高嶺のなでしこ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

高みを目指して歌い続ける高嶺のなでしこ、1stアルバムで語る決意。

高嶺のなでしこが12月17日に1stアルバム『見上げるたびに、恋をする。』をリリース。HoneyWorksがサウンドプロデュースし、2022年にデビューした高嶺のなでしこ。アルバムは“美しく生きろ”に始まり、幕張メッセ公演で初披露されたリード曲“花は誓いを忘れない”も収められ、今の高嶺のなでしこのベスト盤とも言える作品となっている。今回は籾山ひめり、星谷美来、葉月紗蘭の3人と共に、高嶺のなでしこの活動を振り返りつつ、今作アルバムを語る。

■まずはアルバムのタイトル『見上げるたびに、恋をする。』にちなんで、あなたが「見上げるたびに、恋をする。」ものを教えてください。

籾山 私が見るたびに恋をするものは、「キラキラなもの」なんですけど、最近、自分は改めてグリッターみたいなキラキラしたものが大好きなんだなということに気づいたんです。近頃は自分も大人になったので、キラキラしたモバイル充電器を買ったり、スマホケースをキラキラしたものにしたり、キラキラなものを見つけるたびに買っていて、見るたびに「やっぱ可愛い」と思います。ということは、キラキラがすごく好きなんだな、キラキラに恋しているんだなと感じます。ラメも大好きで、キラキラなものだったら全部回収します。(笑)

星谷 私は「香水」です。香りフェチなので、自分でも気づいたら香水を集めています。その日の気分とか、お洋服とかによって匂いを付け変える方もいるじゃないですか。そういう女性に憧れてやってみたいなと思うんですけど、遠出する時には香水を忘れがちだし、なくしたら怖くてなかなか普段から持ち運びはしないんですが、近場のお仕事先に行く時には持ち歩いてます。いつか「これは冬っぽい重めの香りだな」みたいに、季節ごとに考えて香りを選べるようになりたいです。今のところ、よく使うものと、もったいなくて使えないものとがあるのですが、妹がいるので、お互いに貸し借りして使っています。

葉月 私が恋をしているのはスヌーピーです。見た目が私の飼っているワンちゃんに似ていて、性格も結構似ているんです。スヌーピーはワンちゃんなんですけど、すごく深いことを言ったり、気まぐれな性格だったり、周りにいるチャーリー・ブラウンたちもみんないい子で、日常を励ましてくれるような感じがして大好きなんです。

■今作のリード曲“花は誓いを忘れない”は、先日行われた幕張イベントホール公演で初披露されたそうですね。この公演で印象的なシーンを教えてください。

籾山 私自身、幕張イベントホールでライブできたことが本当に嬉しくて、どの楽曲もいろんな形に変えたり、ステージをいろんな形で使ったり、たくさんパフォーマンスさせていただいたんですけど、やっぱり初めてステージ上に立った瞬間がすごかったです。“初恋のこたえ。”からスタートしたんですが、自転車で客席から登場したんです。ファンの人たちの席の間で自転車を漕いだので、その時はどれくらい人がいるかわからなかったんですが、ステージに立った瞬間、すごくたくさんの方が来てくださっているんだなということを感じて、もう涙が出そうになって……。振付けの中にみんなで向かい合う瞬間があったので、メンバーのことを見ながらファンのみなさんのペンライト見ていたらうるうるしちゃって……。それが今でも「本当に素敵な景色を見られて幸せだった」と覚えています。

■自転車は大丈夫でしたか?

籾山 それがもう、危なくって。(笑) スタッフさんがファンのみなさんの近くを通れる細かいルートを考えてくださっていたんですが、ちょっとでもみんなが足を出していたら轢いちゃいそうで、中学生ぶりぐらいに自転車に乗ったので本当に緊張しました。

星谷 私はトロッコに乗った時が印象に残っています。私は目が悪いので、トロッコに乗るとファンのみなさんの顔がよりよく見えるんです。なので、トロッコに乗ってファンの方たちと目が合った瞬間をすごく鮮明に覚えていて。やっぱりステージ上で見るファンの方と、実際に近くで見るのとではまた雰囲気が違って、近くで見る方が、みんなの活き活きした笑顔が間近で見られました。「ライブすごい楽しい!今楽しい、幸せ!」と思っている感覚がファンの方たちにも伝わっていたらいいなと思います。

葉月 “革命の女王”の時に、ひめりちゃんが旗を持って花道を歩くシーンがありました。この曲は普段はダンスで魅せる曲で、しっかりと踊って、途中ではカッコいい表情を見せるという感じなんですけど、幕張イベントホール公演では、サビでただ花道を歩いて歌うだけみたいな時があって、その雰囲気を壊したくなくて。私が姿勢悪く歩いていたら悪目立ちしてしまうと思って、ちょっと不安だったのですが、本番は気持ちが乗って、ちゃんと歩けていたと思います。後で映像を見せてもらったのですが、ひめりちゃんが旗を持って歩いているところがカッコよすぎて、SNSでも「あのシーンの籾山さんがカッコよすぎた!」という感想がいっぱいあったことも印象に残っています。

■きっとファンの方たちにとって、葉月さんも最高にカッコよかったと思いますよ!ところで幕張イベントホール公演で、何かトラブルや変わったことはありましたか?

