SNS総フォロワー数670万人超のインフルエンサーが歩み出すアーティストとしての道。
Mumeixxx(むめい)がメジャー2ndシングル『→←(右向け左)』をリリース。SNSの総フォロワー数は670万人を超え、動画投稿や配信、イベントへの出演に企業コラボなど、幅広い活動を行っているインフルエンサーMumeixxx。2024年10月にリリースしたメジャー1stシングル『ぷっちょへんざっ』は、TikTokで6000万近く再生されている。そんな彼女の2ndシングルは、RPGをモチーフとしたポップなナンバーとなった。インタビューではアーティスト活動へかける想いや、楽曲制作・MV撮影の裏側など幅広く話を訊いた。
■様々なことにチャレンジされているMumeixxxさんですが、自分自身の現在の自認は何になるのでしょうか?
Mumeixxx 今は多分「クリエイター」なんですけど、今後は「アーティスト」がメインになれたらいいなと思っています。動画投稿を始めたきっかけについても「表に立つのが好き」ということもありますが、アーティストになるためという側面もありますしね。
■今はアーティストとしての活動に繋げたい意思が強いんですね?
Mumeixxx そうですね。活動を始めた時はアーティストのことがあまりわからなかったのですが、まずは自分のことをいっぱい知ってもらって、そこから「この人はアーティストもやっているんだ」みたいな感じで、ライブに来ていただけたら嬉しいなと思っています。
■そうそう、活動名が「Mumeixxx(むめい)」なのはどうしてですか?
Mumeixxx 本名で活動することを避けたくて、名前をどうしようかと考えた時、名前は無い、何もない、むめい(無名)…みたいに決めました。「xxx」は「バツ」という意味です。何もないことをバツで表現しています。
■面白いですね。活動としてはTikTokが中心だと思うのですが、なぜTikTokだったんですか?
Mumeixxx 特別な理由は無いのですが、コロナ禍にTikTokがすごく流行っていたので、ちょっと波に乗ってみようみたいな感じで自分も投稿してみたら、ファンの子がついてきてくれて。そこから毎日投稿したり、定期的な配信をしたりもしています。
■ファンのみなさんからはどういうところが好きだと言われますか?
Mumeixxx 取り繕わないところですかね。可愛い子たちって、アイドルみたいな可愛さがあるんですけど、自分にはそれがあんまり無いんです。私はファンとの距離がめっちゃ近いと思います。お友達感覚でお話して、イベントも増やすようにしたり。フォロワーさんのことをよく知るために関わりをたくさん持つようにもしています。
■それがフォロワー数の秘訣なんでしょうね。それでは音楽について深掘りしたいと思います。メジャーデビューされてからの“ぷっちょへんざっ”と、“→←”は、どちらもMumeixxxさんとは別の方が作詞・作曲されていますが、ご自身の意見や意向は結構入っているのでしょうか?
Mumeixxx “ぷっちょへんざっ”の方は結構自分の意見を取り入れていただきましたが、“→←”は自分の意見というより、作詞・作曲した方のやりたいことを重視しました。なので、最初に聴いた時は、「こう来たか!」とは思いましたね。(笑) 曲の理解も難しいし、MVの意図も掴みづらいので、人によっては考察のし甲斐がある曲なのかな。しかも今回のMVは実写とアニメの混合になっているので、また違った印象になっていると思います。
■MVのメイキングでは「撮影現場に行ってベッドの下を見たら、まさに私の家のベッドの下みたいな感じだった」とお話されていましたよね?
Mumeixxx 多分、私に対する偏見が「そう」なんだと思います。(笑) 私、自分の部屋を片付けるのは得意なんですが、みんなで共有するところを片付けるのは苦手なんですよね。(笑)
■それってちょっと珍しいですね。逆の人はよく聞きますけどね。(笑) 音楽的にメジャーデビューの前と後で変わったことはありますか?
Mumeixxx メジャーデビューしてから、他の人の歌を聴いて「この人はこう歌っている」とか、「この人の癖はどうかな?」とかを意識して、自分の歌にも取り入れたいと思うようになりました。カラオケに行く時には「〇〇さんの歌に近づけられるように」と歌ってみたり、「むしろ自分が歌うならこう歌う」と考えてみたり。
■憧れのアーティストはいますか?
Mumeixxx ずっと聴いていられるのはMrs. GREEN APPLEさんの曲です。めっちゃ聴きやすいし、万人受けする歌い方で、ライブでは音程もばっちりだし、音源通りの歌い方だから、すごくいいなって思います。
■Mumeixxxさんの音楽的なルーツはどの辺りにありますか?
