Camila Cabello VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

カミラ・カベロ『ファミリア』

今回は自分をさらけ出し、ありのままの自分でいるということを、実際にやりたいと思った。

3度のグラミー賞ノミネートを誇り、ソロ・デビュー作が全米1位、そして110の国と地域のiTunesで1位を獲得し、楽曲の総再生回数が110億回を超え、昨年9月から放映しているAmazon Original Movie『シンデレラ』にて、映画初主演を果たした“情熱の歌姫”カミラ・カベロが、約2年半ぶりとなる待望の3rdアルバム『ファミリア』を4月8日に全世界同時リリース。今作には昨年7月に発表され、Spotify にて2.3億回再生を突破した大ヒットシングル“ドント・ゴー・イェット”や、先日発表され、4度のグラミー受賞歴を誇るシンガー・ソングライター、エド・シーランとの特大コラボ曲“バン・バン feat. エド・シーラン”も収録される。“これまでの人生で関わってくれた全ての人たち”=家族、友人、恋人、ファンに捧げた作品として、キューバ人の母とメキシコ人の父を持つカミラが、自らのアイデンティティであるラテンの音楽的要素を取り入れ、これまで自身が経験した、孤独、葛藤、独占欲、喜び、感謝など、“自分を隠さない”というスタンスでさまざまな感情を表現した今作は、アップビートで陽気な音楽が、カミラ自身と人々に癒しとパワーを与える。いよいよ動き出したカミラ・カベロ待望の最新作について話を聞いた。

■これまでに見せたことがなかった一面を披露する、素晴らしいアルバムが完成しましたね。この『ファミリア』というアルバムに着手した時のあなたは、どんな心境でしたか?

Camila 私にとってこのアルバムを作るというのは、とにかく無防備でありたい、正直でありたいという心境になることだったの。それがやり易かったのは、その瞬間に感じたことをなんでも話すことができると思えるような、安心できると感じさせてくれる環境をコラボレーターたちが作ってくれたおかげだったわ。あの日、私は“演じる”ことなど必要なくて、ありのままの自分でいられたわ。

■『ファミリア』というタイトルは肉親に限定されない家族を指しているようですが、どんな想いを込めたのですか?

Camila 私たちの文化においては、自立について、そしてここまで誰の手も借りず、自分一人でやってきたなどとよく話すものだけど、それはあまりにも美化しすぎていると感じるの。本作で私は相互依存を称賛したかった。感情的に、精神的に、そしてスピリチュアルな面でより成功するのは、素晴らしい仲間がいてくれて、結束の固いコミュニティ、熱い友情、人間関係がある時だから。脆さをさらけ出し、人に対して正直であること、そして透明性のある本物の人間関係に焦点を置くということが、この時期を通して私の人生が変わった点だったわ。

■『ファミリア』にちなんで、あなたの家族で面白い家族ルールなど、何かエピソードがあれば教えてください。子供の頃のことでも、今も続いていることでも構いません。

Camila 私の家族が経験してきたのは……両親と私と妹は厳しい経験をしてきたことによって、結束が固くなったわ。父と母がこの国(アメリカ)に渡ったのは、確か既に32歳位になっていた頃のことだと思う。父はメキシコから国境を超えてアメリカにやって来たの。二人はとても苦労したの。そして私自身も大変だったわ。両親は私が受け入れられ、愛されていると感じられる自分の居場所を常に作ってくれたし、私と妹のためならなんでもやってくれた。というわけで、ルールというものがあったとすれば、そういったことの重要性ね。お互いを支え合い、忠実であることの重要性ということよ。忠誠心というのは私の家族の中ではとても大切なことで、両親はいつでもお互いに対して忠実であろうと心がけているわ。

■あなたがこのアルバムを通じてリスナーに伝えたかったこととはなんでしょう?

Camila このアルバムを聴いてくれるリスナーに伝えたいのは、自分の脆さ、そして自分のすべてをただ受け入れることについてだと思う。それは私自身がこれまでやったことのなかったことでもあるしね。インタビューではよく自分が抱える不安やメンタルヘルスについて語ってきたけど、それらを音楽の中で表現したことはなかったから。それは常に他人に良いところを見せようとしてきたからであって、自分がすべてをちゃんとこなしていると見せたかったからなのかもしれないわ。自分以外の人たちがみんな、すべてをしっかりこなしているんだとばかり思っていたからね。でも今回は自分をさらけ出し、ありのままの自分でいるということを、実際にやりたいと思ったの。

■シングル“バン・バン feat. エド・シーラン”ではどのようなことを伝えたかったのですか?

Camila この曲とそれ以外の曲との違いはというと、例えば、それ以外の曲ではスタジオ入りした当日に抱いた感情について何でも書いたの。“サイコフリーク feat. ウィロー”では、その日不安な気持ちだったから、マイクを前にしてああいった歌詞が口をついて出てきたの。そして、それを歌っていったの。一方、“バン・バン feat. エド・シーラン”では、人生の英知といった特別なメッセージがある曲を作りたかった。そしてその英知というのは、恋愛がいかに予測することができないものかについてだったの。ある人物が自分の理想の相手だと思っていても、結局そうではなかったりもする。あんな人には出会うことはもう二度とないだろうと思う。それでも別の出会いがあって、その人こそが理想的な相手だったりするし。何が起こるかなんて分かりっこない。それが人生というものなの。それについて笑い飛ばしているというところがあるわ。そういう意味でこの楽曲は他の曲とは違うと思うわ。そういうメッセージを持たせた曲にしたいと決めていたの。

■エド・シーランとの楽曲制作エピソードについて教えてください。あなたにとってエドはどんな存在ですか?

