UNIONE VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

UNIONE『UNION BOX』

集大成ではなく再出発。5人の熱い友情が詰まった5周年ベストへの想い

5人全員がメインボーカルとして、それぞれ異なる個性を持った歌声で魅了するUNIONE(ユニオネ)が、結成5周年を記念した初のベストアルバム『UNION BOX』をリリース。本作にはデビュー以来リリースしてきたシングル9枚、アルバム2枚の各リード曲に加え、5人にとって思い入れの深い楽曲や、年内で脱退を発表しているYUTAに宛てた感動的な新曲“道”を含む15曲を収録(初回生産限定盤はカバー集『UNION Covers』との2枚組)。これからUNIONEを聴き始める人への入門編として最適な一方、ファンにとってはただ5年間を振り返るだけでなく、友人同士から始まった彼らの熱い友情を再確認させてくれる作品となっている。ISSY、YUUKI、JIN、SAM、YUTAの5人に、本作へ込めた想いと、「全曲について語りたいくらい」という収録曲に対する濃密なエピソードを話してもらった。

■『UNION BOX』の収録曲はメンバー5人で決めたそうですけど、どんな想いで選曲されたんですか?

JIN デビュー曲から最新曲まで、僕たちの5年間がすべて詰まっているアルバムになるんですけど、シングル、アルバムのリード曲は全部入っていて、そのうえで僕たちにとって思い入れのあるカップリング曲を何曲か入れさせてもらいました。その中で僕が紹介したい1曲は……続けていいですか?

■どうぞ。(笑)

JIN ありがとうございます!5曲目に収録されている“世界の真ん中”なんですけど、僕たちが初めて東京ドームという舞台(2017年に開催された美空ひばり生誕80周年記念チャリティーコンサート)に出演させていただいた時に歌った曲なんです。それからも大事な場面では、この曲をずっと歌ってきて、そのたびに「僕たちの歌を誰かに届けないといけない」という気持ちにさせてくれて。だからリード曲ではないけど、これは入れるしかないなということで選ばせていただきました。

YUUKI これは満場一致でしたね。

ISSY 絶対に入れたいと思っていました。

YUUKI 他の曲も全部1曲1曲語りたいくらい、僕らにとって濃いものばかりなんです。この15曲を通して、5年間の僕らの団結が詰まった箱ということで、『UNION BOX』というタイトルになりました。

■リード曲以外では“Friendship”と“Friendship II”も入っていて、友情感が強い選曲ですよね。

SAM そうなんですよ!ベストアルバムを作るにあたり、何がテーマになるんだろうと思った時に、5年分の僕たちの友情なのかなって。

YUTA 僕らはオーディションとかで集まったグループではなくて、もともとは友達同士なんです。そのなかでグループになって、デビューして、今は仕事仲間ではあるんですけど、やっぱり友達でもあり続けているので、それが自然とアルバムの軸になったのかなと思います。

■友情感の強い選曲になったのは、YUTAさんが脱退されることも関係しているんですか?

YUUKI それもあると思います。この5人で5年間やってきたので、それを残したかったというか。でも、このアルバムで今までと決別するわけではなくて、このアルバムを通して4人でまたやっていく再出発にしたかったんです。

■それを象徴しているのが、アルバムの最後に収録された新曲の“道”だと思うんですけど、完全にYUTAさんに宛てた曲ですよね?

SAM おっしゃる通りです。

YUTA 卒業をテーマに曲を作ろうということになったんですけど、5人で作る最後の作品なので、みんなでメロディーも歌詞も考えたんです。卒業は誰もが経験することなので、僕らのことを知らない人が聴いても共感してもらえる曲にできたと思うんですけど、僕らを知っている人であれば、また違う感動があると思います。それに5年後、10年後に改めて聴いても、あったかい気持ちになる曲になったと思います。

YUUKI コロナ禍でメンバー同士もなかなか会えない時期だったので、Zoomを使ってオンラインで作ったんです。作曲家の松浦晃久さんに引っ張っていただきながら、みんなでメロディーを出し合って、パズルのように組み合わせて。5人それぞれの乗せたい想いが、きれいに形になったなと思います。

■作っている時に感極まるようなこともあったんじゃないですか?

JIN 歌詞を書く時はあったかもしれないですね。曲を作った時は、単純にいい曲を作ろうという気持ちで、卒業とかは意識していなかったんですけど。

YUTA 5人それぞれ歌詞を書いて、いいところをくっつけて作ったので、メンバーそれぞれの想いがあって。僕は卒業する本人ですけど、やっぱりいろんなことを思いながら書いて……。できあがった曲を聴いた時は、なんとも言えない気持ちになりました。

SAM ただ、歌詞が重くなりすぎないようには意識しました。卒業ソングというと別れのイメージが強いかもしれないですけど、別れがすべてじゃないよっていうのを伝えたくて。別れよりも先のこと、希望があるような歌詞にしたかったんです。

YUUKI 「成長してまた会おうぜ」みたいな。

■「いつか語り合った/僕たちの理想の/大人になってまた会えるから」という歌詞もありますけど、みなさんが思い描く「理想の大人」とは?

