Anonymouz VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■“Pink Roses feat. Fleurie”、“恋をして”、“夜行性”は、ラブソングの流れを構築していませんか

Anonymouz 人にはいろんな感情の面があると思います。一人一人の心に強い部分もあれば、弱い面もある。その中に可愛い恋をしている片思いの心情だってあるじゃないですか。だから、恋する可愛い女の子の物語もいくつかの曲の中に入れました。新曲の“夜行性”は、夜、部屋でケータイをいじりながら、片思いの相手からメッセージが返ってくるのを待っている。そういうイメージを持って曲を作りました。Anonymouzの場合は、英詞を軸に、そこへ日本語を差し込む形が多いけど。“恋をして”と“夜行性”は日本語が中心で、より思いを明瞭に伝えるなら日本語に比重を置いた方が良いと思い、そうしました。英詞を中心にした中へ、日本語を差し挟む場合、「ここを伝えたいんだ」という思いを日本語にすることが多いです。そうすることで、よりそのセンテンスの言葉が強く胸に響くんですよね。

■“恋をして”、“夜行性”、続く全編英詞の“Hide & Seek”は、ソウルフルなダンスチューンのブロックにもなっていますよね。

Anonymouz 心弾む内容の歌だから、心弾む曲たちをここには集めました。“Hide & Seek”は、昨年2度ほどライブでも披露しています。曲を作っている時から心弾む楽しさを覚えていたし、ライブ演奏している景色も見えていたから、その楽しさをお客さんにも伝えたくてライブで披露したところ、みんなも楽しんでくださいました。その反響も覚えていたことから、アルバムへの収録も決めました。

■アルバムの終盤を彩るのが、澤野弘之さんが提供&プロデュースした“Silhouette”になります。こちらには深いメッセージを詰め込んでいませんか?

Anonymouz 澤野さんから楽曲をいただいた時に、ABメロが複雑な展開を見せていて、そこに孤独なイメージも覚えましたし、サビのメロディーが叫んでいるようにも聴こえました。そのイメージから生まれたのが “Silhouette”の歌詞になります。今のネット社会や世界情勢に触れる度に、私は「相手の存在を人間と思っていないんじゃないか……?」と考えてしまいます。相手を生きている存在として見ていない。「影としてしか見ていないんじゃないか」と思ったことから、“Silhouette”の歌詞が生まれました。シルエットではなく、その人の存在をちゃんと認識することが出来れば、相手を傷つけはしないのではないか。そういう心の叫びと、みんなが相手のことをしっかり認識することが出来たらいいなという願いを込めて歌詞を書きました。ABメロでは孤独な雰囲気で、サビではしっかりメッセージが伝わるように意識しながら歌いました。

■続く“Heaven”も新曲になります。

Anonymouz 私、母親がアイルランド人なんですけど、母方の祖父が亡くなった時に書いたのがこの“Heaven”です。決して悲しい曲ではなく、今も私の中で生き続けている優しい祖父の姿をちゃんと曲に落とし込みたくて作りました。私にとってすごく大切な曲だからこそ、アルバムの最後の前に持ってきました。祖父はよく口笛を吹いていました。そんな口笛を吹きたくなるような曲を書きたいと思って書いたこともあって、最後には口笛の音も入れています。

■アルバムの最後を飾るのが、内澤崇仁(androp)さん提供&プロデュース曲の“はじめのはじまり”になります。

Anonymouz 最初に内澤さんの歌っている1コーラスのみのデモ音源を聴かせていただきました。それを初めて聴いた時からライブで歌っている姿が見えてきたくらい、自分にピッタリという印象がありました。しかも、私がアルバムに込めた思いを語ったところ、内澤さんが歌詞の中に「ここからはじめるんだよ ここから また はじまるんだよ」というフレーズや、私がファンのみんなに伝えている「光をくれて ありがとう」という言葉も使ってくださいました。まさにこのアルバムのテーマを象徴する楽曲であり、今の私の心情にぴったりだから、すごく大好きな曲です。

■『11:11』というアルバムは、壮大な世界観から始まり、最後はすごく身近な場で寄り添ってくれる姿で閉じていく。そんな流れを作っていませんか?

Anonymouz このアルバムを通して、Anonymouzという人物を知ってもらいたかったし、身近に感じて欲しいと思っていたように、まさに言われた通りの流れになっています。

■完成したアルバムについて、改めて今、感じている思いを聞かせてください。

Anonymouz Anonymouzというアーティストが、やっとスタート地点に立てたアルバムになりました。Anonymouz=匿名性ということもあって、私はいろんなキャラクターに成りきってきましたし、これからもそうしていきます。そんな私が歌声を通して描き出すいろんなキャラクターを振り幅大きく描き出した、まさにAnonymouzの自己紹介に相応しい作品だと私は受け止めています。

■また、2月23日には代官山UNITを舞台に『Anonymouz Live 2023~11:11~』も行われます。

Anonymouz アルバム『11:11』を中心に据えたライブも行います。昨年、何本かライブを行ったことで、ようやくライブの楽しさを感じられるようになりました。今回のライブでも、自分の中にあるいろんな面を見せながら、心と心で繋がりあっていけたらいいなと思っています。

■ライブも楽しみにしています。最後に改めてアルバム『11:11』について、読者に向けてメッセージをお願いします。

Anonymouz このアルバムには、柔らかい曲や可愛らしい歌、優しい表情や強い曲調、カッコいい楽曲まで、いろんなキャラクターに染まった私が登場します。この中に詰め込んだ一つ一つの曲が、みなさんの日常のいろんな場面に溶け込み、少しでも気持ちを明るく照らす歌になれたら嬉しいなと思っています。同時に、ここに詰め込んだ18曲が今のAnonymouzのすべてです。ぜひたくさん聴いてください。

Interview & Text:長澤智典

PROFILE
2019年3月より、YouTubeでJ-POPの英語カバーをスタート。歌詞の翻訳は全て本人によるもので、その抜群な翻訳センスと歌唱力が瞬く間に評価され、動画の総再生回数は1,500万回を突破。2023年2月現在、登録者数は14万人に到達。RADWINPSの野田洋次郎さんを始め、数々のアーティストからの賞賛ツイートも話題となった。透き通るような声質が評価され、2020年11月より、メジャーデビュー前にしてソニーのXperia 5 Ⅱの全世界CMタイアップに楽曲“Eyes”が大抜擢。最新曲“River”が TVアニメ「ヴィンランド・サガ」SEASON 2のオープニングテーマに採用。2023年2月15日、デビューアルバム『11:11』(イレブンイレブン)をリリース。
https://anonymouz.jp/

RELEASE
『11:11』

初回生産限定盤(CD+ジグソーパズル)
SECL-2838~39
¥4,400(tax in)

通常盤(CD)
SECL-2840
¥3,300(tax in)

SME Records
2月15日 ON SALE