マンチ漢(Vo)、ゴールデンくんか君(Gt&Vo)、チワワ・ジャップ・Jr(Gt)、ぺるしゃ御来光(Dr)
ただ「売れたい」じゃなく、「爆発的に売れたい」んです。
「宇宙出身 No.1エンターテイナーロックバンド」を名乗る、略称「わんにゃん」こと、わんちゃんわんわんねこにゃんにゃん。彼らは銀河系第8惑星から2020年11月に地球に降り立ち、バンド活動をしている。わんにゃんが、3月18日にシングル『明けない夜』をリリース。同楽曲は、MBS ドラマ特区「ふったらどしゃぶり」エンディング主題歌として放送中。「ふったらどしゃぶり」は、いわゆるBL(ボーイズラブ)ドラマで、報われない?2人の愛の関係性と重ね合わせてぜひ聴いてほしい。他の収録曲たちと“明けない夜”とのギャップにもぜひ驚いてもらいたい。
今回はマンチ漢、ゴールデンくんか君、チワワ・ジャップ・Jr、ぺるしゃ御来光の4人にいろいろと語ってもらった。
■最初にバラードの“明けない夜”を聴いた時、目頭が濡れる切ない歌に心が震えました。それから一週間後かな?カップリングに収録される“爆発的に売れたい”、“しゅわわせ”、“たぎれ”の資料をいただいて聴いた瞬間、ぶっ跳びました。(笑) 3曲とも“明けない夜”とは真逆ですよね?(気になったらチェックを)一体どっちが本当のわんにゃんなんですか?
ぺるしゃ どっちも本当のわんにゃんです。(笑) メンバー全員好きな音楽性が違うし、表現の振り幅も多種多彩で。以前から4人ともジャンルレスな傾向は強かったけど、わんにゃんになってその傾向はますます顕著になってきましたね。
ゴールデン 犬と猫のキャラクターを全面に出してからは、特に4人とも枠が壊れました。(笑)
マンチ むしろ、前よりも表現しやすくなったんじゃない?
ぺるしゃ わんにゃんは「エンターテイメントとして音楽を提供する」ことをテーマに誕生したので、自らをエンタメと言うように、「楽しめる」のはもちろん、聴いた人に寄り添えたり、背中を押せる音楽を積極的に表現してきました。しかも、4人とも音楽面での表現の幅が広い上に、「どういう気持ちになってもらえるか」を軸に音楽を作っているから、ジャンルという枠も自然になくなっていきましたね。
■でも“爆発的に売れたい“の曲の中でも歌っているように、本質は……?
ゴールデン 「売れたい」です!
ぺるしゃ ただ「売れたい」じゃなく、「爆発的に売れたい」んです!
チワワ 僕らは欲望全開のバンドですから。(笑)
■わんちゃんわんわんねこにゃんにゃんというバンド名も、インパクトがありますよね。
ぺるしゃ 僕ら元々はSNSなど、ネット上では絶対に素顔を出すことなく、それぞれ犬と猫の被り物をして活動をしていました。でも、一時を境に磁場がおかしくなってしまって。(笑)
マンチ 5Gが浸透しだした頃からそうなっていったよね。
ぺるしゃ どうせ顔を出すのなら正々堂々と人間の顔で活動をしていこうと。(笑)
チワワ みんな顔(ツラ)がいいですから。
ぺるしゃ バンド名の話に戻りますけど、犬と猫って、人類史上最強の存在じゃないですか。
ゴールデン 「犬好きか?猫好きか?」と論争が起きるくらいにね。
ぺるしゃ 今の地球を占領しているのは、人間、犬、猫の3大生物ですからね。
■みなさんも犬や猫のように、甘え上手なんですか?
チワワ たまに「ワンッ!!」と甘く吠えて、甘える時もあります。(笑)
ゴールデン チワワは、甘え上手で床上手だから。
チワワ いやいやいやいやいやぁ~!!
ゴールデン そこで謙遜するなよ!お前。(笑)
ぺるしゃ 4人ともとにかくキャラクターはひと際濃いです。全員が全員、キャラ立ち最強ですからね。だからと言ってトラブることもなく、それぞれが各メンバーを認めて、尊重しているんです。だからこそ、柔軟にジャンルレスな音楽を作れるんだと思います。わんにゃんの楽曲は、この4人だからこそ生まれるし、出来る音楽性なんです。
■表題曲の“明けない夜”は、MBSドラマ特区「ふったらどしゃぶり」のエンディング主題歌ですね。歌詞の内容はドラマに描かれた世界観を意識していますよね?
