■それが分かる松岡さんもすごいですね。
松岡 一文字一文字の繊細さみたいなものが全然違うんですよ。元々上手いので、他のところももちろん上手いんですけど、気合が入っている部分は桁が違うというか。
佐藤 めっちゃディレクション側の意見だね。(笑)
■松岡さん、米谷さん以外のメンバーの歌を聴いた際は、どんなことを感じたんですか?
松岡 匠は、すごくその曲に合わせた歌い方をするというか。表現力がいいなと思います。悲しい歌と嬉しい歌の違いも一番はっきりしているので、いいスパイスだなって。
三隅 僕ももらっていいですか?
松岡 みかちゃんは結構性格も素朴な子だから……。
三隅 素朴な子?
松岡 真面目な感じ。なので、曲でもストレートに伝わるような歌い方をするなと。純粋にストレートに気持ちをぶつける感じがあるなと思います。総ちゃんは頑張ってる。
中原 短いな。(笑) “あっちっち!”で選抜取ったんだけど。
松岡 それは聴いていないから。(笑) でもディレクションの先生も毎回「総ちゃん歌上手くなったよね」みたいなことを言っているので、それが今回のような結果に繋がったんじゃないかなと思います。
中原 嬉しいですね。完全に制作陣目線だ。(笑)
■ちなみに、そんなメンバーが揃う中で松岡さん自身はどんな歌声の強みがあると感じていますか?
松岡 僕は結構ハスキーな声なので、そこは活かしたいなと思ってはいます。力強い切なさというか。
■なるほど。“あっちっち!”はみなさんにぴったりなテンション感の曲だなと感じました。
三隅 今回、30曲くらい候補があった中から4曲選んだんですけど、「せっかくなら1曲はメンバーのみなさんで決めてください」ということで、みんなで決めた1曲なんです。各々が良いと思った2曲ずつを選んで、10曲出揃った中からどれがいいかを話し合ったんですけど、けんぱが“あっちっち!”がいいんじゃないかと。ボイメン研究生の時の自分たちらしさもあるし、今歌ったらどんな風になるか試してみたいから、やってみようというその意見に全員が同意して。やっぱり一番らしさがある感じがするので、聴いていても落ち着く曲だなと思います。でもメジャーデビューしてからいろんな楽曲を出してきたので、一周回って新しさも感じるというか。自分たちっていろんな楽曲を歌ってきたんだなという歴史も感じられて、聴けば聴くほど深さを感じる曲になっていく気がします。
■松岡さんの推しの1曲だったんですね。
松岡 そうですね。この曲を聴いた時、BMKが歌っているのを思い浮かべられる楽曲だったんです。僕たちの前の楽曲っぽさもありつつ、最近の曲で結構多い韻の踏み方も取り入れられていて、聴きやすさもあるのかなと。楽しい曲になったなと思います。
■そんな“あっちっち!”のBMKらしさとは真逆の表情を見せたのが、“feel”なのかなと。
佐藤 そうですね。僕たちもこの曲をいただいた時、めちゃくちゃびっくりしたんです。新しい挑戦として違うことをやってみたいとか、いろいろアイデアを出させていただいて、この形になったんですけど、初めてと言っていいくらい、レコーディングまでに音楽についてすごく考えました。特に僕は“NANAKORO!”タイプの歌が好きな人間なので、こういう曲はそもそも聴いたことがなくて。詳しいメンバーに頼りながら歌ってみたんですけど、そうしたら自分の声とは思えないくらい新しい扉が開いて、すごくびっくりしました。今聴いても、本当に僕が歌っているのか不思議になるくらい。今はまだ振り付けが完成していないんですけど、今回は振り付けにも時間をかけたいという話はしていて。これから1ヵ月間振り付けの期間が入るんですよ。なので、その後にどうなっていくのかがすごく楽しみです。
■音源で聴くのと、振り付け込みでライブで観るのとでは、大きく印象が変わりそうですね。
佐藤 そうですね。この曲、ハモりもがっつりあるんですよ。ライブではちゃんとハモろうと言っているので、どうなるのかなと。
■すごくハイテンションに歌うわけでもなく、かといってバラードでもない、少し抑えたような歌い方は今までのBMKにはあまりなかったのではないでしょうか?
松岡 確かに、ラップも今回は無機質な感じで歌って欲しいというリクエストでした。今までは結構ノリノリな曲が多かったので、それは初めてでした。新しいことができる楽しさもありました。
米谷 声色を落としすぎても暗い曲に聴こえちゃうし、かといってテンションを上げすぎても作ってくださった方の意図とは違ってくると思うので、その中間でどれだけ僕たちが尖っていけるかという、新しい挑戦だったと思います。いつも応援してくださる方に「こういうこともできますよ」と示せるような、挑戦している姿をしっかりと見せていける曲になったらいいなと思っています。
■今回も個性のある4曲が揃いましたが、レコーディングで特に印象に残っている曲や苦労した楽曲はありますか?
