■白川さんはいかがでしたか?
白川 ギターパートは上江洌さんと二人でいろいろと相談しながらのレコーディングでした。僕がまず思った感じで弾いてみるんですけど、「もうちょっと落ち着いた感じで」とか、ディレクションしていただいて。どうしても僕は弾きまくりたい願望が出てしまって……。(笑) でもこの曲はコードの展開の仕方が変わっていて、すごくフレッシュな感じだし、自分にはあんまり馴染みのないコード展開だったので、すごく上江洌さん節を感じました。
上江洌 詢くんはギターが上手いから、ついつい弾き過ぎちゃっていたりもするので、音数を減らしていく作業が大変だった気がします。(笑)
■あー、確かに音楽は引き算が大事ってよく言いますもんね。
上江洌 いくらでも弾けるので、いかにシンプルにするかっていうところを意識しました。
■なるほど。“大人フィロソフィー”のMVも拝見しましたが、撮影はいかがでしたか?
山口 このMVは亮さんが撮影してくれて、編集作業もやってくれているので、いろいろと大変そうでしたよね。コロナ禍だったこともあり、それぞれバラバラでの撮影でしたし。二人きりで撮影した場面は、僕の方を撮り終わったら、逆に亮さんを撮る時は僕がカメラを回していたんです。
白川 そう!そう!僕の時もそうでした。みんな同じ感じで撮っていたんですね。(笑)
山口 でも亮さんは自分が撮られるとなると、急に緊張しだして、カメラを向けるとガチガチなんですよ。(笑)
上江洌 僕はシゲち(山口)を撮っていて、「やっぱり役者だから普段から撮られ慣れているんだなぁ」と感心していましたよ。それに比べたら僕の演技なんて素人なので、緊張していた訳ではないけど、あれが精一杯でした……。
Sion 私は素性が秘密なので、いつもMV撮影の時は顔全体が映らないように、撮り方もいろいろと工夫をしてもらっていて、マスクをしたりとか、クッションで上手く顔を隠したりとか。(笑) あとは撮影のためにウィッグとかも被るので、いろいろと準備が大変なんですけどね。
■このMVでぜひここは注目して見てもらいたいというポイントはありますか?
上江洌 やっぱりシゲちのキメ顔ですかね。池袋の路上で撮影したやつ。(笑)
山口 みんなが持っているハートのぬいぐるみに、よく見ると付いている絆創膏に注目ですね。「ハートが傷ついている」というメッセージが込められているので、少しわかりにくいかもしれないけど、ぜひ見つけてみて下さい。
上江洌 あとはスプーンを投げているシーンにも注目ですね。あれは「さじを投げる」っていう歌詞にちなんでのシーンなんですけど、今の若い人たちに意味は伝わるかなぁ……?あ、あとはレインボーブリッジをバイクで走っているシーンがあるんですけど、実はあのバイクはFZ400Rというちょっとレアなバイクで、1984年製のヴィンテージで、結構普段走っているとバイク好きの人なんかが声をかけてきてくれたりするんです。
白川 僕は外でギターを弾いているんですけど、撮影の日は雨が降っていてめっちゃ寒かったんですよ。震えながら頑張って撮影しました。手がかじかんで弾くのも大変だったので見てみてください。
Sion 私は紫のウィッグを被って街中での撮影だったので、すごく派手で目立ってしまって、結構みんなに見られるし、恥ずかしかったんですけど、なんとか頑張って撮ったのでぜひたくさん観て下さい。
■“大人フィロソフィー”の歌詞の中には「カッコいい大人」と出てきますが、みなさんが思い描く「カッコいい大人」ってどういう人ですか?
山口 じゃあ僕から言っちゃおうかな……。
Sion 先陣切れる大人ってカッコいいですね。(笑)
山口 カッコいい大人って言っても、おじさんになってくると、だんだんと保身だったり、プライドだったりもあったりして、ダサい姿を見せられなくなるんだけど、逆にそういうのを見せられたり、恥をかけたりするのがカッコいい大人なんじゃないかなと思いますね。等身大のままでいられるのがカッコいいかなって。ついつい見栄張って大きく見せたりしたくなっちゃうけどね。(笑)
■でも若い人たちから見たら、そういうダサいところを見せられる大人ってどうですか?
Sion でもエンタメやお芝居の現場とかでも、率先して失敗して見せてくれる先輩はカッコいいなと思いますね。「私も失敗しても大丈夫かな」って思えたりして、肩の力が抜けるので、すごく助かるかもしれないです。
山口 ほらね。(笑) 良かった!良かった!
■他のみなさんはいかがですか?
上江洌 一緒にいて居心地のいい人ですかね。自分の機嫌を自分で取れる人とか。あとは、自分の人生ストーリーを自分で脚本を書いて、自分で演じられる人かな。ちょっと大袈裟ですけどね。(笑)
白川 僕は余裕がある人がカッコいいなと思いますね。
■それはどういう……?経済的にですか?(笑)
白川 それもありますけどね。(笑) 気持ち的に余裕がある人ですね。僕自身は割と心配性で、出掛ける時も、家を出てから「鍵閉めたっけ?」とか、「エアコン切ったっけ?」とかが気になっちゃって、せっかく駅まで来たのに急いで家に戻ったりして、いつもバタバタしているので……。(笑) もっと心に余裕があるのが理想です。
Sion 私も今の余裕があるっていうのにもつながるんですけど、なにげなく人のことを助けられる人に憧れます。私なんかはまだ未熟なので、自分のことに精一杯で助けようと思ってもちょっと無理をしないと助けられないんですけど、そういう時になんの苦も無くスッと助けられちゃう人ってカッコいい大人だし、素敵だなって思います。それって自分自身に余裕があるってことですよね、きっと。自分が満たされていないと、なかなか人のことまで助ける余裕なんてないと思うので。私はまだまだだなぁって。(笑)
■今後のライブの予定などありましたら、お聞きできればと思いますが……?
