Bentham VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

Bentham『Re: Public 』

小関竜矢(Vo&Gt)、須田原生(Gt&Cho)、辻怜次(Ba)、鈴木敬(Dr&Cho)

自分たちも満足だし、聴いてくれる方々も幸せになれるBenthamのベストアルバム

ここまで応援し、並走してきてくれたファンへの改めての感謝を込めたプレゼントとして、最近彼らを知った方々への入門書として、また、これから出会うであろう人たちへのマイファーストディスクとして、そして、ここまでの5年をいい意味で振り返り、改めて自身の良所や「らしさ」、それから自らも今後へと方向性や気概等を新たに得られた機会として…。このBenthamのベストアルバム『Re: Public <2014-2019>』は多くの人を幸せにしてくれるディスクだ。
代表曲のみならず、「今の彼らを聴くならこれ!!」的な楽曲たちが主観/客観織り交じり収録時間いっぱいまで、新曲やリメイク曲を含め収まった同盤。ここにはこれまでの彼らはもとより、これから次へと向かっていく大事なマイルストーンがいっぱいだ。彼らと出会い、関係を育むなら、まずはこの1枚から!!

■個人的には同盤を聴き返し、例えば、昔は頭で考えていたものが、今は体感的に表現できるようになった等々、この5年を経て変わった部分と変わらない部分が見受けられました。まずはみなさん聴き返していがでしたか?

小関 聴き返しているうちにいろいろなことが想い出されましたね。あんなことがあったな、こんなことがあったな…って。曲に関してはテンポが速い曲が多かった印象を受けました。当時はその時の音楽シーンになんとかついて行こうと必死だったんでしょう。あの頃は背伸びしていたんだな…俺って。(笑) 自分が求めていることや、やりたいことが、時代を経て徐々に変わっていったことを改めて如実に確認できました。

鈴木 紆余曲折、いろいろと迷いながら進んできたことを改めて実感しましたね。最近は作品性を重視していますが、初期は音もシンプルだったし。とは言え、やはりライブでは作品性まんまの再現ができるわけでもないので、逆にその作品性をライブでどう表現していくか?に移って来ていたなって。そう考えると、一周回って最近は逆にいい感じになってきた感はあります。

■では須田さんには変わっていない部分をお聞きしましょうか。

須田 変わっていないのは、やはりBenthamらしさでしょう。いつの時代、どんな楽曲だろうが、どこか筋の通ったBenthamらしさを感じるんですよね。あとは結成時から今まで、変わらず「歌が活きるように」との意識を常に持ってきたことも答え合わせが出来たり。逆に今は多少の余裕が出てきましたから。

辻 僕は変わったなと思うところでもいいですか?

■是非お願いします。

辻 やはり一番の変化は楽曲の作り方でした。文系的な作り方から理系的な作り方に移行してきたというか。それまではスタジオにみんなで入り、こねくり回してアレンジを完成させていたんです。対してここ最近はDAW等も利用していて。誰かがPCで作ったある程度整ったデモを基に各人がアレンジを加えていったり、膨らませていく方向性に移行しているんです。

■なるほど。確かに…。では、ここからは選曲や曲順の話に。今回はそれを遍歴順に収めていないところが面白いです。いわゆる歴史の時系列通りの曲順じゃない。まずは今回の選曲の基準からお聞かせ下さい。

小関 この盤を出すにあたり「何故ベスト盤を出すんだ?」と、その意義や今の自分たちの認知度やファンの数等をキチンと意識して考えた際にやはり、「まだまだ広めていかなくてはならない段階である」ことに改めて気づいたんです。合わせて、「せっかくいい曲が沢山あるのに、聴かれずに埋もれているのはもったいない」との考えもあったし。このベスト盤で初めて僕たちに触れる方もいるでしょうし…。

■このご時世、ストリーミンクのプレイリストにて、その辺り網羅できそうな気もしますが…。

小関 それに関しては、選曲から曲順、アートワークに至るまで、あえてこの時代、持っていることへの意味合いや付加価値もかなりつけさせてもらいました。収録曲も分数限界までパンパンに入れているし。過去MVになっていなくてもいい曲も沢山入っていますから。中でもデザインやアートワークにはかなり気を遣っていて。中の歌詞カードも1枚のポスターサイズをCDサイズに折り畳んだものにしていたり…。

■確かに。内容的にも、みなさんの代表曲や人気曲のベストというよりかも、更に多くの人に聴いてもらいたい、そんな選りすぐりの楽曲たちの印象を持ちました。

小関 まさにそこです!とは言え、これから新たなる人に出会いたい希望も含め、あえてそれほど冒険はしませんでした。個人のエゴっぽい曲はなるべく避けたし。

須田 あと今回は、お客さんからも「ベスト盤に入れてもらいたい曲」を募り、それも参考や反映させてもらいました。お客さんの中でも、「私が友達にBenthamの曲でススメるなら…」も意識してくれたんでしょう。応募の際に、「私はこの曲が好きですが、ベストにはこの曲も入れた方がいいと思います」や「自分がハマったキッカケの曲でした」等々、合わせていただいたコメントも大変参考になりました。

辻 自分たちも満足するし、聴いてくれる方々も幸せになれる。そんな選曲になった感はあります。曲順はそれこそ、「選んだ曲をライブでやるなら」的な感覚で並べました。やはり自分たちはライブバンドであるとの自負を持っているので。今、自分たちが想うベストなライブでのセットリストに近い。タイプも様々ですがセクションごとやブロックみたいな面も意識したし。なので、キチンとストーリーを感じてもらえるんじゃないかな。

■ちなみに人気曲の1位は何だったんですか?

辻 1曲目で今回のリメイクしている“パブリック”でした。

■ライブの定番曲だし、ずっと演ってきた人気曲ですが、1位だったのは正直意外でした。もっと主題歌やタイアップ曲等、ヒット曲や多くの方にお馴染みの曲も他に色々とあるでしょうに…。

小関 なんなんでしょうね?僕たちにも正直理由は分かりません…。

辻 この曲のYouTubeの再生数が自分たちの中で一番ってわけでもないですし。

■でも調べたら、Apple Musicの再生数では、この曲が一番だったんです。

小関 たぶん多くの人にとって、僕たちを知ったキッカケの曲だったんでしょう。なので、今回もあえて1曲目に入れました。歌詞の内容的にも、これから出会ったり、出会ってくれる人に向けての意味合いも含め。