東京に染まったからこそ歌える?メンバーの実体験とも重なる新曲のストーリーとは?
近年は役者やモデルとしてメンバー個々での活躍も目立つフェアリーズが、約1年半ぶりの新作となるシングル『Metropolis~メトロポリス~』をリリースした。「メトロステップ」と名付けられた特徴的な振り付けも見どころの本作だが、歌詞には夢を追いかけ上京した人の物語が描かれ、彼女たちも「自分たちと重なるところがある」と感情移入せずにはいられない内容となっている。
何もわからなかったという中学生でのデビューから8年、ようやく昨年で全員が成人を迎えたフェアリーズの5人(伊藤萌々香、下村実生、林田真尋、野元空、井上理香子)が、結成当初のエピソードを交えながら本作の魅力を語ってくれた。
■“Metropolis~メトロポリス~”は既にイベントなどでも披露されていますよね。
野元 振り付けがすごくキャッチーで、イベントでは観客の方々にレクチャーしてから披露しているんですけど、みなさん一緒に踊ってくださるので、もっとバズらせたいですね。
■あのダンス、かなり難しくないですか?
林田 足はチャールストンという、ちょっと難しめなステップなんですけど、手の振り付けは簡単なので、絶対にできますよ。
伊藤 こういう感じで手を交差させて「M」の字を作るだけなので。
■(真似しながら)こうですか?
林田 おおー、もう完璧です。(笑)
野元 メトロポリスの「M」なんですよ。
伊藤 手と足の振り付けを合わせて「メトロステップ」と呼んでいます。
■そのチャールストンも歌詞に出てきたので調べたら、動画を見つけたので真似してみたんですけど、全然できなかったんですよ。みなさん的にも難易度が高いダンスなんですか?
伊藤 あのステップ自体は、そこまで難しくないんですけど、頭を動かさずにとか、5人で揃えてとかを重視すると、かなり大変になりますね。
井上 曲のテンポも速いし、手と足を同時にやるのは大変かもしれない。
下村 あと、ヒールを履いてやるのがキツいです。
林田 でも夏だから痩せます!
■確かに、ちょっと試しただけで、めちゃくちゃ疲れました。
林田 そうなんですよ。エクササイズとして、みなさんにもやってもらえたらいいなって。
野元 みんなでメトロポリスエクササイズしましょう!
■歌詞についても教えてほしいんですけど、解釈が難しいなと思ったんですよ。
野元 そうですよね。日本語詞を書いてくださったshungo.さんは、今までもフェアリーズの歌詞をたくさん書いてくださっているんですけど、今回は特に難しいなっていう印象だったんです。でも、そのshungo.さんから歌詞の解説をいただいて、「なるほど!」ってなってからは、めちゃめちゃ深いというか、エモいというか。
■エモいんですか?
野元 夢を追って上京してきた人の話なので、自分たちと重なるところがあるんですよ。フェアリーズには、私を含め地方出身のメンバーもいるので。この歌詞のストーリー的には、たとえば東京でダンスやって一発当てようぜ、みたいな感じで仲間と上京して、しばらく東京でがんばっていたけど、途中でその仲間が夢を諦めることを決めるんです。でも自分は諦めずに夢を追ってがんばろう、お互い違う道を進もう、みたいな曲で。
伊藤 深い!
野元 2番の「キャミソールも似合ってきた/背徳感よ」っていう歌詞もエモくて。田舎にいた子供の頃は、キャミソールも似合わないじゃないですか。だけど東京に出てきて、大人の女になって、キャミソールが似合うようになってきた。それは自分の成長を表現すると同時に、東京に染まってしまったことを表していて、それに対する背徳感なんですよね。「私、東京の女になっちゃったな……」みたいな。
■同じことが野元さんにも?
野元 そうですよね……。
林田 いや、本当にありますよ。芋でしたもん。(笑)
野元 さつまいもだったんですよ。(笑)
■鹿児島出身だけに。(笑)
井上 それが東京に出てきて、爪にこんなマニキュアしちゃって。
林田 枝豆みたいな。
野元 ネオングリーンって言ってくれ!
林田 鹿児島のときはネオングリーンとか知らなかったでしょ?(笑)
野元 こういうところですね、染まったのは。(笑)
■井上さんも長崎出身ですけど。
林田 長崎の芋。(笑)
井上 やめてよ!(笑) でも、長崎って、穴が開いた靴下を「じゃがいも」って言うんですよ。
林田 どうでもいい!(笑)
井上 だからじゃがいもとさつまいもだったんですよ……なんの話でしたっけ?
■歌詞がエモいという話を。(笑)
井上 私、エモいという言葉が、よくわかってないんですけど、2番の「先に大人にならないで/本当は一緒にいたい」からの、「ガムを噛んで パチンと割った/素直っていう風船」のところで、いつも切なくなるというか、なんか不思議な気持ちになるんです。
伊藤 本当は一緒にいたかったけど、言えなかったんだろうね。
■林田さんは兵庫ですよね。
林田 まぁ、兵庫の芋でしたね。(笑) 最初の頃はおしゃれとかまったくわからなくて。東京に来たときは109に行きたい、竹下通りに行きたいっていう憧れがあったんですけど、最近は「もう渋谷はいいや……」みたいな。本当に染まっちゃったなって。(笑)
■それが自分たちのストーリーに重ねられるっていうことですよね。
一同 エモい……。
下村 確かにそうですよね……。
■サビの「最後ぐらい 派手にパーティーよ」は、どういう意味なんですか?
野元 それは夢を諦めた人のお別れ会を最後にパーっとやろうぜっていう意味で。
下村 本当は寂しいけど、強がってアゲアゲのパーティーでごまかして、笑顔でバイバイするみたいな。
■みなさんも強がりなタイプなんですか?
野元 りかこ(井上)は強がりだと思う。病院に行きたがらないし、薬も飲みたがらないし、ギリギリまで我慢して、自力で治そうとするんですよ。
井上 それは小さい頃、そういう育てられ方をしたからなんです。
野元 極道かよ!(笑)
井上 違う!違う!免疫力を高めるために。病院の薬は最終手段だったんです。
■逆に甘えん坊なメンバーもいるんですか?
野元 みきみき(下村)はスキンシップ系っていうか、甘えたがりです。
下村 くっつきたいんですよ。
井上 だる絡みみたいなのが多いです。
野元 お尻触ってくるし。
下村 最近、メンバーのお尻を触るのが好きで。
林田 ただの変態じゃん!(笑)
下村 私はお尻があんまりなくて。
野元 なんの話?(笑)
■もう少し感動しそうな話を期待していたんですけど。(苦笑)
伊藤 感動も何もないですね。(笑)