week dudus VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■2曲目の“KAKAKAKA”の最後の歌詞と、3曲目の“Life is Beautiful”の最初の歌詞はどちらも「Life is Beautiful」ですよね。連作みたいな意識はあるんですか?

week dudus あります。種を撒いているわけじゃないですけど、このEPは自分の中で2部構成なんです。一旦3曲目の“Life is Beautiful”で終わり、“CHANGARA”で次の部が始まります。

■そう言われてみると、1~3曲目は都会的な印象で、4、5曲目は身近な雰囲気がありますね。2曲目の“KAKAKAKA”は詞の繰り返しが多い曲ですね。

week dudus 繰り返しのフレーズが多いデモ音源をもらって、繰り返しってめっちゃいいなと思いました。歌詞ではとりあえず日常生活を書きました。

■今作で「この歌詞が出てきたの嬉しい」みたいなのってありましたか?

week dudus いつもそんなに気持ちをめちゃくちゃ入れるというのはあまり無いタイプなんですけど、“Life is Beautiful”は、結構リリックに気持ちを込めたというか、しっかり考えて書きました。

■week dudusさん的に「こういうものは作りたくない」というものはありますか?

week dudus 自分が納得できない、ちょっとでも納得していないものは出したくないです。作り終わった後に出さないこともあります。

■2021年には50曲入りアルバム(『VEGA』)もリリースしたじゃないですか。50曲も作ったら大変だったと思うんですけど、没曲は出ましたか?

week dudus デモ段階では300曲ぐらい作りました。元々は100曲入りのアルバムを予定していたんですけど、最終的に50曲に絞っています。

■ボツ曲は今でも残っていますか?いつの日か日の目を見ることもありますか?

week dudus 残っているやつもあります。いつか出てくることもあるかと思います。

■今作はそのままスルっと完成できた感じですか?

week dudus このEPのためにも20曲ぐらいは作って、そこからこの5曲を選びました。

■いっぱい作るってことは、1作1作がまるでベスト版みたいな感じになるんですか?

week dudus そうですね。その時の今の自分のベストが詰め込まれています。

■歌メロが強い曲とラップが強い曲がありますが、「こういう曲はメロで歌った方がいい」みたいなものはありますか?

week dudus 自分的にはそんな感覚は無くて、そんなにラップラップって考えていないだけですね。

■そういう所がもしかしたら、YouTubeで批判している人の好みと食い違っているのかもしれませんね?

week dudus わがままじゃないですけど、全部やっているんで、認められるのはタイミングだと思っています。

■今は数ヵ月で「ダサい」の基準なんかも変わっちゃいますしね。5曲目の“Near me.”は「悩みをきっかけに作った曲」と伺ったのですが、何かあったんですか?

week dudus なんか「もうドドスは落ち目」って言われることが増えたんですけど、全然気にしていなかったんです。だけど、友達とか地元の人たちがそう言っているのを耳にしてしまって、なんか……。

■ああ、知らない人が言うのとはやっぱり違いますよね……。

week dudus やっぱり友達とかに言われたら、落ち込みます。

■そのことをきっかけに、「信じてみて/やつらすぐわかる」ってところに行くわけですね。今は吹っ切れていますか?どうやってメンタルリセットしたんですか?

week dudus 今はもう全然普通です。ひたすら曲を作りました。

■最後の曲として“Near me.”が入るのがすごくいいなって思ったんですよ。曲順は結構意識されているのでしょうか?

week dudus そうですね。なんなら“Near me.”を1番最初に入れようという意見もあったんですが、いろんな順番を試して聴いて、最終的にこの曲順が一番いいとなりました。

■最後の曲で気を取り直して……みたいな感じもしてすごくいいですね。ちなみに、いろいろ言って来たお友達とは今もお付き合いがあるんですか?この曲はもうそのお友達に聴かせましたか?

week dudus 仲良くしていますよ。(笑) そこはもう割り切って、その時にそう思ったならしゃあないです。この曲はまだ聴かせていないですね。

■最後に、今作で1番聴いて欲しい部分を教えてください。

week dudus 1曲ずつ、何回も聴いて欲しいです。何回も聴くたびに、ここでは音を抜いているなとか、細かい部分にも気づくと思います。全曲いろいろと工夫していますし、ジャンルも違うので、EPの曲順で全部理解できるまで聴いて、何がわかったかをぜひ教えてください。

Interview & Text:安藤さやか

PROFILE 
兵庫県出⾝、22歳の新世代ラッパー。フリーキーなラップスタイルで異彩を放つ奇才。2019年から作品の多くは注⽬を集め次第にネット上で話題に。幼少期からヒップホップやレゲエに親しみながら育ち、⼩学校⾼学年の頃にはラップを始めていたという。アブストラクトで実験的なトラックを巧みに乗りこなす予測不能なフロウとユニークな⾔語センスを感じさせるリリックが特徴。2021年にはファンとの約束を果たした50曲⼊りの1stデジタルアルバム『VEGA』をリリースしてシーンを驚かせるなど、予想の枠に収まらないフレッシュなアイディアと独創的なセンスも魅⼒。最近では、イギリス発祥の⽼舗帽⼦ブランド「KANGOL」のアパレルラインとのコラボレーションを発表。またKANGOL公認の楽曲とMVもリリースし、ファッションシーンからも注⽬を浴びている。
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RELEASE
『KAZATO』

日本コロムビア
4月14日 ON SALE