籾山 “僕は君になれない”の時にセンターの東山恵里沙がいなかったことです。(笑) その前が早着替えで、恵里沙は着替えられていたんですけど、機材などの関係で「ちょっと一回止まって!」となっていて、でも曲はもう始まっちゃって。(笑) 私は(橋本)桃呼と最前列で振りを始めたのですが、ふたりで目が合った瞬間に、「恵里沙いないよね?!」となって焦りました。その後に恵里沙がすごくゆっくり後ろから登場してきて、まるでそういう演出だったみたいに振る舞っていてびっくりしました。(笑) それも含めてすごくリアルだったなと思います。

星谷 私も今、その恵里沙の出来事が一番に思い浮かんで、一番焦った瞬間がそこだったと思います。それ以外にはあんまり大きいトラブルはありませんでしたね。ちっちゃいトラブルは今までのワンマンライブでもあったのですが、いつもメンバー同士でカバーし合ってきたので、そんなにめちゃめちゃ焦ったことはあんまりなかったです。

葉月 私はファンサの時に煽りをやったんですけど、「約束!」という歌詞の後、これまでは「盛り上がっていきましょう!」みたいなことを言っていたんですけど、その時は思いの丈を伝えるメッセージっぽい煽りを入れようと思って、頑張って事前に練習していたんですが、通しリハの時に盛大に噛んじゃって、それでもう不安になっちゃって。(笑) 「これ、私できない!」と、本番まで思っていたんですが、本番ではちゃんとできてよかったです。隣で(城月)菜央ちゃんもガッツポーズをしてくれていて、そういうところでメンバーも優しく見守ってくれていて、それが一番印象に残っているし、チャレンジできたことだったなと思います。

■たくさんのことができて、大きなトラブルもなく終われたのが一番ですよね。成功おめでとうございます!そして新衣装ですが、好きなポイントを教えてください。

星谷 高嶺のなでしこは今までひざ丈スカートの清楚な制服風のイメージが強かったんですけど、今回は冬っぽい衣装で、生地もベロア素材が使われていたりして、ミニスカートも初めてなので、すごく嬉しいです。メンバーとも「いつかミニスカを履きたいね」という会話をしていたのですが、まさかこんなすぐに履けるとは。(笑) フィッティングの時に衣装を初めて見た時、「全員ミニスカなんだ!」と思って。靴もロングブーツとニーハイの子がいて、「すごく可愛い!」となったのを覚えています。

葉月 冬っぽい素材がいいですよね。私はこういうツイード素材がめっちゃ好きで、それも嬉しかったんですけど、ちょっと色味とフォルム的にプリキュアっぽいじゃないですか。(笑) それをメンバーが着ているのを見て、「みんなプリキュアみたいでめっちゃ可愛い!」と思いました。あと、髪飾りが遠くから見てもわかるぐらい大きめなので、それも見ていて可愛いなといつも思います。

籾山 私はファンの人からも「キラキラで良かったね!」と言われます。(笑) 動いたり、ライトが当たったりすると本当にキラキラしてすごく可愛いんですけど、個人的には袖がパフスリーブと、ストレートのタイプの2種類あって、自分はパフスリーブがすごく大好きなので、このパフスリーブの衣装がお気に入りです。可愛らしさとカッコよさが両方あるのがこの衣装の魅力だと思うので、どんな楽曲をやっても映えるところがすごく素敵だなと思います。

■そしてアルバムの内容に入りますが、今作はこれまでの活動のベスト盤的な作品になりましたね。あなたが思う「これぞ高嶺のなでしこ!」というポイントはどこですか?