Mumeixxx 最初に好きになったミュージシャンは覚えていないのですが、とにかくアニメが好きで、アニソンをよく聴いていました。LiSAさんや神田沙也加さん、ディズニー映画の曲も好きなので、そういうのを聴いていました。
■アニソンからなんですね。好きなアニメはなんですか?
Mumeixxx 今は『進撃の巨人』と『ソードアート・オンライン』。あと、ちょっと古いんですけど『未来日記』、『魔法少女まどか☆マギカ』も好きです。
■結構シリアス系の作品が好きなんですね。そういった作品は曲もいいですもんね。
Mumeixxx そうなんですよね。曲もいいんです。
■自分でも音楽をやりたいと思ったきっかけは?
Mumeixxx もともとお母さんが音楽系の活動をしていたのですが、それを小さい頃から見ていて、自分も興味を持ちました。お母さんは若い頃に私を産んだので、音楽活動を諦めて子育てをしていたこともあり、「私が代わりに音楽活動をして夢を叶えよう!」みたいな感じで始めたところもあります。
■そんな経緯があったんですね。お母様とは仲が良い方ですか?
Mumeixxx めちゃくちゃ仲いいです。多分、一番仲がいい人かなって思っています。カラオケに行くなら家族と、みたいな感じですし。(笑)
■素敵ですね。Mumeixxxさんはベースも弾かれますが、いつベースと出会ったのでしょうか?
Mumeixxx 昔、家族内で「バンドをやろう」みたいな感じになって、最初はギターを弾いてみたんですけど、弦が細くて指が切れそうで怖かったという理由でベースに変えて。(笑) そうしたらベースの良さがだんだんわかってきたんですよ。重低音がすごく響いて、曲を支えている感じがあって、主役の隣にいるみたいな感じがカッコよくて。それでベースを始めました。
■家族でバンドですか。ベースを始めるきっかけとしては珍しいかもしれないですね。アーティストとしての自分の強みや、唯一無二だと思うところはなんですか?
Mumeixxx まだ始めたてなので、これから見つけられたらいいなと思っています。自分は歌によって歌い方を変えるので、カバーだけではなく、自分の曲でもそれができたらいいなと思うのですが、リスナーさんに「Mumeixxxちゃんってどの声が本当なのかわからない」と言われることもあって、ちょっと今は迷っている感じです。
■それでは、カバーを含めて「自分らしい歌声で歌えた」と思っている曲はありますか?
Mumeixxx 基本的に「歌詞が自分に合っている曲」より、「歌っていて気持ちいい曲」が挙がりますね。ディズニー系の音楽だったり、LiSAさんの楽曲は、すごく高い音が響いて、強い感じが歌いやすいなと思いました。
■デビューからの2曲は、可愛らしくて「力強さ」とは正反対なイメージですが、これからそんな曲が出てくるのかなと思うと楽しみです。好みとしては壮大な曲の方がお好きなんでしょうか?
Mumeixxx そうですね。聴くのは壮大で、オーケストラ系のものが好きです。そういうものを取り入れられたらいいなとも思っています。サントラ(サウンドトラック)も好きなんですよ。最近聴いた『進撃の巨人』のサントラにヴォーカルが入っている曲があって、その曲の響く感じが大好きです。
■サントラ好きと来ましたか。予想外でした。今の所、オリジナル曲における「自分の曲たる条件」みたいなものはありますか?
Mumeixxx それも含めて今、自分らしさとは何か考えているところです。1曲目は声を作って歌っているし、2曲目も若干作ってるので。ただ、“→←”にはラップ系のメロディが入っているのですが、そこには自分らしさが出たのかなと思いました。
■自分らしさですか。自分らしさって難しいですよね。
Mumeixxx 難しいですね。SNSで出している自分も、完全に素の姿というわけではないですし。自分の理想の姿を投稿している感じでやっていますから。なので、今は「自分らしさってどれなのかな?」と探している最中です。
■それでは、周りから言われる「Mumeixxxちゃんらしさ」はどんな感じなのでしょうか?
Mumeixxx 結構ガサツというか、男性っぽい感じですかね。(笑) ゲームしている時とかに強い言葉が出ちゃったりするんですけど、そういうところが「Mumeixxxちゃんっぽい」と言われたりします。
■そう考えると、曲とMumeixxxさん自身には少しギャップがありますね。
Mumeixxx そうですね。(笑) なので、次に出す曲は自分の気持ちや考え方も含めた歌にしたいと思っています。
■もう気持ちは次作に向かっているのですね。(笑) ところでメジャーデビュー曲となった前作“ぷっちょへんざっ”なのですが、どうしてアニメのMVを採用したのでしょうか?
Mumeixxx 可愛い系の歌にはVTuberさんのイメージがあって、実写で出すと曲と顔とのギャップがあるという部分もあったので、アニメでやってみようかなと思いました。顔出しはしているんですけどね。