UPローチ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

UPローチ『アオゾラ紙飛行機』

コロナ禍の逆境を乗り越えたUPローチ。支えてくれたファンに伝えたいメッセージを歌に乗せて送る。

全力で沸けるアイドルをコンセプトに、ファンに元気を与えてくれる全力のパフォーマンスが魅力のUPローチが、4月26日にニューシングル『アオゾラ紙飛行機』をリリース。2020年にデビューした際、一度目のデビューライブが新型コロナウイルスの影響で白紙になるも、クラウドファンディングで集めた200万円で無観客デビューライブを成功におさめた。メンバーは険しい道のりも、ファンに支えられて乗り越えてきたと語る。
逆境に負けずにパワフルなパフォーマンスを見せてくれるUPローチの最新曲は、これまでのUPローチらしさが詰まった、ポジティブで爽快な楽曲。聴く人を元気にさせてくれる表題曲“アオゾラ紙飛行機”を中心に、収録曲の魅力を、森川すみ、森川まな、近藤亜沙、立花紗知、藤井聖羅、百瀬結乃、瀬森咲茉、久世みこ都、雨宮サクの9人に語ってもらった。

■コロナ禍でデビューライブが中止になるも、その後のクラウドファンディングで200万円を集め、無観客ライブのデビューを果たしたとお聞きしました。当時の大変だったエピソードや、それを乗り越えて今思うことなどお聞きしたいです。

森川すみ デビューした時は先が見えなくて、人気が出る以前の問題でした。ライブがこの先できるのかもわからなくて不安が多かったです。しばらくオンラインライブの時期が続いて、その後、会場でライブができるようになって、有観客でライブをした時は、不安だった時期を乗り越えたからこそすごく感動しました。それから1年後にファーストワンマンライブをやった時には、デビューしたばかりの時には想像できないぐらいの大きな会場でライブができたことが本当に嬉しかったです。

近藤 クラウドファンディングの最初の目標は100万円だったんですが、集まるのかどうか不安でした。デビューもしていなかったし、まだファンもいなかったので、「達成できるのかな……?」って。でも結果を見てみたら目標額より100万以上多く集まって、200万円のご支援がいただけて、無観客デビューライブもできて……ちゃんと達成できたことがすごく嬉しかったです。私たちメンバーにはもともとファンがついていたわけじゃないのに、それでも協力してくれる人がいたことにすごく感謝しています。その人たちのおかげでワンマンライブができて、新メンバーが加入してくれて、今があるのかなって思います。

森川まな カメラに向かっておこなうライブをそれまでメンバー全員したことがなくて、どういう風にやるのかとかも全然わからない中、なんとかオンラインライブを成功させました。元々ファーストワンマンの会場で、対バンライブでデビューする予定だったので、それがなくなった時は本当に悔しかったです。でも配信だったからこそ、会場に来られなくても見てくれる人とかもいらっしゃったし、無観客でデビューしたっていうこと自体がまた一つの話題になったので、それはそれでよかったのかなって思います。今はこうやって9人になって、CDリリースとかもできて、環境が良くなっていて安心しています。一時期は5人で活動していて大変な時期もありました。今は4人の新メンバーが来てくれて、すごい賑やかになっていて楽しいです。(笑)

藤井 最初200万円のクラウドファンディングをやって、そして無観客ライブができるって聞いた時はすごく嬉しかったです。でもクラウドファンディングの呼びかけを頑張っていた時は、まだファンの人と1回も会ったことがないし、お互いのことがわからないっていう状態でした。クラウドファンディングでは、そういう中でお金を集めることの大変さをすごく実感しました。それでもみんなでお金を集められたことに感動したし、7月くらいから有観客ライブができた時は、マスク越しだけどお客さんの笑顔を見れて本当に感動しました。

森川すみ クラウドファンディングの呼びかけは1ヶ月ぐらい頑張っていました。毎日呼びかけなどしていたんですが、会ったこともないのにお願いするのが申し訳ない気持ちというか、気まずさはありました。

■デビュー時におこなったクラウドファンディングだからこその大変さもあったんですね。

立花 クラウドファンディングで200万円集めることができて、無観客デビューライブをすることができた時は、すごい支えられているなと思いましたし、人の優しさや人の心の温かさを感じました。その後も無観客のライブが多かったので、お客さんの前で有観客ライブができた時は、恩返しをしたいという気持ちが強かったです。

■表題曲の“アオゾラ紙飛行機”は、ポジティブな歌詞と、みなさんの凛とした声が調和した素敵な楽曲だと感じました。歌い方や声の出し方で工夫した点はありましたか?

雨宮 いただいたパートの中に「バカみたいでいいよ 叶えたいって言うよ」という歌詞があるんですけど、私は新メンバーとして加入させてもらう前に、事務所の研究生として活動していました。当時は周りから何を言われても、馬鹿みたいでもいいから変わりたい、頑張るぞって思っていて、その時の気持ちを思い出して歌っています。何かつらい思いをしている人にも、先が見えないっていう人にも、背中を押してあげられるような歌を届けたいなと思って歌いました。なので、レコーディングの時はもちろん声に気持ちを込めたし、ライブの時は拳を出した振り付けをしたりして、みんなに気持ちを伝える工夫をしていました。

森川すみ 私のパートはBメロの最初のパートです。Aメロとは雰囲気が違ったパートになるので、その違いが出るような優しい声で歌うようにしています。楽曲の中でもパートごとに差が出るように考えました。

近藤 私は落ちサビ前と一番のサビの前を担当しています。そこはサビに向けて特に盛り上がっていきたい場面だと考えていて。私はすごい音痴なんですけど声量はあるらしいので、そういうパートを任せてもらっている分、しっかり声量をだして盛り上げたいなと思っています。