ぺるしゃ もちろんドラマに描かれた世界観や登場人物たちの心模様に寄り添っていますけど、ドラマのことをまったく知らない人が聴いても、歌詞の内容をそれぞれの気持ちに重ねられる楽曲にもしています。
■最初に“明けない夜”を聴いた時、好きの気持ちを認めたくない感情もありつつ、でも「好き」という気持ちを抑えられなくなり、最後には……という内容に触れて、「恋愛する時にこういう気持ちもあるよなぁ」と、すごく共感を覚えました。その後、この曲がBL(ボーイズラブ)ドラマのエンディング主題歌というのを知り、「あっ、だからこの歌詞だったんだ」と、歌詞に込めた想いがより深く胸に刺さりました。
マンチ 歌詞の中で「僕」という言葉をあえて使わなかったのも、限定して聴いてほしくなかったからなんですよ。
ゴールデン “明けない夜”の中で、相手の呼び方を「君」にしたのもその理由からです。それに、ドラマに出てくるいろんな君(登場人物)にも歌詞の内容を投影できるからこそ、あえてぼかした表現にしました。だって「僕」にしてしまったら、BLの世界観丸出しになってしまうので。もちろんそれはそれで有りだけど、今回はメジャーリリースする楽曲だし、ドラマに関係なく、いろんな人の耳に届くのなら、受け取り方の幅も広げた方がより楽しめると思いました。うちの両親も僕に内緒でこっそり聴いていましたからね。(笑)
■それぞれこの“明けない夜”の魅力や聴きどころを語ってください。
チワワ この曲は、どんな層の人にでも届く歌であり、聴けば何かしら心が動かされるし、自分の気持ちに投影していける曲だと思います。
マンチ “明けない夜“をイヤフォンやヘッドフォンで聴くと、よりわかると思いますけど、左右から結構大きめにウィスパーボイスで歌う声が響いてきます。ミックスを終えてこの
曲を初めてヘッドフォンをしながら聴いた時に、左右から聴こえる声に、嬉しい衝撃という意味でゾワッとしました。だからこそ、みんなにも自分と同じように聴いてゾワッとしてほ
しいなと思っています。
■この曲はすでにライブやリリイベでも披露していますよね?みなさんの反応はどうですか?
マンチ リリイベは特に、ドラマ「ふったらどしゃぶり」を見て、この“明けない夜”のことを好きになり、それで見に来てくれる人たちも多いけど、みんなじっと見入りながら、歌や演奏に耳を傾けてくれています。その後に他の曲をやると、みんな最初は「ポカーン」となるんだけど、次第に手拍子を始めたりして、心を開いて楽しんでくれていますね。
ゴールデン この曲と他の曲じゃ振り幅が大きすぎるから。(笑) “明けない夜”の音的なことですが、ラストのサビ前に「フワァーン」という音が響くんですけど、あの音を聴くと、走馬灯のように想いが巡るじゃないけど、頭の中にいろんな映像がフラッシュバックしていくような気がするんです。そこからラストに向かって、頭の中に浮かんだ映像がしっかり見えてくるという感覚が自分の中にはあります。それと、最後に出てくる「愛してしまったよ」の歌詞がすごく気にいっていて。その言葉を口にするまでに、いろいろ悩み、葛藤していて、ときに気持ちを否定しながらも、やっぱり「愛してしまったよ」という気持ちに落ち着く。そこへ至るまでのドラマをぜひ感じてほしいし、そこは上手く歌詞に落とし込めたなと思います。
ぺるしゃ この曲はバラードだから、その世界観に没入していける良さが魅力だと思います。これはライブの話になりますけど、わんにゃんはテンポの速い曲が多いから、ドラマーとしては急にテンポがゆったりの“明けない夜”を演奏する時は、テンポどころか気持ちの切り換えも必要なんです。そこが大変ですね。特に“明けない夜”は、想いを大切に演奏してこそ、より人の胸に届くから、ライブでいかに集中する気持ちを巧みに切り換えていくのかが大事になる曲ですね。
■“明けない夜”の歌詞に記した、あの切ない気持ちの揺れや、最後に辿りついた想いは、ドラマの世界観から導き出された感情なのでしょうか?
マンチ もちろんそれもありますけど、もともとみんなの中にあった感情でもあったから。
ゴールデン わんにゃんといえば、“爆発的に売れたい”のような弾けた楽曲の印象が強いけど、今回のドラマのプロデューサーが、たまたま“願う”という、わんにゃんの別の面でもあるバラード曲の魅力を気に入ってくれて、「ぜひ“願う”のようなバラード曲を書いてほしい」と話を振ってくれたことから、今回のタイアップが決まったんです。うちらにしてみれば、そっちの面を評価してもらえたのは、すごく嬉しかったですけど、意外でしたからね。