籾山 やっぱり“美しく生きろ”は、高嶺のなでしこの代表的な楽曲でもありますし、メジャーデビューさせていただいた時の曲で、それまでずっと温めてきた大切な楽曲なので、私たちと言えばこの曲だと思います。HoneyWorksさんからの「高嶺のなでしこはこうあってほしい」という歌詞だったり、メンバーが思う「こういうアイドルになりたい」という理想や希望、想いがたくさん詰め込まれている楽曲だと思うので、自分たちも歌っていて、これからもこの曲を良くするために、自分たちを前向きにさせてくれる楽曲だなと思うので、一番たかねこらしいなと思います。

その中でも、特に「たかねこポイント」が高いと思うところは?

籾山 この楽曲には「高嶺のなでしこはこういうグループになりたい」という想いが込められていると思います。「誰の手も届きやしない」とか、「気高く美しい華は/高嶺のなでしこ」とか、自分たちはこうなりたいし、なるためにこの歌詞を歌っているみたいな、自分を奮い立たせてくれる歌詞がたくさんあるので、全部大事だと思います。ですが、自分は今まで別のグループでアイドルをやってきたことがあるので、「どんな結果でもこの世界が魅力的だからずっとここにいたいと思う」というような言葉が、とても素敵だなと思いました。

星谷 このアルバムの曲順はライブのセットリストみたいな感じになっていて、“初恋のこたえ。”からの“Cute for life”は可愛めの楽曲だったり、青春を感じる曲が入っていて、後ろの方になると、“ライフクエスト”や“愛のウイルス”などのタイアップ曲があり、カッコいい系や、エモい系の楽曲で繋がっているのがすごく素敵だなと思っています。音で言うと、私は “初恋のこたえ。”のキラキラしたイントロがすごく好きで、学生時代を思い出すというか、青春感を感じていいなと思います。

葉月 私がたかねこの曲に思うのは、いろんな音がたくさん入っていることです。あと、ピアノの音が多いこと。“初恋のこたえ。”もピアノの音が多いんですよね。何より自分が感じるのは、音程がすごく細かいことです。レコーディングする時も、音程がめちゃくちゃ細かいので、ワンフレーズで何回変わるのかな?というぐらい、上がったり、下がったり、1音違ったり、半音違ったりみたいのがすごく多くて。でも、そこがたかねこの曲の中で「癖になる」というか、切ないポイントになっていたりするのかな?と思ったりもします。実際に聴いていても、耳に心地がいいと思うので、そこが「たかねこっぽいポイントなのかな」と考えています。

■そんな中で、特に高嶺のなでしこらしい一曲はどれだと思いますか?

籾山 私は前までは“美しく生きろ”と答えていたんですけど、最近は“花は誓いを忘れない”なんじゃないかなと思っています。“美しく生きろ”には「グループとして自分たちはこうなっていきたい」という願いが込められているのですが、“花は誓いを忘れない”は、これまで3年間積み重ねてきたそれぞれの想いだったり、葛藤や、自分の強み、弱みをみんなで話し合い、分け合って、そしてみんな、それぞれが違うことを認め合っているからこそ歌える楽曲だと思います。ここまでの道のりは簡単なことだけじゃなかったし、思い通りに行かないこともたくさんあったんですけど、涙も一緒に流して、これからもファンのみなさまに願いを込めて、まだまだ先に進んでいきたいと思うので、今は“花は誓いを忘れない”だと思います。

葉月 私は“この世界は嘘でできている”です。“アンチファン”が高嶺のなでしこのスタートの楽曲で、それこそ“美しく生きろ”みたいな、アイドルの内心というか、内に秘めた想いみたいなものを歌う曲が、たかねこの中で反響が多い一面だと思うんです。もちろん楽曲の歌詞が思っていること全てというわけではないんですけど、強いアイドル像みたいな姿を喜んでくださったり、それで知ってくださった方たちもたくさんいらっしゃるので、“この世界は嘘でできている”が、一番今のたかねこっぽい楽曲なのかなと思っています。

星谷 じゃあ私は、王道の“美しく生きろ”にします。この曲を初めていただいた時は、確かダンスレッスンの後にみんな集められて、その場で聴いたんですけど、ほとんどみんな涙を流していたんじゃないかな?というくらいでした。自分たちのグループ名が入った楽曲というのも初めてだったので、鳥肌が立ちましたし、「これからこの曲を背負って活動していくんだ」というので、気持ちが引き締められました。今まで2年半ぐらいずっとこの曲を歌わせてもらっているんですが、いろんな方に「やっぱり“美しく生きろ”は、いい曲だよね」と言ってもらえて。私もふとYouTubeにあがっているライブ映像を見返すんですけど、メンバーひとりひとりの普段は見られない表情が見られたりとか、「こういうふうに歌っているんだな」というのを見て、より胸が熱くなります。未だにずっと大好きでこれからも歌い続けたい曲です。

それでは、個人的に好きな推し曲はどれですか?

