Bye-Bye-Handの方程式 VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

■そして次の“orion ring”ですが、まず「オリオンリング」とは何なんですか?

汐田 ストレートな質問ですね。(笑) むちゃくちゃ前からワードとしては心の中にあったんですよ。それで今回、「昔の自分にはできたことってあったよな」と思い返すタイミングがあったんです。なんというか、クローゼットに服をしまっている感覚ですね。買ったけど、あんまり似合わないと思って、しまっておいた服があって、それが似合うタイミングがやっと来たような感じです。今回はそれが“orion ring”だったんです。それプラス、自分たちの歌詞としてあらためて書き直しました。型としてはすごく前からあったんです。でも、今書きたいことは「待ち」の姿勢じゃなくて、自分たちから誰かに出会いに行くことでした。

■会いに行くことですか?

汐田 新体制になって、せっかくEPを出すことになったので、今までついてきてくれた人たちに対して、あらためて音楽として伝えたいものがあり、初めてちゃんとファンに向けてじゃないですけど、まだ出会っていないファンと、今出会ってくれているファンに向けて曲を書いた感じがします。今までちゃんと自分たちのファンという存在にフォーカスを当てて曲を書いたことは無かったので、手紙みたいな、そんなイメージです。

■それを踏まえた上で、「オリオンの輪」はどういうイメージなのでしょうか?

汐田 それこそ自分たちもそうなんですけど、知っているものから全く知らないものまで、ロックバンドって山ほどいるじゃないですか。そんな中で、僕たちのことを見つけてくれた事実が、少なくともあると思うんですよ。それって星空の中から「あの星綺麗だな、あの星に名前をつけよう」みたいなものだと思うんです。僕の原点としてBUMP OF CHICKENがあるんですけど、初めて買ったBUMP OF CHICKENのアルバムに“三ツ星カルテット”という曲が入っていたんです。その曲を聴いた時に「バンドをやりたい」と思ったんですよ。

■原体験ですね。

汐田 その“三ツ星カルテット”のMVが、メンバーの頭の上に星があって、最後に映像が引いていって、みんなの星が夜空の星になっていく……というような感じなんです。それを見た時から、星とバンドというものの親和性を感じていました。たくさんある中から僕たちは繋がって、ひとつの輪になって、それをどんどんと広げていって、大きい輪みたいになって。いろんなものを巻き込んでいくので、僕らという星を見つけてくださいという想いがあります。見つけてもらうためにいろんなフェスに出たり、イベントに出たり、対バンに出たりしていたんですけど、そうじゃなくて、自分たちから会いに行くというのが、ある意味「見つかる」ことなのかなと思いました。難しいことはしないで、Gコード1発で、2ビートで駆け抜けるみたいなものが、今のバイハンだという。改めてこの4人でバンドの初期衝動みたいなものをやろうというのがこの曲のひとつのテーマかなという気がしています。

■だから「オリオンの輪」なんですね。たまたまオニオンリングと語感が似ちゃった、と?(笑)

汐田 なんか僕は真面目にする時に真面目すぎたら伝わらないなと考えちゃうタイプなんです。ここで「オリオン」だけだと、「聴かなあかん曲やな」となっちゃうけど、「オリオンリング」だと、「何それ?」みたいになるし、そう思わせておいて、聴かせたら「いい曲なんかい!」というギャップを作りたくて。こう、どこかでちょけるみたいな感じです。(笑) この曲、噂ではラジオで「オニオンリング」と紹介していたそうなんです。あらためて「オニオンリングじゃないぞ!」とは言いたいですね。(笑)

■セルフライナーノーツには「バンドは奇跡じゃない」と書かれていましたが、バンドが奇跡ではないとすれば、みなさんはバンドを何だと思いますか?

