UNIONE VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■SAMさんはいかがですか？

SAM　僕は前回のアルバムの表題曲だった“to you”がすごく印象に残っていて。初めて自分たちで全曲制作したアルバムだったんですけど、それまではポップな曲が多くて、自分が影響を受けてきた音楽をUNIONEで表現することが難しかったんです。でも、この曲ではビートが強めなR&B系のバラードに挑戦できて、歌詞もみんなで話し合って、ちょっとひねった方法で作詞したんです。

■ひねった方法とは？

SAM　女性目線の歌詞に挑戦したんです。それで、5人の中で誰が女性的かっていう話をして、うちのオネエ担当はISSYだよねと。

■そうなんですね。(笑)

ISSY　たまに出ちゃうんですよ。(笑)

SAM　それと僕も女性アーティストがすごく好きなので、僕とISSYがベースとなって作詞をしたんです。その中でもISSYが出した「つかない既読」というフレーズが印象的で、それまで僕は既読がついているとか、ついていないとかっていう視点で考えたことがなかったんですよ。「そういうところを気にするんだ！？」みたいな。

ISSY　男性では気づかないところを女性は繊細に気づいてくれるので、そういう要素を入れたかったんです。

■それは素の自分というわけじゃなくて、女性の気持ちを研究したうえで出てきた言葉なんですか？

ISSY　そうですね。もしかしたら素の自分が出ちゃったのかもしれないですけど。(笑)

YUUKI　男が歌うからこそ、女々しさが出てくるよね。

ISSY　男性が恋をした時って、女性より女々しいみたいなところがあると思うんです。そういうのを女性も共感できるような歌詞にしたくて。既読がつくかどうかって普段は気にしないけど、恋愛している最中は「早く返信来ないかな？」ってなると思うんです。ガラケーの時代でいう「センター問い合わせ」みたいな。それを現代風に表したのが「つかない既読」だったんです。

SAM　そういうISSYの感覚のおかげで、今の若い子たちにも共感してもらえる歌詞になったと思うんです。あと、声の心地よさを求めるなら、この曲がいちばんおすすめです。歌っていても気持ちいい曲なんですよ。

YUUKI　今までも僕らは、女性の曲をカバーすることが多かったんです。『UNION covers』には、AIさんや中島美嘉さんの曲も入っていますし、結成前から女性曲のキーを下げてカラオケで歌っていたし。そういう経験の集大成が、この“to you”なのかなと思いますね。

■では最後にISSYさん、お願いします。

ISSY　僕が初見の人に聴いて欲しいのは“パッサボーラ！”ですね。UNIONEというグループ名は、UNION＋ONEで団結してひとつになるという意味なんですけど、この曲は「UNIONE」って叫ぶところがあって、ライブでもひとつになってみんな一緒に騒げる曲なんです。だからこのアルバムでは「UNION BOX ver.」ということで、ファンの人たちの声を入れたんですよ。

JIN　コロナ禍でZoom配信する機会が多かったんですけど、Zoomには100人くらいで同時接続できる機能があって、音楽でも似たようなことができないかなと思ったんですよね。それでファンクラブで声を募集したんです。

SAM　エンジニアさんは大変だったと思うんですけど、そこは企画を出した時点で「ごめんなさい」って、先に謝っておきました。(笑)

YUUKI　完成した曲を聴いたら、ものすごいきれいな声になっていて。僕らだけじゃなく、ファンのみなさんとも団結できたと思いながら聴いたら、うるっときちゃいましたね。

SAM　明るい曲なんですけど、僕たち的にはアルバムの中でいちばんうるっとしちゃう曲です。

JIN　今ライブで“パッサボーラ！”を歌う時は、この音源を使っているんですよ。コロナ禍でコール＆レスポンスができないので。やっぱりファンのみなさんと一緒に歌ってきた曲なので、この音源を作ることができて、本当によかったなと思います。

■どの曲も本当にエピソードが濃いですね。ちなみに『UNION covers』に収録されている“別の人の彼女になったよ”、“Story”、“雪の華”の3曲は、過去にリリースされていないと思うんですけど。

YUUKI　新しく録りました。“別の人の彼女になったよ”は、ISSYが原曲を歌っているwacciさんを尊敬していて、プライベートでも仲がいいので、ボーカルの橋口洋平さんに話してもらって、カバーが叶いました。AIさんの“Story”は、僕らがデビュー前に路上ライブをしていた時によく歌っていた曲なんです。“雪の華”は、僕たちが「ミュージックフェア」に出演した時に、ご本人の中島美嘉さんと、ゴスペラーズさん、三浦大知さんと一緒に歌わせていただいた曲で、その時のアレンジを僕らなりに意識しながら作りました。

■そうだったんですね。“よろこび”も「Acoustic ver.」になっていますけど、これはセルフカバーということでいいんですか？

YUUKI　そうです。録り直しました。

ISSY　だから、今回5曲レコーディングをしていて。1ヶ月くらいで録ったので、結構キツキツでしたけど、制作的には“道”のシングルを作った感覚に近いかもしれません。

■ベストアルバムでありつつ、ニューシングル的な面もあるんですね。これをリリースして、来年からは4人になるわけですけど、今までの曲はどうなるんですか？

YUUKI　今後どういう音楽性にしていくかは、今本当に考えている最中なんです。でも、最初に言ったように、これで今までの曲たちと決別するわけではなく、一緒に成長して、また新しいUNIONEを提示していきたいと思っているので、もちろん4人でも歌いつないでいくつもりです。“パッサボーラ！”は5人で1曲なので、難しいかもしれないですけど。YUTAのところは音源で流そうかな。(笑)

JIN　それも全然アリだと思う！

■YUTAさんは、これからのUNIONEにどんなグループになって欲しいですか？

YUTA　今はコロナでいろんなことが制限されていますけど、ある意味チャンスでもあると思っていて。今までの流れから、誰もが大きく変わらなきゃいけない。その中でUNIONEはグループの形態も変わりますけど、これをきっかけにして、よりよい音楽をより多くの人に届けて欲しいと思いますし、そのために自分にできることがあるなら協力したいなと心から思います。ずっとずっとUNIONEのことが大好きなので、UNIONEがどう変わっていくか楽しみでもありますね。

■5年間応援してきたファンに対してのメッセージはありますか？

YUUKI　いっぱいあるな。

SAM　誰か代表して言おうか。

JIN　今僕たちは5人のUNIONEで、みなさんに届けられるものを全部届けようと思って、この年内を活動していて。やっぱり5人で始まったUNIONEだし、この5人がいたからこそ5周年を迎えられたし、その「5」っていう僕たちにとって大事なものが、みなさんに届けられたらいいなと思って、（12月14日に開催した）5周年ライブのタイトルも『FIVE』にしたんです。それを受け取ってもらって、来年からはこれまで作ってきたものを大切にしつつ、前向きに新しいことにチャレンジしていくので、これからも応援してください！

YUUKI　決して集大成ではなくて、5人とも前を向いてリスタートを切れるようなアルバムだと思うので、ファンの人たちにもそういう作品になったら嬉しいですね。

Interview & Text：タナカヒロシ

PROFILE
友人同士だった5人が2015年12月14日にグループ結成。メンバー全員がメインボーカリストという歌唱力がYouTubeをきっかけに話題になる。2016年7月27日にメジャーデビュー。2017年第59回日本レコード大賞新人賞を受賞。ステージを駆け回るパワフルなパフォーマンスと静寂の中、涙を誘うバラードが話題を呼んでいる。
https://unioneweb.com/

RELEASE
『UNION BOX』