森川まな 私は2番のサビ前を担当してます。1番でメロディーを聴いてもらった後だからこそ、より音を大事に聴かれる場面だなと思っているので、音程を外さないとか、感情を込めることなどを意識していました。このパートは振りコピしやすい振り付けになっているので、お客さんが見てすぐできるように振りを大きくしたりするっていう工夫もしています。

■ファンのみなさんは振りコピして楽しんでくれる方が多いんですね。

森川すみ UPローチのダンスって結構難しいのが多いんですけど、ファンのみなさんは楽曲の初披露の時でも踊ってくれていて。(笑) 「能力すごっ!」ってこっちがびっくりします。(笑)

■確かにファンの方の適応力ってすごいですよね。

瀬森 私は2番の最初のパートを歌わせていただいています。2番の最初なので、1番とはまた雰囲気を変えて爽やかな雰囲気を感じてもらえるようにと思って歌っています。そのパートは振り付けがないので、お客さんに思いを伝えられるように一人一人の顔を見ながら歌うことも意識しています。

藤井 私は今回の“アオゾラ紙飛行機”でソロパートをいただいている箇所が多いので、この楽曲の魅力でもある、前向きな歌詞と言葉をより真っ直ぐファンのみなさんに伝えられるようなパフォーマンスを意識しています。笑顔とか振りを大きくして、みんなに伝わるようにしたりと考えてパフォーマンスしています。

立花 私はAメロとかBメロとかよくわからないんですけど……

一同 (笑)

立花 私が担当させていただいている「僕達もなれるかもね 続きを見よう」っていう歌詞が前向きで元気な言葉なので、みんなにその歌詞の魅力が伝わるように、元気さを大事にしています。サビ前の「変えられるよ」ってパートは、メロディーのもつドラマチックさを引き出せるように歌っています。

久世 私は他の曲とかだとアイドル声というか、ちょっと作った声で歌っているんですけど、“アオゾラ紙飛行機”は等身大の自分の歌声を乗せて歌っています。自分の思いを乗せた歌を届けられるようにと考えています。

■かわいい声といったら“ドキドキLOVE”の印象が強いです。

久世 あの曲はかわいい声で歌っていますね。(笑)

森川すみ みこ都は一番かわいい声代表なので、みんなでものまねしています。(笑)

久世 私は落ちサビ前のキーポイントみたいな部分のパートをもらっているんですけど、みんながものまねしてきて。(笑) ちょっとネコ被りな声で歌うことが多いので、“アオゾラ紙飛行機”ではまた新しい歌い方で、違った一面も見せられているのかなと思っています。

百瀬 “アオゾラ紙飛行機”は、どんな場面にいる人でも背中を押される歌詞だと思っていて、今回はそんな素敵な曲の落ちサビの一番いいところを担当させてもらえることになりました。どのパートを担当するかはオーディションで決めることになっていて、正直「絶対すみさんかまなさんになる」って思っていたんです。でも、気持ちのどこかで「歌いたかったな」って思っていた中で、私が選ばれたのでびっくりしました。私はすごく声がコンプレックスだったので、選ばれることはないと思っていたんですけど、選んでもらえてすごく嬉しかったです。多分、メンバー全員が歌いたかったパートだと思うので、そこを「私が」って思ったら、すごくプレッシャーは感じます。でも、ファンの方とかも喜んでくださるし、自分で振り付けとかも考えたりして工夫できるのは嬉しいです。どの曲も大事だけど、特にこのCDリリースの大事な曲の大事なパートで私を選んでいただいたから、自分にしかできない落ちサビを頑張ろうと思って、いつも大事に歌っています。

■大役を任されたわけですね。ちなみに振り付けはみなさんで考えていらっしゃるんですか?

百瀬 ソロパートは振付師の方じゃなくて、毎回自分たちで考えています。

■今回のシングルはA、B、Cとタイプ分けされて、合計7曲が収録されていますが、中でもお気に入りの曲についてお聞きしたいです。

雨宮 私はタイプCの“お疲れSUMMERDAY”っていう曲がオススメかつ、自分の一番好きな曲です。研究生の時によく見学しに行っていて、学んだりしていた時があって、ある時にUPローチの野外ライブを見に行ったことがありました。その野外ライブで“お疲れSUMMERDAY”を歌っているのを初めて見たんです。当日は夕暮れがすごい綺麗で、その中で“お疲れSUMMERDAY”をみなさんが歌っているのを見て、「UPローチすごい好きだなぁ!」って思ったんです。この曲がUPローチを好きになるきっかけになったんです。私が夏生まれということもあって、夏曲がすごく好きなのも“お疲れSUMMERDAY”が好きな理由の一つでもあります。その後UPローチに加入して、こうして歌えることになった時に、歌の一番最初のパートをいただけて、さらに思い入れが強くなりました。夏にドライブする時とかにぜひ聴いてもらいたいなって思う曲です。サビもみんなで踊りやすいので、楽しんでいただける楽曲だと思います。

森川すみ 私はタイプAの“君仕掛けのメリーゴーランド”が一番オススメです。私は歌い出しと落ちサビを任せてもらっています。“君仕掛けのメリーゴーランド”は、今までのUPローチにはない雰囲気の曲なんです。片想いのちょっと切なくなるような曲になっています。振り付けもかわいい感じじゃなくて、綺麗な感じになっていて、UPローチの新しい魅力を見せられる楽曲になっているんじゃないかと思います。他の曲はどれも笑顔いっぱいで歌うんですが、この曲は笑顔じゃなくて、切ない雰囲気の表情で歌っています。この曲を初めて歌った時は、ついつい笑っちゃっていたんですよ。(笑) 笑顔で歌うのがいつもだったので。だからこそ、いつものUPローチとのギャップを感じられる曲だと思います。