フェアリーズ VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

『Metropolis~メトロポリス~』

■でも今の話を聞いて、2曲目に“Change My Life”が続くのが、さらにエモいなと思ったんです。“Metropolis~メトロポリス~”で決意した人を見送って、次は「自分を今卒業するんだ」と歌って自分がChange My Lifeする。

伊藤 “Change My Life”はすごく前向きになれる歌詞なので、パフォーマンスしていても晴れ晴れしい気持ちになるんです。今Change My Lifeしている方の背中を押せる曲だと思うし、もうChange My Lifeした方にも共感してもらえると思います。

野元 「遠回りしたけど 全てが今日に繋がった」っていうところがね……よい!

伊藤 わかるわ〜。

野元 すべては今日を迎えるためにあったことなんだみたいな。

■この曲を歌っているときに、自分のChange My Lifeした出来事を思い出すこともあるんですか?

野元 なんだろう。みんなフェアリーズになったっていうのは、まずChange My Lifeだったと思います。そもそも歌って踊ることを仕事にすると思っていた人は、誰もいなかったと思うんですよ。(2011年の結成時は)みんな中学生だったので。もともとダンスは一生懸命やっていたとか、お芝居がしたかったとか、スタート地点もバラバラで、あのとき一歩踏み出したのはChange My Lifeだなって思います。

井上 最初はオーディションが行なわれていたこともよく知らなかったんですよ。お母さんから「明日、東京行くよ」って言われたのはすごく覚えていて。でも、そのときは自分の意思がないわけじゃないですか。だから最初は、とりあえず大人の言うことを聞いとくみたいな感じで。

野元 この世界のことを1ミリも知らなかったし、東京という街もまったく知らないし、地元では大人と触れ合う機会もほとんどなかったから、すべてがわからなさすぎて。私も「明日、東京行くよ」みたいな感じで言われて、ちょんまげに、カーゴパンツに、Tシャツで行ったんですね。それで東京に着いたら、まわりはバッチバチにメイクして、髪をきれいに巻いて、スラッとした女の子がいっぱいいて、これはヤバいとこに来たなと思ったんです。

■この世界でやっていこうと決意した瞬間はあったんですか?

野元 初めてライブをやることになったときに、(振付師の)牧野アンナ先生にめちゃくちゃ怒られたんです。ちゃんと自分たちで話し合いなさいと言われて。

■なんで怒られたんですか?

野元 フェアリーズは初ライブをやるまで3年くらいかかっているんですけど、それまで同じ家で暮らして、同じ学校に行っていたのに、メンバー同士の距離感があったというか、全然お互いのことを知らなかったんです。それは年齢的なものもあったと思うんですけど、グループとしての統一感が足りなくて、それを怒られて。それでちゃんと話しなさいと言われて、みんなでいろいろ腹割って話して、泣いて、それからライブをやったんですけど、それは私たちにとって大きな出来事だったかなって。それからは何かあったら集まって話し合うようになったんです。

■そのときにもChange My Lifeがあったんですね。

井上 あとはやっていくうちに、ファンの方のありがたみを感じるようになってきて。イベントでファンの方が楽しそうな顔をしていたら私もすごいうれしいし、ライブのあとのハイタッチとかで、今まで見たことないようなうれしそうな顔で「めっちゃヤバかった!」とか言われると、こっちが心を揺さぶられるというか。やっぱりファンの方の存在って大きいんですよね。

林田 バラードを歌っているときとかも、泣いてくれる人がいるんですよ。その人たちを見ていると、こっちまで泣きそうになって。もらい泣きですよね。

■3曲目の“Tell Me How You Feel”は、ちょっと変わった展開の曲ですよね。

野元 今回、“Change My Life”と“Tell Me How You Feel”は、自分たちもスタッフさんと一緒に制作に携わり、何十曲というデモのなかから選んだんですけど、特に“Tell Me How You Feel”は、みんな「これやりたい!」って一致してた気がします。

伊藤 もうガンガンに押したよ。

林田 いちばん最初から「もうこれでしょ」って。

野元 この曲はおしゃれというか、今どきっぽいというか。フェアリーズは同年代のファンが多いんですけど、私たちと好きな感じが近いと思うんですよ。だから私たちがやりたいことを突き詰めていけば、結果的に喜んでもらえるんじゃないかなと思っていて。結成したばかりの頃は、幼い子たちが大人っぽい歌詞を歌っていたんですけど。

伊藤 ちょっと背伸びした感じでね。

野元 でも、みんな二十歳を超えて、今は大人でかっこよくて強い女みたいなところを見せていけたらなっていうところで、ダンスも歌もかっこよく、ちょっとセクシーに見える曲を選びました。

井上 全体的にかわいらしいサウンドなんですけど、サビ前の一回落ちるところで「踊れそうだな」と思ったんですよ。これをフェアリーズがやったら、かっこよく踊れそうだし、かわいらしい部分も出せそうだし、最初にデモを聴いたときからお気に入りでしたね。

■今作は3曲ともMVがあるそうですけど、その踊っているところはMVで見られるんですか?

林田 MVはダンスシーンもあるし、それぞれ彼氏目線みたいな、一緒にデートしているみたいなソロカットもあります。

野元 そのデートしている的なシーンでは、大人っぽいワンピースとかを着ているんですけど、ダンスシーンはちょっとセクシーな衣装を着ていて、両極端な姿を見られるところがいいかなって。

林田 ギャップがいいよね。かわいいとかっこいいが交互に来て。あと、間奏で「お尻プリプリダンス」っていうのがあるんですけど、ちょっとセクシーなんですよ。そのときはちょっと大人な感じで踊っています。

■「お尻プリプリダンス」って、名前からはセクシーさを感じないですけど。(笑)

林田 保育園みたいなネーミングですよね。(笑)

■彼氏目線的なカットのほうで、おすすめのかわいいシーンはありますか?

林田 かわいいっていうか、おもしろかったのが……。

野元 かわいいところを聞かれているのに。(笑)

林田 そら(野元)が辛いお菓子を食べているんですけど、そのときの表情がめっちゃおもしろいです。(笑)

野元 お菓子の自販機があって、好きなのを買っていいよって言われて、辛いお菓子があったので買ったんですよ。私、けっこう辛いの得意だから大丈夫だと思ったんですけど、意味わかんないくらい辛くて。MVだからオーバーにリアクションしたとかじゃなくて、マジのリアクションです。

林田 そのあとに、それをカメラマンさんにあーんしてあげるんですけど、それが彼女っぽくてかわいいです。

井上 私も一個あるんですけど、まひろ(林田)がソフトクリームを食べてるシーンがあって、食べたあとに「それ、おいしかったの?まずかったの?」っていう顔をするんですよ。(笑)

伊藤 ねー、ちゃんとかわいいところ出そうよ!

野元 あと、ももか(伊藤)が歩道橋の上から手を振っているのが小人みたいで。(笑)

伊藤 ねーえー!

林田 遠すぎて、「あれ、ももかかな?」みたいな。

伊藤 確かに自分でも誰かわからなかったけど。(笑)