上江洌 ライブはやりたいんですけど、まだオリジナルの曲数が少ないので、なかなかワンマンライブなどは……。できれば今年中には計画したいんですけど、今は新しい曲作りの方を頑張る感じですね。
■そうなんですね。では今後のバンドとしての目標、個人としての目標をそれぞれ教えてください。
山口 みんなそれぞれいそいろなことをやりながらですけど、音楽が好きなので、@Tension!!として新曲をもっと作って、ライブもやりたいです。僕も曲を作ったりもしているので、バンドでやる曲も一緒に作っていきたいと思っています。
上江洌 ライブでアコースティックギターのバッキングとかもやってよ!
山口 ジ・シゲキーズの方ではライブでやったりもしているから、ぜひ。(笑) 個人としては俳優をやっているので、これからもいろいろな作品に携わっていきながら、「バンドもやってるの?」って、音楽の方にも興味を持っていただけたら嬉しいなって思います。
上江洌 とりあえず年内にあと3曲は作りたいなと思っています。それぞれみんな他の活動でも活躍しているので、みんなのスケジュール調整がいちばん大変なんですよね。(笑) 個人的には最近ロック系の曲を3曲くらい続けて叩くとバテるので、もっと体力をつけようと思っています。(笑)
白川 やっぱり僕もバンドとしてライブを早くやりたいですね。個人としてはもっとギターが上手くなりたいです。
Sion えー!まだ上手くなるの!?(笑) いろいろなアーティストのサポートギターもやるくらい上手いのに。
白川 この間、ジャネット・ジャクソンさんのライブを観に行ったら、バックバンドが上手すぎてちょっと落ち込んじゃったんですよね……。
■ダンスパフォーマンスではなく、バックバンドの演奏に注目しているのはミュージシャンあるあるですかね?(笑) Sionさんはいかがですか?
Sion 私もライブがやりたいです!みなさんに早く@Tension!!の歌を届けたいです。曲数少ないけど対バンとかだったらいけると思うので。個人では、Sionとしては素性を隠してミステリアスな感じでやっているんですけど、一人でも多くの方にSionという存在を見つけて欲しいですね。(笑) 実は私は役者や声優もやっているので、みなさんもどこかの劇場やなにかの作品の中で、Sionがやっているお芝居を観たり聞いたりする機会もあると思いますので、ぜひみなさんにSionを見つけ出していただきたいです。
■今年中にやり遂げたいことをそれぞれ教えてください。
上江洌 先日とあるスマホアプリゲームのBGMを@Tension!!で担当させていただいたので、そういう活動も今後増やしていけたらいいなと思います。
山口 僕は劇団もやっておりまして、6月には新しい劇団公演もありますので、頑張りたいと思います。山口森広で検索していただければ、SNSもやっていますので、ぜひチェックして下さい。Sionちゃんと違って、僕の舞台とか映像の情報は普通に出てきますので。(笑)
白川 僕は普段はアーティストさんの後ろでサポートギタリストをやっているんですけど、昨年から曲を作って提供する活動も始めていまして、最近はSEGAのおもちゃのCM曲を制作したりもしていますので、今後は制作の仕事をもっと増やしていければと思っています。
山口 そういえば、僕が前に監督して短編映画を撮ったんですけど、その時の音楽も@Tension!!で制作したりしたので、今もU-NEXTとかで配信していて、その映画を観られるので、ぜひチェックしてみて下さい。『捨てといて 捨てないで』という作品です。
Sion この流れで言ってしまうと、実は私も趣味で作詞をやっておりまして、ぜひそれを@Tension!!に活かしたいですね。(笑) お仕事的にはミュージカルに出たいと思っているので、今年こそミュージカルの舞台で歌いたいという目標があります。
■最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
山口 @Tension!!でSNSなどもそれぞれやっていますので、チェックしていただければ、新曲の情報なんかもいち早く案内できると思いますので、よろしくお願いします。あとはサブスクで@Tension!!の曲もぜひ掘って聴いていただければと思います。
白川 来月には新曲のレコーディングがあるって上江洌さんから言われているので、新曲を楽しみにしていて下さい!
Sion 実はSNSとかで「@tension」って続けて打っちゃうと、違うアカウントが出てきちゃうみたいなので、「@Tension_ JP」で検索してもらえると出てくると思います。あとはSpotifyでこの前、なぜか海外で少しバズって@Tension!!の曲が何万回も再生されていたので、これからもそうやっていろいろなみなさんの生活の中でも@Tension!!の音楽が溢れていくといいなと思います。ぜひTikTokとかでも@Tension!!の曲を使って動画を作成してみて下さい!
上江洌 @Tension!!はまだまだ成長途中のバンドですが、これからもどんどんアップデートしていきますので、その成長過程も見守っていてくれると嬉しいです。
Interview & Text:土谷拓史
PROFILE
ツインボーカルの個性派バンド。 俳優・監督でもある山口森広(Vocal)、 素性はヒ・ミ・ツのSion(Vocal)、 理論派テクニシャン白川詢(Guitar)、 作編曲も手がけるマルチクリエイターの上江洌亮司(Drums) の4人組。2022年6月にリリースされたオトナへの応援歌“大人フィロソフィー”が、昨年Spotifyでの楽曲再生数が10万回を突破したことを記念してMVを制作。MVはレトロな色合いが目を引く作品に仕上がっている。
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音源配信:https://www.tunecore.co.jp/artists/atTension%21%21
RELEASE
『大人フィロソフィー』
@Tension!!
2022年6月 ON SALE