籾山 私は“アイドル衣装”がすごく好きです。改めてアイドルになった時の自分のことを思い返した時、きっかけとして初めは「可愛い衣装を着たいな」という些細なものだったなと思い出して。そして、今でも応援してくださっているみなさまや、最近好きになってくださったみなさま、私たちを知ってくれた時期はみなさんそれぞれ違うと思うのですが、ファンのみなさまがあっての私たちであり、みなさまが私たちに魔法をかけてくれていると感じています。“アイドル衣装”は衣装に向けた楽曲でもあるのですが、歌詞の「君」は衣装だけじゃなくて、みなさまのことも表していると思っていて、アイドルはやっぱりファンの人がいないと成り立たないので、自分たちもいつまでも輝きたいし、一等星になるために、自分もファンのみなさまの特別でありたいなと感じて、改めて自分自身を見つめ直せたし、すごく感慨深いです。あと、個人的には間奏のピアノの音が大好きで、細かい音がたくさんあり、本当に魔法がいっぱい入っているような楽曲なんです。振付けにも急に素早い動きが入ったりしていて、そういうところもお気に入りです。

葉月 私も“アイドル衣装”が好きで、共感できる歌詞がすごく多いんです。アイドルからファンの方へのメッセージみたいな歌詞がすごく好きなんです。あと、この楽曲を東名阪ツアーで披露させていただいた時、ライブの間にファンの方たちに感謝を述べさせていただく場面があって、その時にみんなのメッセージをイヤモニから聞いていたシーンがずっと頭から離れなくて。ライブ中も、星空の下で踊っているみたいなステージだったのですが、そのステージの感じだったり、そこから見えた景色だったり、メンバーの表情だったり、ファンの人たちだったりが、本当に忘れられなくて。個人的にめちゃくちゃ印象に残っているライブだったなというのがあるので、“アイドル衣装”はかなり大好きです。

星谷 私は“メランコリックハニー”がお気に入りです。曲や歌詞はデート日の女の子の朝から夜までを表現しているんですけど、そこがまず可愛いなと思いますし、歌っている時は、この女の子と一緒にデートの支度をしているような気持ちで歌っています。メロディもすごく頭に残るし、イントロからポップな気持ちになります。ファンの方にも「朝の準備中やメイクしている時に聴いてるよ!」と言ってもらえることがあります。歌っていても楽しいし、ファンのみなさまも一緒に「MY ダーリン♡LOVE」と歌ってくれるので、ライブでも日々変化があってすごく楽しいです。

■では、みなさんのベストヴォーカル曲も教えてください。

葉月 私は“花は誓いを忘れない”です。これまでいろいろな歌い方に挑戦してきたので、最新曲では、最新の自分を出せていると思います。他の曲もすごく楽しく歌わせていただいているのですが、やっぱりこの“花は誓いを忘れない”には、今の新しい自分の想いみたいなものがあると感じています。

星谷 私は“アドレナリンゲーム”で、「アイで満たしてけフルチャージ/一ステ入魂Are you OK?」と歌っているのですが、アップテンポな曲なので、まずは噛まないようにと、レコーディング前は口の体操をしてから挑みました。(笑) ライブでは最初「Are you OK?」をメロディに合わせて歌っていたのですが、HoneyWorksさんに「ここはあえて美来がやらなそうな感じで、ファンの人に『Are you OK?』と聞いてほしい」と言っていただきました。確かに私は可愛いセリフを言わせてもらうことが多く、「Are you OK?」みたいなことはなかなか言ったことないので、最初はすごく緊張したんですけど、ファンの方も私についてきてくださって、一緒に「OK!」とかぶせて返事してくれるので、すごい一体感があって嬉しいんです。カッコよさは忘れずに、でも「Are you OK?」は後ろの方にいるみんなまで届くように頑張って言っています。

籾山 私は“ライフクエスト”です。自分の声の魅力はハスキーボイスだと思っているんです。それこそ“決戦スピリット”とか“美しく生きろ”とか、“花は誓いを忘れない”とかはすごく歌いやすいのですが、やっぱりHoneyWorksさんの楽曲を歌う中で、それだけじゃダメだなと強く感じていて。自分の課題は、可愛い声を出したり、綺麗な声を出せるようになることだと考えていたのですが、“ライフクエスト”はまさにそういう曲になりました。私は歌い出しのパートをやらせていただいているのですが、そこでこの曲のイメージや、ぱっと聴いた時の印象が決まっちゃうと思うので、「どういうふうに歌おうかな?」と悩んだんです。でも、ちょっと可愛らしく頑張って歌えたのかなと思っています。