中村 出会うべくして出会ったと思います。奇跡でもあると思うんですけど、出会ったのは偶然じゃなくて、自分の人生の中では必然のことだし、それを奇跡だと言う人もいらっしゃいますけど、個人的にはそれこそ新しいメンバーが入ってくれたのも、僕がベースをやっていること自体も奇跡じゃないし、自分たちが選んでやっていることなので。でも、このバンドに出会わなかったら違う人生があったわけで、奇跡じゃなくて全部必然だと思うんです。バンドのメンバーもすごく大事な人たちだから、それも奇跡ではあるんですけど、もう「これが僕の人生なんだな」というのが僕の考え方です。

岩橋 もちろん「奇跡」と言われたら、良い言葉に聞こえるんですけど、今のメンバーでやれていることとか、今回のEPを出せたこととか、この曲を作ったこととか、ツアーを回ったりだとかは、全部自分たちでやってきたことが繋がっているからだと思うんです。「奇跡」だったら、僕たちが何も頑張っていなくても、見てもらえるような「奇跡」だってあるじゃないですか。ここ1年間は、真剣にバンドと向き合った期間でした。メンバーとの別れも、新たなメンバーとの出会いもあり、今まで11年間やってきたんですけど、全て自分がやってきたことだし、11年前に「バンド組もうぜ」と言ったその時から、1個1個積み重ねてきたものだと思っているので、必然だなと思っています。

塚川 僕も必然やなと思っています。自分のバンドが終わると決まったタイミングで、バイハンから「ドラムが抜けるんすよ」と電話が来たんです。それって人によっては奇跡なのかもしれないけど、お互いにバンドをやってきた中での結果だから、その結果がそのまま表れているんだと思います。

■みなさんの回答、それぞれ素敵だと思います。そしてボーナストラックの“しゃーないしゃーない!”も面白かったです。つい笑っちゃいました。汐田さんと共に、塚川さんも歌詞を書いたとのことですが、この短さで10パターンの歌詞を書いたんですか?

塚川 書きましたよ!(笑) もう詰め込んでいますからね!

岩橋 (汐田)泰輝先生にだいぶ歌詞を添削されたよね。(笑)

塚川 「これは日本語おかしい」みたいな。

汐田 人に歌詞を書かせたのが初めてだったから、興味本位というか、実験みたいな感じだったんです。本当はボーナストラックを入れる予定じゃなかったんですけど、ディレクターの鶴の一声で入れることになりました。ほんま前日くらいに出来上がったものを、「いっせーの、せ」で撮ったんですよ。全員で一発録りしたのも初めてだったので、そのバンド感も楽しかったし、マイクもあえて高性能なやつじゃないものを使っています。この曲は僕もほぼ毎日聴いているんですけど、最初はすごく面白かったんです。でもよくよく聴いたら、最初のコントの部分が「なんであの流れからあの曲に行くんだろう?」という、別の面白さを見つけて。(笑) それを含めて、それぞれの会話劇を聴いていって、「どういうこと?」と楽しんでほしいです。CDを買ってもらう良さを味わってもらうためには、ちょうどいいトラックになったんじゃないかなと思います。

中村 でもライブでもやるよね?

■どんな流れでやるイメージですか?

岩橋 もう頭からやるか!(笑) 「お疲れ様でした~」から、あの流れを作らなあかんから、難易度がめっちゃ高かったです。

中村 最初の曲に入るまで、この曲を録るのが一番時間かかったかな。(笑) 全然まとまんなくて、まとまんなかった結果、変なタイミングで「しゃーないしゃーない!」と言って、「何がしゃーないんですか?」みたいになって。最終的にはこのテイクに一番勢いがあったので採用されました。

汐田 今回は勢いを重視しました。(笑)

■すごく素敵なボーナストラックでした。(笑) それでは最後に、ここから始まるツアーでやってみたいことを教えてください。

岩橋 今回は全公演ツーマンライブになるんです。スリーマンだったり、ワンマンが入っていたりというのは今までもあったんですけど、全公演がツーマンライブになるのは初めてなんです。僕はツーマンがすごい好きで。あの1対1みたいな感じが、バンドやっていてヒリヒリする瞬間だなと思うし、「どんなライブを見せてくれるのか?」というのと、それに対して「どういうライブをするのか」みたいなところが、ツーマンライブの面白いところだと思っています。全箇所、その日にしか見られないようなライブができればと思いますし、この対バンじゃないとできないようなライブを見せれたらいいですね。

汐田 僕は“暗がりから笑え”をツアーで初めて披露することになるのが楽しみです。今回はツアーの前にちゃんとスタジオに入って、余裕を持ってツアーの曲を毎週やっています。事前にこんなに準備できたのが初めてというか、今までの新曲は、初々しさを持ったまま、ツアー後半になって、ようやく身についてきたみたいな感じだったんですけど、今回の曲は、僕らの中ですでに結構馴染んできている感じがあります。ライブでやっている曲も2曲ぐらいあるんですが、“暗がりから笑え”は、ライブの中でも大きなキーになるし、なおかつライブ感が味わえて、MCにも繋げられると思っています。新しい繋ぎを聞けるのって、ライブのボルテージが上がる瞬間だと思っているんです。僕は人のライブを観ている時も繋ぎを聴きたいんです。それをみんなにも味わってほしいなって。なので、ライブで初めて“暗がりから笑え”をやるのと、繋ぎを含めてライブ感みたいなものを楽しんでほしいですね。