Camila インスタグラムのDMのやり取りで始まって、二人の間でインスタグラムのボイスメモもいくつか交わしたわ。私が彼に最初に曲を送った時、その時彼はツアーバスで寝ていたようだったんだけど、ヴァースの冒頭のコードのアイデアがあって、それを彼が送ってきたの。それがそのヴァースをどう書き直したらいいかのアイデアに繋がったの。エドは私にとって素晴らしい人よ。彼と一緒に過ごすのが大好きなの。彼と一緒に仕事をして、お互いにより頻繁に会えるようになったのは嬉しいわ。

■“サイコフリーク feat.ウィロー”のテーマについては先ほど少しお話してくださいましたが、ウィローとの楽曲制作はいかがでしたか?

Camila 私がとても不安な気持ちで、居ても立っても居られないと感じていた日に、二人のコラボレーターたちと一緒に、この曲のためのメイン・メロディを既に書いていたの。この曲を誰と一緒に歌いたいかと考えていた時に、ウィローはThe Anxiety(「不安」という意味)という名前のバンドを率いていたので完璧だと思った。彼女もとても脆い部分があって、似たような感じだからね。どう進めていくか分からなくて、彼女に「ヴァースを書きたい?どうやりたい?」と聞いたら、「とてもクールなバックグランドのパートがある」と言われたの。あの部分は彼女が一人で書いたのよ。そして彼女がプリコーラスを歌ったんだけど、とても良かったわ。そんな感じのプロセスだったの。彼女が私の自宅に来て、一緒に過ごして、彼女が自分の担当のパートをやってくれたの。あの魅惑的なパートをね。

■ “サイコフリーク feat. ウィロー”のMV撮影のエピソードについて教えてください。

Camila ウィローと一緒に過ごしたのはとても楽しかったわ。二人でよく笑ったものよ。回転するお部屋があったからなんだけど、実はとても怖かったの。そんな状況に一緒にいたから、より絆が深まったわ。あれは、本当に怖かったのよね。(笑) それが全体のヴァイヴにさらに加わって、とても楽しかったわ。

■“アスタ・ロス・ディエンテス feat. マリア・ベセラ”の楽曲とMVについても教えてください。

Camila 彼女の楽曲は既に聴いたことがあって、お気に入りの曲は、私のもう一人のお気に入りのアーティスト、J・バルヴィンとの曲なんだけど、彼女のソングライティングのスタイルは自分に通じるところがあると感じるわ。ソングライティングやメロディといった点で、私たちはスタイルが似ていると思うの。だから、彼女ならきっとこの曲で上手くいくと思った。一緒に仕事をしたのはとても楽しかったわ。リハーサルを一緒にやり、ミュージックビデオも撮影したの。私が女性アーティストとコラボするのは、確か今回が初めてだったと思うわ。最高に楽しかったわ。

■あなたにとって非常にパーソナルな作品である一方で、さまざまな面で分断された今の世界で、このような文化的に多様性のあるアルバムを発表することは、大きな社会的な意味を持つように思います。そういう社会的なインパクトは意識していましたか?

Camila 毎回アルバムを制作している時は、それを聴いてくれる人たちのことはあまり意識していないの。自分本位と言うとネガティブに聞こえるかもしれないけど、私自身のためのものであって、喜び、透明性、感情の解放、創造的表現といった意味で、自分が何を得られるのかということ。だから、私自身とコラボレーターたちの間で、どうやったら最高に楽しめるかがすべてなの。感情的、精神的、創造的、そして気持ちの上でどうやって最高のものを引き出すかということね。というわけで、完成してみて、こんな風にそれについて話すようになるまでは、世界の人が聴くとかということはあまり意識していないの。でもそういった社会的なインパクトについては嬉しく思うわ。私はラテン系を代表しているということを誇りに思うし、女性であること、答を模索している若者であることを誇らしく思う。そういった私の姿に人々が自分を重ねてくれるというのが嬉しいの。

■今回はスペイン語で歌う曲も多く、歌声にも英語で歌う時とは異なるトーンが感じられます。スペイン語で歌うことであなたの中から引き出される特別なエモーションみたいなものがあるのでしょうか?あなたがキューバとメキシコという2つの国から受け継いだと感じる感性や、美意識、或いはメンタリティみたいなものがあれば、それも教えて下さい。

Camila 自分らしさ、そして、どういう人物になりたいと思うかというのは、私が受け継いできたキューバとメキシコの伝統によるところが大きいと思うの。私の開放的なところや遊び心、官能性、カラフルさ、プライドは、それらの文化から来ているわ。本作でスペイン語の歌詞を書くようになる以前から、スペイン語でフリースタイルに話して、どんなメロディが生まれるかを試してみたりということを、時々やっていたの。私の中の異なる部分に耳を傾けようとして。だから、私にとってはより遊び心のある側面が引き出されると感じるわ。そしてまた、無意識のうちに子供の頃から親しんできたラテン音楽にも影響されているんだと思う。それはメロディという意味でもそうね。