A HUNDRED BIRDS VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

A HUNDRED BIRDS『A HUNDRED BIRDS feat. Natasha Watts Live in OSAKA』

Billboard大阪でのスペシャルな一夜、全世界配信

1996年の結成以来、世界中のダンスミュージックシーンにインパクトを与えてきたA HUNDRED BIRDSがUKの歌姫・NATASHA WATTSを迎え、2019年3月11日Billboard Live 大阪にて一夜限りのスペシャルライブを行った。その特別な一夜の模様が、9月27日ついに全世界配信されることが決定。情熱溢れる歌声とそれを支える力強い演奏、それぞれのパフォーマンスが刺激し合い、ただただいいバイブレーションを生み出していたことはこの音源を聴けばすぐにわかる。A HUNDRED BIRDSの中心人物であるDJ YOKUに当日の様子を振り返ってもらい話を訊いた。

■当日を振り返っていかがですか?

YOKU その2ヵ月前に毎年僕らがやっているクリスマスライブがあって、それが終わってからすぐに制作に取り掛かっていった感じで、もちろん当日はすごく楽しかったんですけど、そこまでの過程が今回は特にいろいろあったなって感じですね…。ナターシャ(・ワッツ)の曲をみんなでどういう風にやっていこうかというところで、うちはいろんなメンバーがたくさんいるんで、「こうしましょう、ああしましょう」っていうのを僕が仲介しながら全体を作っていくという作業を経て、結果、いい流れで出来たんじゃないかと思いますね。

■短い期間でつめていった感じですか?

YOKU 短いか長いかってなるとそんなに短くはなかったですけどね。(笑) 2ヵ月あればなんとかなると思ってはいたんですけど、実際に音を出すまでが…って話ですね、譜面とかを整備していくという。ナターシャからくる音源はほとんど打ち込みで作られているので、リズムやベースラインやピアノのリフはそのまま使って、それに対してそこにはないホーンやストリングスのアレンジを新しく作っていくとしたら、どういうものがいいかって、そういう部分をいろいろと試行錯誤しながらやっていくのが楽しかったです。そうですね、楽しかったイメージしかないです。

■どういうものになるのかっていうわくわく感というか?

YOKU まさにそんな感じで。わくわくしながらやっていましたね。クリスマスが終わってからはずっと。

■ストリングスなどのアレンジは具体的にはどのように進めていったんですか?

YOKU ストリングスのアレンジをしているのはロビン・リーというイギリス人なんですけど、もともと大阪に住んでいた人で、A HUNDRED BIRDSも一緒に作って、今回のナターシャとのライブの話もナターシャからロビンに連絡があったんですよ。「A HUNDRED BIRDSと一緒にやってみたいんやけど、出来ないもんか?」って。それで、今回はそのままロビンと一緒にストリングスをやったっていう感じですね。

■そうだったんですね。

YOKU それで、全体譜はタケウチカズタケという東京在住のキーボーディスト、うちのいわゆるリーダーなんですけど、彼と一緒に全体の流れを考えながら、ここにこういう風にホーンを入れたいなっていうのは、ホーンのリーダー堂地誠人と作っていきました。そういうふうに仕分けしながら進めていって。いつもこんな感じでやっているので、これがまたうまい具合に回っていくんですよ。(笑) 「これほんまに出来るんかな…?」って心配なときもありますけど、ほぼ問題なく出来ていますね。

■なるほど。ナターシャさんとはこのライブをきかっけに初めてお会いされたんですか?

YOKU 会ったのは去年の11月かな。11月に日本に来ていて、事前にロビンに、「日本に行くからもし一緒にやれる可能性があるなら一度打ち合わせをさせてほしい」って連絡があって。それで、わざわざ新幹線で大阪まで来てくれて、新大阪駅でミーティングして、11月やったから、クリスマスの方で結構ドタバタしていたんだけど、これはクリスマスのライブ前にはすべて決めてしまいたいなと。そうしたら告知もできるし…とか、いろいろ作戦が練れるなと。(笑) それでいろいろあたったところ、ビルボードさんがぜひやりたいということになって、いい流れで決まっていったなと。

■ナターシャさんにお会いしたときの印象はいかがでしたか?

YOKU  ポジティブな人でしたね。すごく普通な言い方になりますけど、めっちゃいい人で。(笑) 向こうから一緒にやりたいって言って来てくれたこともあるし、すごく熱意を感じましたね。彼女の楽曲についてはそれほど知らなかったんですけど、その後で調べたり、聴いたりしてみたら、やっぱり歌声が素晴らしいなと。これはぜひ一緒にやってみたいなと思いましたね。

■ナターシャさんがA HUNDRED BIRDSと一緒にやりたかった理由は訊かれましたか?

YOKU 昔からすごいファンだったって、イギリス人は誰でも知ってるって言っていましたけど、さすがにそれはリップサービスだろうと。(笑) 詳しくは訊いていないんですけど、どこかのタイミングで僕らの映像か何かを観たんだと思うんですよね。それで、彼女のやりたいことと「これや!」って思う何かそういうものが、共通するところがあったんじゃないでしょうかね。

■一緒に演られてみてそこはどうでしたか?

YOKU それはもう素晴らしくいい反応だったと思いますよ!ほんまに素晴らしかったと思います。

■“Runaway”のライブ映像が公開されていましたけど、すごくいい雰囲気、いいバイブレーションでした。

YOKU あの曲はうちでも何年か前から演奏していましたし、僕ら23年前から演らせてもらっているんですけど、そのきっかけっていうのがNuyorican Soulの“Runaway”をちょっとクラブでやってみたいっていう、ほんまひょんなきっかけだったんですよ。生で“Runaway”をやってみたいっていうところからA HUNDRED BIRDS ORCHESTRAが始まったっていうこともあるんで、この曲に関しては何度も演奏しているのでどっしり構えて出来たところもあるし、やっぱりすごくいいバイブがあったと思いますね。

■確かに。カバーも含めてライブの選曲はどのようにされたんですか?

YOKU これは全部ナターシャが持ってきたんです。4曲がカバーで、あとはナターシャのオリジナル曲です。“Runaway”にしても“Street life”にしても、ナターシャが演りたいってことで持ってきて、“All of that”は僕のリクエストで演ってほしいってお願いして。だから、それ以外は全部ナターシャの演りたい曲を選びました。