■わかりました。(笑) 優さんは何か想像とか妄想はされましたか?
優 僕の場合は歌詞の男の子の恋愛観を考えましたね。例えば「君は僕を好きになる」「僕は君にキスをする」の部分、かぎかっこになっているってことは、ここだけは口にして伝えているのかなとか、何を思ってこれを言っているんだろうとか。
■この男の子になりきって?
優 そう、なりきって。
TAKA そうか、言ってるのか。俺はここは妄想のかぎかっこだと思っていたんだけど。
優 あ、そう。
TAKA うん。妄想の括りかと思ってた。
優 でもここだけぽつって。
TAKA ぽつって言ってるんだ。(笑)
末吉9太郎 本人には伝えていないけどってことだよね。
優 そうそう、あとは頭の中だけだけど、このかぎかっこは言っているのかなって。
TAKA あ、相手には言わず?
優 相手には言わないよ。でもほんとに口にしたのかなって感じもするし。
TAKA なるほどね。
■妄想が深くなると言葉に出ちゃうときってあるかもって、今思ったんですけど。
綾介 あー、9太郎はあるんじゃない?
末吉9太郎 え?どっち?現実かわからなくなったほうの話?
綾介 いや、帰り道の話。
末吉9太郎 あ、それね。夜、帰り道で憧れの俳優さんと歩いているところを妄想するんですよ。僕は女の子になるんですけど。で、ひとりでしゃべりながら帰るから、たしかにこの子もしゃべっている可能性は高いかも。
■そこは自分は女の子になっちゃうんですね。(笑)
末吉9太郎 もう妄想し過ぎて、どんどんひねくれていっちゃってるんですよ。
■なるほど。(笑) 春斗さんはどうですか?
春斗 僕も恋愛において過程が一番楽しいというか。
TAKA お、また悟った発言が。
末吉9太郎 なんも知らないくせに。
春斗 つき合えるかつき合えないかぐらいの手前の過程が一番ドキドキしているのかなって、だからやっぱ妄想とかで盛り上がるのかな。そういう青春の甘酸っぱさを想像しながら歌っていますね。
綾介 それいつ?
春斗 それはやっぱ中学でしょ!
■具体的にどういう経験ですか?
春斗 え?具体的に?
綾介 それは聞きたいよ。
春斗 えーっと、小学生の頃に結構仲のいい女の子がいて、僕、奥手なので好きとかなんも言えないんですけど、あっちは確実に好きだったと思うんです。でも何もないまま小学校を卒業して、また同じ中学になってよかったーと思って、でも結局違うクラスになっちゃったんですよね。そうしたらその女の子がだんだんギャルみたいになっていって。(笑) 全然遊ばなくなって、消滅しちゃいました。
綾介 たしかに甘酸っぱいね、人が変わっていく様は。(笑)
■なるほど。では綾介さんは?
綾介 夜、帰り道で病みソンを聴きながら、架空の女性にひどい振られ方やひどい別れられ方をしたっていうことを想像して、MVの主人公になりながら帰るっていうのが、僕がよくやる妄想です。
末吉9太郎 作り込んでるってことだよね?妄想を。自分が傷ついていないときにも、あえて気持ちを作りにいくんだよね?
綾介 そう、傷つきたいの。傷ついたらそれ以下ってもうないじゃないですか。僕、幸せなときって絶対にバッドなことが起きると思っちゃうんですよ。でも自分が下にいるときってこれ以上下がないから、それだけで全然ハッピーになれる、病むだけで。
TAKA やばいな。(笑)
綾介 例えば自分が絶頂だったとき、つき合う前からの妄想が始まるんだけど、つき合う前、つき合ったとき、それで浮気されて、それが僕の親友だった、彼女はそいつに乗り換えて俺は捨てられて、今駅でそいつと元カノが歩いているところを見てしまったけど、俺は声もかけられずに帰っていく…みたいなストーリーを考えているんです、自分の中で。この歌詞に入り込むためには、1回そうやって病むんですよ。
■1回そこまでいかないと入れないんですか?