佐藤 僕は“あっちっち!”が一番難しい曲なんじゃないかと思っていて。すごくリズムが難しいんですよ。滑舌よく歌わないとちゃんと聴こえないし、早取りしないようにしないといけないし。ずっと僕たちの歌が入っていないバージョンを聴きながら、どういうリズムなんだろうと思っています。「青春時代は虹のように消えてくって 親戚のおじさんも よく言ってたなぁ」という歌詞があるんですけど、その譜割りが難しいんですよ。米谷が歌っているので、僕のパートではないんですけど、最初キーチェックで全体を歌った時にすごく苦労したので、「これ米ちゃん大丈夫なのかな……?」みたいな。(笑) ダンスも今合わせているんですけど、それもめちゃくちゃ難しくて。だから“あっちっち!”はBMKらしいねって言っている曲だけど、実は難しいんですよね。でもそういうところがカッコいいなって思います。
松岡 印象に残っていることで言うと、“恋華火”のレコーディングの前日に、後輩が見学したがっているという連絡がマネージャーから来たんです。そんなこと初めてだったので、当日は気合い入れて頑張りました。そのおかげで曲調に合う感じでカッコつけられたかなと思います。
三隅 ずっとお世話になっているYumiko先生が、後輩くんに「けんぱのレコーディングの時の振り切り方がすごいから、レコーディングを見学した方がいいよ」って言ったみたいで、レコーディング現場に来ていたんですけど、本当にけんぱのレコーディングだけを見に来ていて。三隅がレコーディング終わって出てきたタイミングで、「けんぱさんのレコーディング見に来ました!」って言っていて、「三隅のも全然聴いてくれて良かったのにな」って。(笑) 僕も先生におすすめしてもらえるように頑張ります。
米谷 (笑) 僕は表題曲の“NANAKORO!”が一番録っていて難しいなと感じていました。最後まで自分の中で「これだ!」という感覚があまりなくて。曲調も明るいので、テンションを上げてやっていかないと曲に置いていかれちゃうような感じがしたんです。そこで苦労しました。リズムも結構早いんですけど、僕はいつも遅く歌っちゃう癖があるので、「リズム合わせて」と言われたり。なので、“NANAKORO!”は一番レコーディングが大変でしたね。
三隅 三隅は“feel”が一番難しかったなと思います。というのも、ハモりに初挑戦させていただきまして。米ちゃんと匠は多分今まで何回かやったことあると思うんですけど、三隅は初めてで、すごく難しかったです。僕がハモるCメロを米ちゃんが歌ってくれているんですけど、ハモりを録る時の機械のいじり方も知らなかったので、耳の中で米ちゃんがガンガンにいる状態で録って、「やばい米ちゃんの声しか聴こえない!」って。(笑) 「自分のハモリの返しが全然聴こえて来ない!」みたいな感じでした。(笑) “feel”は今回初めてご一緒させていただいた作詞・作曲の山岡さんと一緒に録っていったんですけど、真摯になってアドバイスをしてくださって。「喉のどのあたりを使うとこの音を出しやすい」とかを教えてくださったんです。そのおかげでレコーディングはなんとか終わったので、あとはこれをライブでもできるように頑張りたいなと。おそらくめちゃくちゃ踊る曲になると思うので、踊りながらでも歌えるように頑張っていきたいです。
佐藤 しかもすごいのが、最初みかちゃんが米ちゃんにハモっているんですけど、その次の小節では逆になるんですよ。
三隅 そのままハモっちゃったらどうしよう。(笑)
中原 僕も“feel”が一番難しかったかなと思います。今までは自分のイメージしていたラップを歌わせていただくことが多かったので、「今までやってきたことをここで出せたらいいな」とか、自分の中でプランニングしてレコーディングに挑んだんですけど、さっきも言っていたように無機質に歌って欲しいという要望が来たので、自分が思っていたのと少し違うベクトルでこの歌に向き合わないといけないんだと思って、少し苦戦しました。でもその分、盛り上がるところでは結構熱量高めに歌えたりしたので、すごくいいものができたんじゃないかなと思っています。
■ありがとうございます。曲の話からは逸れますが、今年の5月からはYouTubeをセルフプロデュースで稼働させていますよね?