YUUKI ざっくり言っちゃいますけど、お金に困っていなくて……。

■生々しい。(笑)

YUUKI きれいな奥さんが横にいて、室内でゴールデンレトリバーとか飼っちゃって。

SAM それ絶対思ってないでしょ!僕はもう日本じゃなくてL.A.に住むから。ゴールデンレトリバーと一緒に。

■ゴールデンレトリバーは必須なんですね。(笑)

SAM 僕たちの中では、お金持ちの象徴なんですよ。

YUUKI トイプードルでもいいですけどね。(笑) でも、こんなバカ話も、また会った時にできたらいいなって。そういう等身大の歌詞を書けました。さっきYUTA君も言っていましたけど、何年後に聴いても、あったかい感情になれる曲だと思います。

■いつか本当にゴールデンレトリバーを飼う時が来たら、この曲を思い出しそうですね。

YUTA 曲名を“ゴールデンレトリバー”に変えた方がいいかもね。(笑)

YUUKI “ゴールデンレトリバー”というアンサーソングを作ろう。(笑)

■楽しみにしています。(笑) この流れで言いにくいかもしれませんが、改めて卒業の理由を聞かせていただけますか?

YUTA はい。僕は去年、大きな病気をしまして、癌だったんです。手術自体は無事に終わったんですけど、手術後に大量出血して危ない時があったり、いろんな経験をして。それからも病気の影響で思い通りにできないこともあって、今後を考えた時に、その状態でずっとやっていくよりも、ここで新しい道に行って、5年後、10年後お互い笑い合えるような関係でいた方がいいんじゃないかと思ったんです。その決断ができたのは、たとえ新しい道に行っても、僕らは友達であるという芯の部分は切れないと思っていたからで。だから、みんなに話した時も受け入れてくれたし、今も応援してくれているし。僕は年内でUNIONEではなくなりますけど、今後もUNIONEのためにできることはなんでもしたいと思っているので、変わることもあるけど、変わらないこともあるなと思っています。

SAM YUTA君が言いたい「変わらないこと」っていうのは、脱退しても僕たちはずっと友達でいるし、ファンの人たちと築いてきた5年間は変わらないし、これからも大事にしていきたい、ということだよね?

YUTA そうです!

■脱退が決まっている人にインタビューする機会はなかなかないので、直接聞けてよかったです。

YUUKI そうですよね。これが恵まれているなと思っていて。すぐ脱退ではなく、ライブをやらせていただく機会も何度かあったし、こうして取材していただいて言葉も残せるので、本当にありがたいです。

■ベストアルバムの話に戻りますけど、この作品からUNIONEを聴き始める人もいると思うんです。そういうUNIONE初心者に向けて、この曲のここに注目して欲しいというポイントを1人ずつ教えていただけますか?

YUTA 僕は“青色ユニゾン”を聴いて欲しいですね。タイトルにもあるように、サビを5人でユニゾン(斉唱)している曲なんです。UNIONEは5人が違う個性の声を持っていて、それが武器でもあると思うんですけど、僕は5人の声が集まった音=UNIONEの音だなと思っていて。それをいちばん堪能してもらえる曲です。

JIN 本当にUNIONEは声の質がみんな違うので、1曲に絞れないんですよね……。だから、僕は個人的に印象に残っている曲で、映画『コードギアス 復活のルルーシュ』のエンディング主題歌だった“リバイブ”を紹介したいんですけど、この曲は「REVIVE」というフレーズが曲中に37回もあって、僕が主旋律を歌っているんです。それを英語っぽく言うか、日本語っぽく言うか、「RE」だけ日本語っぽく言って「VIVE」は英語っぽくするかとか、あらゆるパターンをレコーディングで試して。本当に何百回、何千回と歌ってきたので、「REVIVE」というワードを競う大会があったら、僕は優勝できる自信があります。(笑)

■それを意識して、もう一回聴いてみます。(笑)

YUUKI 僕はカバー集に収録されている“熱帯夜”を紹介したいです。もともとはゴスペラーズさんのトリビュートアルバム(2019年発売『BOYS meet HARMONY』)でカバーさせていただいた曲で、ゴスペラーズさんというと、多くの人がハーモニー、コーラスワーク、アカペラとかを連想すると思うんですけど、僕らはラテン調にアレンジして、暴れ狂うような熱量で歌ったんです。この解釈をゴスペラーズさんも認めてくださって、自身のライブで僕らの音源を使って歌ってくれたんですよ。

■カバー曲をカバーされたんですね。

YUUKI そうなんです!それと、僕の家族はみんなゴスペラーズさんが大好きで、親もファンクラブに入っているくらいなんです。だから公式にカバーできただけでも感激だったんですけど、トリビュートライブに参加させてもらった時に親を呼んだら、村上てつやさんが「YUUKIのお母様がファンクラブに入っているくらい好きということで」と言ってくださって、客席で観ていた母親が腰を抜かしちゃったんです。(笑) そういうこともあって、親孝行もできたし、僕らの自信もついたカバーなので、ぜひUNIONEを初めて聴く方にも聴いていただけたらなと思います。