綾介 そう、パッと入り込めない。幸せには不幸がつきものだと思っているんで。逆に病みたいと思ったら幸せなときを作ってから、それをどん底に落とさないとダメなんですよ。振り幅がないとその気持ちに入れない。
TAKA 曲聴きながらそっちに持っていってるから、まだ理解できるよな。病みソンの後押しがあるから。
綾介 そうそう。病みソンを聴きながらその主人公になっているだけだから。
TAKA 病みソンがなくてそれをやっていたらそれはもういよいよすごいことだから。
綾介 たまにやるけどね。
TAKA やるんか。(笑)
綾介 でも曲があったほうが入りやすいんですよ。歌詞に寄り添うんです。その曲の主人公になるんです。で、病む。だから、友だちとカラオケ行って、お酒飲みながら病みソン歌って傷をなめ合うっていうのが一番気持ちいいんです。僕は恋愛だと悲劇のヒロインになりたがるんですよ。病んでる自分に満足するんですよね。
■あー、なんとなくわかる気がします。
綾介 俺は優も結構同じ気がするんだけどな。
優 下げてから上げる、上げてから下げるっていう理論はわからなくはないけど、俺はやんない。(笑)
綾介 いや、その素質を持ってる、彼は。
TAKA 人それぞれあるよね。曲に対していろんなアプローチの仕方が。大丈夫ですか?CUBERSやばいグループになってないですか?(笑)
■大丈夫です。(笑) おもしろい話をいろいろありがとうございます。最後にカップリング曲も含め、このシングルの聴きどころを教えてください。
綾介 “PEOPLE GAME”は僕が振り付けしたんですけど、曲にあった大人っぽい、ちょっとセクシーなCUBERSがお見せできると思うんで、音源だけではなくライブでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
春斗 “Wonderland”は幻想の中の話で、いろいろな生き方を想像している人がいるけど、最後はみんなで一緒にいこうよって、そういうことを歌っているんですね。僕たちも個性豊かで考え方もキャラも全然違うけど、ひとつの目標に向かって走り抜けているっていうところはこの歌詞とすごくリンクする部分だと思うので、そういうところも楽しんでもらえたらと思います。
TAKA 曲調も全然違う3曲で、それぞれ聴く人にあてはまる部分も違うと思うので、それぞれの曲を違った楽しみ方で聴いてもらいたいし、“妄想ロマンス”はコールする部分もあってライブでは一緒に盛り上がれる曲だと思うので、生でも聴きにきてもらえたら嬉しいです。
優 “PEOPLE GAME”は耳に残りやすいし、カッコいいけどキャッチーで聴きやすいし、気に入っているのでぜひ聴いてほしいですね。この歌は春斗くんが上手い、すげぇ上手く聴こえる。
春斗 上手く聴こえる?
優 春斗くんの声にすごく合っているというか、上手いと思いました。“Wonderland”は僕たちのチーフマネージャーである堀切さん作詞・作曲の自信作で、「めっちゃいいでしょ?っ」てdemoが届いた時、僕達に聞いてきた曲で。(笑) でも実際にいい曲で、サビが英詞でCUBERSの新しい試みというか、新しいCUBERSが見せられると思うので、ぜひ聴いてください。
末吉9太郎 “PEOPLE GAME”のこういうダークなイメージってCUBERSにはあんまりないと思っていて、それこそ“妄想ロマンス”みたいな明るいイメージが強いと思うんですけど、だからこそ、こうして1枚になることで引き立つのかなと思います。“Wonderland”は僕個人的に、私生活でもたくさん聴いていくんだろうなって。それこそ帰り道で妄想するときとかも聴くだろうし、サビが英詞でCUBERSの新しい扉を開いた曲なので、3曲合わせてまた新たなCUBERSを見せることのできるシングルになったと思います。ぜひ聴いてください。
Interview&Text:藤坂綾
PROFILE
「友情・努力・音楽!」をキャッチフレーズに活動する、TAKA(タカ)、優(ユウ)、春斗(ハルト)、綾介(リョウスケ)、末吉9太郎(スエヨシキュウタロウ)の5人によるボーイズユニット。2015年7月ユニット結成。2015年10月7日「SHY」でCDデビューを果たし、各方面から高い楽曲性が支持されている。2019年5月8日にキングレコードよりつんく♂提供楽曲「メジャーボーイ」でメジャーデビュー。メンバーのTAKAは2.5 次元俳優としても活躍しており、2.5次元ダンスライブ「ツキステ。」ではリーダー役を務めている。また、末吉9太郎は“アイドルオタクアイドル”としてSNSで「アイドルオタクあるある動画」が反響を呼び、注目を集めている。他メンバーもそれぞれの個性を生かし多方面で活動中。
http://cubers.jp/
RELEASE
『妄想ロマンス』
初回限定盤(CD+DVD)
KICM-91984
¥2,750(tax in)
通常盤(CD)
KICM-1984
¥1,300(tax in)
KING RECORDS
10月9日 ON SALE