佐藤 そうなんです。この5人でやってみたいこととか、自分が好きだからみんなにもやって欲しいこと、観て欲しいものを提案することが多くて、すごく楽しいです。この5人ってあまりプライベートで遊びに行ったりしないんですよ。仕事が終わると「ぱっ」とみんな解散するんです。なので、仕事を大義名分に遊べるのは楽しいですし、不思議な感覚ですね。
三隅 確かに変な感じがするよね。5人で動く時は衣装を着ていることが多いので、なんでもない日に5人で私服でテレビを囲んでYouTube撮影しながらアニメ観ている時とか、「今、何してるんだろう……?」って思ったりします。(笑)
佐藤 僕が好きなアニメがあって、どうしても観て欲しかったので、何話も続けて5人で観るというのをやったんですけど、楽しくて仕方なかったです。みんながリアクションしてくれるのが嬉しくて、僕はアニメよりもメンバーの顔を見ちゃう。(笑) 最高に楽しかったです。
■面白い経験ですね。2023年も後半に差し掛かっていますが、小さなことでも構わないので、今年中にBMKとしてやりたいことや、目標があれば教えてください。
松岡 それこそYouTubeの企画でメンバーが運転してドライブに行ったりするのは楽しそうですね。免許を持っているメンバーが3人くらいいるので、順番で交代してもらいながら。
佐藤 あんた免許持ってないじゃない!(笑)
松岡 僕は座っているだけなんですけど。
米谷 あと4ヵ月の間に免許取りに行けば?(笑)
三隅 ドライブに行ったら、そのまま泊まって1年を振り返る会みたいなことはやりたいですね。こういう時ってどうしてもスタッフさんが同行しますけど、本当に5人だけで行きたいです。
松岡 カメラなしで行きたいね。
米谷 え?YouTubeでもなく?
佐藤 なんで仕事の取材で遊びに行く予定を立てているの?(笑)
■あまりプライベートで遊ぶことはないとおっしゃっていましたし、こういった話が出てくるのもYouTubeを始めたからこその変化ですよね。
米谷 確かに、YouTubeがなかったら絶対言わないよね。僕はファンの方とキャンプかバーベキューがしたいです。前にイベントで共演させてもらったFlowBackさんというメンズグループがいるんですけど、その方々が前にファンの方たちと一緒にキャンプをしていたんですよ。僕らのファンミーティングはライブ会場でやることが多いので、違う施設でできたらいいなって。ライブ会場以外のところでファンの方たちと交流ができたらいいですね。
中原 カラオケ大会みたいなのは昔やっていたよね。カラオケボックスにメンバーとファンの方たちが集まってやっていたんですけど、あれは面白かったので、またやりたいです。
佐藤 ドライブとキャンプとカラオケって、全部大学生がやっていそう。(笑)
中原 あと飲み会とボーリングがあれば最高だね。
三隅 三隅はスカイダイビングがしたいです。今レーベルの方が一瞬退席されたので、そのタイミングを見計らって言おうかと思ったんですけど、戻ってきちゃった。(笑) というのも、メジャーデビューシングルの時に、僕ら上空3000mから飛ばされているんですよ。なので、その逆をやってやりたいなと。(笑) 「1万フィートからスタッフ飛ばせてみた」みたいな。
佐藤 いいね、それ!ここまで大学生みたいな意見ばかり出ていたので、最後に僕は音楽の話で締めたいと思います。僕は生バンドでの演奏でライブをやってみたいです!
Interview & Text:村上麗奈
PROFILE
元気と勇気を発信し続ける5人組エンタメ集団!コンセプトは“凧のように逆風を受けるほど上昇し、逆境に負けない怪物級のグループを目指す”。2021年1月にシングル『モンスターフライト』でメジャーデビューを果たし、オリコンウィークリーCDシングルランキング初登場2位を獲得。また、リリースを記念して実施した24時間連続のWEBプロモーション企画「BMKの24時間かっ飛ばし配信!」が反響を呼び、愛知県のトレンドで終日1位&2位を独占。10月13日には2ndシングル『Beat Monster』をリリース。オリコンウィークリーCDシングルランキングで初登場4位、LINE MUSICリアルタイムランキングで7位を獲得。2022年3月23日には、『グッバイ宣言』のChinozoがプロデュースを手掛ける3rdシングル『だって今日まで恋煩い』を発売。フジテレビ系TVアニメ「デジモンゴーストゲーム」エンディング主題歌にも起用され、オリコンウィークリーCDシングルランキングで初登場2位を獲得。同年夏、BMKとして初の5大都市ツアー『BMK上昇気流ツアー』を決行。9月21日には『だって今日まで恋煩い -シーズン2-』を発売。オリコンシングルデイリーランキング1位を獲得。日本レコード協会が認定する9月のゴールドディスク作品に認定された。同年10月には全日本タワー協議会のオフィシャルアンバサダーに就任。2023年より、全日本タワー協議会×BMK「全日本タワー制覇ツアー」の実施が決定している。
https://bmk-official.com/
RELEASE
『NANAKORO!』

<B盤>(CD)
VICL-37704
¥1,100(tax in)

<M盤>(CD)
VICL-37705
¥1,100(tax in)

<K盤>(CD)
VICL-37706
¥1,100(tax in)
Victor Entertainment
9月20日 ON SALE