Dizzy Sunfist『“Welcome to DIZZYLAND”TOUR 2021-2022 Final Series』ライブレポート@Zepp HANEDA 4月13日(水)

Dizzy Sunfist『“Welcome to DIZZYLAND”TOUR 2021-2022 Final Series』

不屈のパンク魂を胸に、エンターテイメント性をグッと高めた”ディジー・ランド”にご招待!

昨年10月に出たDizzy Sunfistの3rdアルバム『DIZZYLAND-To Infinity and Beyond-』は、バンドにとって最高傑作だった。もっと言えば、日本のメロディック・パンク史においても屈指の一枚と言えるクオリティの高さを誇示していた。そのレコ発ツアー『“Welcome to DIZZYLAND”TOUR 2021-2022 Final Series』の対バン相手はHEY-SMITH、Hump Back、dustbox、ROTTENGRAFFTY、サンボマスター、SiM、10-FEET、マキシマム ザ ホルモンと各地で百戦錬磨の強豪バンドと激突する。そのラインナップを見ても、Dizzy Sunfistがより高みを目指し、“新たな気持ち”で前進しようとする強い意志を感じ取れた。

今日のZepp Haneda(東京公演)はサンボマスターを対バンに迎えた。山口隆(Vo&Gt)、近藤洋一(B&Cho)、木内泰史(Dr&Cho)のメンバー3人がステージに現れ、“ミラクルをキミとおこしたいんです”でスタート。息の合った演奏でじわじわと会場を温めていく。“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”に入ると、「愛と平和!」と連呼する歌詞が胸を突かれた。“できっこないをやらなくちゃ”で観客をジャンプさせると、最後は“花束”をプレイ。観る者の背中を押す全身全霊のパフォーマンスを魅せつけた。

そして、SEと共にバンド・ロゴの入った大型フラッグがステージ背面に掲げられ、あやぺた(Vo&Gt)、moAi(Dr&Cho)、サポートメンバーのメイ子(B&Cho ※4月29日に正式メンバーとして加入)の3人が登場。Dizzy Sunfistは“The Proof”で幕を開けると、“Joking”、“No Answer”と繋げ、フロアを徐々に活気づけていく。次の“Someday”では、あやぺたとメイ子で歌を掛け合ったりと、以前と変わらぬスタイルを提示する。そう、メイ子はベースはもちろん、歌やコーラスもできるため、新旧の楽曲を違和感なく乗りこなせる逸材なのだ。はっきり言って、彼女以上の適役はいないと思えるほどのハマり具合だ。それだけではない。“Life Is A Suspense”や“Tonight,Tonight,Tonight”においては、あやぺたとメイ子が同じ振り付けでフォーメーションを魅せたりと、今までになかったアプローチも取り入れていた。あやぺた個人に関しては、従来通りの異次元MCを連発。「最高裁判所!」という新たな迷言?も飛び出し、会場を和ませていた。また、あやぺたはメイ子から冷静なツッコミを何度も入れられ、既にいいコンビ関係を構築しているではないか。

中盤には対バンのサンボマスターに向けて、「中学から好きやった(あやぺた)」、「Mステ(ミュージックステーション)2004年のサンボマスターを観て、黄色のギターを買った!(moAi)」、「まさか対バンできるとは……(メイ子)」と、三者三様に思いを吐露する場面も。とにかくショウ全体を通して、最新作の楽曲がセットリストの中で効果を発揮していた。緩急を付けた展開で揺さぶる“No Biggie”、エモーショナルな歌声で純粋に曲の良さをアピールした“Little More”など、キャラ立ち抜群の曲調で場内を盛り上げる。また“N.i.n.j.a feat PETA&LARRY(GARLICBOYS)”では、なぜかSPARK!!SOUND!!SHOW!!のイチロー(Dr&Cho&169)が忍者ならぬブリース・リーの格好でサプライズ参加!さらにレゲエ調の“Everyting’s Gonna Be Alright”は、ライブでも格段に映え、ピースフルなメロディでフロアを明るく照らしていた。 

終盤、「人を殺すためじゃなく、人を愛するために生まれてきた!」とあやぺたは叫び、“The Dream Is Not Dead”を披露。「少しずつ進んで行こうな!」と曲中に呼びかける場面もあり、「夢は死ねへん」というメッセージに様々な思いが乗り、楽曲のスケールは一段と大きくなった印象を受けた。コロナ禍、メンバー脱退と苦難に直撃すればするほど、この曲が持つパワーは倍増しているようだ。本編ラストの“So Beautiful”も素晴らしく、未来を肯定する生命力漲るエネルギーで会場を包み込む。

この日は二度のアンコールを含めて計28曲を演奏し、変わらないまま変わった新生Dizzy Sunfistの姿に驚きを隠せなかった。ますますバンドの成長が楽しみだ。最新作の副題通り、無限大の進化を刻み、あらゆる困難を乗り越えるタフな生きざまを叩きつけたパンク・ショウであった。

Text:荒金良介
Photo:HayachiN

https://dizzy-sunfist.com/

『“Welcome to DIZZYLAND”TOUR 2021-2022 Final Series』@Zepp HANEDA セットリスト
01.The Proof
02.Joking
03.No Answer
04.SUPERHERO
05.Someday
06.Our House
07.Dinosaur
08.The Magic Word
09.Diamonds Shine
10.Summer Never Ends
11.Life Is A Suspense
12.Never Again
13.Honestly
14.SULLEY
15.No One Knows
16.STRONGER
17.No Biggie
18.Drama Queen
19.N.i.n.j.a
20.Little More
21.Andy
22.Everything’s Gonna Be Alright
23.The Dream Is Not Dead
24.Tonight,Tonight,Tonight
25.So Beautiful

ENCORE
01.SHOOTING STAR
02.FIST BUMP

W ENCORE
01.New world