが大きく取り上げられていますが、まいさんご自身の中で、音楽とはどのようにとらえられていますか?

うじた 私にとっては、会話よりもうまく自分を伝えられるもの。言葉というワードでは伝えられない感情を伝えられるもの、つまり私にとっては、その「言葉にできないものを表現したい」という、自分の大きな欲を満たすためのツールなんです。それと私はアニメが大好きなんですが、自分の夢はアニメの主題歌を担当することなんです。

■アニメの主題歌ですか?イメージに合いそうですよね。ご自身はクリエイターとしてどんな風にありたいと思われていますか?また改めてまいさんとしてはどのような音楽を提供していきたいと思いますか?

うじた 人々に発信する存在の一つとして、それを受ける人を全力で引っ張るというよりも、その人にとって寄り添っていれば安心するような存在、寄り添ってくれる身近なお姉ちゃんみたいな存在でありたいと思います。私なんかより歌がうまい人はたくさんいるでしょう。でも私はうまく歌うより、どう自分らしい伝え方を作るかを日々考えて、これからも自分の言葉を誰よりも伝えられる、そんな「独りうた」を歌っていきたいと思います。歌の幅を広げたり、動画を濃くしたり、バズることを狙うより、「聴いてくれた人を温めてあげられる」、そんな歌を歌っていきたいです。

Interview & Text:桂 伸也

PROFILE
東京生まれ東京育ちのマルチクリエイター。 中学生からベースボーカルとしてバンド活動を始め、音楽に没頭する。その後は声優アーティストを目指し専門学校へ入学、そこで自分の表現したいものを形にとらわれず自由に表現したいと強く思うようになり、フリーで活動を始める。現在はTikTokを軸に“身近に寄り添ううた”をコンセプトとして様々なオリジナル楽曲 をリリースしている。代表作『#しまうまになりたいな』は、#チャレンジで9,300万再生を超えTikTokのトレンドとして大流行。さらにTikTokへ投稿した“自分自身に歌った”という曲、『September 調子はどうだい』も多くのユーザーに拡散され、瞬く間にSNSで大流行した。
TikTok:https://www.tiktok.com/@ujitama0
Twitter:https://twitter.com/ujitama0
Instagram:https://www.instagram.com/ujitama0
Youtube:ttps://www.youtube.com/channel/UCArdP3OnGGsmwYfCKUE7Z-w

RELEASE
『独りうた ~September調子はどうだい~』

配信シングル
SMDG-0620
https://linkco.re/ybzhEDgg

2020/2/28(金)リリース

CDシングル
https://amazon.co.jp/dp/B085RRGSP9

『独りうた ~September調子はどうだい~ Covers』

配信アルバム
SMDG-0682
https://linkco.re/yUeuVfNc

2020/3/27(金)リリース