中村 個人的に今回のツアーは、今までのツアーと違って、僕らの色がすごくわかりやすくなると思うんです。今回は2ビート多めの曲のEPにはなるんですけど、その色がよく出るようなツアーになるのかなと思っています。セットリストを組む上でも、今まで出してきた曲の中から、ちょっと角度が違うというか、ツーマンライブでやる分、今の自分たちをしっかり出した上で、今まで出してきた長尺でしか見られない曲をアクセントに、「こういう曲もあるんですよ」というのを、しっかり入れられるツアーだと考えています。それがすごく楽しみで、何より今回のツアーで、僕らのバンドの色みたいなものがはっきりすると思うんです。そこをしっかり見せつつも、今までやってきた僕たちの音楽をしっかり届けられるようなツアーにしたいなと思っています。

塚川 僕は歳は一番古臭いですけど、バイハンというバンドにおいては新しい風なので、化学変化というか、僕だからできるものを届けたいし、足し算じゃなくて、掛け算みたいな感じで、それは対バンも場所もお客さんもありきの掛け算なんですけど、新しい曲たちを持って、新しいメンバーでやって、「すげぇ!」と言われるのが理想です。ツアーの最初からファイナルまでで、見える景色も変わっていくんやろうなと、漠然とした楽しみな気持ちを抱えているので、それをぜひみんなにも見届けてほしいです。

Interview & Text:安藤さやか

PROFILE
2015年に地元・大阪の中学の同級生で結成された4人組ロックバンド。メンバーは、Vo./Gt. 汐田泰輝(うしおだたいき)、Gt. 岩橋茅津(いわはしかやつ)、Ba./Cho 中村龍人(なかむらりゅうと)、Dr. 塚川 由祐(つかがわゆうすけ)。2020年度No Big Deal Records Audition でグランプリを獲得。様々なジャンル・年代の音楽をロックに落とし込み、正直に「今」鳴らしたい音楽と新しい格好良さを追求する。Vo&Gtの汐田 泰輝の放つ熱くもあり温かいMCで多くの人間の心を掴み、時にはストレートなロック、時には世界観纏う曲で独自の二面性を軸に関西を拠点に精力的に活動中。
オフィシャルサイト:http://byebyehand.com/
Youtube:http://www.youtube.com/@bye-bye-hand
X:https://twitter.com/ByeByeHand
Instagram:https://www.instagram.com/byebyehand_official/
TikTok:https://www.tiktok.com/@byebyehand

RELEASE
『僕らは涙を流さない-EP』

通常盤(CD)
COCP-42716
¥1,650(tax in)
購入:https://lit.link/260624byebye
配信:https://byehand.lnk.to/dont_tears
詳細:https://byebyehand.com/news/new-ep/

日本コロムビア / No Big Deal Records
6月24日 ON SALE

EVENT
■発売記念インストアイベント
6/29(⽉) タワーレコード池袋店 19:00 ※ミニライブ&サイン会
7/12(⽇) タワーレコード梅⽥NU茶屋町店 19:00 ※ミニライブ&サイン会

LIVE
■Bye-Bye-Handの方程式『ここからあなたを見つけるよTOUR』
2026年7月17日(金) 神戸・太陽と虎 18:30 / 19:00
2026年7月26日(日) 宮城・LIVE HOUSE enn 3rd 17:30 / 18:00
2026年8月9日(日) 愛知・Live House R.A.D 17:30 / 18:00
2026年8月15日(土) 福岡・Queblick 18:00 / 18:30
2026年9月3日(木) 東京・下北沢 SHELTER 18:30 / 19:00
2026年9月19日(土) 大阪・LIVE SQUARE 2nd LINE 18:00 / 18:30
※全箇所 対バンあり
<チケット>
ぴあ 受付URL:https://w.pia.jp/t/bbh-tour2026/
イープラス 受付URL:https://eplus.jp/bbh-tour2026/